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Wolverine Airsoft製の電磁弁ユニットを注文してみました

記事作成日:2017年2月17日

Wolverine Airsoft(ウルヴァリンエアソフト)製の、通常電動ガンのVer2メカボックスを電磁弁化するユニット、HPA SYSTEM INFERNO Ver2と、12gのCO2カートリッジをバッファーチューブに入れる事を可能にするCO2ストックパイプを注文しました。

現状、問屋側で在庫が確保され次第の発送という感じなので、まあ気長に待ちます。

ちなみに、INFERNOはこんな奴。
写真上側の赤色のパーツ(電磁弁)に、トリガーボードやコントロールボードを取り付けて使います。

RedWolf Airsoftの通販ページから拝借

こっちが、CO2ストックパイプ。
INFERNOから伸びているガスチューブをこのストックに取り付けます。

RedWolf Airsoftの通販ページから拝借

電磁弁というのを簡単に説明をすると、フィクスドガスガンのバルブ開放を電子制御で行うタイプの物になります。

電磁弁のメリットとして挙げられるのは、やはり発射音の小ささですね。
実質バルブが開閉する音と放出されたガスの破裂音しか無いので、サプレッサーを付ければほぼ無音になります。

そんな電磁弁ユニットを扱う上で注意しないといけない点が幾つか存在します。
特に気にする必要があるのが銃刀法上の注意です。
エアーソフトガンを使う上では一番守らないといけない事ですが、電磁弁はより一層注意が必要になります。

電磁弁ユニットを組み込む上での法律上の注意点

一般的に市販されている電動ガン用の電磁弁ユニットはガスの放出量を調整する機能が付いています。
具体的に言うと、電磁弁の開放時間をコントロールする為の機能ですね。
当然ですが、ガスを長い時間放出し続ければ初速は上がります。

私が注文した電磁弁ユニットであるINFERNOのFCUにもこの機能が付いています。

この放出時間の調整方法は単に基盤に付いているノブを締めたり緩めたりするだけなので、そのまま組み立てただけだと簡単に初速を変更出来てしまうのです。
まあ、規制前(2007年の銃刀法改正前)に流通していた外部ソースレギュレーターと同じような感じですね。

レギュレーターによって気圧の調整が容易に行えるのと、コントローラーによって放出時間を容易に変更出来るのはとてもよく似ていると思います。

こんなブログ読んでる人は当然知ってると思いますが、2017年2月現在で施行されている銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)では0.989J以上のエアーソフトガンは「準空気銃」という扱いになり、理由を持ってしても所持が認められていません。
尚、実銃を持つ事が出来る人でも準空気銃を持つ事は原則出来ません。

一応、特殊な例として、下記4種類の条件のどれかを満たしていれば所持が認められているようです。(銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律 法律第四十一号 第二十一条の三

  1. 法令に基づき職務のため所持する場合
  2. 国又は地方公共団体の職員が試験若しくは研究のため、又は公衆の観覧に供するため所持する場合
  3. 前二号の所持に供するため必要な準空気銃の管理に係る職務を行う国又は地方公共団体の職員が当該準空気銃を当該職務のため所持する場合
  4. 事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て前号に規定する者への譲渡しのための準空気銃の製造又は輸出のための準空気銃の製造若しくは輸出を業とする者(使用人を含む。)がその製造又は輸出に係るものを業務のため所持する場合

まあ、どう見ても一般人は所持する事は出来ませんね。
「研究する人」「作る人」「輸出する人」は所持出来ますが全て法令に基づいていたり、国・地方公共団体の職務上所持が必要な場合だけなので「勝手に研究する人」とか「勝手に作る人」とか「勝手に輸出する人」は持てない事になっています。

「そんな事言ったら、個人やショップのチューナーとかどうなんだよ?調整中の銃で準空気銃あるだろ?」とも思えてくるのですが、多分黙認されてるだけで実質、黒じゃないですかね…。
極端な話ですが、エアーソフトガン弄ってる最中にガサ入れ食らって、調整中の銃が初速超えてたら銃刀法違反で現行犯逮捕も有り得る話だと私は思っています。

