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ARCHWICK B&T Air SPR300 PRO エアーコッキング ボルトアクションライフルの開封レビュー、グルーピング計測

記事作成日:2023年6月5日

ARCHWICK製エアーコッキング ボルトアクションライフル、『B&T Air SPR300 PRO』を購入しました。
一応予備マガジンも1本購入。

こちらはB&T社のエアソフトブランド、B&T Air製品の第一弾となる製品で、ARCHWICKが製造を行っています。
ARCHWICKは以前Accuracy International MK13/MK13Cをモデルとしているエアーコッキング ボルトアクションライフルを製造しており、同じVSR10ベースという事もありB&T Air SPR300 PROの高い精度に期待して購入しました。
尚、分解して分かった事ですが、VSR10のパーツとの互換性は殆無いと思った方が良いレベルです。
構造がVSR10に似ているってだけですね。

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尚、当記事では普段の開封レビューに加えてグルーピング検証結果も一緒に記載しているので、普段よりも記事のボリュームが増えております。
ご了承下さい。

内容物、付属品について

箱を開けるとバレル、ストック、ボルト、レール部分が分解された状態で入っているので、使うにはまずこれらのパーツを組み立てる必要があります。
そこまで難しい組み立て手順ではありませんが、組み込み時に軽くグリスを塗布したりちょっと癖のあるネジの取り付けをしないといけなかったりするので、ライトユーザー向きな構成では無いですね。

説明書には日本語で注意事項が記載されている他、組み立て手順や基本的な操作方法などが写真つきで掲載されています。
工具も一通り付属するので、分解・組み立てに慣れているならこの手順通りに組み立てれば困る事はありません。
また、最後のページには分解図も載っています。

とりあえず箱からパーツを取り出して組み立てていきます。
尚、六角レンチとスプリングガイドストッパーはB&T AIrのロゴが描かれた箱に入っています。

各パーツを軽く見ていきます

という訳で、組み立てる前に箱から取り出したパーツを見ていきます。
詳細な内部パーツのレビューに関しては追って記事にする分解レビュー記事の方で紹介します。

バレル

実銃ではサプレッサーを兼ねている事もあり、非常に太いバレルになっています。
Gスペックのブルバレルよりも一回り太い外径35mm(Gスペックは30mm)です。

チャンバーはActionArmy製っぽい見た目の赤色アルマイトが掛かったCNC削り出しのアルミチャンバーが付いていますが、MK13の時と同様にARCHWICKのアレンジが加えられているようです。
というか、ActionArmyのVSR10用チャンバーとARCHWICKのVSR10用チャンバーの設計者って同じ人らしいですね。

チャンバーとシリンダーヘッドのクリアランスを潰しつつピストンヘッド衝突時の衝撃がチャンバーに伝わらないようにダンパーが付いているのもユニークです。
自分はよくノズルにOリングを取り付けてクリアランス潰しを行っているのですが、ドンピシャな寸法が出せるならこっちの方が理想形ですね。

チャンバーにゴムパッキンが付いている

HOP調節ダイヤルはチャンバー上部、アウターバレルの外側に付いています。
このダイヤルを回す事でHOPアジャスターを無段階で動かす仕様で、MK13の時はイモネジでした。

バレル基部はこんな感じで装着時にバレルをロックする為の溝が付いています。

フロントレール

オプションパーツではありますがB&T SPR300 PROにはサーマルビジョンやナイトビジョンをタンデムする為のフロントレールが付いています。
それがこちらです。

※長細いネジはレール用ではなく、アウターバレルの固定用ネジ

長いトップレールと光学サイトを取り付ける為と思われる短いサイドレールが左右に1枚ずつ取り付ける事が出来ます。

尚、レール自体はアルミ製ですが、マウント部分は樹脂製です。
重い光学機器を取り付けるにはちょっと頼りない感じがしますし、負荷を掛けると普通にたわむので、ゼロインが狂う可能性がありそうです。

ボルト

ボルトはこんな感じで、ステンレス製のシリンダーヘッドとスチール製のシリンダーという構成になっています。
ボルトハンドルもスチールで出来ており、全体的にずっしりしている上に硬いです。
また、VSR10のシリンダーよりもちょっと太いです。

