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レプリカホロサイトと実物ホロサイトの違いについて

記事作成日:2020年4月27日

色々な物において、実物とレプリカの違いを気にするケースって多いと思うんですよね。
例えば「オークションなどで実物として売られているけど本当かどうか見極めたい」とか「レプリカも実物も見た目的に大差無いならレプリカで良いんじゃない?」という事とか色々と理由があると思います。

という訳で、せっかくレプリカホロサイトを手に入れたんだからと、実物と比較して違いを見ていこうと思います。

今回比較するのは実物 EoTech 552(新ロゴ版)と、ノーブランドのレプリカ EoTech 552(L3刻印版)です。
偶然両方とも552だったのでね…。

外観の違いについて

まず、ざっくりした外観についてですが、結構違ってます。
これはそもそもEoTech 552というシリーズ自体、EoTech製ホロサイトの中でも比較的歴史が長い製品で、何度か改修が加えられている為です。

レプリカの方は一世代古いEoTech 552をベースに作っている感じですね。

とりあえず、L3以降のEoTech 552を並べてみました。(もしかしたらもっと種類はあるかもしれません)
恐らくこのレプリカホロサイトは一番左端のEoTech 552のレプリカという事なのだと思われます。

大きな違いとしては、電池ボックス前側の丸みの付き方ですね。
ちなみに、このEoTech 552はEoTechがL3の傘下に入る前(L3ロゴの無い、初期ロゴバージョン)と形状は同じです。

同じアングルの写真が見つからなかったので、反対側ですが…

という訳で、このレプリカ EoTech 552は外観に関しては現行タイプとは違うという事が分かりました。

下部に関してはこんな感じ。
共に20mmレールに取り付ける仕様になっていますが、実物にはデータマトリックスや製造年を示すシールなどが貼られていますが、レプリカはクオリティチェックのシールのみ。

ボタンに関しては概ね同じ。
細かい違い(ボタンの大きさ、矢印の大きさとか)はありますが…。

尚、ボタンの機能に関して違っているのはNVモードの所位ですね。
レプリカはレティクルが赤色から緑色になりますが、実物は可視光から不可視光になるボタンです。

「点かなくなった!初期不良だ!」と販売店に駆け込んだものの、実はNVモードボタンを押していただけだったとか、レティクルが点灯しない事から安く売られていたEoTechホロサイトが実はNVモードになっていただけだったとか、そういう話を聞くので意外とNVボタンの意味を知らない人が多いのかな…?といった印象があります…。

あれはレティクルが緑色になるボタンでは無く、ナイトビジョンで使えるように輝度を抑えた出力にするボタンです。(ナイトビジョンで可視光を見ると明るすぎて残像が残ってしまう事があります)

レンズとレティクルの違いについて

続いて、違う所。
それはレンズです。

これがレプリカと実物で最も大きく異なっている箇所だと思います。

そもそもの話、レプリカホロサイトは形をホロサイトに似せているだけで、ホログラフィックではありません。
単なるホロサイトの形をした、ドットサイトです。
それ故にレンズに色々な違いが出てしまいます。

蛇足ながら、本当にホログラフィックまでコピーしたホロサイトも存在しますが、2万円半ば〜3万円近くする高級レプリカ品です。
しかもEoTechとロゴが入っているものの、そんな形状の製品はEoTechには存在しないという謎の形状をしています。

まあ、そういう事は置いといてレンズを見ていきましょう。

まず、対物レンズですがレプリカは鏡のような見た目をしているのですが、実物は反対側がしっかり透けて見える透明のガラスです。

最近はルビーコートが施されたレプリカホロサイトも見かけるようになりましたが、最も一般的なのはこういう鏡のようになっているタイプだと思います。

真正面から撮影すると一目瞭然。
後、レプリカは若干ドットの光源が反射して見えてしまうのに対し、実物は何も見えません。(両方とも点灯させている状態です)

接眼レンズの方も大きく異なっています。
そもそも、接眼レンズ側はレンズの位置が違っていますね。

写真左側がレプリカ、写真右側が実物です。
レプリカはかなり手前にレンズがあるのに対し、実物は奥まった所にレンズが存在します。

実物のホロサイトでは外装がバイザーのような役割を担っており、太陽光を入り込みにくくしているのに加え、雨水がレンズに付着しにくい構造になっているのです。

レンズの透明度も大きく異なっています。
レプリカはスモークレンズみたいな感じで薄暗いですが、実物はほぼ色が無く(強いていうなら若干黄色っぽい)、かなり透明度が高いレンズになっています。

