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VectorOpticsの新作ミニリフレックスサイト SCRD-19Ⅱ FRENZYのレビュー

記事作成日:2020年1月20日

2019年に新登場したVectorOptics製のミニリフレックスサイト、『MODEL SCRD-19Ⅱ FRENZY 1X17X24』をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたのでレビューしていきます。
こちらはSCRD-19 FRENZYの後継機種で、『SCRD-19 FRENZY GEN2』とも呼ばれている製品のようです。

内容物はドットサイト本体とラバーカバー、L字レンチ2本、クリーニングクロスといった感じ。

こちらの商品にはつぼみアームズ様の方で90日間の無条件返品保証が付いています。
保証の詳細に関してはつぼみアームズ様のブログをご参照ください。
https://tsubomi-arms.com/blog/914-2/

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付属のL字レンチはマイナスネジ用とトルクスネジ用の2種類。
マイナスはゼロイン調整に、トルクスはドットサイトをマウントに固定する時やマウントを20mmレールに取り付ける際に使用します。

という訳で、こちらがSCRD-19Ⅱ FRENZYです。
カクカクしたデザインが特徴的なミニリフレックスサイトです。

外装はアルミ、重量は56gです。
IPX6の防水性能を持っています。

付属のカバーはロゴなどは入っていない、シンプルな感じ。

ドットサイトのフレーム上部と右側面にVectorOpticsのロゴが入っています。

左側面には輝度調節ボタンが付いています。
ボタンはゴムで覆われており、押すと若干ですがクリック感が伝わってきます。

上三角で輝度UP(電源ON)、下三角で輝度DOWN、両方のボタンを同時長押しで消灯になります。
尚、輝度は可視光8段階+不可視光(NVモード)2段階の計10段階調節となっています。

エレベーテーションダイヤルとヴィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
付属のL字レンチを使って回す事も出来ますが、操作性が悪いので普通のマイナスドライバーを用意した方が良いと思います。

尚、クリック感は無く、回すと強い抵抗があり、グッと回す必要があります。
これは衝撃などで勝手に緩まないような措置なのだと思いますが、個人的にはクリック感があるタイプのダイヤルの方が好きですね…。

割と硬いので、ちゃんとサイズの合ったドライバーを使って調整した方が良いでしょう。

尚、カタログスペックでは1クリックで1MOA、最大で45MOAの可動量があるとの事なのですが、何を持って1クリックとするのかが謎…。
1目盛りだと流石にレティクルが動きすぎだと思うので、大きな目盛り1つで1MOA動く感じなのではないか?と思われます。

SCRD-19Ⅱ FRENZYには20mmレール用のローマウントベースが付属しています。

マウントベースとドットサイトを分離させるとこんな感じ。
こうやって電池交換を行います。

電池を収める部分の周囲には防水用と思われるパッキンが付いています。

電池はCR2032を使用します。
製品に電池が付属していないので別途用意する必要があります。

電池の向きには要注意

対応マウントについて

尚、マウントの規格はDoctorサイト互換です。
DCI Guns製のDoctorサイト用マウントベースへの取り付けはネジ穴の位置も突起の位置もピッタリで、問題なく行う事が出来ました。

マウントがDoctor互換なのは有り難いですね。
RMRマウントよりかは種類が少ないですが、それなりの数は出ているので選択肢の広さは十分にあると思います。

レンズコーティングと視界のクリアさ、レティクルについて

SCRD-19Ⅱ FRENZYのレンズコーティングはマルチコートで、赤、オレンジ、緑などの反射が確認出来ました。

このコーティングはAimpointやTrijiconなどの大手メーカーも採用しているタイプのコーティングによく似ています。
もっとも、最近では比較的安価な製品(1〜2万円位の製品)でも採用されているのを見かけるようになってきましたが…。

写真左が普通に覗いた状態、写真右が正面側から覗いた状態の様子です。

レンズに関しては全体的に少し青みがかっており、若干のグラデーションもあります。

しかし、以前レビューした事のあるVector Optics SCRD-29 SPRITに比べると激しいグラデーションは無く、青みも抑えられているので覗いた時の違和感は控えめかと思われます。