ノズルはこんな感じで先端がR面取りされています。

内部のピストン、スプリングなどを外してみました。
尚、シリンダーヘッドは分解防止などはされておらず、モンキーレンチを使えば簡単に外す事が出来ます。

シリンダーヘッドはこんな感じ。
エアーの通り道には滑らかなテーパー処理が施されています。

ピストンは短いエアダンパー付きのカップ型ピストンです。

シアーが引っかかる部分はステンレスで出来ており、90度仕様になっています。

重量は55gとそこそこ重め。
しっかりエアーを圧縮する事が出来そうな構成となっています。

スプリングガイドとピストンスプリングはこんな感じ。
スプリングガイドにはスラストベアリングが付いており、シャフトの太さは9mm
ピストンスプリングは外径12mmの太径仕様になっています。

シャーシ・ストック

ストックはこんな感じで、トリガーやグリップなどは付いた状態になっています。

シアーはこんな感じで恐らくスチール製ですね。
ピストンの形状に合わせて、90度シアーになっています。

ストックのロックボタンはヒンジの反対側に付いており、このボタンを押しながらストックを動かすと展開する事が出来ます。

ストック前側にはテープでパーツが抑えられています。
どうやらアウターバレルのガタ取り用のスペーサーが固定されていたようです。

マガジンというか給弾ルートはこんな感じでVSR10のマガジンの形状になっています。
こうする事で、専用マガジンとVSR10互換マガジンの共用を可能にしているわけですね。

マガジン形給弾ルートはこんな感じの形状をしています。
後ろ側に穴が空いており、SPR300用マガジンから出たBB弾がこの穴に入り、チャンバーまで流れていきます。

マガジン

マガジンはVSR10系のARCHWICK製マガジンと、SPR300専用マガジンが1本ずつ付属します。

ARCHWICKのVSR10タイプマガジン装弾数50発。
尚、東京マルイ VSR10と微妙に形状が異なるので、VSR10で使うには加工が必要です。
本当にコンマ数ミリの差なのですが、無理に挿し込むと抜けなくなってしまうので、注意が必要です。(経験済み)
逆に東京マルイ VSR10のマガジンをARCHWICK製品で使うと緩くて抜けそうになります(脱落事もありますが、絶妙に引っかかって脱落しない事もある)

B&T Air SPR300 PRO用マガジンはこんな感じで、装弾数は50発。
側面に「300 BLACKOUT」と刻印が入っている、クリアマガジンです。
尚、マガジンバンパーの色は茶色。
黒色のモデルを買っても、予備マガジンを買っても、マガジンバンパーの色は茶色です。

リップ側に磁石が付いているのが特徴
300 BLACKOUTの表記
マガジンバンパーは茶色

B&T Air SPR300 PRO用と給弾ルートを組み合わせるとこんな感じになります。
実際は間にストック側のパーツが挟まるので厳密にはこうなる訳では無いのですが、こんな感じでリップから飛び出した弾が給弾ルートを伝ってチャンバーに弾が送られていきます。

その他、小袋に入っている工具類

スプリングガイドストッパーと組み立てに使用する六角L字レンチはこんな感じ。
独特な形状のスプリングガイドストッパーが付属しています。

B&T Air SPR300 PROを組み立てていきます

という訳で、B&T Air SPR300 PROを組み立てていきます。
まずバレルとレシーバーを取り付け、レシーバーのネジを締め込んでいきます。
尚、バレルとレシーバーを取り付ける最にはシリコンスプレーを軽く吹きかけてあげた方がスムーズにバレルがレシーバーに挿し込めます。

チャンバーを固定するネジを締め込む
基部の緩み止めのネジを締め込む

チャンバーを固定するネジを締め込む場合、ネジ穴の位置がストックの穴とドンピシャな位置になっていないといけないので、注意が必要です。
また、基部側のネジを締め込む前にチャンバーを固定するネジを締め込む必要があります。

続いて、レシーバーに付いているスイッチ(ボルトが閉鎖状態の時に押されるスイッチ)とトリガーを引きながらボルトを差し込んでいきます。
この時もボルトハンドルにシリコンスプレーを塗布しておいた方が良いと思います。

続いてスプリングガイドストッパーをトリガーガード前側の穴に差し込みます。
このように、SPR300 Proのスプリングガイドストッパーはトリガーガードの一部のようになります。

続いてにマガジンを差し込んでいきます。
VSR10系マガジンを使う場合は給弾ルートは入れなくて良いですが、今回はSPR300 Pro用マガジンを使う想定なので、給弾ルートを取り付けました。

尚、給弾ルートパーツを外す際は一応…というか頑張れば分解せずとも取り外す事が出来るものの、隙間に爪を差し込んでこじったりしてめちゃくちゃ大変なので分解して外した方が楽ですし速いと思います。