接眼レンズ側から本体内部を覗き込んだ時の見え方も違っています。
レプリカの方は光源がはっきり視認できるのに対し、実物は赤い板みたいなのが見えるだけです。

最後にレティクルの見え方です。
形はレプリカも実物をしっかり再現出来ているのですが、やはりホロサイトとドットサイトではここが大きく違いますね…。

ホログラムのレティクルを綺麗に撮影するのめちゃくちゃ難しいんですよね…。
カメラの設定をドットサイトと違う設定にしないといけないので、上記の通りホロサイトの方は色が飛んじゃってますが実際はちゃんと赤いレティクルが表示されています。

実物ホロサイト特有の問題について

レプリカホロサイトは先述の通り単なるホロサイトの形をしたドットサイトなので、特有の問題は特に無いです。
しかし、実物ホロサイトでは特有の問題がいくつかあります。

視度の影響について

まず、実物のホロサイトは視度の影響を、非常に強く受けます。
それこそドットサイトの比じゃないくらいには…。
これは、EoTechだけではなくBushnellやVortexでも同様の現象で、ホログラム方式特有の問題のような気がします。

本来はこういう風に見えますが乱視持ちはこうは見えず…orz

特に大きな問題になるのは乱視持ちの人ですね。
乱視持ちの人が、ホロサイトを購入して絶望するというケースは少なくはないようです。

かくいう私も乱視持ちなので、乱視補正眼鏡かコンタクトレンズを使わないとレティクルがひどい事になります。

どう酷い事になるか?というのは説明が難しいです。
例えばドットサイトの場合、レティクルが単にぼやけるだけなのですが、ホロサイトの場合はドットとサークル部分が完全に一体化しつつ、ウニみたいにトゲトゲした感じになってトゲトゲ部分が常時動いている感じの見え方になります。

言うなれば80MOA位の超巨大なトゲトゲが付いた丸いレティクル、ギラギラした巨大な赤い点…みたいな…?感じになるんですよね。
分からないですかね…分からないですよね…。
過去にも何度かPhotoshopで加工して再現出来ないか試したんですが、どうも「コレジャナイ」系の画像になってしまうのです…。

ちなみに、なぜホログラフィックは乱視の影響を強く受けるのかは私自身よく分かっていません。

レンズの経年劣化について

もう1つ、起きる問題はレンズの経年劣化です。
これは昔から(Bushnell時代から)の名残とも言える問題なのですが、レンズのコーティングが経年劣化により剥がれ、細かい粒がレンズに張り付いたような見え方になるのに加え、更に悪化するとレンズの縁の方からモヤモヤした模様が浮かび上がってきます。

2016年製造の新ロゴEoTechでも起きたので現行品も注意が必要

上写真はかなりマシな部類で、悪化が進むとレンズの中央付近までモヤモヤした模様が増殖していきます。

ちなみに、私はこれを「アメーバ」と呼んでいるのですが、悪化が進むとこれがどんどん広がっていき、挙句の果てにはレンズの中央付近以外アメーバで埋め尽くされる事もあります。

これは保管状況関係なしで起きる物で、雑に使っていても起きない個体もあれば、丁寧に使っていても起きる個体もあるようです。
同一ロットでも起きたり起きなかったりするので、個体差の1つらしいですね…。

尚、Vortex UH-1製品に関してはこれが起きたという報告が聞いたことが無いですね。
単に新し目の個体が多い為に劣化するほど時間が経っていないだけなのか、そういうのが起きない仕様・設計になっているのかは不明です。

レティクルの輝度低下について

最後にレティクルの輝度低下問題(突然死も含む)が実物ホロサイトには存在します。
これも何故起きるのかがよく分からないんですが、バッテリー残量とかと関係無しに突然輝度が低下したりレティクルが点灯しなくなったりする事が稀に起きます。

アメーバーよりもレアケースかもしれませんが、自分が以前使っていたEoTech556では、半年〜1年程度で屋外では使い物にならないレベルにまで輝度が低下しました。

購入直後のEoTech556

低下した輝度が回復した事例は聞いたこと無いですね。
「全分解してメンテしたら治った」という人を見かけたこともありますが、具体的にどうメンテしたかは不明です。

尚、この輝度低下もVortex UH-1では聞いたことが無いです。
アメーバ問題と同様、劣化するほど時間が経っていないだけという可能性はありそうですが…。


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