
B&T Air/ARCHWICK APC9 PRO AEG JP Ver.の分解レビュー
記事作成日:2025年9月30日
先日開封レビュー記事を書いたB&T Air/ARCHWICK製電動ガン、APC9 PRO JP Ver.の分解をしていきます。

B&T AirのAPC9 AEGシリーズは全部で4種類存在しますが、説明書に記載されているパーツリストを見る限り、基本的な分解方法は全部同じかと思われます。(SD系はハンドガードの分解がある程度)
マガジンの分解
開封レビューでも軽く触れましたが、マガジンの分解から紹介します。
マガジンバンパーを引っ張って外すと内側にネジが付いているので、このネジを外します。
これでマガジンアウターとインナーを分離させる事が可能で、中に入っているダミーカートを取り外す事が出来ます。


マガジンインナーからスプリングガイドを外します。
スプリングガイドは細いマイナスドライバーなどを使って外す事が出来ます。

フォロワートップは変わった形状をしており、丸まった突起が付いているだけ。
また、100連マガジンという事もあり、マガジンスプリングはかなり長いです。
自由長もかなり長く、全体的にスプリングレートは高めな印象があります。


ただ、給弾ルートの構造的にスプリングレートが高く無いと給弾不良が発生する可能性がありますし、スプリングレートが高い事による不具合も発生しにくい構造にはなっているのかなと思います。
マガジンインナーは側面のネジを外す事で分離出来ます。
ネジは全てタップネジで、7個あります。

リップ部のBB弾ストッパーを外します。
また、リップ部は緩やかなカーブを描く形になっておりダブルスタックをシングルにするスロープが付いています。


ストックの取り外しとテイクダウン
APC9 PRO AEG本体の分解を進めていくので、まずストックを取り外します。
電動ガンのAPC9はバッテリーを入れる為にストックを取り外す必要があるので、この分解は本製品を使う上で必要な操作になります。
ストックを外すにはテイクダウンピンを抜き、ストック基部に付いているネジを外します。
ちなみに、ストック自体は樹脂で出来ていますが基部はアルミ製で補強されています。


続いて、テイクダウンをする為にレシーバー側のパーツを外していきます。
まずストック基部を固定するのに使用しているアルミ製のプレートを外します。
このパーツはアッパーレシーバー左右のネジとピストンスプリングガイドに刺さってるネジの計5本のネジで固定されています。

尚、QDスプリング式のメカボックスだとこの時点でピストンスプリングを取り外せるのですが、本製品はQD式では無いのでメカボックスを分解しないとスプリングを取り外す事は出来ません。

続いて、チャンバーブロックを固定している左右のトルクスネジを外します。
尚、これらのネジは1本だけ長いネジが使われているので、組立時に注意が必要です。(右上が長いネジ)

これでアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させる事が出来ます。
尚、ピポッドピンはチャンバーブロックの固定に使われているだけなので、テイクダウン時に外す必要はありません。
テイクダウンはまず、アッパーレシーバーを前側にスライドさせ、ダミーボルトが最後退状態になった辺りで後ろ側を持ち上げる事で外す事が出来ます。


尚、マズルは外しておいた方がテイクダウンしやすそうだったので外しておきました。

本製品はチャンバーがロアレシーバーにくっついているので、テイクダウンが少々面倒な仕様になっていますね。
その変わり非常に高い剛性を実現しているとも言えます。
アッパーレシーバー内側はこんな感じで、ダミーボルトとコッキングハンドルが付いているだけです。
リターンスプリングとかは外せそうですが、特に外しても意味は無さそうだったのでアッパーレシーバーの分解は行っていません。


ロアレシーバーからチャンバーASSYの分離
ロアレシーバーはこんな感じで、メカボックスとチャンバーがロアレシーバーにくっついている状態になっています。


本製品の特徴の1つで、商品紹介では『6点ボルト支持HOPチャンバーユニット』と紹介されており、レシーバーとチャンバーを一体にする事で高い剛性を実現しているようです。
実際にはアッパーレシーバーの6点に加えて、ロアレシーバー側にも固定されているので6点だけでは無いと思うんですが…。
という訳で、まずロアレシーバーからチャンバーを外していきます。
まず、チャンバーブロックを固定しているネジを外し、ピポッドピンを抜きます。
これでチャンバーブロックをロアレシーバーから分離させる事が出来ます。
尚、チャンバーブロックを固定しているネジの受け側にはインサートが埋め込まれています。


