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東京マルイ MWSシリーズ用『軽量 ABS ボルトキャリア』のレビュー

記事作成日:2024年2月6日

シューティング苺屋さんから『MWS 軽量 ABS ボルトキャリア (MWS用ハイスピードボルトキャリア)』をお送りいただいたので、レビューしていきます。

こちらの製品は東京マルイ製ガスブローバックライフルのM4シリーズ(MWS/CQBR ブロック1/M4A1 カービン/MTR16/マーク18 モッド1/URG-I 11.5inch ソップモッド ブロック3など)で使用可能なボルトキャリアーで、材質がABSで出来ている為非常に軽量になっているのが特徴な製品です。

ボルトキャリアが軽量な為、純正ボルトベースでもカスタムでは不可能な非常に速い発射サイクルや低反動を実現する事が出来ます。

スピードを競うシューティング系の競技ではボルトの動作速度を上げる事で2発目を射撃可能にするまでの時間を減らしつつ、リコイルを低減させる事が出来る為、タイムと精度の向上を狙う事が出来ますし、ボルト後退時のガスの消費量を抑える事が可能且つ低圧でも動作させる事が出来る為、寒い日などのガス圧が低い状況での作動性も向上する事でしょう。

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軽量 ABS ボルトキャリアの紹介(純正との比較)

という訳で、軽量 ABS ボルトキャリアはこのような製品です。
一本物のABSブロックから切削で作られており、その軽さは手に取った瞬間に分かります。

尚、ローディングノズル周りやボルト後部のパーツなどは純正ボルトから流用する形になります。

ボルトキャリア単体の重量はわずか22g。
東京マルイ純正のボルトキャリアの重量が157gなので、135gも軽くなっています。

ABSボルトキャリア
純正ボルトキャリア

細部を見ていきます。
表面はツールマークが確認出来ますが、触った感じ段差がほぼ分からないレベルの非常になめらかな仕上がりになっています。

各パーツを取り付ける為のネジ穴も掘られています。
また、シリンダー部分は切削故に純正ボルトキャリアよりもなめらかです。

尚、軽量ABSボルトキャリアの特徴として、純正ボルトキャリアよりもボルト側面の削り込み(ダストカバーの逃し溝)が深いという点もあります。
リアルサイズのダストカバーを閉じれるほどの深さはありませんが、だいぶ見た目が良い感じになります。

ABSボルトキャリア
純正ボルトキャリア

ボルトキャリアの組み込みについて

という訳で、こちらのボルトキャリアを組み込んでいきます。
組み込み先の製品は東京マルイ CQB-1 BLOCK1ベースの製品。

各部のパーツはノーマルと同じ仕様にはなっていませんが、現状は春・秋頃の肌寒い時期でも安定して使えるように柔らかいバッファースプリングと軽めのリコイルバッファーを組み込んでいます。

元々のボルトの重量が207gある事を確認し、分解します。
分解と言っても、ボルトキャリアに付いているパーツを外していくだけです。

外したパーツを軽量 ABS ボルトキャリアに組み込んでいきます。
組み込み時の注意点は説明書に記載している通りで、一部のパーツは若干のすり合わせ調整が発生する場合があります。

自分はリューターでABSボルトキャリア側を若干削って調整しながら組みました。
0.1mmも削らなくて良いので、本当の小加工です。

また、ローディングノズルのダンパーを固定しているネジ(MGG2-127)の赤矢印側は締め込みすぎるとダンパーがスムーズに動かなくなってしまうので、増し締めはしない方が良いと思います。
脱落が不安であれば、ABS対応のネジロック剤を併用すると良いでしょう。

