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Arcturus LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORTのグレー(AT-ST01-CQ-GY)とブラック(AT-ST01-CQ-B)のレビュー

記事作成日:2022年10月25日

Arcturus(アークタウラス)製電動ガン、『LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Grey』とLWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Black』を三山商事株式会社様よりお借りしたのでレビューしていきます。

この2丁は共に2万円未満で購入可能な非常に安価なモデルで、レシーバーとハンドガードが樹脂(ナイロンポリマー)で出来ているのが特徴の製品となっています。
また、金属パーツが少ない為重量も軽量である事が特徴となっています。

一般的に樹脂外装製品のデメリットとして成形の精度が悪く歪んでしまったり、柔らかく剛性が著しく低下するという問題がありますが、Arcturusでは高精度な金型を用い、素材も靭性の高いナイロンポリマーを採用する事により非常に高い強度を持っています。

今回お借りした2丁はカラーバリエーションの違い以外同じなので、基本的にはグレーカラーの方でレビューを進めます。
差異がある箇所や気になった所のみ、ブラックカラーを紹介する形になります。

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付属品の紹介

内容物は電動ガン本体とマガジン、フリップアップサイト、ノベルティーのステッカー、コースター、マグネット、クリーニングロッド、ディーンズ→ミニコネクタの変換、取扱説明書、初速証明及び品質保証書です。

LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Grey

ノベルティーグッズ類はArcturus製品ではおなじみの物ですね。
取扱説明書はNY06シリーズと共通の物が入っているようです。
初速証明は銃本体のシリアルNOごとに管理、しっかり個別に計測されています。

ノベルティーグッズ類と変換コネクタ
取扱説明書(図付き、英語表記)
初速証明及び品質保証書

付属のフリップアップサイトはMAGPUL MBUS Gen2をベースに少しアレンジが加えられている物です。

MAGPUL MBUS Gen2には本来付いていない、折りたたんだ状態で使えるノッチサイトが付いています。
展開した時はピープサイト(リアサイトは大小切り替え可能)を使う形になります。

純正マガジンについて

LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORTに付属するマガジンはNY06シリーズに付属している物と同じ、Arcturusオリジナルデザインのポリマーマガジンです。

装弾数は140発/30発。
リアルカウント切り替えに対応したスプリング給弾方式のノーマルマガジンで、グレーモデルにはレシーバーと同色のグレーカラーのマガジンが、ブラックモデルには黒色のマガジンが同梱されています。

尚、グレーのマガジンは単品販売が無いとの事なので、マガジンの色を統一させたい場合は注意が必要です。
ブラックのマガジンは単品販売があります。

給弾口側とマガジンバンパーはそれぞれこんな感じで、フォロワートップが赤色です。
マガジンバンパーはPTS EPMのような形状で、モノポッドとして使う事が出来るデザインになっています。

また、フォロワートップは空の状態で先端が少し飛び出すタイプで、チャンバー内に残るBB弾の数が少なくなる仕様になっている他、マガジン側面に残弾確認用の窓が付いています。

マガジンの前後はこんな感じ。
MAGPUL P-MAGとHera Arms H3Tマガジンを足して2で割ったようなデザインです。

マガジンバンパーを外し、マガジン上部のピンを抜く事でマガジンのアウターとインナーを分離させる事が出来ます。
以前、NY-06をレビューした時はこのマガジンにピンは刺さってなかったのですが、今回はありました。

個体差とかであったり無かったりするのかも知れませんが、ピンがあっても無くてもインナーはしっかり固定される構造になっているのであまり気にする必要は無いと思います。

とりあえずこれでインナーを下に引っ張るとインナーを分離させる事が出来ます。

リアルカウント(30発)切り替えレバーはインナーに付いています。
赤いボタンを押しながら『→30』の印の方向に動かす事でリアルカウントにする事が出来ます。

尚、このリアルカウント切り替えレバーはマガジン内の装弾数がリアルカウントになるだけで、実際は数発チャンバーに残ってしまうので当製品での実際の発射可能弾数は27〜28発程度でした。
他のスタンダード電動ガン用リアルカウントマガジンも同様なので、そういう物なのだと思います。