チャンバーブロックを分離したらインナーバレル+チャンバーを抜く事が出来ます。


尚、このチャンバーブロックには色々なギミックが付いていたので紹介します。
チャンバーをメカボックスに押し付け、ガッチリ固定する為と思われるイモネジが付いており、このイモネジの緩み防止用として側面にイモネジが付いています。


普通の電動ガンはメカボックスをチャンバーに押し付けるのにスプリングを使っている事が多いですが、本製品は給弾ルートの向き的に、BB弾によってチャンバーが前に押し出される可能性があります。
それを抑える為の仕様なのかも知れないですね。
アウターバレルはチャンバーブロックに引っ掛けレンチなどを使って回せるナットで固定されています。

マズルはこんな感じで、12mm逆ネジになっており、アウターバレル側に緩み止めのOリングが付いていました。
やはり14mm逆ネジ変換を使う事が出来そうだったので、試してみた所問題無く使えました。
今回は『DOUBLE BELL ハンドガンシリーズ対応 12mm逆ネジ→14mm逆ネジ変換 サイレンサーアダプター』を使ってみました。


DOUBLE BELL ハンドガンシリーズ対応 12mm逆ネジ→14mm逆ネジ変換 サイレンサーアダプター
インナーバレルとチャンバーの分解
APC9 AEGのインナーバレル・チャンバーはこんな感じ。


給弾ルートは金型の都合なのか、このような3分割の構造になっていました。
チャンバー本体、給弾ルートでL字状になっているパーツ、マガジンのリップ部を押し下げる為のパーツの3パーツです。

給弾ルートになっているL字状のパーツはチャンバー本体に差し込まれており、2つのOリングで保持されています。(引っ張れば抜けます)
尚、このチャンバー形状(給弾ルートの形状)にする事で、既存のVer2メカボックスを組み込みつつ、レシーバーサイズをリアルスケールにする事を実現しているそうです。

そう言えばSIG Airの電動MPXはメカボックスとチャンバー位置の都合でレシーバーが長くなっていますし、恐らく最初に発売されたAPC9の電動ガン、Arrow Arms APC9-Kも若干フレームのサイズとマガジン差し込み位置が違っているそうです。
本製品はこのチャンバー形状でレシーバーの寸法が変わる事を防いでいるようです。
まずOリングを外し、HOPダイヤルを外します。
HOPアームは側面のピンを抜く事で外せます。


HOPテンショナーはこんな感じで、MAPLE LEAFのOMEGのHOPテンショナーのような形をした物が付いています。
硬度高めのゴムで、面押しで弧を描く形状が特徴的ですね。


チャンバーからインナーバレルを抜くにはまず先端のガタ取り用のパーツを抜き、Cクリップを取り外します。
これでインナーバレルとHOPパッキンを外す事が出来ます。


インナーバレルは長さ129mmの真鍮製。
HOP窓はかなり広めで側面の溝は沢山付いているタイプです(実際に使われている溝は一般的な電動ガン用バレルに付いている1つのみ)。
気になるような汚れも無く綺麗なインナーバレルですね。


HOPパッキンはシリコン?と思われる半透明の青色の物でした。
柔らかめで50度程度の硬さでグリップ力はかなり高めでチャンバーから抜くのに少し苦労するレベルでした。

HOPの突起は2点掛けタイプで長めの突起が付いています。


ロアレシーバーからメカボックスを取り外します
続いて、ロアレシーバーからメカボックスを取り外していきます。
まずグリップ底部の蓋を外します。
この蓋は1本のネジで固定されており、前側はグリップ内側の溝に引っかかっているだけです。
モーターはグリップ前側に寄っており、配線は後ろ側を通す仕様。


グリップ内側のスペースはかなり広めなので太めの配線を通す事も出来そうです。
モーターはこんな感じで、ラベル無しのハイトルクモーターで側面に「70215175」と謎の数字が入っているだけです。
磁力的にネオジウム磁石が使われていると思われます。(商品紹介では『ハイトルクモーター標準装備 (30,000RPM)』と記載)


ピニオンギアはO型で粉末焼結っぽい少し丸みのあるピニオンギアが付いており、モーターシャフトはアルミ製。
ブラシはレイダウンタイプです。



グリップ内側に付いている2本のネジを外してグリップを取り外します。
尚、逆転防止ラッチ解除用の穴が開いているので、メカボックス分解前に解除しておいた方が良いでしょう。


続いて、トリガーピンを外します。
このピンはローレット加工がされていないものの、ロアレシーバー内側のリングで固定されており抜く方向が決まっているので、写真の方向(レシーバー右側から左側に向けて)に抜くのが良いと思います。
尚、ピンを抜いた状態でレシーバーを逆さにするとリングが落ちてくるので注意が必要です。



