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KRYTAC KRISS VECTOR (クライタック クリスベクター)を分解していきます

記事作成日:2017年8月12日

先日行ってきたサバゲーでKRYTAC KRISS VECTORを箱出し状態で撃ってきたので、早速分解する事にします。

ちなみに、個人的な意見としては、箱出し状態ではメイン銃としては使い物にならないと思います。

一応30m位はギリギリ飛んでくれますが、35m位で失速、ドロップします。
もちろん鬼HOPにすれば40mとか50m飛びますが、実用的ではないですからね…。
東京マルイの電動ハンドガンに近しい弾道でした。

それに、動作に関してもギアノイズは酷いですし、ピストンスプリングの「バイーン音(バネなり)」が酷いので色々調整が必要だと思います。

という訳で、KRYTAC KRISS VECTORの分解レビュー記事です。
ライラクスが一生懸命分解防止対策して販売したのにも関わらず、無情にも分解していくスタイル。

まずはアッパー部分とロアー部分を分離させます。
分離させるには上部のピン2本と、下部のピン1本(ビスが入っていない方)を外すだけです。

尚、この段階でモーターへのアクセスは可能なので、モーター交換やピニオンギアの位置調整を行う事が出来ます。

アッパー部分には特に複雑な回路は無く、単にヒューズが付いているだけです。
ヒューズは小型平型の20A。
構造的にヒューズレスにする事も可能な感じですね。(FET搭載機でヒューズレスは止めといた方が良いですが)

ついでにストックも外してみます。
ストックは根本のピンを抜くだけです。

尚、一応セレクターレバーやセーフティレバー等も外す事は出来るのですが、これらは外した所でカスタムも何も出来ないのでとりあえず放置です。

続いてロアー部分の分解。
ロアー部分にはバレルやメカボックス等が集約されているので、それを外していきます。

まずは表面に見える大きな六角ネジを6本、ビス付きのピン(QCシールが貼られてた奴)、ダミーのボルトリリースボタンのネジを4本外し、チャージングハンドルのリターンスプリングの所に付いているネジも外します。
これでメカボックスが外れる状態になるのですが、フレームとメカボックスがかなりタイトにハマっているのでゴムハンマーで叩いて外す必要がありました。

メカボックスを外すとようやくピストンスプリングガイドが外せるようになります。
LayLaxが国内用に施しているQDスプリングオミット(分解防止対策)ですが、ピストンスプリングガイドにビスが1本入っているだけなので、これを抜いてしまえば海外版と同じ仕様になります。

ピストンスプリングは不等ピッチで非常に柔らかいスプリング(東京マルイ通常電動ガンと同等か少し柔らかい位の硬さ)で、長さは148mm程度でした。
そりゃバイーン音も鳴りますわ。

メカボックスを分解する前に、外側から見えるパーツをちょっと紹介。

まず、これはセクターギアの回転数を検知する為のマイクロスイッチです。
セミオート時のカットオフや2点バースト時の発射弾数カウントを行っているのだと思われます。

後ろ側にはマルイの電動ハンドガンのようにギアがまる見えの状態なのですが、ここに逆転防止ラッチのレバーがあります。

ファーストインプレッションでも紹介した通り、KRYTACのKRISS VECTORはセーフティレバーをSAFEの状態にするとピストンを開放してくれる機能が存在します。
テイクダウンした状態でセーフティレバーを動かすとその仕組がよく分かるのですが、SAFE状態に入れると棒が飛び出してきてそれが逆転防止ラッチを押して解除するという構造になっています。

まあ、外側から見えるパーツ紹介はこんな所でメカボックスをバラしていきます。

まずはモーターを外します。
モーターを外すにはモーターホルダーらしいパーツを固定する2本のビスを外すだけです。
使用されているモーターはクライタック製電動ガンでおなじみのラベルが貼られてる奴でショートサイズです。

