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チタンフレームのミニリフレックスサイト、HOLOSUN HE508T-RDをレビュー

記事作成日:2019年9月25日

以前、HOLOSUN HS507Cというミニリフレックスサイトを購入し、レビューしたのですが、今回はそのHS507Cの外装をチタンに変更したHE508T-RDという製品をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたのでレビューしていきます。

HOLOSUN マイクロドットサイト HS508T-RD
を購入するhttps://tsubomi-arms.net/shopdetail/000000000008

HOLOSUN HE508T-RDの内容物は下記の通り。
本体に加えて説明書、電池(CR2032)、専用工具、トルクスL字レンチ、ネジ6本、クリーニングクロスです。

まずはHE508T-RDの外観からご紹介。
HS507Sとの比較は当記事後半にて行います。

サイト左側面には輝度調節ボタンが付いています。
ミニリフレックスサイトという小型な製品でかつ+と-ボタンが横に並んでいる為にボタンは結構小さめ。

ボタンは押すと「カチッ」としっかりしたクリック感があります。
尚、この輝度調節ボタンは少し操作方法が独特です。

  • 消灯状態で+か-を押す:点灯(電源ON)
  • 点灯状態で+を5秒程度長押し:自動調光・手動調光モード切り替え
  • 点灯状態で-を5秒程度長押し:レティクル形状切り替え
  • 手動調光モードで+か-を押す:+で輝度上げ、-で輝度下げ
  • 点灯状態で+と-を同時押し:消灯(電源OFF)

といった感じです。
尚、電源を入れた直後のモードは前回電源をOFFにした時のモードになります。
例えば自動調光モードで電源をOFFにした場合は次電源を入れた時も自動調光モードで光ります。

更に、レティクルが点滅するまでずーっと+ボタンを押す事で自動消灯までの時間の設定を行う事が出来ます。
HS508Tのレティクルは10分放置すると自動的に消灯するようになっていますが、これを変更する事が出来るのです。

自動消灯時間設定モードの状態で+や-ボタンを押すとレティクルが1回点滅、2回点滅、3回点滅、4回点滅といった感じで点滅します。
それぞれ、
1回点滅:10分で消灯
2回点滅:1時間で消灯
3回点滅:12時間で消灯
4回点滅:自動消灯無効
といった感じになっています。

この辺りは説明書にもしっかり記載があるので、よく読んでから操作すると良いと思います。

反対側はこんな感じ。
こちらは特にボタンなどは付いておらず、シンプルですね。

本体両脇には水抜き穴が開いており、サイト内側に入った水を外側に排出出来るようになっています。

当たり前かもしれませんが、HOLOSUN HE508T-RDは防水・防塵(IP67)仕様です。
防水性は「一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸けても有害な影響がない」
防塵性は「粉塵が内部に侵入しない」といった感じですね。

多くの防水スマホと同レベルの等級です。

サイト上部にはソーラーパネルが設置されています。
このパネルはレティクルを光らせる為だけではなく、自動調光モード時の輝度このパネルで受け取った明るさで調節されているようです。

下部には予め20mmレールに取り付ける為のマウントが付属しています。
マウントが低いので、別途ライザーで嵩上げするか、Trijicon RMR用のハイマウントを買ってくると良いでしょう(HE508TはRMRマウント互換、詳しくは後述)

マウントはネジを2本外す事で取り外す事が可能です。

電池交換はHE508T下部の蓋を外す必要があるのですが、この蓋を外すには付属の専用工具が必要になります。
無くても回そうと思えば回せるのですが、専用工具を使った方が楽でしょう。

蓋を開けるとこんな感じんになっていっます。
使用可能なバッテリーはCR2032電池です。

正面はこんな感じで、HOLOSUNのロゴマークが入っています。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
非常に小さいですが、カチカチとしっかりしたクリック感があり、ソコソコ硬いです。

このダイヤルはマイナスドライバーを使って回すか、付属の専用工具を使って回すと良いでしょう。

尚、1クリックで1MOAレティクルが可動し、最大可動範囲は±50MOAです。

HE508Tのレンズとレティクルについて

HE508Tの対物レンズは赤色に反射する一般的なルビーコートが施されていますが、少し角度を付けると紫や緑色の反射も確認する事が出来ます。

動画にするとこんな感じ。

AimpointやTrijiconなどのメーカーの製品で使われているレンズコーティングと性質がよく似ています。
コーティングの種類が全く同じか?と言われると分かりませんが、反射を見る限りかなり似ていると感じました。

この斜め上から見た時に見える緑色の反射は、特定の方向から強い太陽光が当たった時に光の透過率を低下させ、レティクルの視認性を上げる効果があるらしいので、非常に明るい屋外におけるレティクルの視認性向上に効果があるようですね。

