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Novel Arms Absolute MPS3 3倍プリズムサイトのレビュー

記事作成日:2024年3月18日

NovelArms製の新作光学サイト、Absolute MPS3を買ってきました。
こちらの製品はここ数年で種類が増えてきている小型な固定倍率プリズムサイトで、同社からはSURE HITブランドとABSOLUTEブランドのそれぞれから発売される予定となっています。

今回購入したのはSURE HITシリーズよりも先行で発売が開始されたABSOLUTE MPS3になります。
ABSOLUTE MPS3はNOVEL ARMSとハイパー道楽が共同開発した製品になります。

内容物は説明書、クリーニングクロス、製品本体、マウントベース・ライザープレート、ネジ類、取り付け工具、キルフラッシュになります。

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付属のライザープレートについて

付属のライザープレートは高さ違いの3種類に加え、オフセットされているプレート(カンチレバーと呼ばれている)が本体に取り付けられた状態になっています。

ライザープレートの形状はACOGで採用されている事でおなじみのキャリングハンドルマウントを元にした独自仕様となっています。

独自仕様要素の1つは中央の凹凸。
これによって既製品との互換性が無くなっています。

ACOG用マウントに取り付けようとするとこんな感じで、マウント中央の突起が干渉して浮いてしまいます。
エッジの角度自体は合っているので、突起を削れば使う事も出来るでしょう。

ACOG用マウントに取り付けると突起のせいで浮いてしまう

もう1つはネジ穴の位置です。
微妙にACOG系やCompact ACOG系と異なっているので、仮に突起を削ったとしてもネジ2本での固定ができません。
1本だけでの固定になってしまいます。

尚、純正の取り付けネジは長い物から短いものまで様々な長さが用意されており、全てにネジロック剤が塗布されています。
ライザープレートの厚みに合わせて適切な長さのネジを使用する感じですね。
尚、本体には更に短いネジが付いています。

尚、説明書には様々な取り付けパターンと高さが記載されていますが、取り付け方法はこれだけではありません。
前後を入れ替えたり、スペーサーをカンチレバーの下側に取り付けたり、複数のスペーサーを取り付けて更に高くするなど様々な取り付け方法ができます。(組み合わせによってはネジを別途用意する必要があります)

Absolute MPS3の外観レビュー

NovelArms Absolute MPS3本体はこんな感じ。
マウントベース1個分オフセットされているライザープレート(カンチレバーと呼ばれている物)がくっついた状態になっています。

対物レンズ側はこんな感じで、キルフラッシュを取り付ける為のネジ山が確認でき、少し奥まった所に対物レンズが付いています。

ハウジング左側面には電池ケースと輝度調節ボタンが付いています。
電池はCR2032を1つ使用し、最初から電池がセットされていました。

ボタンはラバーになっており、輝度の上下ボタン単押しで電源ON、下ボタン長押しで電源OFFになります。

エレベーテーションダイヤル・ウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じで、ハウジングに埋まったようなデザインになっています。

ダイヤルはマイナスドライバーを使って回す仕様になっており、1クリックの稼働量は0.34MOA、上下左右共に最大80MOA動かす事が可能です。
調整範囲はかなり大きいですね。
また、クリック感はかなり強めで、ダイヤル自体回すのが少し硬いです。

接眼レンズ側はこんな感じで、下部にシリアルNOが印字されています。
また、視度調整ノブを最大まで-方向に回すと3枚目の写真のように伸びます。

マウントベースはこんな感じで、冒頭でも触れましたがかなり大きくオフセットされたスペーサーが付いています。
マウントベースは側面のナットを回して締め込むタイプになります。

付属のマウントを分離させるとこんな感じになります。

マウントベースやライザープレートの取付部は全て同じ規格なので、組み合わせは自由自在。
ライザープレートを取り付けずにマウントベースにMPS3本体を直接取り付ける事も可能です。

ライザープレートはこれだけの種類があるので、別途ネジを用意すればかなりの高さにする事もできます。

もちろん、オフセットさせない取り付け方もできます。

ちなみに、付属のネジだけを使って一番高くしようとすると、こうなります。
このレイアウトであれば別途ネジを用意しなくても組めます。

レンズコーティングについて

対物レンズ、接眼レンズ共にグリーンマルチコートが施されています。
対物レンズ径は20mmと小さいですが、接眼レンズは23mmくらいあり、一回り大きいです。

特に気になるような要素はないですね。

アイボックス・アイレリーフ・レティクル形状について

Absolute MPS3を覗くとこんな感じ。
まず、覗きやすさに関しては倍率付きプリズムサイト特有の問題ではあるのですが、アイボックスはかなり狭くアイレリーフも短いです。
カタログスペック上は68mmとなっていますが、実測では60mm程度な感じで、綺麗に覗ける範囲もかなり短いです。
また、フチもそこそこ太め。

