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ソーラー+内蔵バッテリー駆動の小型チューブサイト、HOLOSUN SCRS RD MRSのレビュー

記事作成日:2023年11月27日

HOLOSUN SCRS-RD-MRSをつぼみトレードカンパニー様よりお送りいただいたのでレビューしていきます。
SCRSシリーズにはレティクルの仕様違いで4種類の製品が存在します。

  • SCRS RD MRS:サークルレティクル対応、赤レティクル
  • SCRS RD 2:2MOAレティクルのみ、赤レティクル
  • SCRS GR MRS:サークルレティクル対応、緑レティクル
  • SCRS GR 2:2MOAレティクルのみ、緑レティクル

尚、これらの製品は刻印が違っている意外の外観の違いはありません。

今回レビューするのは赤のサークルレティクルモデルである『SCRS RD MRS』になります。

SCRSは『Solar Charging Rifle Sight』の略で、この製品はソーラーパネルと内臓の充電式バッテリー(取り外し不可能)によって動作します。
今までのソーラーパネルモデルがソーラーパネル+ボタン電池という組み合わせだったのが、ソーラーパネル+内蔵バッテリーに変わった感じですね。

周囲の照明が不十分な場合に内蔵バッテリーから電力を供給し、周囲の明るさが十分な場合はソーラーパネルから電力が供給されます。
また、電源の状態に関わらず自動的にソーラーパネルからバッテリーへの充電が行われます。

尚、バッテリーパフォーマンスは明るい屋外環境で最大100時間、屋内環境で最大2000時間、暗い環境で4000時間となっています。
また、スタンバイ状態であれば5年持ちます。

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付属品について

内容物はこんな感じ。
ドットサイト本体(レンズカバー付き)とマウントベース、ドライバー、スパナ、説明書、保証書、クリーニングクロスです。

ドライバーはマウントベースの固定に使うトルクスドライバーとゼロイン調整を行う為に使うマイナスドライバーがセットになっている物、スパナはマウントベースの固定に使う為の物です。

SCRS RD MRSの外観レビュー

というわけで、こちらがSCRS RD MRS本体です。
対物レンズと接眼レンズを保護する為のラバー製レンズガード(HOLOSUNロゴ入り)が付いています。

レンズガードを外したSCRS RD MRSはこんな感じ。
非常にコンパクトなサイズのドットサイトで、ハウジングはT1タイプの3/5位のサイズですがレンズサイズはT1タイプと同様の20mmです。

尚、ハウジングは超々ジュラルミン(7075 T6)で出来ており、表面はアノダイズ処理が施されています。

また、ハウジングのデザインも特徴的で、丸ではなくカクカクした面で構成されています。
更にバッテリーを入れる為の物蓋やスロットなどが存在しないので、ハウジングから飛び出している物もありません。

左側面には輝度調節ボタンとHOLOSUNロゴ、製品名とシリアルNOが入っています。
輝度調節ボタンはラバーで出来ており、程よい硬さとクリック感があります。

尚、輝度調節ボタンは消灯状態で+か-を押す事でレティクルが点灯し、+と-を同時押しする事で消灯させる事が出来ます。
また、+を長押しする事で自動調光モード、手動調光モード、ロックアウトモード(輝度固定)の3つのモード切り替えを行う事が出来、-ボタンを長押しする事でレティクルの形状が変わります。
尚、輝度は可視光8段階、NVモード4段階となっています。

上面にはソーラーパネルが設置されています。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはこんな感じで付属の工具やマイナスドライバーを使って回す事が出来ます。
ダイヤルは程よく硬くカチカチとしたクリック感があり、1クリックで1MOA動き、最大で±50MOA動かす事が出来ます。

