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FETとマイクロスイッチ搭載のARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 Carbine ME / CQB MEのレビュー

記事作成日:2023年11月6日

現在PERUN ETU搭載のPEエディションが発売中ですが、MEエディションの試作品を三山商事株式会社よりお送り頂いたので、レビューしていきます。
当記事で紹介するのは『ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 Carbine ME』と『ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 CQB ME』 の2種類になります。

こちらはすでに発売されているPERUN ETU搭載のPEエディションとは異なり、マイクロスイッチとFETを搭載したモデルになります。

また、今回お借りして製品はサンプル品で製品版とは仕様が異なる部分があります。
実際の製品版とはパッケージや刻印周りが異なっているとの事です。

その点を踏まえてレビュー記事を書いていきます。
尚、CarbineとCQBではバレル長さ、マズルデバイス、ハンドガードの長さ以外の違いが無いので、差異のある部分だけ個別に紹介、共通の部分はCarbineの方の写真を使って紹介していきます。

ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 Carbine
ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 CQB

付属品とアクセサリーの取り付けについて

パッケージのサイズはCarebineの方が長いので大きいです。
内容物は共に同じ。

付属品はクリーニングロッドと取扱説明書、初速証明及び品質証明書、おなじみのロゴステッカー、ディーンズ→ミニコネクタ変換ケーブル、ARCTURUSのノベルティグッズ(コースター、マグネットステッカー)、ハンドストップ、マグウェル、L字レンチといった感じです。
製品版にはここに20mmレールパネルが付属する他、PEエディションはこれに加えてPERUNの設定マニュアルも付属すると思われます。

ハンドストップはハンドガードに付いている穴に引っ掛けて固定します。
固定方法はM-LOKに似ていますが、独自規格(Basis規格)のロック方式になります。
固定した後、カバーを被せてネジ穴を塞ぎます。

マグウェルはこのように前側からスライドさせた後、マガジンキャッチ側にイモネジをねじ込んで固定させます。

当記事ではこれらのアクセサリーを取り付けた状態で紹介していきます。

マガジンについて

ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1に付属するマガジンは以前発売されていた同社のPP19-01 Vityaszと同じポリマーマガジンです。

装弾数は95発ですが、マガジンバンパーを外してインナーに付いているスイッチを動かす事で30発(リアルカウント)に切り替える事も可能になっています。

製品本体の外観紹介

という訳で、製品本体の外観を見ていきます。

まずはARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 Carbineの全体像から。
こちらはロングバレル+ロングハンドガードにサプレッサーが付いたPP19-01です。
サプレッサー、アウターバレル、ハンドガード、リアサイト上部のマウント、ボルトハンドル、グリップ、ストックなどがPP19-01 Vityaszから変更されています。
また、このモデルにはサイドレールが取り除かれています。

ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 CQBに関してはこんな感じで、バレル長はPP19-01 Vityaszと同じですが、マズルブレーキ、ハンドガード、リアサイト上部のマウント、ボルトハンドル、グリップ、ストックなどが変更箇所になります。
長さそのままでZenitカスタムが施されたPP19-01みたいな感じです。
こちらもサイドレールが取り除かれています。

CarbineとCQBを並べるとこんな感じ。

マズルデバイスについて

Carbineに付いているマズルデバイスはZenit DTK SAIGAタイプのサイレンサーです。

こちらのサイレンサーはマズルの14mm逆ネジに固定されており、中に消音材は入っていません
任意で消音材を入れる事が出来る他、トレーサーの組み込みも可能です。

CQBにはZenit DTK-2タイプの大型のマズルブレーキが付いています。
こちらも14mm逆ネジで固定されていますが、AK系おなじみのリアサイト根本に付いているプランジャーを押しながら外す必要があります。

ハンドガードについて

Carbineのハンドガードはこんな感じ。
リアサイトを挟んだ前後の上面に20mmレールが付いており、前側と後ろ側で段差が違っているのが特徴です。
更にリアサイト上部にもまた1段高い20mmレールが付いています。
左右や底部には特徴的な縦長の穴が並んでおり、ここに専用アクセサリーを取り付ける事が出来る仕様になっています。

今回お借りしたサンプルにはハンドストップしか付属してきませんでしたが、製品版では20mmレールパネルも付属するそうなので、各種20mmレール対応のアタッチメントを取り付ける事が出来そうです。

上面レールの使い方は工夫次第ですが、フロントサイトの前側にレーザーモジュールを取り付けるとパララックスを抑えられて良い気がします。

リアサイトの左側面にはスリングスイベルが付いています。

細身なハンドガードなので握り込む事も容易に出来ます。
ハンドストップと組合わる事で安定感が増します。

CQBの方のハンドガードはCarbineのハンドガードの前側が無いバージョンです。

上面の20mmレールや左右と下部の専用アタッチメントの仕様は同じで、付属のハンドストップや20mmレールパネルを取り付ける事が出来ます。

また、リサイト下部にもレールが付いています。
このレールはPP19-01にも付いていた物で、20mmではない特殊な規格のレールになります。

尚、CarbineとCQB共にハンドガードに刻印が入っていませんが、製品版では刻印も追加されるとの事です。

リアサイト上部のマウントとサイトピクチャーについて

リアサイト上部には4スロットの20mmレールが付いています。
これはCarbineにもCQBにも同じ物が付いています。
非常に小さなレールなので、Micro T1系やミニリフレックスなどの小型なドットサイト以外を取り付けるとバランスが悪くなる気がします。

