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Vector Optics SCRD-29 SPRIT ミニリフレックス ドットサイトのレビュー

記事作成日:2018年8月3日

Vector Optics(ベクターオプティクス)製のミニリフレックス ドットサイト、SCRD-29 SPRITをつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたので、レビューしていきます。

ご依頼頂いて書いたレビュー記事ですが、あまり気にせずいつも通り、良いこと悪いことを色々と書いていきます。
(当ブログの方針をご理解の上、承諾頂いております)

Vector Optics SCRD-29 SPRITの内容物と外観レビュー

本商品の内容物はこんな感じ。
ドットサイト本体とラバー製のカバー、クリーニングクロス、調整工具、ネジ類、マウントベース、取扱説明書(英語)、保証書になります。

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つぼみトレードカンパニーでは「満足保証」という、購入から90日の間、無条件で返品をする事が可能なサポートを行っております。
万が一製品の品質に不満があったり、思っていたのと違うような製品の場合は返品を行う事が可能な制度になります。

SCRD-29 SPRITの外観はこんな感じ。
写真左側がドットサイト本体、右側がラバーカバーです。

反対側はこんな感じ。

全長48mm、重量60gと小型軽量な製品で、外装はアルミです。
レティクルは3MOAドットで、6段階の明るさ調節に加えて自動調光機能も付いています。

左右はそれぞれこんな感じ。
左側には光量調節ボタンが、右側には電池ボックスとウィンテージダイヤルが配置されています。

尚、光量調節ボタンの操作は下記の通りになります。

  • 電源OFF状態で+ボタンか-ボタン:電源ON
  • 電源ON状態で+ボタン:光量を上げる
  • 電源ON状態で-ボタン:光量を下げる
  • 電源ON状態で+ボタン長押し:電源OFF
  • 電源ON状態で-ボタン長押しして放す:自動調光ON/OFF(トグル切り替え)

ちょっと操作が複雑ですが、2ボタンで色々やろうとした結果でしょう…。

ドットサイト上部と後ろ側はこんな感じ。
上部にはエレベーテーションダイヤルが、後ろ側にはゼロインをロックする為のネジが付いています。

ゼロインを行う際はこのネジを緩めておく必要があるので注意が必要です。
ゼロイン調整後、後ろ側のネジを締め込む事でゼロイン設定がロックされます。

尚、エレベーテーションダイヤル、ウィンテージダイアル共に六角ネジを回して調整を行います。
カチカチとしっかりしたクリック感があり、1クリックで1MOA、調整幅は±60MOAです。

ドットサイト前側には光量センサーが付いています。
自動調光モードの場合はこちらのセンサーが周囲の光量を検知して、レティクルの明るさを適切な状態に調整してくれます。

裏面はこんな感じでネジ以外とマウント取り付け用の窪みは特に何もありません。

ドットサイト側面の電池スロットに電池を挿入します。
対応電池はCR2032リチウム電池で、電池は付属しないので別途用意する必要があります。

そういえばこの電池スロットの形状といい外観といい、どことなくSIG SAUER ROMEO3…というか、東京スコープ XT-6に似てる気がします。
まあ、全くの別物ですが…。

Vector Optics SCRD-29 SPRITのレンズとレティクルについて

という訳で、バッテリーを入れてレンズやレティクルを見ていきます。

SCRD-29 SPRITのレンズは湾曲しており、ルビーコートが施されています。

レンズを覗くとこんな感じで、中央付近より下はクリアなものの、上側は少し濃い青色になっています。
ルビーコートのようなコーティングが施されており、湾曲しているレンズを採用するドットサイトでよく見受けられる、青から透明へのグラデーションがかかった視界になっています。

この辺りは価格を考慮して評価をした方が良いかと思います。
販売価格が11,800円という点において言うと、割と優秀な方だと思います。

レプリカのRMRやDoctorサイトに比べると全然クリア(※メーカーにもよる)ですし、2倍近い販売価格であるNOVEL ARMS SURE HIT MRSより少し色が濃いかな?程度の青さです。

