
SYSTEMA PTW リコイルモデルのピストンが破損したので、原因を考察してみた
記事作成日:2016年9月27日
先日、サバゲーに持っていって試射してる最中にピストンクラッシュを起こしたSYSTEMA PTW リコイルモデルですが、幸い物理的に壊れたのはピストンのみだったので、ピストンを買ってくれば修復が可能な状態でした。
人によってはピストンヘッドが変形したり、プッシュロッドが折れてしまったりした人も居るようなので、自分はかなり軽症だったようです。
※ピストンヘッドもプッシュロッドも、単品販売されていないリコイルモデル専用パーツの為、そこが壊れてしまうと自力での修理が不可能になります。(プッシュロッド程度なら自作できそうですが…)
ああああああ!
リコイルトレポン壊れた!!! pic.twitter.com/aWHwHLvOLG— 橋田 優一@リコイルトレポン破損 (@Evolutor_web) 2016年9月25日
ピストンだけ交換すれば直せるとは言えども、何も考えずに修理してしまうと、再発してしまう可能性が高いので、何故破損してしまったのかを考えてみます。
まず、SYSTEMA PTW リコイルモデルのシリンダーASSYを分解していきます。
リコイルトレポンのシリンダーASSY内部はこのような感じになっています。
基本的には通常トレポンのシリンダーASSYと同じような作りになっていますが、リコイルモデル固有の「プッシュロッド」という、リコイルバッファーを押し下げる為の棒が入っています。
これが破損したピストン。
想定外の強い衝撃が加わったせいで、ラックギアの片側の樹脂が裂けました。
この壊れ方自体は通常トレポンでも起こりうる壊れた方です。
ラックギア自体は無事。
このラックギアはほぼ新品みたいな状態なので、修理用パーツとして取っておきます。
シリンダー内部が削れたりしてないかな?と心配になりましたが、こちらも大丈夫そうで一安心です。
プッシュロッドは先端が少し変形していましたが、曲がったりネジ穴が舐めたりはしていませんでした。
ピストンヘッドのリターンスプリングは歪な形に変形していますが、まだスプリングとしての形状を保っていますし、テンションも十分あるので再利用が可能な感じ。
実際に組み立て直した所、問題なくピストンが使える事が分かりました。
やっぱり、ピストン買い直すだけで治りそう pic.twitter.com/bu8HrRZE9h
— 橋田 優一@リコイルトレポン破損 (@Evolutor_web) 2016年9月26日
まずはプッシュロッドとピストンがどういう動きをするのかを見ていきます。
ちなみに、リコイルトレポンのシリンダーASSYを分解するのは実は今回が初めてです。
SYSTEMA組み立ての製品なので、下手に分解しない方が良いかなと思って今まで手をだしていませんでした。
ついでにリコポンのシリンダーの動きも撮ってみた。
実際に動かしてみると意外とプッシュロッドの突出量ってそんなに多くない事が分かった。 pic.twitter.com/aoPM4xGis0— 橋田 優一@リコイルトレポン破損 (@Evolutor_web) 2016年9月26日
こんな感じでピストンの動きと連動してプッシュロッドがピストンスプリングガイドを貫通して、シリンダーASSY後部から飛び出ます。
この飛び出たプッシュロッドがバッファーチューブのリコイルユニットを動かします。
ピストンが最後まで後退した時のプッシュロッドの突出量は約2.6cm。
思っていた以上に突出量は少ないようです。
つまり、実質リコイルバッファーの可動量も約2.6cmという事になります。
たったこれだけの可動量であれだけのリコイルを生み出せている事を考えると、リコイルユニット自体はかなり優秀な感じがします。
で、ここからが本題です。
何故ピストンクラッシュしたのか?という所を考えていきます。
各パーツの損傷具合等を見て、1つしか考えられなかったのですが…。
まず、これが静止状態のピストンです。(わかりやすいようにピストンは外しています)
セクターギアが回転し、ピストンが後退するとこのような感じになります。
この動きを繰り返していくうちに、プッシュロッドのネジが緩んでいき…
プッシュロッドとピストンヘッドが分離してしまいます。
こうなったらピストンヘッドは動かず、ノズルも動きません。
なので、「ピストンは動いているのに、給弾されない」という状況に陥ります。
後はもう想像に難くない状況になりますね。
開放されたピストンが勢い良く前進し、ピストンヘッドと衝突します。
ピストンヘッドごと破損してしまった人はこのピストンとピストンヘッドがぶつかった時に壊れてしまったのだと思われます。
プッシュロッドが折れてしまった人は、ピストンヘッドとプッシュロッドが分離し、プッシュロッドがフリーになった為にピストンやピストンスプリンガイドと衝突して折れてしまったのではないかと思われます。
では、何故このプッシュロッドは外れてしまうのか。
結局の所、「ちゃんと固定されてなかった」というオチ以外考えられません。
見たところ、ピストンヘッド側のネジは鉄、プッシュロッドは樹脂(恐らくPOM)です。
今回、初めて樹脂と鉄のネジロックに関して調べましたが、POMのネジロックって難しいらしいですね。
このSYSTEMA PTW リコイルモデルのプッシュロッドにもネジロック剤らしい物は塗布されていないような印象でした。(ネジ山にネジロック剤の残りカスみたいなのが見当たらなかった)
その為、リコイルの振動なのかピストン打撃時の衝撃なのかで少しずつ緩んでいき、仕舞には外れてしまったのだと思われます。
解決策としては「ネジロックする」ですが、POM対応を謳っているネジロック剤ってライラクス位しか出てないみたいですね…。(しかも生産中止なのか在庫が見当たらない)
ロックタイトから「ロックタイト 425」という低強度の接着剤が出ているので、それを試してみるかな?とも思っています。
ちなみに、私の家にあったロックタイト 263とタミヤのネジロック剤は硬化してもすぐに剥がれてしまいました。
という訳で、「POMで使えるネジロック剤」と「SYSTEMA PTW用ピストン」を買ってくればリコイルトレポンのピストンは修復可能のようです。
ちなみに、SYSTEMAに送って修理をお願いするのは正直面倒くさいですし、時間も掛かりそうなので今回はやりません。
おまけ(素朴な疑問)
あれ…?
もしかして、撃てば撃つほどリコイル強くなっていってる感じがしたのはもしかして、単純にプッシュロッドがどんどん抜けていって、突出量が増えて、リコイルバッファーの稼働量が増えたから…?
って事は、リコポンはバッファーの稼働量が増えても大丈夫な設計になっていた…?— 橋田 優一@リコイルトレポン破損 (@Evolutor_web) 2016年9月26日
おまけ(素朴な疑念)
撃ってるうちにプッシュロッドが外れていくのは、想定されていた可能性が微レ存?
バッファー側ぶっ壊すと大変だから、何かあったらピストン側が壊れるように設計していた…?— 橋田 優一@リコイルトレポン破損 (@Evolutor_web) 2016年9月26日
そんな馬鹿なw