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マルシン モデルガン組立キット M9A1 ヘビーウエイトを購入、弄りながら組み立てをしていきます

記事作成日:2023年5月29日

どうせ好きな形に弄るなら組み立てキットを買った方が良いのでは?と思ったので、今回はマルシン製モデルガンの組立キット M9A1を買ってみる事にしました。
ずっしりとした重量感が欲しかったのでヘビーウエイトの物を選択しています。

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箱を開けるとこんな感じで、スライド、フレームの他に各パーツがバラバラになった状態で袋詰めされ、テープで箱に貼り付けられている状態になっています。
説明書は組立キット用の物が入っています。

特に「このパーツはこれ」みたいな印や番号も無いので、ジャンク品をかき集めて1丁組み上げる感覚に近いです。

内容物について

スライド、バレル、インナーシャーシ、グリップ、グリップパネル、マガジンなどは仮組みされた状態になっています。
この辺りは大きめなパーツなので「どういう部品なのか」は一目瞭然なのですが…。

細々したパーツはこんな感じで割りと雑に袋詰されている事もあり、どのパーツがどこに組み込まれるのかがぱっと見で分かりません。
特に小さなピンとかバネとかは非常に分かりづらいですね…。

とは言え、組み立てながらピンやスプリングの長さ・太さを見たり、スプリングに関しては硬さが異なっていたりするので「ここにはこれくらいの硬さのスプリングが必要だろう」という感じで組んでいけば特に困る事は無いと思います。
逆にそういう感覚が分からないと難易度は飛躍的に上がってしまう気がします。

というのも、説明書にはパーツリストが書かれていますしパーツ番号も入っており、組み立てマニュアルにもパーツ番号が書かれているのですが、パーツ自体には番号は振られていないのでこのパーツ番号、組立時には全く役に立たないんですよね…。
何となく大きさとか太さとかで察する必要があります。

 

また、このキットを組み立てるにはパーティングラインを仕上げたりする必要がある上にすり合わせ調整を行う必要もあるので、それなりに工具が必要になります。

カートリッジ周りはこんな感じで、メンテナンスに使用するL字レンチと共に同梱されています。
尚、付属のレンチだけでは組み立てを行う事は出来ません。

各パーツの細部を見ていきます

という訳で、各パーツの細部を見ていきます。
まずはスライド側。

スライドの左右には刻印が入っており、共に打刻になっています。
尚、刻印はリアルな物ではなく、BERETTAの文字がなくなっていたり、PBロゴがMKロゴになってたりとアレンジが加えられています。

スライド内側には切削時のバリや削りカスが残ったままになっているので、軽く磨いてやる必要があるでしょう。

削りカスが溝に挟まっている
エッジがザラザラ
削りカスが残ってる

尚、ファイアリングピンとブリーチはスライドに接着されており外す事が出来ない仕様になっています。
まあ、剥がせば外れるんですが…。

続いて、シャーシを見ていきます。
スライド側には気になるようなパーティングラインは確認出来なかったのですが、シャーシ側は中々凄いです。

まず、20mmレール部分にはランナー跡とパーティングラインがガッツリ残っています。

刻印はこんな感じ。
スライドと違ってこちらの刻印は整形ですね。

また、トリガーガード内側のバリも凄いです。
0.2mm飛び出していますが、中央ではなく片側に付いているのでまだ修正はしやすいですね。
中央だと削るの大変ですが、ここなら楽でしょう。

内側にバリがある
こちら側にはバリが無い

グリップ後部にもしっかりパーティングラインが入っています。

グリップ取り付け基部にはネジ山が彫られているのですが、ヘビーウエイトにネジ山は強度的にどうなのか…。
怖いのであんまりトルクは掛けない方が良いでしょう。
尚、グリップパネルに隠れる部分にSTGAの刻印が入っています。

ちなみに、スライドとグリップ側を合わせると質感がだいぶ違っている事が分かります。
同じヘビーウエイトなのですがスライド側はざらついています。
スライド側にはパーティングラインも見当たらなかったので、パーティングラインを処理した跡ブラストでも掛けてるのでしょうか。

グリップパネルは樹脂製でBERETTA風ロゴが入っています。
裏側には重りを入れる事が出来そうな窪みがあります。

バレルもパーティングラインとランナー跡が付いているので、加工は必要ですね。

バレルには金属インサートが埋め込まれています。

バレルにはPBロゴが入ってます。
ここはMKじゃないんですね。

マガジンはこんな感じ。
防錆コーティングを再現しているのか、白銀色になっています。
材質はスチールで、溶接跡もしっかり入っています。

刻印はこんな感じ。

パーツのバリ取り、加工

という訳で、こちらのM9A1を加工しながら組み立てていきます。

まずはバレルを短くしたかったので先端をカット、段差を付けつつバリ取りを行いました。

これでM92系のコンパクトモデルのバレル長になりました。
金属インサートに手を加えずに加工出来るので良いですね。

続いて、スライドにフロントセレーションを追加しました。
この加工は最初手作業で行おうと思っていたのですが、ヘビーウエイトが思いの外固くて大変だったのでフライスを使う事にしました。
1mmの溝を0.8mm刻みで20本入れないといけないので、最初からフライスを使えば良かったです…。
手作業で加工した部分をパテ(ジーナス GM-8300)で埋めたのでだいぶ汚くなってしまいました。

