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ACROタイプの小型ドットサイト、Vector Optics Frenzy Plus 1x18x20 SCRD-SM63 ソーラーパワー/マルチレティクルのレビュー

記事作成日:2023年9月5日

つぼみトレードカンパニー様より『Vector Optics Frenzy Plus 1x18x20 Enclosed Sight Solar Power Multi-Reticle Vector Optics SCRD-SM63』をお送り頂いたのでレビューしていきます。

こちらの製品はAimpoint ACROライクなドットサイトで、レティクルの切り替え機能(サークルレティクル・ドットの切り替え)やソーラーパネルが付いており電池が無い状態においてもレティクルを点灯させる事が出来るようになっているのが特徴の製品となっています。

内容物はこんな感じでドットサイト本体とマウント、工具、クリーニングクロス、つぼみアームズの保証書と説明書、Vector Opticsの保証書といった感じです。

付属の工具はこんな感じで十字架みたいなデザインになっています。
左右がコインドライバー、上下がマイナスドライバーになっており、上の小さいマイナスドライバー部のみ金属で出来ています。

ドットサイト本体の外観レビュー

それではVector Optics Frenzy Plus 1x18x20 S SCRD-SM63本体を見ていきます。
当製品はこのような箱型のドットサイトです。

対物レンズ側はこんな感じで、サンシェードのような出っ張りが付いています。
日除けにしては短いので雨水が垂れてレンズに付着するのを防ぐ用でしょうか。

左側面にはVectorOpticsのロゴと輝度調整ボタンが付いています。
ボタンはラバーで出来ておりカチカチとしっかりボタンの感触があります。
尚、+/-で電源ON、-長押しで電源OFF、+長押しでレティクル切り替えという操作になっています。

右側にはFRENZYのロゴとVectorOpticsのロゴ、電池ボックス、ウィンテージダイヤルが付いています。

電池収納ボタンは付属のコインドライバーで回すと良いでしょう。
バッテリーはCR2032を使用します。
尚、バッテリーは付属しないので別途用意する必要があります。

上面にはソーラーパネルとエレベーテーションダイヤルが付いています。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはこのようなデザインで付属のマイナスドライバー(小さい方)を使って回します。

ダイヤルはカチカチとしたクリック感があり、ダイヤルの稼働量は1クリック1MOAで、最大45MOA動かす事が出来ます。

底部はこんな感じで、専用マウント(VODフットプリント)になっています。
尚、ここにシリアルNOが入っています。

付属のマウントベースはこんな感じ。
これがVODフットプリントというFRENZY PLUS専用マウントベースになります。
これで20mmレールに取り付ける感じですね。

取り付けるとこんな感じ。

専用マウントと言っても寸法はAimpoint ACRO P1/P2用と同じなので、ACRO用マウントに取り付ける事が出来ます。

また、同社からハイマウントベース(SCFRM-15)も出ているので、ライフルやSMGに取り付ける際にマウントの高さを稼ぎたい場合はこちらの製品を購入したり、ACRO用ハイマウントであればまだ数は少ないですがそれなりに種類があるのでマウントベースの選択肢もある程度はあります。

マウントベースを取り付けた状態でのサイズ感(Aimpoint T2タイプと比較)はこんな感じ。

レンズと覗いた時の様子、レティクルについて

対物レンズは平面の保護レンズの内側にレティクルを表示させる為のハーフミラーレンズが入っているという2重構造になっています。
保護レンズの方は緑色系のコーティングが施されており、ハーフミラーレンズはルビーコートです。

保護レンズには緑色のコーティング
奥のハーフミラーレンズはルビーコート

接眼側にもレンズが付いており、こちらにも緑色系のコーティングが施されています。

覗いた時のレンズの色味はこんな感じで、上側が青っぽく中央〜下側は透明度が高くなっています。
18x20mmというほぼ正方形のレンズなのが特徴的で、体感的なサイズ感はよくあるミニリフレックスサイトのレンズより少し広い程度です。

見ての通り、フチはかなり太い(筐体が分厚いので仕方がない)のでミニリフレックスサイトほどの視界の広さはありません。

レティクルを点灯させるとこんな感じ。
ドットのサイズは2MOAです。

+ボタンを長押しする事でレティクルを切り替える事ができ、サークル+ドットとサークルのみのパターンに切り替える事が出来ます。
尚、サークルのサイズは40MOAとなっています。

サークル+ドット表示
サークルのみの表示

サークル+ドットのレティクルを拡大させるとこんな感じ。

尚、ソーラーパネルが付いている為電池が無くてもレティクルを点灯させる事が出来ます。
部屋の照明程度の明るさでは光らせる事が出来なかったので、ライトを当てていますがこの通りしっかりレティクルが表示されます。

レンズの歪みとパララックス計測

という訳で、いつもの歪み・パララックス計測を行っていきます。
2.5m先のディスプレイを覗いています。

歪みに関しては若干フチの方が歪んでおり魚眼レンズっぽい感じになっています。
ほんの僅かですが動かしたりすると像がグニグニ歪むので少し気になります。

この状態で視点を上下左右に動かします。
上方向に動かす分にはほとんどレティクルは動きませんでしたが、下と左右は基準となる円ギリギリまでレティクルが動くようです。

上下に反っているレンズなので上下のパララックス量が違っているのでしょう。

Aimpoint ACRO P-1(レプリカ)との比較

友人からAimpoint ACRO P-1のレプリカを借りたので比較してみます。

まず、外観サイズに関してはVector Optics Frenzy Plus 1x18x20の方が一回りほど大きい(前後長はほぼ同じ、高さと左右が大きい)です。
本体サイズは大きいですがレンズサイズはほとんど同じです。

マウントに関しても基本的に寸法は同じですが、レールに引っ掛けるくの字になっている方向が逆だったり位置固定用の横棒がACROでは横一杯まで伸びているのに対してFrenzy Plusは途中で切れているという差がありました。
微妙に寸法を変える事でAimpointのパテントを回避、独自マウントという扱いにしているのかも知れませんね。

ちなみにACRO P-1をFrenzy Plusのマウントに取り付ける事も出来たので、双方向で互換性があるようです。


という訳で、ACROタイプの小型ドットサイト、Vector Optics Frenzy Plus 1x18x20 SCRD-SM63 ソーラーパワー/マルチレティクルのレビューは以上になります。

このタイプのドットサイトでサークルレティクルが採用されているのは割りと珍しい気がします。
サイズ感的には拳銃に乗せても問題の無いサイズ(GlockのMOSスライドなど)ですし、小型なライフル・SMGにも似合うでしょう。