レティクルは3MOA。
程よい大きさで、汎用性の高いレティクルサイズだと思います。
輝度に関しては十分すぎる位にあり、屋内だと8段階中3〜4段階目で丁度良い感じでした。

尚、ドットは4時間経過すると自動的に消灯する仕様になっています。
電池の消し忘れ対策にはなるのですが、「使おうとしたら消えていた」という事が起こらないとも言えないので、注意が必要です。

レンズの歪みとパララックス計測

ではいつもの計測を行っていきます。
2.5m先のディスプレイを見ています。

まず、歪みに関してはレンズ周囲は歪んでいるものの、中央付近の歪みは殆ど無さそうです。

これなら狙いをつけている時に像がグニグニ動いて気持ち悪い…といった事は抑えられるでしょう。
構えながらの移動も違和感なく行えると思います。

この状態で視点を上下左右に動かしていきます。
結果、上下左右全箇所で円の中にレティクルが収まっているので、私が設けている水準は満たしている感じですね。(結構ギリギリですが…)

尚、視点を動かした際、動かした方向への歪みが少し強くなっているのも上記写真から分かると思います。

他のドットサイトとの比較

他のドットサイトと比較してみました。
マイクロプロサイト:全体的に暗く、青い
SCRD-19Ⅱ FRENZY:薄く青い
HS507C:左側のみ青く、中央、右は透明

といった感じになります。

屋外で覗いてみた

最後に、屋外で覗いた時の輝度やレンズの感じを見ていきます。
1月中旬のかなり寒い日で、14時頃に撮影しています。

屋内で感じた青みは屋外でも健在。
ただ、像はしっかり視認出来ていますし、気になるほど大きな歪みも無いので、特に問題は無く使える製品だと思われます。

また、レティクルの輝度に関しても十分に明く、最大輝度だと眩しすぎたので少し落として丁度良い程度でした。
これだけ明るいなら真夏日、炎天下でもしっかりドットが視認出来そうな感じがします。

ちなみに、輝度によってはカメラで撮影した際にドットがこのように点滅する事があるようです。(カメラの性能や設定などによっても変わってくると思います)
肉眼ではこの点滅は全く認識する事が出来ないのですが、カメラだとこんな感じでチカチカドットが点滅しています。

ライトとかだとたまに人が認識出来ない程度の周波数で点滅させる事によってバッテリーの持続時間を伸ばしているような製品もあるので、SCRD-19Ⅱ FRENZYも同様に、常時点灯ではなく認識出来ないほどこまめに点滅させる事によってバッテリーの持続時間を伸ばしているのかな?と思いました。
カメラだとシャッターの兼ね合いでこういう風に写っちゃうんですよねぇ。

まあ、カメラで撮影した時に点滅しているから性能的にどうという事では無いのですが、見ていて気がついたので載せておきます。

SCRD-19Ⅱ FRENZYの総評

低価格帯のミニリフレックスサイトとして、求められているような物は全て網羅されているのではないか?と思われます。
レンズの透明度やレティクルの視認性に関しては間違いなくそこいらのノーブランドレプリカ品よりも上ですし、SCRD-29 SPRITと比べても優秀だと感じました。

また、エレベーテーションとヴィンテージダイヤルがかなり硬いのもポイントの一つだと思います。
ゼロイン調節の際の操作性は落ちますが、使用している最中にレティクルがズレれてしまうのは元も子もないですからね…。
ちなみに、当製品の耐衝撃性能については一応、VectorOptics公式サイトの情報では「30-06ライフル実包・12ゲージショットガン実包でのテストをクリアしたタフネス設計」と書かれていました。

マウントに関してはローマウントが付属するので、少し高いマウントが欲しい人は別途20mmレール対応のライザーマウントを購入して高さを調整するも良し、Doctorサイト互換なのでDoctorサイト対応のマウントを買って取り付けるも良しと、選択肢の幅が広いのも利点の1つでしょう。

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