レンズの視界は中央がクリアで周囲に薄い青色のモヤモヤがある感じ。
小型で湾曲しているレンズなので仕方がないのかもしれませんが、このもやもやした青色が気になる人は多そうです。

レティクルを表示させてみました。
これは2MOAドット+32MOAサークルの状態(デフォルト)で、HE508Tにおいて一番オーソドックスな形状になると思います。

この状態で-ボタンを5秒ほど長押しするとレティクル形状が切り替わります。
これは2MOAドット。
精密射撃などで、視界の情報量を減らしたい時に使えるシンプルなドットのみの表示です。

レティクルはもう1種類あります。
32MOAのサークル単体表示です。
ざっくりとしたサイティングを瞬時に行いたい時に使えるレティクルで、ショットガンで散弾を使う時や、スピードシューティング系の競技でもこういうレティクルを好んでいる人が居るようです。

尚、この32MOAというレティクルがどの程度の大きさなのかは一般的な64MOAのサークルレティクルと比べるとよく分かると思います。
写真左が32MOA、写真右が64MOAです。

こんな感じの違いがあります。

「32MOAは64MOAの半分」と言われたらそれまでなんですが、実際に大きさを比較するとより実感が湧くかなと…。

HE508Tのレンズの歪みとパララックス計測

という訳で、HE508Tのパララックスを見ていきます。
いつも通り、2.5m離れた所からディスプレイを見ています。

レンズの歪みはソコソコあり、特に左上と右上の歪みが強いですね。
中央付近(青いグラデーションが掛かっていない部分)の歪みは抑えられているので、ターゲットを中央で捉えている分には気にならないと思いますが、移動しながらサイティングを行ったり、移動するターゲットを追いかけるような時に酔いやすくなるかもしれません。

この状態で視点を上下左右に動かしてみます。
結果として、しっかり円の中にレティクルの中央が収まっているので、悪くはない結果だと思います。

ただ、魚眼レンズを見ている時のようにグニグニと視界が動いてしまうのが気になります。
やっぱりこのサイトをずっと見ながら移動するのは結構慣れが必要…。

HE508Tのマウントについて

先述しましたが、HE508TのマウントはTrijicon RMRと互換があります。
ネジ穴の位置はもちろん、ドットサイト側に差し込まれる突起の位置も同じなので、例えばTrijicon純正のRMR/SRO用マウントであるAC32005(RM34)にポン付け出来ます。

前後左右でピッタリです。
RMR用マウントは実物・レプリカ共に色々なメーカーから出ているので、マウントの規格で互換があるのはありがたいです。

ちなみにこういったハイマウントを使えばマグニファイアと組み合わせる事も出来るようになります。
HE508Tはレンズ中央はクリアで歪みも少ないので、マグニファイアと組み合わせればレンズの青さも歪みも気にする事は無くなりますね。


もちろん、DCI Guns製のRMRマウントにも取り付ける事が可能なので、様々なハンドガンに取り付ける事が出来ます。

腕を伸ばした状態で見るとこんな感じ。
この写真を見ればHE508Tのサイトが32MOAな理由が何となく分かるのではないでしょうか?

ドットサイトは基本的に遠くで見れば見るほどレティクルが大きくなるのですが、拳銃を腕を伸ばした状態で構えた時はここまでドットが大きくなるのです。
どうでしょう、「32MOA」と聞くと小さく感じられるかもしれませんが、こうやって見ると使いやすいレティクルサイズじゃないでしょうか?

同様に、ライフルでもハンドガードの上などにHE508Tを乗せると同じような大きなレティクルになります。

HE508TをHS507Cと比較してみます

最後に、アルミボディのHE507Cとの比較を行ってみます。
HE508Tが写真左側、HS507Cが写真右側になっています。

本体の色が違っているのを除けば、左側面はHOLOSUNのロゴ周りが違うのみです。

右側面も同様にロゴ周りや文字色が違う位で大きな違いは無さそう。
ちなみに、HS507Cの文字はインクを使った印刷ですが、HE508Tはレーザー刻印ですね。

上面のソーラーパネルは同じですが、レンズコーディングが変わっていることが分かります。
HS507Cはレンズが緑色に反射するような事はありません。

正面はこんな感じ。
違いはHOLOSUNのロゴが入った…位ですね。
尚、正面から見た時のレンズの反射は同じ感じです。

尚、重量で結構大きな違いがあります。
HE508TはHS507Cよりも重いです。(共に電池を入れた状態)
12gもの違いがあるので、材質が変わった事によるものでしょうね…。

総評

少し本体が重くなってしまっているものの、レンズコーティングの改良は魅力的なアップデートだと思います。
HS507Cから買い換えるか?と言われるとそこまででは無いですが、RMR互換の安価なミニリフレックスサイトを探しているならアリな製品だと思います。

HOLOSUN マイクロドットサイト HS508T-RD
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