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アーチェリー専用レティクル搭載のEoTech 520 HOLOgraphic Archery Sightのレビュー

記事作成日:2023年6月1日

まだBushnell名義でホロサイトが発売されていた時代のEoTech 520 HOLOgraphic Archery Sightの中古を見かけたので買ってみました。

見た目は初期型EoTechホロサイト(Bushnell Gen2 ホロサイト)と同じですが、レティクル形状がアーチェリー用になっている、EoTech 520という特殊なモデルなのが特徴です。

この形状の初期型ホロサイトは細かなバリエーションの違いもあって大分ややこしいんですがその昔、このタイプの箱型ホロサイト(ミニ・ホロサイトとも呼ばれる)はEoTechが製造を行い、BushnellとEoTechがそれぞれの名義で発売してました。
後にBushnellは撤退、以後EoTechが販売を続けています。

上部はこんな感じ。
このホロサイトはハウジング全体が樹脂で出来ています。
現行品のEoTechホロサイトからアルミ製の保護カバーを外したような形状です。

ハウジング前側、バッテリーケース部分に初期EoTechロゴが入っています。

バッテリーケースは現行品のEoTech 55x系と同じ構造で、レバーでロックされています。
レバーを起こすとバッテリーケースを外す事が出来ます。

電池は単5サイズを2本使用します。

ハウジング右側面にはエレベーテーションダイヤル、ウィンテージダイヤルが付いています。
このレイアウトは今の同社製ホロサイトと同じですね。
また、エレベーテーションダイヤルの下にはトルクスネジが付いていますが、何を固定しているネジなのかはよく分かりませんでした。

エレベーテーションダイヤルの下にトルクスネジが付いている

尚、古い個体のBushnellホロサイトにもここにネジが付いていますが、この個体と同じトルクスネジな場合もあればマイナスネジの場合もあったり、ネジが付いておらず穴が埋められている個体もあるようです。

輝度調整ボタンはこんな感じでNVモードは無く、輝度の上げ下げのみのシンプルなボタンです。
ボタンは「カチッ」としっかりしたクリック感があります。

マウント基部はこんな感じ。
ここに貼られているステッカーを見ると2000年10月製造のようです。

マウントベースへの取り付けは側面のネジを締め込んでクランプする仕様となっています。
尚、このネジ頭はインチサイズです。

レンズの状態について

レンズはこんな感じでホロサイトらしい透明度が非常に高いレンズが付いています。

対物レンズはハウジングに対してフラットな位置ですが、接眼レンズ側は奥まった位置に配置されています。
この辺りのレイアウトも今のホロサイトと同じですね。

尚、古い製品という事もありレンズの劣化(アメーバ)が確認出来ます。
普通に覗く分には全く気にならないレベルなので、個人的にはこれくらい全然問題無いと思っています。

上側のアメーバ
下側のアメーバ

覗いた時の様子とレティクル形状について

覗いた時の様子はこんな感じ。
僅かにレンズが曇っていますが、全然綺麗です。
この通り、真っ直ぐ覗く分にはアメーバも気にならないです。

レティクルを点灯させるとこんな感じで、ホロサイトではおなじみのサークルレティクルの外側に大きな円が描かれている他、右側に距離を計測する為の目盛りが付いているという、かなりユニークなレティクル形状となっています。

覗いたときの様子
レティクル部の拡大

この2つの円は視点を動かすとズレます。
アーチェリー用光学サイトでよくあるレティクルとして、真っ直ぐ構える事が出来ているか(光学サイトを真っ直ぐ覗く事が出来ているか)を直感的に確認する為に「これだけズレてるよ」というのを表す物がありますが、このレティクルもそういう使い方をするのかも知れません。

恐らくこのレティクルもそういう仕様の物で、大きな円の中央にサークルレティクルが表示されていると「真っ直ぐ覗けている」という状態なのだと思われます。

尚、マグニファイア(EoTech G43)越しに覗くとこんな感じに見えます。
ちょっと情報量が多すぎるというかレティクルがデカすぎて使いづらいですし、ホロサイトとマグニファイアの位置を完全に合わせないと円がズレるのであまり良くないです。

パララックス検証

という訳で、いつものパララックス検証を行っていきます。
まずは2m先のディスプレイを真っ直ぐ覗いた時の様子から。

この状態から視点を上下左右に動かします。
アメーバとレティクルが重なると滲んでしまいますが、パララックスに関してはレンズの大きさから考えるとギリギリ許容範囲内でしょう。
これに関しては現行品のEoTech製品の方が優秀な印象を受けます。
何が変わってるのか分からないんですが…。

レティクルの動きに関しては動画の方が分かりやすい気がしたので、動画でも撮ってみました。
2つのサークルが別々に動くの、面白いですね。

スコープとドットサイトを合体させたような製品だったり、Leupold Mark8(だっけ?)のレティクルで真っ直ぐ覗けていないとレティクルが正しく見えない仕様の製品と似た感覚ですが、それよりも明らかに動きが激しいので見てて面白いです。


という訳で、EoTech 520 HOLOgraphic Archery Sightのレビューは以上になります。
古い製品というのに加え、ニッチな製品でもあるので情報が全然無いので、どの程度の期間作られていた物なのかもよく分からないのですが、とりあえず面白い光学サイトを購入する事が出来て良かったです。

尚、現行品はアーチェリー用ではなくクロスボウ用の『EOTECH HWS 512 XBOW』という物が存在します。
これがEoTech 520 HOLOgraphic Archery Sightの後継機種的な位置づけなんでしょうかね。