外観レビュー

LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Blackはパーツ全体が黒色ですが、LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Greyの方は一部パーツが黒色なので、若干ツートーンカラーっぽくなっています。
また、グレーの色味に関しては青系の色が混じった明るめの色となっています。

LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Black
LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Grey

反対側はこんな感じ。

LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Black
LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORT Grey

重量は約2キロ
10.5インチのバレル長があるのにも関わらず、この重量です。

では細部を見ていきます。

フラッシュハイダーは金属製のA2タイプ バードケージハイダー。
全体的にエッジが丸まっていたり、中央にパーティングラインが確認出来る事からそこまで高品質なハイダーでは無いようです。

フラッシュハイダーは14mm逆ネジで固定されており、下部のイモネジを緩めて外します。
ハイダーとアウターバレルの間にはダミーのクラッシュワッシャーとOリングが付いています。

1フラッシュハイダーは金属とは思えない程の軽さだったので、非常に軽量な金属が使われているようです。
たまに金属製なのにめちゃくちゃ軽いフラッシュハイダーってありますよね。

尚、アウターバレルはアルミです。

ハンドガードは若干アレンジが加えられているGEISSELE SMR MK4っぽいデザインの物が付いており、斜め部分には4コマ、左右と下部に3コマのM-LOKポートが付いています。

20mmレールはハンドガード上面、左右の前側と下部の前側に短い物が付いています。
ライトなどを取り付けるには丁度よい位置にあると思います。

ハンドガードの前後は太いですが、真ん中の部分は結構細いので比較的手が小さくてもしっかり握り込める形状のハンドガードとなっています。

基部はこんな感じで2本のネジとナットによってバレルナットにクランプされています。
また、基部にはArcturusのロゴが入っています。

ハンドガードは高靭性を謳っている素材を使っているだけあってかなり硬く、強い力を込めてもヤワさは感じられません。
ただ、全く曲がらないという訳ではなく、力強く構えるとグニッと曲がります。

まあ、そういう構え方をしなければ何の問題も無いでしょう。
スポーツラインってそういう物だと思いますし…。

レシーバーはこんな感じでシンプルなM4A1系レシーバーになっています。
刻印はハンマーピンの上辺りにArcturusのロゴ、CAL. 6MM BBとシリアルNOが入っているだけのシンプルな物で、マグウェル部分は無刻印です。
また、詳しくは後述しますが刻印はブラックの方が目立たないです。

反対側はこんな感じ。

レシーバー上部のトップレールはこんな感じ。

レシーバーを見ていてハンドガードとちょっと雰囲気が違う事に気づいたのですが、ハンドガードの表面はツルツルしていますがレシーバーの方はザラザラしています。
色は同じだと思うのですが、光の当たり方によっては光の反射具合の違いによって違う色に見えます。

マガジンキャッチやボルトリリースボタンは灰色。
マガジンキャッチボタンは電動ガンではおなじみのネジ止め仕様になっています。
尚、ボルトリリースボタンはボルトのロック解除に使用する為、稼働します。

マグウェル部とマガジンを挿した状態はこんな感じ。
大きなガタツキも無く、タイト過ぎず丁度よい感じで抜き差ししやすいです。

ロアレシーバーに入っている刻印は黒とグレーでだいぶ印象が違っています。
というか、黒はレーザー刻印、グレーは転写シール?で白色になっています。
この違いにより、黒レシーバーの方はあまり目立ちませんが、グレーは結構はっきり見えます。

セレクターレバーは片側のみの仕様、右側はSEMIの状態で固定されています。

トリガーはシンプルな三日月状、トリガーガードも普通の形状です。
尚、マイクロスイッチメカボックスが採用されている事もあり、トリガーフィーリングが少し独特です。

最初のうちは非常に軽いのですが、ある程度引くとマイクロスイッチにトリガーが接触、急激に重くなります。
重くなったタイミングで更に引くと「カチッ」とスイッチが押される感触と音が鳴ります。

グリップはこんな感じで、NY06シリーズで採用されたArcturusオリジナルデザインの物が付いています。
見た目はMAGPULとBCMを足して割ったようなデザインで、大型のビーバーテールや程よい丸みもあって握りやすいグリップです。
グリップ底部にはモーター位置調整用のネジが付いています。

