エボログ

T1/T2互換マウントベースを20mmレールに変換するアタッチメントを作りました

記事作成日:2020年6月21日

Aimpoint micro T1/T2系のマウントベースって色んなメーカーから色んな種類の物が出ていて、更に結構カッコいい製品も多いのですが、ライザーマウントとかRMR/Doctor用のハイマウントってそれに比べるとめちゃくちゃ種類が少ないんですよね…。

あと、T1/T2系のマウントって社外製品を買うと純正マウントが余りますし、ハイマウントとローマウントの両方が付属するドットサイトの場合、片方余りますよね。
なので、T1/T2系のマウントを更に有効活用する為のパーツを作ってみました。
上面は20mmレール(ピカティニーレール)規格になっているので、大抵の光学サイトは取り付けが可能です。

いつもどおり、Fusion 360にてデータを作成、DMM.makeで出力しました。
素材はPA12GB(MJF)です。

T1/T2マウント→ピカティニーレール変換アタッチメント『マウント変換くん』を購入するhttps://evolutor.booth.pm/items/2163296

PA12(ナイロン12)は耐熱性と靱性に優れた樹脂で、実用レベルの高い強度がある素材になります。
今回使用しているPA12GBはそれの強化版で、PA12の粉末材料にガラスビーズを添加した材料です。

裏面はこんな感じで、M3ネジの下穴を空けた状態で出力しています。
当初、金属製のインサートを埋め込む事で強度を上げようと思ってたんですが、スペース的に難しかったのでここにねじ山を直接掘る事にしました。

PA12GBにねじ山を掘って使う事自体は他のパーツでも試しており、十分な強度を得られていたのでこのパーツも大丈夫だろうと思い、この仕様に。

真正面から見るとこんな感じになっています。

T1/T2互換マウントである『Vortex Crossfire Red Dot』の純正マウントに取り付けるとこんな感じになります。
尚、今回作った変換アタッチメントはこのマウントから採寸しています。

とりあえず、寸法は問題無さそうだったのでタップを立てます。
3×0.5mmのタップを使いネジ山を掘り、M3のネジを取り付けていきます。

尚、長すぎるネジを取り付けると素材を貫通してしまうので、ネジの長さは6mmまでの物を使う必要があります。

普通に締め込んでいけばある程度で回らなくなるので、そうすればOKです。
増し締めはした方が良いですがやりすぎは厳禁です。

もっとも、むちゃくちゃなトルクを掛けなければネジが舐める事も無いのですが…。
実際、この記事を書くまでの間に増し締め込みで10回以上着脱を行っていますが、ネジ山は無事です。

という訳で、組み立て完了です。

ドットサイトを乗せるとこんな感じ。
こういうマイクロリフレックス系のドットサイトとの相性が良いですね。

真横から見た様子とサイトピクチャーはこんな感じ。

高さは元となるマウントの高さに依存しますが、最近流行りのハイライズマウントみたいな感じの高さになります。
自然な構えで覗く事が可能ですし、ナイトビジョン装着時や大きめのフェイスガードを付けた状態でのサイティングでも適した高さになっています。

他のドットサイトだとこんな感じ。
基本的にマイクロリフレックス系のドットサイトならサイズピッタリだと思います。

EoTech 552とかの大きなサイズになると流石に不格好。
ちなみにキャリングハンドル感覚で掴む事が出来るので耐久テストがてら振り回したりしてみたんですが、大丈夫そうでした。

これはネタ枠ですが、ハイマウントを更に高くする事も可能です。
複数のアタッチメントを組み合わせる事でどこまでも高くする事が出来ますね。

鬼の3階建て仕様とか…。
ここまで来ると何がなんだか状態ですね。

他のマウントとの組み合わせについて

T1/T2互換系であればこのアタッチメントを使う事が可能です。
例えば、GEISSELEタイプ SUPER PRECISIONマウントだとこんな感じ。

少しだけ前後が飛び出す感じですが、これはT1/T2系のドットサイトを乗せた時でも同じなので、こういう仕様のマウントベースなのでしょう。

続いて、DYTAC製のSLRタイプマウントにつけてみました。
こちらも問題無く取り付ける事が可能です。

ただ、このSLRタイプマウントはかなり細身なので、アタッチメントが結構飛び出します。

まあ、この飛び出す感じも仕様(ドットサイトを取り付けた際にもここには不自然な段差が生まれる)っぽい、このマウントはこういう物なのでしょう。

https://blog.evolutor.net/2020/01/04/dytac-slr-t1-mount/

こんな感じで、前後が飛び出す・飛び出さないなどの個体差は存在しますが、マウント底部のサイズはしっかりT1/T2系に合わせて作っているので装着する事は可能です。

塗装しました

ちょっと耐久テストがてら色々な事をやってみたのですが、水分を含んだ際に少しフニャっとしてしてしまうのが気になったのと、整形色のグレーのままが微妙だったので黒色に塗装する事にしました。

 写真左が元の状態、右が塗装後です。

マウントに取り付けるとこんな感じになります。

という訳で、こちらの製品はBOOTHにて販売中です。
黒色に塗装済み、対応するネジ4本が付属します。

T1/T2マウント→ピカティニーレール変換アタッチメント『マウント変換くん』https://evolutor.booth.pm/items/2163296