という訳で、大きな問題も無く組み込みは完了しました。

組み上がったボルトキャリアの重量は72g。(135g軽量化)
Bパーツをもっと軽量な物を組み込む事で、更に軽くする事も出来ると思います。

後はグリスアップしてレシーバーに組み込みます。
尚、グリスはG.A.W. Gルーブを使用しています。

尚、先述しましたが軽量ABSボルトキャリアはボルト側面の溝が純正よりも深くなっています。
その為、リアルサイズのダストカバーに交換してしまうと全く閉まらなかった物が、もうちょっとで閉まりそうな位までは閉じる事が出来るようになっています。

組み込み後の初速と作動性について

という訳で、MWS 軽量 ABS ボルトキャリアを組み込んだ状態で動かしていきます。
尚、動作検証で使用しているマガジンは東京マルイ純正、ガスはS&T ダンガンガス(HFO-1234ZE/LPG)になります。

まずは初速テストから。
弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾を使用しています。

一応各種温度での比較をしてみたのですが、マガジン温度が高い状態だとほとんど差が出なかったので一番分かりやすい差が出たマガジン温度が低い状態(15度)での差を紹介する事にします。

また、射撃はセミオートで1秒に2〜3発撃つような感じの、いわゆるセミ連射的な撃ち方をしています。
純正ボルトキャリアを使用した際とABSボルトキャリアを使用した際で、このような差が生まれました。

純正ボルトキャリア
ABSボルトキャリア

純正ボルトキャリアではスタート時に初速が67m/sだった物が8連射後には61m/s台まで低下しているのに対し、ABSボルトキャリアでは63m/s台で初速の低下が抑えられています。

これにより、連射を行った場合であってもガス圧の低下が緩やかである事が分かりました。

続いて、発射サイクルを見ていきます。
弾速測定器を使った計測だと安定して計測する事が出来なかったので、こちらは動画での紹介になります。
また、低温時は純正ボルトキャリアの動作が不安定になってしまったので、マガジンの温度は29度程度の状態で検証しています。

動作の様子はこんな感じ。

スローモーションの映像をフレーム単位で分けてみると、ボルト後退開始からボルト閉鎖までの間の時間は通常ボルトキャリアが12フレーム、ABSボルトキャリアが8フレームでした。
比較してみるとボルトの後退速度自体は物凄く大きく変わっている訳では無さそうですが、前進速度が倍近い速度になっているようです。

また、速度が上がっているだけではなく、通常ボルトの方は一度ボルトが閉鎖した後若干バウンドするのですが、ABSボルトキャリアの方は一切バウンドしませんでした。

もっとも、これに関してはリコイルバッファーのスプリングレートによっても変わってくるので、絶対にバウンドが起こらないという訳では無いですが、少なくとも純正のスプリングレートであればバウンドは無さそうです。

強度について

ABSで出来ている事から強度がどうなっているのか気になったので、とりあえず300発程度撃ち、100回ほどボルトリリースボタンを解除する動作を行いましたが、特に動作に問題が起きるような事はありませんでした。

ただしバラして見てみた所、ボルトリリースボタン周りのパーツ(Z-SYSTEMのダンパーパーツ)が衝突する部分に若干の変形が確認出来ました。

組込前の状態
100回ほどボルトリリースボタンを押した後

見てみるとコンマ数ミリ程度凹んでいる事が分かります。
まあ、アルミ系のボルトキャリアでも消耗するパーツなので、ABSでも消耗してしまうのは仕方がない事でしょう。

この消耗がきになるならそもそもボルトストップ機能をオミットするのが良い気がします。
この製品のコンセプト的にも動作のリアルさとか撃ち味よりも作動性とリコイル低下による精度向上を目的としている物なので、ボルトストップオミットも十分視野に入ると思います。

もしくは、ボルトやリコイルバッファーの重量を更に軽くしてリコイルスプリングも更に柔らかくしたり、Z-SYSTEM側のスプリングレート(ダンパー用スプリング)も落とすなどの調整を行う必要があると思います。

極端に作動性の速さとリコイルの少なさに全振りした方が有意義だと思いますし、単に組み込むだけではなく全体的なバランスを再検討した方がより有意義に使えると思います。

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