プリズムサイトって倍率が付いた途端に極端にアイレリーフが短くなる傾向にある気がするんですよね。
ACOGも低倍率モデルはめちゃくちゃアイレリーフ長いのに4倍になるとかなり短くなりますし、プリズムサイトの特徴というか仕様みたいな物なのかも知れません。

その為、極端に後ろ側にオフセットされるライザープレートが付属するのだと思われます。

動画はこんな感じ。
アイボックスとアイレリーフに関しては動画の方が分かりやすい気がします。

イルミネーションを点灯させるとこんな感じで、中央のサークル部とドットが点灯します。
輝度は10段階で最大輝度であれば眩しい位に輝くので屋外でも問題なく視認出来る明るさがありそうです。

実際に屋外で覗いてみた所、輝度7の状態で問題なくレティクルが視認可能、輝度10にするとちょっと明るすぎる程度の輝度がありました。
スコープ系のイルミネーションレティクルの輝度としてはかなり高輝度な部類だと思います。

こちらの製品はかなり特徴的なレティクル形状が採用されており、見た目はかなり間隔の広いBDCレティクルみたいな感じになっています。
これはレンジファインダーになっており、身長170cmの人を基準にし、30m、50m、70mの距離を測る事ができるようになっています。

尚、先述の通りアイボックスが狭い為、視点を動かすと割と直ぐにケラレるのと、上下に視点を動かした場合レティクルが歪みます。
特にレティクルの左右の歪み(横線のズレ)がかなり気になる感じで、真っ直ぐ覗いている状態でも左右が若干滲んだ感じになっています。

視点を少し左にズラした状態
視点を少し上にズラした状態

まっすぐ覗いている状態でのフチの滲みは索敵をする際など、全体を俯瞰して見るような時に結構気になる要素だと思いますが、ターゲットを狙っている時はそこまで気にはならない感じでした。
それ以上に、視点を動かした際にレティクルの横線が歪むというか、ズレる?のが特に気になりました。

三脚に固定したりしてる分には問題無いですが、銃を手で持って構えているとどうしても多少ブレますからね。
その時にレティクルの横線がグニグニ動くんです…。

キルフラッシュを取り付けた時の様子

Absolute MPS3には専用のキルフラッシュが同梱されています。

取り付けるとこんな感じ。

キルフラッシュを取り付けても3倍という倍率があるおかげでメッシュ状の模様は見えません。
ただし、若干暗くなります。

キルフラッシュ付き
キルフラッシュ無し

銃に取り付けた時の見た目について

普通にトップレールが長い銃なら問題ない事は明らかなので、今回はオフセットマウントを有効活用出来そうな製品に載せた様子を撮ってみました。

まずはMP5のエジェクションポート上部に取り付けるタイプの短いマウントベースに取り付けた様子です。
リアサイトの真上位の位置に取り付ける事ができ、かなり前かがみにはなりますがギリギリ覗けます。

続いて、x115xTAYLOR×M-3D P90 precision cut Upper receiverを取り付けたP90だとこんな感じ。
MP5ほどでは有りませんが、前かがみに構える事で覗く事ができます。
P90は自然に構えるとかなり前かがみな感じになるので、相性は悪くはないと思います。

Primary Arms SLx1 Micro Prismと並べてみた

実はAbsolute MPS3が発表される前に『Primary Arms SLx 3X MicroPrism』を買おうと思っていたのですが、本製品が発表されたので「こっちを買おう」と購入する物を切り替えたという経緯があります。
この2つの製品、かなり似てるんですよね。(価格帯も見た目も)

元々Primary Arms SLx1 Micro を持っていたので、それと比較してみる事にします。

まず、長さに関しては1倍率と3倍率の違いがある影響もあって、Absolute MPS3の方が長いです。
ただし、Primary Arms SLx 3X MicroPrismもSLx1よりも若干長いので、サイズ感に関してはほぼ同じのような気がします。

Absolute MPS3を製造している工場はPrimary Arms製のプリズムサイトも製造している所のようなので、似たような仕様になるのは仕方がないのかも知れません。


という訳で、NovelArms Absolute MPS3のレビューは以上になります。
尚、今後発売される予定のSURE HITシリーズのプリズムサイトも購入する予定なので、そのうち比較記事とかも上げてみようと思っています。

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