SYSTEMA PTW用HOPパッキン「ずば子」と新設計のパッキンベースを試してみます | エボログ

SYSTEMA PTW用HOPパッキン「ずば子」と新設計のパッキンベースを試してみます

2019年5月17日

SYSTEMA PTW(トレポン)用のカスタムパーツの「でりシリーズ(でりほっぷ、でりのづるなど)」を作られているアカ-DOP-さんより、SYSTEMA PTW用HOPパッキン「ずば子」と新設計のパッキンベースをお借りしたのでレビューしていきます。

まず、「ずば子」ですが、少し特徴的な形をした面HOPパッキンになります。
硬度は3種類あり、柔らかい方から透明、紫、緑となっております。

基本的に柔らかいスプリングを使った場合は柔らかいパッキンを、流速などで硬いスプリングを使っている場合は硬いパッキンを使うのが良いかもとの事です。

パッキンはこのようにBB弾と接する部分に三角形の突起が付いています。

このHOPパッキンの材質はシリコンになります。
シリコンの場合、薬品や摩耗に弱いというデメリットはあるものの、暑さと寒さに強い(気温の変化の影響を受けにくい)というメリットがあります。

また、トレポン方式の場合はHOPテンショナーのクッションがある為、マルイ式に比べて摩擦を考えなくても良い為、シリコンを選択しているとの事です。
どうやら、マルイHOPと同じNBR(ニトリルゴム)でも試作をしたそうなのですが、シリコンの方が、弾にストレスがなくグルーピングが良かったそうです。

尚、シリコンという材質の都合上、塗布するオイルには注意が必要です。
例えばシリコンオイルを塗布してしまうと、吸収して膨張したり硬度が変わってしまいます。
シリコンを洗浄する場合は、薄めた中性洗剤を個人的にはお勧めします。

もっとも、SYSTEMA純正のHOP周りもシリコンなので、注意点は変わらない為、今まで通りの使い方で良いと思いますが…。

尚、HOPアジャスターが『でりあじゃすたー』専用になっているので、これも注意が必要です。
SYSTEMA純正のHOPアジャスターを使った場合、HOPを弱くしても0.25gで浮き上がってしまう程度のHOPが掛かってしまいます。

続いて、新設計のパッキンベースですが、こちらはSYSTEMA純正のパッキンベースよりもよりタイトな設計になっている製品です。

どの程度タイトになっているかと言うと、BB弾を入れた時の隙間を見て頂けると分かりやすいと思います。
写真左側がSYSTEMA純正、写真右側が今回お借りした新設計のパッキンベースです。

弾は東京マルイの0.20g 樹脂弾で、全く同じ弾を入れて撮影しているのですが、写真右側はBB弾とパッキンベースの間の隙間がほぼ無いのが分かると思います。

この通り、非常にタイトな設計のパッキンベースの為、使用するBB弾によっては詰まってしまう可能性があります。
一般的な5.95mm±数ミクロンに収まっているような精度の出ているBB弾であれば何の問題も無いでしょうけど、粗悪なBB弾を使ったら即詰まってしまうでしょうね…。
どこのとは言いませんが、6.03mmのインナーバレルに詰まってしまうようなBB弾はまずアウトです。

少なくともマルイ、G&G、BLS、Gallop、プレシジョンマックス辺りのBB弾であれば大丈夫でした。
もちろん、これらのメーカーの弾でも熱で変形していない事が大前提にありますが…。

という訳で、これらのお借りしたパーツを組み込み、色々と検証していきます。
組み込むのは流速ポン(流速チューンではない)です。

インナーバレルはSYSTEMA純正ベースのロングテーパー+ガタ取り用のOリングを取り付けられるように加工を施した物を使用、チャンバーはSYSTEMA純正です。

HOPはこのようにノンHOP状態からかなり大きく飛び出した状態までの範囲で調整可能でした。
これなら問題は無いでしょう。

尚、ノズルはでりのづる(ロングノズル)を使用しています。

一通りパーツが組み上がったら弾棒を使ってノズル長とHOPの掛かり具合を見て、ノズル長がドンピシャ出ている事を確認。

尚、銃口側から見たHOPの状態はこんな感じになっています。(ファイバースコープにて撮影)
三角形の突起がはっきりと写ってるのが分かると思います。

一旦初速テストを…とやってみたのですが、当初の初速よりも5m/s近く上がってしまい、自主的に設けている危険域に達してしまったのでGAW SYSTEMA PTW用 74%スプリングを買ってきて組み込みました。

これで初速は当初の初速とほぼ同じになり、一安心。

初速が上がった原因を探るべく、一旦HOPを今までの物に戻してみたのですが、初速の変化はありませんでした。
つまり、新設計のパッキンベースが初速に大きな影響を与えていた事が分かりました。

