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Double Eagle Magpul Pro 700のインナーバレル、HOPパッキン、ピストンを交換しました。

記事作成日:2021年1月8日

先日内部調整を行ったDouble Eagle Magpul Pro 700をレンジで撃ってきました。
結果はまあ割と散々な感じで、とにかく弾道が安定しません。
使用弾はプレシジョンマックス 0.28gです。

真っ直ぐ飛ぶ事もあれば右上にカーブする事も、酷い場合は左方向に飛んでいった後に急カーブして右に着弾とかそんな事もありました。

弾道を見れば「単なる調整不足」なのか「問題が起きている」のかはだいたい分かります。
仮に同じグルーピングのスコアだったとしても、調整不足と問題が起きている弾道では明らかな違いが生じます。
今回の弾道は明らかに問題が起きているパターンでした。

ここまで弾道が不安定になる原因は間違いなくBB弾の保持位置が左右にズレている事だと思ったので、インナーバレルを交換する事にしました。
純正インナーバレルにはPOSEIDONのエアクッションバレルと同じような感じでバレル下部に溝が付いているんですが、これが明らかに左側にズレてるんですよね。
これは前回の調整時点でも懸念していた点だったんですが、この状態はやっぱり良くないですよね…。

そもそも自分自身、色々なインナーバレル加工を試しましたが、BB弾を保持する部分は「何もしない」が一番安定してると思うんですよね…。
0.01mmのズレすら弾道に影響を及ぼしてしまうので、研磨してツルツルにしておく以上の加工はやらない方が良いと個人的に思ってます。

あと、重量弾を使った時に気づいたんですが、度々BB弾がノズル側に溢れてしまって、シリンダーヘッドとチャンバーの間に挟まってしまう事が起きました。
なのでその辺りも改善していけたらなと思っています。

という訳で、まずはこのBB弾が溢れる問題をやってみる事に。
まず、二重給弾防止用のストッパーの窪みを大型化しました。

後、このスプリングを少し硬くしました。
これで改善出来るかはちょっと分かりませんでしたが、とりあえずやってみようと思って硬めのスプリングに変更しつつ、長さ調整用にテープを張ったりしてかさ増ししました。

続いて、バレルを何とかします。
これが最大の問題でした…。
というのも、Double Eagle Magpul Pro 700のインナーバレルはかなり特殊な形をしているので、中々互換性のあるインナーバレルを見つける事が出来ませんでした。

必要なのは「GBB用のHOP窓」「バレル側面に溝が掘られている」の2点とここだけ見るとかなり無難な形をしているのですが、バレル側面の溝の位置がかなり特殊なんですよね…。

手元にあるインナーバレルを色々試したんですが、一般的なGBB用やVSR10用のインナーバレルはもちろん非対応、VFC製のAEG/GBB両用バレルやメイプルリーフ系のような溝が沢山付いているタイプでも溝の位置がピッタリ合わず、0.5mm程のズレがありました。

左がDouble Eagle、右がVFC。Double Eagleの方が若干溝が前側に付いている。

しかし、ACE研究所の参式滑空銃身は溝位置が合いました。(参式滑空銃身は若干溝の幅が広いので偶然使えた模様)

ACE研究所 参式滑空銃身

ただ、参式滑空銃身はコレクションとして残しておきたい物ですし、そもそもBB弾の保持位置を弄ってるバレルは使いたくなかったので今回は使わない事に。

そこで買ってきたのがこちら、MAPLE LEAF CREATIVE CRAZY JET Aerodynamic Inner Barrel GBB 260mmです。

Maple Leaf Crazy Jet インナーバレル 260mm for GBBAmazonで購入する

ま た メ イ プ ル リ ー フ か

って感じなんですが、今回買ってきたのは実は初めて使ってみるニッケルメッキが施されたモデルです。
いつもよく買ってる、真鍮無垢の製品ではありません。

どのみち加工するならこれで良いやって感じで試しに買ってみました。

HOP窓と溝はこんな感じ。
色んな製品に適合するように色んな所に溝が付いていますが、これでも使えないのがDouble Eagle Magpul Pro 700のチャンバーなのです…。

ただ、HOP窓は例のごとく引っかかりますね。
これ、メイプルリーフに限った話では無く他社製品でも結構起きますし、特にGBB系インナーバレルではよく起きます。
切削時に出たバリでBB弾が引っかかるんですよ…。

