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MGC M16A2カービン ガスガンを譲り受けたのでレビューします

記事作成日:2023年6月19日

友人からMGC製ガスガン、M16A2カービンを貰ったのでレビューしていきます。
一応動いていたらしいですが、作動状況は不明、マガジン2本とローダーが付属してきました。

こちらの製品は今では一般的になっているシリンダー内のフローティングバルブを用いた負圧動作式が一般化する以前のガスガン構造であるPV式ガスガンに近い構造を持った製品で、セミオートとフルオートが切り替えられる事が出来る製品になります。

MGCのはオリジナルの構造の為、厳密にはPV式では無いようですが構造自体はよく似ています。
PV式は当時主流だったBV式に比べてガスの消費量が少なくバレルが固定されている構造の為命中精度と安定性が高いという反面、パワーを出す事が出来ず法的な規制が緩かった当時はあまり人気が無かった構造だったようです。
MGC自身自らジュール値に自主規制(0.4J規制)を設けていたらしいですし、尚更でしょう。

という訳で、そんなレトロな製品を頂いたので見ていきます。

マガジンについて

マガジン内にガス圧が加わるBV式と異なりPV式は発射機構のユニットが銃本体側で完結しています。
その為、マガジンの構造は現行の電動ガンと非常によく似た作りになっている製品が多いです。
MGC M16A2も同様で、マガジンは単にBB弾を収める為だけに使われます。

リップ側とマガジンバンパーはこんな感じ。

リップはこんな感じで、ガスのカプラーみたいな構造をしています。
外側を押し下げるとBB弾を抑えているボールがフリーになり、装填した弾が出てくるという構造です。
尚、写真で確認出来る銀色のBB弾みたいな球体はフォロワートップです。

マガジンバンパーはこんな感じで、しっかりCOLTのロゴが入っています。

BBローダーについて

付属のBBローダーはこんな感じで、シンプルな棒状の物。
BB弾を流し込みやすいようにじょうごが付いています。

こんな感じで、リップ部分を押し付けながら棒を使ってBB弾を押し込みます。
今みたいなBBローダーが出る前はこういう棒状のローダーが一般的でした。(今でも東京マルイ製品には似た形状のローダーが付属しています)

昔は予備マガジンの入手性が悪い製品も多かったので、マガジンにホースを繋げたりしてたくさんBB弾を入れられるようにしたり、BBローダーにスリングみたいな紐を取り付けて持ち歩き、ゲーム中にBB弾を補充するみたいな事が行われていました。

MGC M16A2カービン ガスガン本体のレビュー

という訳で、MGC M16A2カービン ガスガンの外観を見ていきます。
M16A2カービンはM16A2のバレル長を14.5インチまで短くし、ハンドガードも短くなっているタイプでM4の原型となっている製品になります。

バレル周りはこんな感じ。
フラッシュハイダーはバードケージになっており、先端ギリギリの所までインナーバレルが伸びています。
尚、フラッシュハイダーもアウターバレルも樹脂製です。

フロントサイトはシンプルなオニギリサイト。
下部には着剣ラグとスリングスイベルが付いています。
フロントサイトは専用工具や5.56mm弾を使う事で上下に調整する事が出来ます。

ハンドガードは細身の樹脂製。
この時代の製品(M16カービン系)はM4A1よりも一回り細いハンドガードになっています。

デルタリングはこんな感じ。

ハンドガードを外すとこんな感じで、極太のアウターバレルが確認出来ます。
厳密にはレシーバーとフロントサイトを連結させる為のパーツで、ハンドガードを外すとフロントサイトがくるくる回ります。
ハンドガードによってバレルの前半分が固定されるような構造となっており、見た目は全く違いますがこの構造自体は昔の東京マルイ製スターンダード電動ガン M16/M4系と仕様が似ています。(3分割アウターバレル)