その為、例えばゲーム中に「SPR300 Pro用マガジンの弾が切れたからVSR10のマガジンを使おう!」と思っても瞬時には切り替える事が出来ないので、そういう用途を考えているなら諦めた方が良いと思います。

SPR300 Pro用マガジンを取り付けるとこんな感じになります。

最後にフロントレールの取り付けです。
これはネジ穴の位置を合わせてレールパネルと一緒に取り付けるだけですね。

という訳で、これでB&T Air SPR300 PRO エアーコッキング ボルトアクションライフルの組み立ては完了です。

組み立て後の外観レビュー

では組み上がったB&T Air SPR300 PROの外観を見ていきます。

サプレッサーにもなっているバレルは非常に太いです。
尚、B&T Air SPR300 PROも一応その機能が備わっており、アウターバレル先端59mmほどが消音用のエアーを吸収する為のスペースになっています。

ストック前側にはQDスイベルホールが付いています。

ストック底部にはM-LOKスロットが1つ、側面にはサイドレールとM-LOKスロットが1つ付いています。
このM-LOKスロットは金属パーツでの補強が行われていないので、あまり負荷の掛かるアタッチメントは付けない方が良いでしょう。

上面レールはこんな感じで、レシーバー側のトップレールと繋がっています。

尚、このレシーバーのつなぎ目は若干の隙間が開いています。
不具合とか整形不良とかではなく、元々実銃でも開いている物なので、仕様なのですがレールのつなぎ目はビタビタな方が良い派の人はちょっと嫌な要素かもしれないですね。

HOP調節ダイヤルはここに付いています。
フロントレールを付ける事でだいぶ操作性が悪くなりますが、一応操作は可能です。
ただし、厚めのグローブを付けていると操作は非常に難しいでしょう。

バレルとレシーバーにはB&Tのロゴとシリアル、製品名と使用弾薬についての記載が入っています。

マガジンはこんな感じ。
マガジンキャッチボタンはアンビ仕様で、操作性は同社のARP556やAPC9系によく似ています。

マグウェル内側はこんな感じ。
給弾ルート内の弾を排出する為のレバーが確認できます。

トリガー、グリップ周りはこんな感じ。

トリガーはこんな感じ。
なんというか、これだけでもかなり独特な見た目をしている気がします。
めちゃくちゃ角度ついてる…。

また、恐らくトリガーの調整機構は内部に備わっているとは思いますが、それは分解レビューの時に確認します。

グリップにはB&Tの刻印が入っています。
また、グリップ底部の蓋は開ける事が出来ます。

グリップを握るとこんな感じ。
ちょっと私の手の大きさだとトリガーが遠いですがめちゃくちゃ操作しにくいほどでは無いです。
また、親指を回り込ませずに握ればいい感じにトリガーを引く事が出来ます。

ボルトハンドル周りはこんな感じ。

ボルトハンドルの脇にセーフティレバーが付いており、後ろ側に倒せばセーフ状態、前側に倒せば発射可能状態となります。
尚、セーフ状態ではトリガーは引けますがシアーが開放されません。

ボルトハンドルはL96のように先端に玉が付いています。
このハンドル、操作しやすくて好きなんですよね。

ボルトを後退させるとこれくらいの位置でシアーが掛かります。
尚、バットプレートが付いている都合上、親指を添えてボルトハンドルを引くと挟まって痛いです。

昔ながらの引き方をしている人は注意が必要ですね…(もうこのスタイルが染み付いてしまって、戻れない…痛い…)

尚、ボルトハンドルとストックの間にはボルトハンドル用のガイドみたいな物が付いています。

尚、レシーバー左側にボルトロックボタンが付いていますが、これはダミーです。
一応スプリングが組み込まれているようで、押したら動きます。

ストックの根本部分にもQDスイベルホールが左右に付いています。

ストックはこんな感じ。
冒頭でも紹介しましたが、ストックのロックボタンはヒンジの反対側に付いており、このボタンを押しながらストックを操作する事でストックを畳んだり展開したりする事が出来ます。

ストックのシャフト部は金属、チークピースは樹脂、バットプレートはゴムで出来ています。
バットプレートのグリップ力や硬さは程よい具合で良い感じです。

チークピース側面のネジを緩める事で、チークピースの高さを調整する事が出来ます。

高くしたり、低くしたり、角度を付けたりする事が出来ます。
体格や射撃姿勢、光学サイトの高さなどに合わせて調整するのが良いでしょう。

また、このチークパッド調節ネジを外す事で、ストックの長さを調整する事も可能です。

箱出し状態での初速について

という訳で、箱出し状態での初速を測っていきます。
慣らしも兼ねて1マガジン(50発)ほど撃った後での計測結果で、使用したBB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