これでメカボックスを取り外す事が出来るのですが、自分は先にセレクターレバーを外しました。
セレクターレバーは左右それぞれ同じ構造になっており、イモネジ(1.3mmの六角レンチが必要)を抜く事で外せます。
プランジャーボールは樹脂製で、樹脂製のフレームを傷つけにくい仕様になっているようです。


尚、セレクターレバーとメカボックスのどちらを先に外すのが正解なのかイマイチよく分からないのですが、メカボックスを外すのにセレクターレバー用のギアの噛み合わせを外す為のセレクターレバーをグイグイ動かす必要があるので、先にセレクターレバーを外した方が良いのかなと思っています。
セレクターレバーをSAFEよりも逆向きに少し回す事でメカボックスを分離させる事が出来ました。
メカボックスを外すとセレクターレバー内側のギアが落ちてきます。


ちなみに、トリガーピンを固定するのに使用しているリングはロアレシーバー内側のこの部分にはまっているようです。

最後にロアレシーバーに付いているボルトリリースボタンとマガジンキャッチを外していきます。
ボルトリリースボタンは左側に付いているピンを抜き、スプリングを押さえつけながら右側に抜く事で外せます。



マガジンキャッチボタンは左側のボタンを深く押しながら、右側のレバーを90度回転させる事で外せます。

メカボックスの外観を見ていきます
メカボックスはこんな感じでVer2系メカボックスです。


商品紹介では『Lonex V2精密メカボックス搭載 (Made in Taiwan)』と記載されている事から、7000円弱で販売されている物と同等の物が組み込まれているようです。
メカボックスの補強部分やMADE IN TAIWAN刻印の位置、軸受のサイズ(サイズが同じだけで組み込まれてる軸受の種類は違う)や、ネジの種類など共通点も多いです。

メカボックスの分解
という訳で、メカボックスを分解していきます。
まず、アンビセレクターレバーを連動させるのに使われているギアを外します。
セレクターレバーの仕様はVFCのアンビセレクターレバーモデルと似ていますが、ギアの仕様は全然別物で、歯車が小さく厚みがあります。
また、シムがそれぞれに入っています。

セレクタープレートはかなり変わったデザインをしています。
まが、冒頭でも紹介しましたが本製品はQDスプリングガイドのメカボックスでは無いです。


メカボックスを開く為にネジを外していきます。
ネジは皿ネジとナベネジの2種類があり、ナベネジには緩み止めワッシャーが付いています。


メカボックスを開くとこんな感じ。
尚、開くときにスプリングガイドが吹き飛ばないように抑えておくと良いです。

ギア部には一応シムが入っており、メカボックスとギアが擦らないようにはなっているようです。
ただ、調整されていると言える物では無く、あくまでテンプレートとして指定の位置に指定のシムを入れているだけのような気がします。


メカボックス内部パーツを見ていきます
まずピストンスプリングガイドとピストンスプリングを外します。
スプリングガイドは金属製で耳無しタイプ。
何故Ver2なのに耳なしタイプが採用されているのか謎です。


ピストンスプリングは不等ピッチで長さ約17cmと少し長めな物が入っていました。
圧縮時の重さは5.9kgなので東京マルイ純正比約151%の硬さのスプリングです。



タペットプレートとノズルはこんな感じ。

タペットプレートもLonex製のようですが、羽が短くなっている形状なのが特徴です。
程よい弾性があり、全体的に歪みも無く前側はしっかり90度曲がっている、良いタペットプレートのような気がします。



羽が短くなっているのはセクターギアに付いているセクターチップがあるからですかね。(それならセクターチップ無くして、フルサイズの羽を付けた方が良い気もしますが…)
ノズルはPOMっぽい感じで長さ21.24mmの前方吸気対応形状。
シリンダーヘッドとの気密を保つ為のOリングが付いている、シーリングノズルが採用されています。



ピストンとシリンダーはこんな感じ。

シリンダーヘッドは樹脂製でシャフト部がスチール製。
内側は緩やかなR面取りされているタイプです。



シリンダーはスチール製の加速シリンダー(加速穴は4箇所)。
加速穴に付いているバリが少々気になりますが、気になるような歪みは無く表面に防錆処理が施されています。


ピストンはこんな感じで粘度高めの白色のグリスがべっとり付着していたので、洗浄してから紹介します。
ピストンは見た感じLONEX製のナイロンピストンのようで、ラックギアはハーフティースタイプの13枚金属歯。
2個ラックギアが無い、ガッツリバウンド対策が施されている物になります。


