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初期型ホロサイト比較 EoTech 511/Bushnell HOLO Sightを4機種比べてみた

記事作成日:2024年4月3日

Bushnell製のホロサイトは大きく分けて3種類あり、うち2つがリフレックスサイト型、もう1つがEoTech製としても流通している、現行のホロサイトの原型となっているモデルになります。

このEoTech/Bushnellの初期型ホロサイトを持っている友人が集まり、『Bushnell Holographic Sight #510023』が全部で4機種集まったので動画他機種の比較をしてみようと思います。
比較するのはEoTech版(2000年製造)、Bushnell版初期(2004年製造)、Bushnell版後期(2008年製造、2009年製造)で、全てシールド無しです。

尚、2004年製造の物はQDレバー付きに改造されています。

このホロサイトの中でも初期型と後期型の2種類が存在し、見分け方はボタンが2ボタンか、3ボタンかだと思います。
2ボタンのモデルはボタン同時押しで消灯、輝度UPボタンで電源ON、3ボタンのモデルは中央のボタンが電源ON/OFFになっています。

左2つが初期、右2つが後期

明確に何時頃仕様が変わったのかが分からないのですが、2004年製造が初期型、2008年製造が後期型になっているのでその間に変更があったものと思われます。

側面はこんな感じ。(2008年と2009年は同じなので省略)
EoTech版はロゴ周りが大きく違っている他、今回比較する中では一番古い製品という事もありエレベーテーションダイヤルの下に弄り防止トルクスネジが付いています。(それ以降のモデルではネジの跡だけ残っていて埋まっています)
Bushnell版は年式問わず同じロゴが入っている感じです。

2000年
2004年
2008年、2009年

エレベーテーションダイヤル下部のトルクスネジについては調べても特に使い道がよく分からず、EoTech版だけではなくBushnell版にも存在しているようなので、初期型の中でも更に初期の頃の個体にだけ付いているネジのようです。
また、トルクスネジ以外にもマイナスネジの個体もありました。

バッテリーケース部分はEoTech版にのみロゴ(L3ロゴになる前の旧ロゴ/虹ロゴ)が入っており、Bushnell版は無印。

レーザーに関する注意書きのシールは全モデルで共通(これは現行のホロサイトにも付いています)ですが、印刷の個体差は確認出来ました。
書いている内容は同じで、0.08mW 650nmのClass2レーザーを用いる製品となっています。

バッテリーケースの仕様自体も年代問わず同じ感じです。
全て単5電池2本で動作します。

バッテリーケース周りで異なっているのはロックレバーの長さ。
初期モデルは真っ直ぐに伸びている長いレバーが付いており、後期モデルはレバーが短く先端が引っ掛けやすいように少しハネています。

本体底部に張られている製造年月日やシリアルNOなどの刻印はロットによって少し違いがあるようです。
基本的に書いている内容は基本的に同じですが、データマトリックスやWEEE指令(電気電子廃棄物指令)の有無の違いがあるようです。

覗いた時の様子(主にアメーバの具合)についてはこんな感じ。
まず、2000年製造と2004年製造のモデル(初期)に関しては割とアメーバ(コーティングの劣化・剥がれ)が成長しており、特に2004年モデルに関しては接眼レンズ側のほとんどのコーティングが吹き飛んでいる状態になっていました。

2000年製造
2004年製造

2008年製造のモデルも画面フチの方にアメーバが出来ていますが、2009年製造のモデルでは全くといって良いほどアメーバが確認出来ませんでした。

2008年製造
2009年製造

ホロサイトのアメーバ問題は管理状態の他にロット差の影響もあるようなので、一概に「この製造年の製品は良い」とかそういう事は言えませんが、近しい年代の製品であってもこれだけ差が出る事が分かると思います。

尚、コーティングの劣化による影響は光を反射させた時によく分かります。
ホロサイトの接眼レンズには光の反射を抑える為のコーティングが施されており、明るい環境下で覗いた時の視認性を高める工夫が施されているのですが、レンズコーティングが劣化し、アメーバが出現している状態だとレンズが反射してしまい視認性が失われます。

2000年製造個体と2004年製造個体に光を当てるとこんな感じ。
劣化している部分は真っ白に反射してしまい、劣化していない部分だけが透過しています。

アメーバがそれなりに発生している2008年製造モデルと全くと言って良いほど発生していない2009年モデルはこんな感じ。
この時に気づいたのですが、後期モデルは青色の反射が確認出来るので、初期モデルと接眼レンズのコーティングが変わっている可能性がありそうです。

続いて、レティクルを点灯させた時の見え方とアメーバの影響を見ていきます。

まず2000年モデルのEoTechホロサイト。
こちらはアーチェリー用の特殊なレティクルが搭載されているので、他のホロサイトと大きく見た目が異なっていますが、これはこのモデルが特殊なだけです。
アメーバーと重なると写真の通りレティクルが滲み、視認性が低下します。

続いて2004年モデル。
こちらはレンズコーティングのほとんどが劣化していますが、アメーバが起きているのはレンズ左上付近だけなので、意外とレティクルを見た時の影響はなかったりします。
アメーバは中途半端にレンズを覆う状態よりも、覆い尽くしてしまった方がレティクルの視認性は良いのかも知れません。

続いて2008年モデル。
こちらはレンズの周囲にアメーバが発生している為、レティクルをフチの方に持っていかない限り問題はありません。
これくらいのアメーバなら覗いた時にもほとんど気にならないですし、使用上の問題は特に無いですね。

アメーバが発生していない2009年モデルではどこにレティクルを持っていっても滲む事はありません。
ただし、これは個体差の影響だと思うのですが右下は少しレティクルが薄くなります。

という訳で、EoTech/Bushnellの初期型ホロサイトが4機種集まったので、このような比較記事を書いてみました。
もっと様々な個体を見る事が出来ればもっと「ここも違っている」みたいな事に気づけるとは思いますが、今の所この4機種での比較になります。