尚、手持ちのマイクロドットサイト数機種の比較を行ってみました。

レンズの特徴としては、PTT製 RMRレプリカと似ています。
ただし、透明度の高い場所の面積はSCRD-29 SPRITの方が上です。

SOTACのROMEO3レプリカは全体的に結構青く、東京マルイ マイクロプロサイトは全体的にうっすら青いです。

Bushnell FirstStrikeは私が単にBushnellが好きだから入れました。
これはめっちゃクリアですよ。Bushnellはイイゾ。
※サバゲーフィールドで銃をうっかり落としてしまった時に、フレームが歪んでしまったのが残念で仕方がない…。

続いて、3mの距離でパララックス測定を行っていきます。
ディスプレイ中央の円が直径2cm、その周囲に4.5cm刻みで縦線と横線が描かれています。

まず、この通り対物レンズが湾曲しているせいでレンズの周囲(特にレンズの上方向)に歪みが発生しています。
中央付近は歪みはありませんが、レンズの周囲の歪みがある為、視点を動かした際に像がグニグニ動いて少し気持ちが悪い感じになります。

とは言え、このタイプのリフレックスサイトでは先述したグラーデーション問題と同様によく見受けられる問題なので、普通と言えば普通かもしれません。

東京スコープ、NOBLEX、Bushnell、NIKON等のハイエンドなミニリフレックスサイトでは様々な工夫によってこういった問題を軽減しているのですが、10,800円という価格のドットサイトにそこまでの性能を求めるのは間違っているとも思いますので…。

という訳で、視点を上下左右に動かし、パララックスを見ていきます。

一応ギリギリ2cmの円内に留まっています。
本当ギリギリですけど…。

まあ、こんな製品で超精密な射撃をしようと思う人は居ないと思うので、これくらいのズレはそこまで致命的ではないと思います。
普通にサバゲーで使ったり的当てする分には問題の無い誤差でしょう。

でもやっぱり、こうやって視点を動かすと歪みが目立ってしまいますね…。

Vector Optics SCRD-29 SPRITのマウントベースとサードパーティ製品の互換について

最後に、マウントベースについて見ていきます。

まず、純正マウントはこんな感じ。
非常に薄いマウントで、20mmレイルに対応しています。

マウントとドットサイトを合体させるとこんな感じ。
尚、取り付けには付属の短い方のネジを使います。

ASG CZ EVO3A1に取り付けてみました。
EVO3なら付属のマウントベースでも丁度よい高さ(丁度アイアンサイト位の高さ)になるのですが、M4/M16等のARのレシーバーに取り付ける場合は位置が低すぎるので、別途ライザーマウントを使った方が良いでしょう。

また、こちらの製品はNOBLEX Doctor Sightのマウント規格と互換があります。
ただし、Doctor Sightよりもちょっとだけ全長が長いので、ハンドガンのスライドに埋め込むような形で取り付けるマウントには個体によって付かない可能性もあるかもしれません。

このように、ハンドガンのスライドの上に乗せるだけのマウントやライザーマウントであれば、問題なく取り付けが可能です。
尚、取り付けの際は付属のネジが使えるとも限らないので、適切なネジを使う必要があります。

DCI Guns製 Doctorサイト用マウントベースへの取り付け例。
付属のネジはピッチが合わず使えなかったので違うネジを使って取り付けています。

サイトピクチャはこんな感じ。
ミニリフレックスサイトですし、こういった風にハンドガンのスライドに直接取り付けるのも良いですね。

微妙な寸法の違いはあれど、マウント(厳密にはネジ位置)が独自仕様ではなく、Doctorマウント互換というのはありがたいですね。

Vector Optics SCRD-29 SPRITの総評

SCRD-29 SPRITを見てみて印象に残った事はレンズの透明度の高さと本体の軽さです。
もっとも、流石に外装が全て樹脂で出来ている東京マルイ マイクロプロサイト(16g)には重さでは及びませんし、非常に高い透明度を誇るBushnell FirstStrikeよりもレンズは全然青いです。

しかし、価格帯を考えるとレプリカ以上ハイエンド未満といった丁度ど真ん中を攻めた機種ではないか?と思いました。

「レプリカのミニドットサイトのスペックに不満を抱いているものの、2万円も3万円もお金はかけれないよ…」という人向けの製品のような感じがしました。

いわゆる「ボリュームゾーン」向けの製品だと思われます。
まあ、「ハイエンド」と「ローエンド」の間の「ミドルレンジ」とかそんな風に言われる製品でしょうね。


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