エジェクションポート周りはこんな感じ。
スチールプレスで作られたダストカバーが付いており、ボルトを後退させる事で開きます。

また、ダミーボルトをオープン状態で保持する機能も付いており、チャージングハンドルを目一杯引くとボルトがカチッとロックされ、HOP-UP調節ダイヤルにアクセスしやすくなります。
HOP-UPチャンバーはドラム式で無段階調節が可能なタイプです。

ケースリフレクターはこんな感じで成型の都合状なのか2つのパーツに分かれていました。

チャージングハンドルはシンプルな形状をしています。
ロック解除レバーに滑り止めのチェッカリングなども無くツルッとしています。

ストックチューブ基部はこんな感じで、CQDスタイルのスリングスイベル付きエンドプレートが付いています。

ストックはNY06シリーズから採用されたArcturusオリジナルデザインの物が付いています。
このストックはワンタッチでバッテリースペースにアクセス出来るのが特徴となっています。

ブラックバージョンは全体が黒色ですが、グレーバージョンに関してはロックレバーやバットプレート、ストック下部などが黒色とツートーンカラーになっています。
尚、バットプレートはラバーで出来ており、滑り止めのチェッカリングとArcturusのロゴが入っています。

ストック後部にはQDスイベルホールが付いています。
尚、スイベルホール内側は金属になっておりしっかり補強されています。

バットプレート真ん中のツマミはバットプレートのロック機構になっており、90度回転させた状態でバットプレートを引っ張るとバットプレートを開き、バッテリーを収納出来るようになります。
バッテリーコネクタはディーンズコネクタ、配線はテフロンコードになっています。

ストックチューブは金属製で6ポジション。
窪みの間隔は等間隔です。

尚、ストックチューブ内の奥の方にはFETが確認出来ました。
逆に物理ヒューズは確認出来ません。
NY06と同様の仕様になっているようですね。

箱出し状態の初速と発射サイクルについて

という訳で、箱出し状態の動作を見ていきます。
検証に使ったバッテリーはSFA 7.4V 1000mAh 25C-50C LiPoバッテリーで、変換コネクタを使って接続しています。
使用弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾、マガジンは純正マガジンです。

HOP無しの状態の初速はこんな感じで、85m/s〜87m/s程度と少しばらつきが大きい感じがしました。
突起の具合を弾棒を使って確認した所、全く突起が出ていない状態でしたが弾ポロが起きる事は無く、HOPパッキンの口でしっかり保持されているようでした、

HOPを掛けていくと初速が安定していきます。
初速が安定するようになると87m/s〜88m/s程度で安定します。

更にHOPを強くしていくと少しずつ初速が下がっていき、HOP最大の状態では81m/s〜82m/s程度まで落ちました。
ただし、弾詰まりのような症状も無く初速もそれなりに安定していますね。

フルオートの発射サイクルはこんな感じで、秒間13.8発でした。
尚、HOP量は最大初速が出るように調整しており、バラツキ具合はセミオートの時とほぼ同じ感じで安定していました。

尚、一応ブラックモデルでも差が無いかをチェックしておきました。

結果、同条件で計測してグレーモデルよりも最大初速が1m/s程度高めに出る事が分かりました。
まあ、これはパーツの個体差とかで生じる差でしょうね。

最大初速状態でのセミオート
最大初速状態でのフルオート

尚、グレーもブラックも工場出荷時点でちゃんと組み立てられているようで、気になるようなキアノイズも無くスムーズに動いていました。
箱出し状態の作動性は特に文句の無いレベルだと思います。

実際、NY06を分解した時も動作に支障をきたさない程度にはシムが入っており、グリスも程よい粘度の物が入っていたので、Arcturusの組み込み品質はかなり高そうな印象があります。


という訳で、Arcturus LWT MK-Ⅰ CQB 10″ AEG SPORTのグレー(AT-ST01-CQ-GY)とブラック(AT-ST01-CQ-B)のレビューは以上になります。

結構色々なパーツがNY06シリーズからの流用で、安価なモデルにも関わらずFETやマイクロスイッチが搭載されているなど、なかなか気合の入ったパーツ構成のような印象があります。
また、モーターの立ち上がりも良い感じなのでもしかしたらモーターも良いのが入っているかも知れないですね。
これは割と期待出来ます。

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