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コストパフォーマンスに優れたVector Optics TAURUS 1-6×24 SCOC-42のレビュー

記事作成日:2023年8月7日

Vector Optics製ショートスコープ、『TAURUS 1-6×24 SCOC-42』をつぼみトレードカンパニー様からお借りしたのでレビューしていきます。

こちらはVector Opticsのミドルハイグレードのスコープで倍率は1-6倍、SFPのBDCレティクルを搭載しているのが特徴になります。
感覚的にはForesterとContinentalの間みたいな製品になります。

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付属品の紹介

内容物は製品本体(レンズカバー付き)とマウントリング、交換用エレベーテーションノブ、樹脂製コインドライバー、クリーニングクロス、取扱説明書、製品カタログ、つぼみアームズの説明書と保証書、Vector Opticsの保証カードです。

付属のマウントリングは単品販売もされている30mmチューブ用のロープロファイル マウントリング、X-ACCUです。
マウントリング上部のネジ6本固定の2ピースマウントリングで、高さは1インチの物になります。

クリーニングクロスはこのようなポーチに折りたたまれて入っています。
引っ張って展開すると2枚目の写真のようになります。

TAURUS 1-6×24 SCOC-42にはラバー製のレンズガードが付いています。

TAURUS 1-6×24 SCOC-42本体について

という訳で、TAURUS 1-6×24 SCOC-42の外観を見ていきます。
ボディーカラーは黒、チューブ径は30mm。
大きめのエレベーテーション・ウィンテージノブとシンプルなデザインのスルーレバーが特徴的です。

対物レンズ側はこんな感じで、少し奥まった位置にレンズが配置されています。

ハウジングはこんな感じ。
直接手で回す事が出来るデザインの大型なノブが付いています。
また、左側には輝度調整ノブが付いています。

ハウジング底部にはシリアルNOが入っています。

ノブは通常状態はロックされており回す事が出来ません。
不意に何かに引っ掛けたりしてゼロインが狂ってしまう事を防ぐためのゼロロック機能が搭載されています。

ゼロインを行うにはノブを引っ張り上げます。
「カチッ」と音がしてロックが解除され、回す事が出来るようになります。

また、ゼロリセット機能にも対応しています。
ゼロイン調整を行った後に付属のコインドライバーを使ってキャップを外し、0の位置を合わせて戻す事でその後ゼロインを弄っても元のポジションに戻すのが楽になります。

左側面は輝度調節ノブになっており、蓋にはVector Opticsのエンブレム(金色)が入っています。
蓋を外す事で電池(CR2032)を入れる事が出来ます。

輝度は6段階で調節が可能。
1クリックごとに電源のON/OFFが切り替わる仕様のノブになっています。

パワーノブはこんな感じで反時計回り方向に回す事で倍率が上がります。
尚、1〜3倍の間隔が広く1.5倍や2.5倍という中間の倍率も記されていますが4、5、6の間はかなり狭いです。

スルーレバーはねじ込み式で、予め2.5倍の所に付いています。(着脱可能)
短いですが程よい丸みを帯びており指を引っ掛けやすいデザインになっています。

大型なスルーレバーは操作性が良いのですがスリングや装備などに引っ掛けてしまいやすいので、これくらいが丁度よい気もします。

接眼レンズ側はこんな感じでパワーノブから視度調節ノブにかけて少しずつ細くなっているデザインになっています。
レンズサイズの都合上なのかも知れませんが、割と変わっているデザインだと思います。
側面にはVector Opticsのロゴが入っており、上部にはTURUS 1-6×24と製品名の表記と、視度調節ノブの回転方向が記されています。

視度調節ノブはこんな感じで回すと接眼レンズ側が飛び出します。

レンズコーティングと覗いた時の様子、レティクル形状について

対物レンズ、接眼レンズ共にグリーンマルチコートが施されており、共に濃い緑色の反射を確認する事が出来ました。

覗くとこんな感じになります。
1倍の状態のアイレリーフは100mm程度あり、アイボックスも程よく広いのでかなり覗きやすい印象があります。
フチはそこまで細くはないですが、FOVは比較的自然な感じで使い勝手の問題はありません。

