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逆転防止モーターヘッド+セクターギア逆付けでトレポンをプリコックさせます

記事作成日:2018年12月22日

先日レビューした『G.A.W. SYSTEMA 490モーター用逆転防止モーターヘッド』を使って、トレポンのプリコック化を行っていきます。

このモーターヘッド、トレポンでプリコックが出来るようにする為のような製品ですからね…。

尚、今回は単にプリコック化させるだけではなく、ちょうどギアボックス内のパーツが消耗してきたのでそれらのパーツ交換とオーバーホール作業も同時に行っていきます。

という訳でとりあえずメカボックスを開けてパーツを洗浄。

今回交換するパーツはこれら。
サンギア、サンギアベアリング、ベアリングプレート、サンギアシャフト、サンギアシャフト軸受けです。

プラネタリギアも交換しようかな…と思ったのですが、そこまで目立った消耗は無さそうだったので、今回はサンギアのみの交換になります。

こんな感じで削れたり歪んだりしていました。
そこまで凄い負荷が掛かるようなセッティングにはしていませんが、かれこれ4年ほど使ってますからね…。

サンギアベアリング周りやシャフトは何となくの交換…。
在庫パーツがあったので、消費したかっただけです。
あえていうなら、サンギアベアリング側にプラネタリギアの擦り傷が付いていました。

普段、グリスと言えばGAW製のGグリスばかり使っている私ですが、知人から勧められた「LS BELL HAMMER」を使ってみます。

潤滑、防錆、防湿、浸透性に優れた機械用オイルで、「今までにはない極圧潤滑性能で機械装置の初期摩耗を防止します。焼付き防止・きしみ音の緩和・破損の防止に絶大な効果を発揮します」との事です。
まあ、工業機械とかでも使われる潤滑油らしく、エアーソフトガンみたいなおもちゃで使うには明らかにオーバースペックな潤滑油ですね…。
車やバイク弄りやってる人なら知ってる人も多いみたいです。

スズキ機工 LSベルハンマー スプレー420mlAmazonで購入する

ちなみに、私が買ったこちらのグリスは3000円位の安い方ですが、「LS BELL HAMMER GOLD」という更に上位の製品も存在します。
こちらは4000円後半〜5000円位します…。

という訳で、そんなBELL HAMMERを塗布して組み立てていきます。
ちなみに、かなりサラサラとしたオイルで、ほぼ液体です。
シュッと軽く一吹きするだけでギア全体に浸透するような感じなので、吹きすぎ注意ですね。

尚、SYSTEMA PTW標準では本来入れないシムとして、プラネタリギアのシャフトにそれぞれ0.1mmのシムを入れ、サンギアシャフトに0.2mmのシムを入れています。

プラネタリギアのシャフトにシムを入れる理由としては、プラネタリギアがサンギアベアリングやベアリングプレートに擦れる音が低減されます。
サンギアシャフトにシムを入れる理由としては、サンギアがギアボックスに擦れてしまうのを防ぐためです。

そして、忘れてはいけない作業。
セクターギアを逆向きに取り付けます。

トレポンでプリコックを行う為には逆転防止モーターヘッドが不可欠ですが、プリコックを行う手段としては2つ存在します。
1つは陽炎5型のようなプリコック機能が付いたFCUを使う方法。
もう1つがセクターギアを逆向きに取り付けるという方法です。

今回は後者の、セクターギアを逆向きに取り付けるという方法でプリコックを行う事にします。

後は他のギアを取り付けて最小構成の状態でモーターを回して異音が無いか確認します。

仮組み状態で問題なさそうだったらトリガーやアンビセレクター用のパーツなど取り付けけて組み込み。

まずは単にセクターギアを逆向きに付けただけでどうなるのか?を検証してみました。
写真左が7.4V、右が11.1VのLiPoバッテリーで動作させた時のセクターギアの停止位置です。
尚、共に無負荷状態ではなくピストンを取り付けた状態で動作させた上での停止位置になります。

7.4Vの方は1枚目の歯がラックギアに引っかかり、少しピストンを後退させた状態で停止してる感じですね。
ほとんどプリコック出来てません。
11.1Vの方は検知穴が少し見える位の位置で停止しています。
丁度セクターギアの4番目の歯が頂点に居るので、半分位プリコック出来ているようです。

続いて、3つ空いている検知穴のうち2つを塞いでの検証です。
少しでも検知のタイミングを遅らせる為にこのような事を行います。
検知穴を塞ぐのに使ったのはPCパーツとして販売されているCPU用の熱伝導グリスです。

この熱伝導グリスはパテのような硬さがあり、かと言ってカチカチに固まる事も無いので便利かな…と思って使ってみました。
実際かれこれ数百発試射してますが、問題は起きていません。

結果、セクターギアの停止位置はこのようになりました。

7.4Vのときは3枚目の歯がラックギアに引っかかったかな…?程度の位置。
11.1Vの時はそこまで大きな変化は無いですね…。

という訳で、DSGの場合は単にセクターギアを逆向きにしただけだとこれ位しかプリコックさせる事が出来ないようですね…。
これ以上やる場合はセクターギアの検知穴を増設するしか無いでしょう…。
ただ、いかんせんギアが硬い…。
こんな硬さの素材に、1mm程度の穴を綺麗に開けるなんて、手持ちの工具じゃ無理っぽいです。

とりあえず、若干ながらプリコックは出来ているので一旦これで良しとしましょう…。
最後にモーターのピニオンギアの位置を微調節して、イモネジをロックタイト263で固めます。


ちなみに、ピニオンギアの位置調整中はこんな感じでやってます。
逆転防止モーターヘッドのおかげでバックラッシュが全く発生しないのがむしろ気持ち悪い…。

最終的にはこんな感じになりました。
どこまでやったら「静か」と判断すれば良いのか、最近よく分からなくなってきています…。

まあ、「ギャーーー」みたいな音は鳴ってないですし良いかな…。