ただ、ラックギアの1個目が物凄い消耗している事からセクターギアとの当たりが悪いような気がしますし、ギア上面に傷が付いている事から滑っているようにも見えます。(オーバーランした時に擦ってる可能性もありそう?)
一番負荷が掛かるハズの最後の歯よりも消耗していますね。


ピストンヘッドは6個の吸気穴が開いている樹脂製で、中央にはネジ穴用の金属パーツが埋め込まれています。

ピストン後ろ側には謎の凹み(ダミーボルトとかリコイルユニットを引っ掛ける窪みに見えるが、本製品にそういうギミックは無い)が付いており、ピストンが若干肉厚になっているのが特徴です。


とは言え、ピストンの内径は15.4mm程度あるので、通常の電動ガン用スプリングは使えます。
ただ、線形太めのスプリングは外形が太い個体もあり、そういうスプリングと組み合わせると相性問題が起きそうです。

ピストンヘッドを取り外すとこんな感じ。
中にはスラストベアリングではなく錘とワッシャーが組み込まれており、ピストンヘッドの固定にはネジロック剤が使われています。
この錘のおかげでかなりずっしりしたピストンになっており、重量は34gとソコソコ重めです。


ちなみに、ラックギアを外すとこんな感じ。
ラックギアは硬そうな金属で出来ており、厚みもあります。

ギアと逆転防止ラッチはこんな感じ。
ギアにもピストンに塗られているのと同じ粘度高めのグリスが塗布されていました。
ギアの面にはべっとり付いているのですが、歯の部分にはあんまり塗られていないのが気になります…(歯に塗る方が重要なのでは…)

グリスを洗浄した状態のギアはこんな感じ。
セクターギアにセクターチップが付いているスチール製のギアセットで、ギア比は18:1。
ベベルギアに付いている逆転防止ラッチの歯の枚数は5枚です。


セクターギアのシャフトが錆びているような茶色をしていますが、こういう色をしているだけでした。
ロゴは入っていませんが、これもLonex製っぽいなと思いました。
トリガー周りはこんな感じで、ARCHWICKオリジナルの電子トリガーが組み込まれています。
トリガー形状はVer2系スタンダード電動ガンと同じ感じで、セーフティカバーも通常形状の物が付いています。



電子トリガーはメカボックスにネジ止めされています。
また、ネジ部には樹脂製のワッシャーが付いています。


尚、電子トリガーを組み込むにあたってなのか、メカボックスに加工が施されていました。
恐らくバリ取りが目的だと思うのですが、ネジ穴の周囲や基板と干渉しそうな部分が削られていました。

セレクタープレートはこんな感じで、ETUのスイッチがしっかり押せるように少し膨らんでいます。
カットオフレバー用のスプリングを仕込む構造もなくなっているので、ETU専用になっていますね。


組み込まれているETU電子トリガーについて
取り外した電子トリガーはこんな感じで、『V2 Archwick Ver.1』という基板のバージョン名とB&T Airのロゴが入っています。
セクタープレート検知用のスイッチとセクターギア検知スイッチはディテクタスイッチ、トリガー検知はマイクロスイッチが採用されています。


こちらの電子トリガーはT238製品ベースのカスタムバージョンのようで、開封レビューでも紹介した通り8段階のプリコッキング設定が可能になっています。
ただ、T238のどのバージョンがベースモデルになっているのかは不明…(T238製、あまりに種類が多すぎる上に同じ製品買っても違う仕様の物が届く事があったり、ネット上に情報が無いモデルも存在するらしいので意味不明すぎる)
形としてはV1.9のVer2用と似ていますが、スイッチやMOSFETなどの仕様が違っているので、いまいち良くわからない。
という訳で、B&T Air/ARCHWICK APC9 PRO AEG JP Ver.の分解レビューは以上になります。
パーツ構成的には高品質な物が使われていると思います。
メカボックス周りはLonex製のパーツが多く使われており、電子トリガーもGATE TITANのような高級品では無いもののT238なので、無名の謎ETU搭載機よりかは全然マシだと思います。
最近は既製品やメーカーが明らかになっている電子トリガーを標準で組み込んだ製品増えてますね。
箱出し状態の動作音はかなり気になりますが、特にパーツを変えなくても良さそうなので一旦なるべく純正パーツのままで弄っていこうと思います。
ただ、ピストンスプリングとシリンダーに関してはガッツリ変えても良いかなと思っています。