こんな感じでドライバーを使って回します。

接眼レンズ側には乱反射防止用の段差が付いています。

マウントの固定部はこんな感じで、側面のネジを回してクランプする一般的な方式ですがマウント形状は専用規格(HE509T互換)になっているので注意が必要です。

見た目こそはAimpoint ACROのマウントに似ていますが、幅が全然違っています。

その為、現状は製品に付属するマウントベースや使用するか、HE509T用の同社製マウントやAmerican Defense、GG&G、Reptiliaなどから発売されているマウントベースを使う必要があり、マウントベースの選択肢はかなり少ないです。
ただし、HE509TとSCRSは高さが異なっているので、例えばHE509T用の1.41インチマウントを買ったとしても、SCRSでは1.41インチの高さにはなりません。

付属のマウントベースの高さはlower 1/3 co-witness(1.63インチ)になっています。
このマウントベースは20mmレールに対応しています。

このマウントベースをSCRS RD MRSに取り付けるとこんな感じになります。

レンズの大きさやコーティングについて

SCRS RD MRSは本体の大きさに大してかなり大きなレンズがついているのが特徴で、T1系と同じ20mmのレンズが付いています。

対物レンズは同社製でおなじみの薄めの赤色に反射するルビーコートが施されています。(見る角度によってオレンジ色や緑色にもなる為マルチコート)
接眼レンズは緑色のコーティングが施されています。

対物レンズの見た目
接眼レンズの見た目

また、全長が短い製品で対物レンズと発光モジュールとの距離が短い為、対物レンズは一般的なT1系チューブサイトと比べても大きな角度が付いています。
尚、対物レンズを保護する為のレンズは付いていないようですね。

発光モジュールはチューブ下側についている
かなりの急角度な対物レンズ

覗いた時の様子とレティクルについて

覗くとこんな感じで全体的に青みがかったレンズになっています。
若干の色ムラはありますが概ね全体が青っぽいですが、これくらいの青さなら屋外ではさほど気にならない程度だと思います。

レティクルを点灯させるとこんな感じ。

サークルモデルであるMRSシリーズはレティクル切り替え機能も付いており、2MOAドットと65MOAサークル単体表示に対応しています。

レンズの歪みとパララックス計測

いつも通り2m先のディスプレイを見ながら歪みとパララックス量を確認していきます。
まず気になるような歪みはほぼ無く、かなり自然な感じで見る事が出来ます。

この状態で視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
問題無く、許容範囲の円内に収まっていますね。

SCRS RD MRSのサイズ感について

HOLOSUN ARMS、HS403Aと比較してみました。

このあたりの製品と比べるとだいぶ小型である事が分かると思います。

スペックの通りではあるのですが、レンズの大きさ自体はT1型であるHS403Aとほぼ同じです。

銃に取り付けた際の見え方について

銃に取り付けるとこんな感じ。

SCRS RD MRSは小型な製品なので、MP5SD5のようなSMGとの相性が良いですね。
MP5Kのようなもっと小さい物との相性も良さそうです。

SIG MCX RattlerのようなコンパクトなAR15系製品との相性も良いです。

Rattlerに取り付けた時に思ったのですが、こういうトップレールがツライチになっている製品ならだいたい相性良いかもしれません。
例えばこちらはB&T ARC556に取り付けた時の様子です。

屋外で覗いた時の様子

先日、つくばサバゲーランドに行った時に屋外で写真を撮ってきました。

レティクルの視認性に関しては申し分なく、クッキリ見る事が出来ました。
また、屋外だとレンズの青みもほとんど気にならない感じですね。

動画だとこんな感じ。

また、友人がHS503CUを持ってきていたので覗いた時の様子を比較してみました。
視界はほぼ同じで、僅かにSCRS RD MRSの方が青みが強いかなといった感じです。

SCRS RD MRS
HS503CU

という訳で、HOLOSUN製の電池不要な小型チューブサイト、SCRS RD MRSのレビューは以上になります。

外観に関してはT1のレンズサイズを持ちながら、ACROのような長さを実現しているチューブサイトという、比較対象となる製品が無さそうなかなりユニークな製品でした。
また、内蔵バッテリーになった事により実質バッテリー交換を考える必要性が無くなったというのも大きな特徴でしょう。

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