倍率を上げるとアイレリーフが短くなり、アイボックスもかなり狭くなります。
6倍まで上げるとアイレリーフは70mm程度まで短くなるので、視点を少し前側にズラしてあげないといけなくなります。

また、極端にケラレやすくなるので6倍が実用的かと言われるとちょっと厳しいです。
銃をしっかり固定して構えながら覗かないといけない程度にはちゃんと覗くのが難しくなるので、6倍の状態で覗ける環境というのが限られてくる気がします。(手持ちだとちょっと厳しい)

尚、レティクルはSFPなので倍率を上げてもレティクルの大きさは変わりません。

レティクルを拡大するとこんな感じ。
イルミネーションは中央のドットとホースシューのみ赤く光り、屋内だと輝度3でちょうど良い明るさでした。

レティクル形状はホースシューにBDCが付いた最近シューターがよく好んで使っているスコープのレティクル形状になっています。

このレティクルは横方向のラインがソコソコ長いので水平も取りやすいですね。

パララックス・レンズの歪み計測

続いて、いつものパララックス計測を行いました。

1倍で2m先のディスプレイ(2cmのグリッドを表示)を覗きます。

歪みはソコソコあり、1倍の状態でもかなり拡大されているような見え方になっています。
魚眼レンズ感が強いので、近い距離の物を覗きながら動かしたりしていると少し気持ち悪くなります。

視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
許容範囲内として設けている円内からレティクルが飛び出す事はありませんでした。
グリッドを見ると歪みは真っ直ぐ覗いている時よりも少し大きくなっていますが、狙いがズレるよりかはマシなので像の歪みも仕方がないかなと思います。(大抵のスコープはこういう見え方になる)

レンズ性能的にはちょっと気になる所もありますが、価格帯を考えると許容範囲内かなとも思えます。
距離によってはこれくらいの魚眼レンズ感は気にならないと思いますし。

屋外で覗いてみた感想

サバイバルゲームフィールド GERONIMOのシューティングレンジで撮影してきました。
冬(1月に撮影)なので真夏の炎天下のようなめちゃくちゃ明るい環境では無いですが、晴れの日の日中です。

屋外の距離になると歪みに関してはそこまで気になりませんが、スコープを覗きながら動かしたりするとちょっと魚眼レンズっぽさは感じます。
ちょっとでも歪むのが嫌なら、もっとグレードの高いスコープを選ぶ必要がありますね。

40mの時の1倍6倍はそれぞれこんな感じ。(イルミネーションの輝度は5)

1倍で40m先のターゲットを覗いている様子
6倍で40m先のターゲットを覗いている様子

70m先を6倍で覗くとこんな感じ。
日陰で暗くなっていてもコントラストが高く、十分な視認性があったのでレンズ性能の高さを体感しました。

ただ、ちょっと気になったのは倍率を上げた際のFOVの狭まりが激しいような気がしました。
倍率がおかしい訳ではなくちょっとFOVが狭いなという感じですね。

めちゃくちゃ狭くなる訳ではないので、無視しても良い要素かも知れませんが、覗いていて気になった箇所ではあります。


という訳で、TAURUS 1-6×24 SCOC-42のレビューは以上になります。

Foresterよりもワンランク上のショートスコープとしては丁度よい価格帯と性能では無いかと思います。
確実にForesterよりも精度は高いので性能の向上を体感出来ると思います。

ただ、全部の要素において問題無いかと言われるとそうとは言えず、記事中でも取り上げていますが主にレンズ性能周りの不満点は多少ありました。

まあ、レンズ性能が欲しいならもっと高い光学サイトを買う必要があるだけなんですがね…。

これに関してはどの辺りまで妥協できるか?だと思います。

少なくとも自分はこれくらいのグレードの製品でも普通に使えるなと感じました。

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