シリンダー周りもバレル長も変えていないのに初速が上がるという事は、それだけ気密が保たれたという事でもあるので、これは良い事ですね。

というか、パッキンベースの精度が変わるだけでこんなに初速って変わるんですねぇ…。

という訳で、ここから検証作業です。
東京サバゲパークのシューティングレンジを使ってノズル、HOPパッキン、BB弾の組み合わせ検証を行いました。

用意したノズルは「SYSTEMA純正ノズル」「でりのづる」「BlackcatAirsoftカスタムノズル(パイノズルっぽい何か)」です。
HOPパッキンは、ずばこ三種。
BB弾は東京マルイ 0.25g バイオBB弾と、BLS 0.28g バイオBB弾の2種類です。
また、全ての構成で新型パッキンベースを使っています。

基本的に検証はパーツを現場で交換して、レンジでHOPを調節して、初速は飛距離がどんなものなのかを見ていきます。
流石に全パターン試すのは難しいので、まずは適切なノズルは何なのか?を調べる事にしました。

スタッフに許可を頂き、ショップ内のスペースで分解・組み立てを行いました

HOPパッキンは緑(最も硬い奴)、弾はBLS 0.28gとマルイ0.25gを使って検証を行っています。
まずはでりのづるから。(カッコの中が0.25gでの初速)

  1. 77.65m/s(81.98m/s)
  2. 77.75m/s(82.05m/s)
  3. 77.65m/s(82.12m/s)
  4. 77.85m/s(82.08m/s)
  5. 77.36m/s(81.99m/s)
  6. 77.95m/s(81.94m/s)
  7. 77.77m/s(82.13m/s)
  8. 77.92m/s(82.04m/s)
  9. 77.96m/s(82.00m/s)
  10. 77.82m/s(81.93m/s)

最大:77.96m/s(82.13m/s)
最低:77.36m/s(81.93m/s)
平均:77.768m/s(82.026m/s)
誤差:約0.1791m/s(約0.0609m/s)

一応、これが基準値としてそれ以上か、それ以下かで判断しようと思っています。
所感としてはHOP調節がシビアで、少しHOPを強くしただけで強く浮き上がってしまったり、少し弱くすると今度は少しドロップしたりと、良い塩梅を見つけるのが大変でした。

次はSYSTEMA純正ノズル。
08モデルのノズルなので仕様が古いですが、ノズル長は変わってないと思うので、まあデータとしては問題無いかなと…。
ここからは0.28gのみです。

  1. 76.37m/s
  2. 77.42m/s
  3. 76.44m/s
  4. 76.70m/s
  5. 76.92m/s
  6. 76.96m/s
  7. 77.93m/s
  8. 77.49m/s
  9. 76.99m/s
  10. 77.05m/s

最大:77.93m/s
最低:76.37m/s
平均:77.027m/s
誤差:約0.3987m/s

でりのづるに比べると誤差がかなり大きくなりました。
正直、検証前から分かりきってる話なんですが、ノズル長が全然合ってなくて、弾棒を突っ込んでBB弾の保持位置を調べた時に既に1mm近い隙間があったんですよね…。

当然、着弾点も上下にブレてしまい、あまり良くない事が分かりました。

最後にBlackcatAirsoftから出ているパイノズルっぽい奴です。
ほんのちょっとだけロングノズルになっているのに加えて、ノズル中央に付いている板のおかげでBB弾の保持位置を前にする事が出来る製品です。

  1. 77.70m/s
  2. 77.96m/s
  3. 78.03m/s
  4. 77.92m/s
  5. 77.96m/s
  6. 78.43m/s
  7. 78.10m/s
  8. 77.85m/s
  9. 77.96m/s
  10. 78.33m/s

最大:78.43m/s
最低:77.70m/s
平均:78.024m/s
誤差:約0.2092m/s

初速の安定性で言うとでりのづる並には安定していました。
弾道の安定性もでりのづるとほぼ同等だったので、やはりロングノズルの効果がしっかり出ていますね。
また、弾棒によるチェックもノズル長はピッタリ出ていました。

という訳で、でりのづるとパイノズルっぽい奴が一番良いという事が分かったので、続いてHOPパッキンとBB弾の組み合わせを検証していきます。
ノズルはでりのづるを使っています。

緑の奴は一番最初に検証したので、割愛。
紫(真ん中の硬さ)+BLS 0.28g、マルイ 0.25gの組み合わせから。
カッコの中がマルイ0.25gでの検証結果です。

  1. 78.28m/s(82.62m/s)
  2. 78.18m/s(82.53m/s)
  3. 78.01m/s(82.61m/s)
  4. 77.95m/s(82.59m/s)
  5. 77.93m/s(82.49m/s)
  6. 77.98m/s(82.56m/s)
  7. 78.11m/s(82.60m/s)
  8. 77.85m/s(82.52m/s)
  9. 78.43m/s(82.58m/s)
  10. 78.40m/s(82.48m/s)