やっぱり機械加工に勝る物は無い。

グリップはランナー跡を除去した跡、カッターナイフとヤスリを使ってパーティングラインを削りました。

塗装とパーツの組み込み

一通り準備が出来たので塗装を行います。
今回は黒色とシルバーのツートーンカラーにしたかったので、2種類の塗料を用意しています。
まず、シリコンオフで脱脂した跡にミッチャクロンを吹くのはいつも通りですが、その後黒色にしたいパーツはニッペの耐熱用スプレーを吹いた後、同社のアルミカラースプレーの黒を吹きました。
シルバーにしたい部分は今回おとなしめのシルバーにしたかったので、デイトナのマットビュレットシルバーを用意しました。

下処理の定番
耐熱用スプレーでザラつきを作り、アルミカラースプレーで黒くしたかった
色々調べた感じ、好みの色味だったので選択

という訳で、最初にグリップの塗装を行ったのでグリップ側のパーツから組み込んでいきます。

単なる黒色じゃなくてこのザラザラとした感じを作りたかったんですよね。
なので、粒子が粗目の耐熱用スプレーと併用しました。

ハンマースプリングキャップに付いているランヤードは不要なので削り飛ばしました。

パーツの組み込み自体は説明書通りやれば特に大きな問題はありませんでした。
すり合わせ調整に関しては「ちょっと渋いな」と思った部分を削る位ですね。

一通り組み上がったらハンマーとスライドストップの動作を確認。

グリップパネルは付けたいパーツがあったので、一旦無しの状態で組み立てを進めます。

スライド側もグリップ側と同じ色で塗装しました。
フライスで加工したお陰でフロントセレーションも割と綺麗に出来て良かったです。
次やる時は手削りじゃなくて最初からフライス使おう…。

バレルはシルバーにしたかったので、シルバーにしました。
マットビュレットシルバー、やっぱり良い色です。

エキストラクター、セーフティレバー部に赤いインクを流し込みました。

フロントサイトとリアサイトにはホワイトドットを入れました。
リアサイト側、ちょっとミスって汚くなっちゃいましたがリアサイトに関しては追々別の物に変えようと思っているのでまあいいや…。

Pachmayr G10グリップの取り付け

グリップパネルはG10にしたかったので、Beretta 92FS用のPachmayr G10 タクティカルグリップを購入しました。
色はOD/Blackです。

このようなデザインのグリップパネルで、ODと黒のツートーンカラーになっています。

マルシン M9A1への取り付けは加工無しでドンピシャでした。

ネジ固定無しの状態でも隙間無くしっかり取り付ける事が出来ています。

グリップパネル固定ネジもシルバーに塗り、取り付け、

完成したM9A1カスタム

という訳で、マルシン M9A1はこんな感じになりました。
イメージはBeretta M92Gなんですが、色々とオリジナルのアレンジが加わってる上にハンマーやマガジンキャッチの形状が異なっているので厳密にはM92Gでは無い何かになりました。

スライドの刻印もそのうち入れようと思っていますが、まだ入れてないです。
こういうのよくやるなら刻印機も買いたいなぁ…。

ホールドオープン状態だとこんな感じ。
尚、リコイルスプリングガイドもスライドと同じ色にしています。

マズルはこんな感じ。
個人的にM92系のバレルは短い方が好きです。

フロントセレーションもいい感じ。
ただ、最初からフライス使ってればもっと綺麗に出来た事を考えると残念で仕方がないです。

エジェクションポートはこんな感じ。
エキストラクターに入れた赤色がちょっとしたアクセントになっています。

パックマイヤーのG10グリップもおとなしめの色味なので、合ってると思います。

カートリッジの組み立て

最後にカートリッジの組み立てを行いました。
マルシンの9mmカートリッジはこのような感じになっており、薬莢部分が二分割になっています。

カートリッジ内のプラグとプライマーにOリングを取り付けていきます。
Oリングの取り付けが地味に面倒くさい…。

マガジンに装填する前にマガジンのリップ部のバリを落としておきました。
これは以前タナカ P228を弄った時にも行った加工ですが、このバリを減らす事でカートリッジに変な傷が付きにくくなります。

装填するとこんな感じ。
付属のカートリッジが5発しか無いのでフルロードは出来ませんが残弾確認の穴のチェックは出来ます。

マガジンを銃に挿すとこんな感じ。
排莢時にはしっかりエキストラクターがリムを噛み込んでいる事が分かります。

動作の様子はこんな感じ。
各動作はすべて快調、排莢もしっかり行えています。

そのうちまた発火させに行きたい所です。

マルシン M9A1のギミックについて

軽くギミックについても紹介します。
まず、エキストラクターですが装填されている状態だとエキストラクターが飛び出すので、未装填か装填済みかを確認する事が出来ます。

未装填状態
装填済み

トリガーの動き合わせて、リアサイト上部のファイアリングピンブロックが動きます。

トリガーを引いていない状態
トリガーを引いた状態

セーフティレバーはデコッキングレバーになっています。
フルコック状態でセーフティレバーを動かすとハンマーダウンします。
尚、セーフティレバーを回す事で実銃同様ファイアリングピンとの連動が解除されるので、物理的に発火しないようになっています。


という訳で、マルシンM9A1の組み立てとカスタムは以上になります。
たまにはこういう加工も良いですね。
単純に部品を組み立るだけで完成するような優秀なパーツが増えている昨今、単純に組み立てただけでは完成しない物をあれこれ試行錯誤しながら組み立てていくのは新鮮で楽しいです。

組み立てに関してはだいぶ端折りましたが、正直細かな調整が多く、何度か組み立てをやり直したりしている上に「このパーツはここかな?」と憶測だけで組み立てを進めていたので記事化し辛かったんですよね…。

とは言え、説明書通りに組み立てれば問題は起きなかったので、結局端折りました。

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