ちなみに、調整中の銃の保管はどうするか?
簡単です、分解して撃てなくすれば良いのです。(念のため私は調整途中の銃は全て発射不可能な状態に分解して保管しています)

尚、分解というのはテイクダウンだけでは足りないようで、エアーコッキングや電動ガンであればピストンが動かない状態にする(ピストンやピストンスプリングを外す)、ガスガンであればガスが放出されないようにしたり、ガスがバレル側に流れないような状態にする必要があるようです。

と、少し話が脱線しましたが、電磁弁ユニットを組み込むに当って絶対行わないといけないのは「いかなり状態であっても初速が超えないチューンにする」という事が必須だと私は考えています。

そして、警察等が外部ソースの銃の初速を計測する場合はレギュレーターが出せる最大の出力で計測するのが一般的のようです。
例えば、10気圧出せるレギュレーターがあったとして、「5気圧なら大丈夫」は通用しません。

つまり、

  • 最大放出量にしても初速が規定値を超えないように調整する
  • そもそもノブによる調整が出来ないようにする

のどちらかの対応が必要だと思います。

最大放出量にしても初速が規定値を超えないように調整するのは現実的ではないと私は思っています。
インナーバレル何センチにすれば良いんだよと。若しくはノズルに詰め物するか?
そんな銃が不安定になりそうな事はしたくないので、実質「ノブによる調整が出来ないようにする」が妥当な選択かと。

ちなみに、初速時の環境は、20度~35度の気温で6mmBB弾であれば0.2gを基準としているそうです。
また、ジュール数は銃口から1m先で計測されるそうです。

どうやって初速を容易に調整できないような仕様にするか?

この「ノブによる調整が出来ないようにする」方法ですが、「こうすれば大丈夫」というルールがある訳では無さそうです。
多分普通に警察関係者に聞いても答えてくれないでしょう…。(多分大丈夫だと思うけど、保障は出来ないよ?的な回答になると思います。)

なので、現在市販されている外部ソースレギュレーター製造メーカーやSTGA(全日本トイガン安全協会)の定めるような「改造できない安全策を施された構造」を満たしていれば大丈夫ではないか?という憶測の元調整していく事にします。

例えば、銃刀法改正後のレギュレーターは0.5Mpaを超えない物が一般的です。(可変ノブ回しても気圧が変わらない個体もあったりします)。
また、マルシンのCDXシリーズは、初速に影響を及ぼす放出バルブやブローバックユニット周りは簡単には分解出来ないような構造になっています。

私が考えている方法は下記の通りになります。

  • 放出量を必要最低限の状態で、エポキシ系の接着剤を使ってノブを基盤ごと硬め、剥がそうとすると基盤が破壊される構造にする
  • トリガーボードとコントロールユニットを繋ぐコネクタをエポキシ系の接着剤で固めて外せなくする

この2点で実質、放出量を調整したり、簡単な改造による調整も不可能になるはずです。

とは言え、本当にこれだけで完全に合法になるとは言い切れません。
言ってしまえばASGKとかJASG、STGA等の協会の認可がおりてないエアーソフトガンは全て違法になる可能性を含んでいる訳ですし…。(そんな事気にしてたらカスタム銃はもとより、海外製品が一切使えなくなる。)

まあ、「銃が出せる最大出力で初速が規定値を超えないこと」さえクリアしていれば大丈夫じゃないでしょうか。(拳銃の場合は材質とかにも制限がありますが)

電磁弁が使えるサバイバルゲームフィールドはあるのか?