レシーバーはこんな感じ。
材質は樹脂で、M16A2のロアレシーバーにM16A1のアッパーレシーバーがくっついているという形状になっています。

レシーバー左側の刻印はこんな感じ。

反対側の刻印はマグウェル部にのみ入っており、MGC ASGKと入っています。

マグウェル内側はこんな感じでボルトと一体型になった給弾ルート+チャンバーを確認する事が出来ます。

ボルトはこんな感じ。
オートマチックのガスガンですがブローバックする訳では無いので、ボルトは固定されています。

トリガー周りはこんな感じ。
トリガーでバルブを開放する構造なので、トリガープルはかなり重いです。

チャージングハンドルはレシーバーに固定されているので動かす事は出来ません。
この製品は射撃と同時に給弾される仕様です。

キャリングハンドル上部はこんな感じ。
各種光学サイトやレールなどを取り付ける為のマウントが付いている他、リアサイトを左右に動かす為のダイヤルが付いています。
こちらのダイヤルは工具や5.56mm弾を使う事で調整が出来るようになっています。

サイトピクチャーはこんな感じ。

グリップはA2グリップ(フィンガーチャンネル付きグリップ)が付いています。
また、グリップの裏側からは外部ソースのホースを繋げる為のプラグが付いています。

尚、当製品はリキッドチャージ(本体内部にフロンガスを充填する方式)の他、ガスタンクを直接グリップにねじ込む事も出来るようですが、今回譲り受けた際の付属品は外部ソース用のプラグのみでした。

ストックは樹脂製リブ付きの旧ストック。
普通に前後に伸縮させる事が出来ます。

縮めた状態
最大まで伸ばした状態

バットプレートはこんな感じ。

ストックの伸縮は3段階、ストックチューブ下部にガスホースが伸びている、独特な構造になっています。

ストックチューブには3つの窪みがある
ホースが伸びている

これを見てお分かりになる方もいらっしゃると思いますが、グリップ→ロアレシーバー→ストックチューブ→アッパーレシーバー(ボルト部)という順番でガスが流れていきます。
中々凄い構造をしています。

赤線がガスの流れ

外部ソースで運用する場合は単なるガスの通り道でしかありませんが、リキッドチャージやガスタンクを直接繋げて使う場合(液体ガスを使う場合)は恐らくグリップがガスタンク、ストックが帰化室みたいな感じになるのかも知れません。

作動性と初速、発射サイクルについて

という訳で、まずは作動性から見ていきます。
前オーナーの情報だとお座敷で空撃ちとかして遊んでいたとの事だったので、一応動きはするだろうととりあえず繋いで見る事にしました。

尚、MGCのエアソフトガンは自主規制(0.4J規制)があった事もあり、高い圧力を掛けるとホースからガス漏れを起こしたり、最悪ホースが破損するようになっているらしいです。
そういう事もあり、当時高威力の弾を撃ち出す使い方をしていた人たちからすると不人気機種だったらしいですね。
安全性は高いんでしょうけど…。

今回動作検証で繋いだ外部ソースユニットは法改正後のサンプロ製グリーンガスレギュレーターです。
ガスはCO2、気圧は最大0.5MPaの製品なので0.5MPaで動作させてみます。

ちょうどよいサイズのソケットが無かったのでホースを直接プラグに繋ぐという接続方法を取っています。
抜けちゃう可能性がありますが、動作検証程度ならこれでも良いでしょう。

結果、ストックチューブ付近からガスが漏れ続けているものの激しいガス漏れでは無いので動かす事は出来るだろうと思い、動かしてみました。
問題無くセミ・フルで動かす事が出来ました。

続いて初速を測っていきます。
使用弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾。

結果、初速は54〜55m/s程度と大人しめ。
発射サイクルは秒間28.1とだいぶフルオートが速い事が分かります。

初速は低いものの、だいぶ安定していますね。
凄いです。

HOP付きならこれくらいの初速でも全然遊べるでしょうけど、ノンHOPで初速55m/sだと射角を付けてもせいぜい10m、15mとかでしょう…。


という訳で、中々面白い個体を手に入れる事が出来たので、とりあえずガス漏れを直したり今の時代でも使えるように弄っていこうと思います。
需要皆無だと思いますが…。