最大:78.43m/s(82.62m/s)
最低:77.85m/s(82.48m/s)
平均:78.112m/s(82.558m/s)
誤差:約0.1991m/s(約0.0449m/s)

誤差の範疇とも捉えられるかもしれませんが、初速が全体的に緑よりも少し高めに計測されました。
また、弾道が素直でHOP調節に関してもあまりピーキーにならず、調整しやすい印象がありました。

最後に透明(一番柔らかい奴)+BLS 0.28g、マルイ 0.25gの組み合わせ。
カッコの中がマルイ0.25gでの検証結果です。

  1. 78.18m/s(82.34m/s)
  2. 77.85m/s(82.46m/s)
  3. 77.95m/s(82.65m/s)
  4. 78.13m/s(82.10m/s)
  5. 78.03m/s(82.32m/s)
  6. 78.16m/s(82.32m/s)
  7. 77.78m/s(82.45m/s)
  8. 78.56m/s(82.41m/s)
  9. 77.82m/s(82.32m/s)
  10. 78.41m/s(82.21m/s)

最大:78.56m/s(82.65m/s)
最低:77.78m/s(82.10m/s)
平均:78.087m/s(82.358m/s)
誤差:約0.2583m/s(約0.1051m/s)

ほぼ紫と同じ結果となりました。
HOPの調節幅に関しても紫と同様、ピーキーにならず使い勝手の良い感じ。
弾の伸びも悪くはありませんでした。

という訳で、私のトレポンのセッティングだと緑よりも紫か白のどちらかが良さそうだという事が分かりました。
ただ、結局はグルーピングを見てみないと分からない…という訳で、後日DEFCON1さんのレンジにお邪魔して色々検証を行う事にしました。

BB弾はプレシジョンマックス 0.28gを使いました。
スペリオールにしようか悩んだのですが、やっぱりサバゲーで使えるレベルのBB弾で、かつ精度の良い物が良いかなと思ったので…。

そもそも、このトレポンは精密射撃用として弄ってる銃じゃ無いですしね…。

尚、検証時はゼロイン設定は変更せずに、HOPパッキンを組み替えたらHOPの量をレティクルに合わせる形でHOP調節を行っています。

まず、緑パッキンから。
結果は100mmちょいといった感じでした。

数発、フライヤーが出てグルーピング結果を下げている感じですね。
初速検証でも分かっていた通り、安定しているとは言いがたい結果となりました。

続いて、紫パッキンです。
結果は100mmを度々切る位のグルーピングでしたが、こちらもたまにフライヤーが発生…。

何でだろうなぁ…と思いながらHOPの量を変えたりしてると、とある事に気がつきました。(これは後述します)

最後に、透明パッキンです。
結果は安定して90mmを切る事が出来て、悪くても100mmは超えませんでした。
フライヤーの発生もほぼありませんでした。

しかし、この透明パッキンでもグルーピングが著しく悪くなるケースがありました。
それが、更に重い重量弾を使った時です。

GAW MATCH GRADE BB 0.43g


30mチャレンジでバシバシスコアを伸ばしまくっているBB弾、GAW MATCH GRADE BBを使ってみたのですが、0.43gという重量弾を飛ばすためにHOPを強めにするとめちゃくちゃ散るんですよ…。

ここで確証が出来ました。
どうやらこのHOPパッキンは実質ほぼ固定HOPのような形で使う必要があるようです。

構造上はHOPの突出量を調整する事が出来るのですが、HOPが強いからと言って浅く掛けると弾道が乱れ、HOPが弱いからと言って強く掛けるとこれまた弾道が乱れてしまうようです。

「適切なHOPの突出具合に合わせてパッキンの硬度を変える」というのが、このずば子の正しいHOP調節のやり方なのかもしれません。

冒頭でも紹介していますが「柔らかいスプリングを使った場合は柔らかいパッキンを、流速などで硬いスプリングを使っている場合は硬いパッキンを使うと良い」という開発者からのアドバイスはこういう事なのかもしれません…。

ちなみに、適切なHOPの状態であればフルオートでもこれくらいはまとまりました。(プレシジョンマックス 0.25gを使用)
トレポンはHOPシステムの設計上、フルオートが非常に苦手なジャンルなのですが、それでもこれだけまとまるのは結構凄い事だと個人的には思います。

という訳で、色々な検証を行いましたが、私のトレポンのセッティング(柔らかめのスプリングを使った仕様)だと透明HOPが最も相性が良いという結論に至りました。

そして、更に細部を色々と煮詰めていった結果、これくらいのグルーピングを出せるようになりました。

0.28gで80mm切り安定。
と言いたいんですが、流石に毎回は出せないですがね…。
たまに80mm台乗っちゃう事がありますが、90mmを超える事は撃ち方をミスった時以外は無いですね。

という訳で、このHOPはかなり良い感じです…。
この検証を行っている最中にも新型を作られているようなので、そちらも楽しみです。