銃刀法周りの制限はまあ何とかしたとして、では実際に電磁弁の銃がサバイバルゲームで使えるのか?という疑問が出てきました。
昔は12gのCO2カートリッジ含めて「高圧ガス系は全面禁止」だったのですが、マルシンのCDXシリーズの登場によってそこら辺が緩くなってきて、12gカートリッジはOK、外部ソースやリキッドチャージの高圧ガスだけが駄目という感じのフィールドが増えてきました。

私が今回作る電磁弁銃もマルシンのCDXシリーズと同じ、12gカートリッジを使うのですが、ちょっとフィールドが認めている銃とニュアンスが違うと思ったので一応聞いてみる事にしました。

※2017年1月30日に問い合わせた内容です。
※メールで問い合わせて返信が来た順番で掲載。
※改行等は調整していますが、原文ママで掲載。

サバイバルゲームフィールドSAVAS

【スタッフがチェックしてOKだった使える】

ソースco2ご利用される場合、マルシン製ファイブセブン以外の銃に関しましてはレギュレーターの調整可否等、スタッフと対面形式でチェックさせていただきます。クリア出来ればOKとさせていただきます。

東京サバゲパーク

【使用禁止】

電磁弁の銃の使用は規定内のものであっても、使用はお断りさせて頂いております。

SEALsサバイバルゲームフィールド

【スタッフがチェックしてOKだった使える】

Co2カートリッジガスの使用は可能となります。
ノブの仕様について把握いたしました。
直接確認させていただいてからの判断となりますがご来場の際はお願いいたします。

HEADSHOT

【弾速チェック通ったらOK、抜き打ちチェックあり】

ご質問いただきました、銃の使用に関しましては、使用可能です。

ですが、弾速チェック対象になっておりますので必ず弾速チェックをお願いいたします。
チェック時にスタッフに一言「電子弁銃」とご説明をお願いいたします。
現在のジュール規制内でのご使用をお願いいたします。
また、チェック後、ゲーム進行中に抜き打ちでCO2使用の銃など(ほかのお客様の通常の電動ガン含む)弾速チェックを行う場合もございます。その時にオーバーしてしまわぬように調整などをお願いいたします。
なお、抜き打ち時にオーバーしてしまった場合はその場にて退場、今後の入店お断りなどの処置にもなりえますので重ね重ねご注意ください。

ユニオンベース、デザートユニオン、フォレストユニオン

【弾速チェック通ったらOK】

基本的に初速が規定内であれば使用可能となります。

M.E.Tユニオン

【弾速チェック通ったらOK】

当フィールドでは、弾速チェックを受けていただく事が前提となりますが、電磁弁銃の使用は可能となっております。

ヴァルハラ サバイバルゲームフィールド

【弾速チェック通ったらOK】

フィールドの弾速チェックをお受けいただき、レギュレーション内であることが確認できれば、電動式CO2エアソフトガンをご使用いただくことは可能です。

デザートストーム川越

【使用可能(書かれてはいませんが、弾速チェック通る事は大前提でしょうけど)】

お問い合わせいただいたCO2カートリッジの銃ですが、使用していただいて問題ございませんのでご安心ください。

オペレーションフリーダム

【BB弾やHOPを見た上で、弾速チェックして判断】

ご質問の電磁弁の銃ですが、当日弾速チェックをして判断をしたいと思います。
お約束は出来ませんが、使用可能だと思います。

こちらで用事したBB弾(0.2g)を使用して、ポップのかけ方等を見て判断したいと思います。

市街地型サバイバルゲームフィールドSISTER(シスター)

【初速を厳しく設定しておけばOK】

初速管理を厳しくして頂ければ仕様可能ですm(__)m
初速設定を5ぐらい低く設定お願いします!

F2プラント

【簡単に初速が調整出来る使用で無ければOK】

Co2埋め込み式の件ですが、初速を簡単に変化させる事が不可能な構造の銃であれば、規制値以下であれば使用は問題御座いません。


という訳で、明確に使用禁止と言われたのは東京サバゲパークのみでした。
基本的に初速の調整が行えない仕様にしておき、初速チェックが通ればOKといった感じでした。

とは言え、あくまで2017年1月30日辺りの情報なので、レギュレーションが変わったら使用禁止になる可能性もあるので、定例会等へ参加する前に念のため問い合わせておいた方が良いかもしれません。

しかし、電磁弁導入に当って法律絡みに詳しい人にお話を伺ったり、自分でも調べたり、お店の人に相談したりと色々しましたが、本当に頭が痛くなる…。
法律って面倒くさいですね。
私はそんな真面目な人間じゃないので、この手の専門家にはなれそうにありません…。