マウント下部にはアイアンサイトでのサイティングの邪魔にならないように隙間が設けられており、アイアンサイトも問題無く使う事が出来ます。

レシーバー側のディテール

続いて、レシーバー側を見ていきます。
レシーバー側に関してはCarbineとCQBで差はありません。

まず、トップカバーには20mmレールが付いています。
これは従来のPP19-01で付いていた物と同じで、剛性も問題なし。
ガッチリしています。

マグウェルを大型化するアクセサリーが付属するので、マガジンの挿入はやりやすくなっています。

ただし、マガジンを抜く時のレバー操作がマグウェルが付いているせいで少しやり辛くなっています。
マガジンキャッチレバーを延長させるようなパーツがあると良いのですが…。

ボルトハンドルにはZenit RP-1タイプのエクステンションが取り付けられており、ボルトハンドルの操作性が向上しています。
ボルトハンドルを引くとドラム式のHOPダイヤルにアクセスする事が出来ます。

セレクターレバーはこんな感じ。
上から順にセーフティ、フルオート、セミオートでそれぞれのポジションでカチッ!カチッ!としっかりテンションが掛かって止まるので操作性は悪く有りません。

トリガー周りはこんな感じ。
今回お借りしている物はMEエディションなのでトリガーの前側に逆転防止ラッチを解除する為のスイッチが付いていますが、PERUN搭載のPEエディションではどうなっているのかは不明です。

トリガーガード下部にはARCTURUSのロゴとシリアルNOが入っています。

グリップもZenitタイプ。
ZenitのAK用グリップとしてはおなじみのRK-3タイプグリップが付属しています。
幅が薄くて前後が長い、独特な握り心地のグリップです。

尚、こちらの刻印も現状入っていませんが製品版では入る予定です。

ストックについて

ストックはCarbineとCQB共にZenit PT-1 タイプのフォールディングストックが付いています。

ヒンジ部はこんな感じで地味に複雑な構造になっており、畳んだストックを展開するにはストックを押し上げる事でロックを解除します。
力を掛ければそのまま展開出来そうな構造ですが、結構硬かったので個体によっては慣らしてやったり注油してやった方が良いかも知れません。

ストックの下部にはスリングスイベルが付いています。
この輪っかにスリングを引っ掛けるのですが、付けたスリングが上下で動いたり右に行ったり左行ったりと凄い暴れそうな気がするんですが良いんですかね…。

ストックには可変のチークパッドが付いており、側面のネジを緩めて上下に動かす事で6段階で高さを調節する事が出来ます。

ストックは前後の長さ調節も可能です。
ストックの長さを調整するには写真のロックレバーを解除します。
このレバーはマグネット+テンションで固定されており、結構硬いです。

M4系のストックと違って、一度ポジションを決めたら動かさない想定のような感じですね。

ロックを解除した状態でストックを引っ張るとカチカチカチとプランジャーが動く音を鳴らしながらストックが動きます。
ストックのポジション数はストック下部に空いている小さな穴の数分あり、全部で24ポジションもあります。

ストックを短くした状態と長くした状態の長さはそれぞれこんな感じ。
約21cmから約31cmまで伸ばせます。

バットプレートはラバーで出来ており、程よい弾力とグリップ力があります。

バッテリーの挿入と対応するサイズについて

バッテリーを入れるにはトップカバー後ろのボタンを押しながらトップカバーを開きます。

トップカバーはヒンジ部に付いているスプリングによって開いた状態で保持されるので、バッテリーの交換は比較的やりやすいです。

バッテリーコネクタはAmassのディーンズコネクタで、MEエディションなので配線にFETが付いており長くなっていますが、PERUNが搭載されているPEエディションではFETはメカボックス内部に収まっているはずなので、バッテリーコネクタまでの配線は短いはずです。
尚、バッテリーは薄めのストックチューブインサイズやスティックタイプに対応しています。

ストックチューブインタイプであれば普通にトップカバーの中に収める事が出来ますし、スティックタイプはハンドガード側、ガスピストン内に収める事が出来ます。

箱出し状態の初速と発射サイクルについて

最後に箱出し状態の初速と発射サイクルを紹介します。
テストに使用した弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾、バッテリーはnano-tech 7.4V 1000mAh 20C-40Cです。

Carbineの方の初速とサイクルはそれぞれこんな感じ。
HOP最低の状態が最大初速で90m/前後で安定、HOPを強くしていくと初速は下がっていき、最大HOPの状態では弾づまり寸前みたいな感じで初速は60m/s台まで落ちました。
発射サイクルは毎秒12.5発です。

CQBの初速とサイクルはこんな感じで、こちらもHOP最低の状態が最大初速で90m/s前後。
HOPを強くしていくと初速が下がっていきますが、Carbineよりも初速の低下が大人しめで最大初速でもそこまで弾つまり寸前感は無く70m/s台の初速でした。
フルオートの発射サイクルはほぼ変わらないですが、若干遅い12.3発でした。

以前レビューしたAT-NY06シリーズのバリエーションと同様にバレル長に合わせてスプリングレートやシリンダー容量による調整が入っているように感じます。

尚、作動性に関しては同じMEエディションという事もあり以前私が購入したARCTURUS PP19-01 Vityaszと大きな差は感じませんでした。
PERUN搭載のPEエディションになったらどう変わるのか、楽しみです。


という訳で、PP19のZenitカスタムモデル、ARCTURUS PP19-01 Vityasz Ztac SP1 Carbine / CQBのレビューは以上になります。

最後に、お借りしたZenitカスタムPP19-01 Vityaszと自分が持っている従来品のPP19-01 Vityaszを並べて紹介しておきます。
同じ銃のハズなのですが、雰囲気が全然違いますね。
やはりZenitの威圧感は凄い…。