結果、初速はHOP最低の状態がもっとも高く、8発撃って95.2m/s〜94.3m/s(平均94.7m/s)でした。
HOPを強くしていくと徐々に初速が下がっていく仕様ですね。

HOP最低の状態での
撃つたびにHOPを強くしていった結果

動作や発射音などはこんな感じ。
めちゃくちゃ静かな訳では無いですが、破裂音は抑えられていますしピストンの打撃音も控えめな方だと思います。

ちなみにマガジンが空であっても弾が残っていても、マガジンを抜くと1発弾がこぼれてきます。
また、給弾ルート内部には27発の弾が残っていたので、初回装填時は50-27-1の22発しか撃つ事が出来ないので注意が必要です。

ARCHWICK Accuracy International MK13Cと並べてみた

せっかくなので、同じARCHWICK製品同士を並べてみました。
サプレッサーを外せばMK13Cの方が短いですが、サプレッサーを付けるとMK13Cの方が長いですね。

スコープの取り付けについて

という訳で、スコープを取り付けます。
スコープは元々SPR300 PROに組み合わせるとカッコいいのでは?と思って買ったUnity Tactical FAST LPVO Scope Mount 30mmタイプレプリカ+NOVEL ARMS ABSOLUTE 31042 IR 3-10×42の組み合わせがあるので、それを取り付けてみました。

うん、いい感じ。

箱出し状態のグルーピング検証

先日、超久しぶりに30mチャレンジが行われたので一応持っていきました。
射撃姿勢はいつもの三脚+シッティング。
ホグサドルにストックを挟み込んで固定しています。

とりあえず、 0.28gでどの程度行けるか見てみました。
出来ればスペリオール0.28gを使いたかったのですが、手持ちも無く流通在庫が不足している事から購入するにもかなり値段が高い状態だったので、BLS 0.28g バイオBB弾を使用する事にしました。

0.28gくらいであれば普通に浮かす事が出来る程度のHOPを掛ける事が可能でしたが、弾の問題でやたらとフライヤーが多発、結局これは記録にはしませんでした。
まあ、連続で当たる時はソコソコ当たるんですが…30発撃ってる間に突然凄い変化球が飛び出すんですよね…。
尚、0.28gの適正HOP状態での初速は80.61m/s(0.91J)でした。

会場が明るすぎて液晶がだいぶ見づらいのはご了承下さい…

適当に金属ターゲットを狙った時の様子はこんな感じ。

この時狙っていた金属ターゲットのサイズはこれくらい。
だいたい幅150mm、高さ200mm位のサイズの物です。

また、記録を出し終わった人からGAW 0.43gを貰って、このターゲットを狙って居たら結構当たっていたのでとりあえず10発x3回の射撃を行ってみる事にしました。
尚、0.43g使用時は適正HOPにする事は出来ず、だいぶ射角を付けて撃つ事になります。

初速は66.92m/s(0.963J)でした。

会場が明るすぎて液晶がだいぶ見づらいのはご了承下さい…

金属ターゲットを撃っていた時はこんな感じ。

度々外しますが、手持ちという事もあると思います。
「0.43gだとどんな感じだろう」って思って撃っていただけなので、大分雑に撃ってます…。

結果はこんな感じ。
公式記録ではなくあくまで30mチャレンジのルールに準じて計測しただけの結果かつぶっつけ本番での結果ではありますが、平均194.666mmでした。
尚、1枚目と3枚目を11発撃っちゃってるのはカウントミスで多く撃ってしまいました。


1枚目、2枚目、3枚目と順にグルーピングが縮んでいるのは徐々にこの銃のトリガーフィーリングに慣れてきた影響もあると思いますが、全てにおいて共通しているのは上下のブレが大きいという事です。

弾棒を使ってノズル長を測ってみた所0.5mm位のクリアランスが確認できたのでこれを減らす事が出来ればもっとグルーピングが良くなるような気がします。


という訳で、ARCHWICK B&T Air SPR300 PRO エアーコッキング ボルトアクションライフルのレビューは以上になります。

とりあえず安心のARCHWICK製品ですね。
予めゴリゴリにカスタムパーツが組み込まれたような状態になっていますし、初速も安定しています。

グルーピング結果を見るかぎり、ちょっとした調整だけでももっと良くする事が出来る感じがするので、今後分解、調整を行ってみようと思います。

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