続いて、チャージングハンドルを外します。
板状のパーツの上下を外すだけ。
ビスの長さがそれぞれ異なっているので要注意。

ちなみに、このチャージングハンドルは多分外さなくてもメカボックスの分解は進める事が出来ると思います。

続いて、チャージングハンドルの下側に付いているビスを4本外します。
これでアウターバレルが抜け、インナーバレルも取り出せます。

アウターバレルを外したついでにフラッシュハイダーも外します。
当然ながらフラッシュハイダーはわざわざバラさなくても普通に外せます。

フラッシュハイダー下部のイモネジを緩めて回すだけ。
ネジは14mm逆ネジで、クラッシュワッシャーもどきとOリングが入っています。

インナーバレルを分解していきます。
まず、HOPダイアルを外すには後部のパーツを押し込みながら90度回転させます。

後は普通のチャンバーと同様にCクリップを外してバレルを引き抜くだけです。
インナーバレルは真鍮製で長さは155mm程度。
ブレ止め用のOリングも付いています。

チャンバーパッキンはこのような形状になっています。
イカ故にイカ焼きみたいな凸形状ですね。
色はよっちゃんイカみたいな色してます。

続いてメカボックスを開いていきます。
メカボックスに使われているビスは結構多く、全部で8本もありました。
変態的なメカボックスのご開帳です。

いやー…なんだこのピストン形状…。
COYOTE AIRSOFTのベクターも相当な変態構造でしたが、クライタックも負けてはいませんね。
Vシステムっぽい形のノズル+タペットプレートが付いています。

ピストンは最後の4枚が金属歯になっている樹脂ピストン。
最初の2枚目の歯が全部削られているタイプです。

ノズル〜タペットプレートはこんな感じ。
タペットプレートは完璧に専用品ですね。

尚、ノズルの長さを測ってみた所、21.19mmと通常電動ガンのM4系と殆ど同じ長さでした。
なので、M4系のノズルが流用出来ると思います。
※M4系のノズルはメーカーによって長さが最大で1mm程度違う場合があるので、注意が必要です。

シリンダーヘッドも専用品。
シリンダーは真鍮製の加速シリンダー。MP5Kサイズとほぼおなじ感じでしょうか。
まあ、バレル長を考えるとこれくらいが丁度いいエアー量だと思います。

ギアはこの通り、通常電動ガンと同じ18:1のギアが入っています。
セクターギアのタペットプレートを引く棒が次世代電動ガンのような感じの形状になっています。

カットオフレバーがちょっと特殊な構造ですが、カットオフカムの形状も普通の電動ガン用ギアと同じでした。

尚、スパーギアはVFCの電動ガンでよく見かける半自動シム調整(スプリングシム調整)機能が付いた物になります。
個人的にこれ、大っ嫌いです。

軸受は8mmのメタル軸受けでした。

カットオフレバーはこんな感じ。
マイクロスイッチを押すために設計されているので、割と変わった構造をしています。

逆転防止ラッチはこの通り専用品です。

そして、もう1つ逆転防止ラッチに近しい動きをするパーツがKRYTAC KRISS VECTORには存在していました。
それが、こちら。

このようにセクターギアが一定以上逆回転しないようにする為のパーツなのですが、初見では「何のためのパーツだ?」といった感じなのですが、構造を色々考えていくと何となく分かったのは「ピストンを開放してギアが逆回転した時、セクターギアが必要以上に回ってピストンへダメージを与えない為」のパーツだという事です。

ファーストインプレッションでも紹介している通り、KRYTAC KRISS VECTORはセーフティレバーをSAFEにするとピストンを開放する機能が存在しています。
これは逆転防止ラッチを解除し、ピストンを強制的に前進させるのですが、当然この際ギアは逆回転を起こします。
ピストンが前進しきった後でも暫くギアは回転を続けてしまうので、回転したセクターギアがピストンにぶつからないようにする為の措置なのでは?というのが個人的な見解です。

最後に基盤を外します。
基盤には各種マイクロスイッチとFET、マイコン的な電子部品が集約されています。

反対側はこんな感じ。
KRYTAC PATENTEDの文字がプリントされています。

この基板形状でFCUを組み込んだカスタム基盤とか発売されないかなぁ…。
流石に無理か…。

まあそんな訳で、これにてKRYTAC KRISS VECTORの分解レビューは終了になります。

とりあえずギア、モーター、ノズル辺りが通常電動ガンと同じ物が使えそうだったのが救いですね。
COYOTE AIRSOFTのクリスベクターよりかは楽に調整が出来そうです。

という訳で、次は調整、組み立てネタ記事の予定です。