押し込めばBB弾は通るので、そこまで大きなバリではありませんが、スムーズにBB弾が通らないのは良くないので、後で加工します。

なので、私はインナーバレルを選ぶ基準として後から加工が出来る真鍮やアルミ製品を好んでます。
ステンレスだと小さなバリでも削るの面倒ですからね。

バレルの先端はこのように二重構造になっています。
ぶっちゃけこれの効果がどんなもんなのか全く検証出来てないんですが、少なくとも悪い影響は無いだろうと思ってます。

ただ、このつなぎ目や穴の所にバリが出てる個体があるので、一応バリの有無チェックはしておいた方が良いです。
バリが出てたら研磨剤などを使って削り落としてあげた方が良いでしょう。

今回購入した個体はHOP窓側のみバリがあったので、研磨剤(ワコーズ メタルコンパウンド)を使って磨き、エッジを滑らかにしておきました。
このバレルはニッケルメッキがソコソコ分厚いのか、磨いても真鍮の地は出ませんでした。

続いて、HOPパッキンを取り付けていくのですが、今回はメイプルリーフの新作、MR. HOPを見かけたのでこれを組んで見る事にしました。
MR. HOPは、今まで出ていた面押し系のDIAMONDやDELTA、WONDER、SUPERとは全く異なる発想のHOPです。

MR. HOPシリーズは、去年にAEG用の流通が少々あったのですが、GBB用はまだ出ていませんでした。
初売りの時にショップに入荷していたので50度、60度、70度の3種を買ってみました。

メイプルリーフは去年からシリコン製のパッキンを続々とリリースしており、MR. HOPもシリコンで出来ています。

HOPの突起はかなり独特な形状をしており、簡単に言うとR-HOPみたいな突起になっています。
ただ、一般的なR-HOPが上から見ると四角形のような形をしているのに対し、こちらは先端(銃口側)が尖っているので、これがどういう影響を及ぼすのか気になる所です。

当初、50度をつけようと思ってたんですが、HOPの突起にバリが出てたので一旦50度はやめて60度にしました。
こういう小さいバリ、削るの面倒ですからね…。

バレルに取り付けるとこんな感じ。

続いて、HOPパッキン右側の突起がチャンバー側の溝よりも長いので上手く取り付ける事が出来ませんでした。
なので、チャンバーを削りました。

続いて、インナーバレルをチャンバーに取り付けるのですが、色々やりました。
インナーバレルがチャンバーに対して少し細めだったのでポリイミドテープで太さを調整しつつ、バレル側面に掘られている溝を0.5mm程度削り、そのままだと前後にガタつきが発生してしまうのでシールテープでガタを取りました。
ちゃんとやるなら削った側の反対側を金属パテとかで埋めた方が良いと思います。

続いて、HOPアジャスターも作りました。
前も作りましたが、少し寸法を調整した面押しタイプと今回新規で作ったモヒカン型です。

調整した内容は下記の通り。

  • ノンHOP状態は弾ポロして非常に不安定になるのでノンHOP状態にならないように突起を調整
  • 前後左右のガタが一切出ないように寸法調整(オイル塗布してスムーズに動く程度のタイトさ)
  • 突起の前後左右のサイズを適度なサイズに

ついでに、私は使わないと思いますが2点長がけタイプもなんとなく作ってみました。
突起の大きさや位置は宮川ゴムのGBB用サイズに合わせてます。

後、前の調整時に作ったバレルスペーサーもリニューアル、Oリングを2個にしました。
そして、チャンバーに取り付ける時でも問題になっていましたが、バレルの内径が細かったのでポリイミドテープでかさ増ししました。

純正のバレルスペーサーはとりあえずチャンバーとインナーバレル先端の間位の位置に置いておきました。
また、250mmだったインナーバレルを260mmまで伸ばしたので、アルミパイプの長さを10mm短くしています。

ちなみにこのバレルスペーサーはBOOTHにて販売しています。

最後に、シリンダーとチャンバーの間に1.1mm程度の隙間があり、ちょうど手持ちのワッシャーが1枚入ったのでシリンダーヘッドにワッシャーを貼り付けて隙間を埋めました。
柔らかめのスプリングなのでシリンダーヘッドがすっこ抜けする可能性は低いと思いますが、いかんせん専用パーツが多い銃なので故障は怖いですからね…。

ちなみに、銃身内の様子はこんな感じ。
写真左はマズルからアルミパイプの入り口を見ています。
写真右はアルミパイプ内からインナーバレルの先端を見ています。

インナーバレル先端とアルミパイプのつなぎ目には段差が殆ど無く、ちょうどクレイジージェットバレルのエアーが流れるようになっているはずです。

HOPの突出量はこんな感じ。
写真左がHOP最低状態、写真右がHOP最大状態です。

続いて、シリンダーも変更しました。
これは前から疑問だった点なのですが、Double Eagle Magpul Pro 700はシアーが90度なのに対してシリンダーが斜めになっているのです。

これによるトリガーフィーリングの悪さとシアーが開放されるタイミングの不安定さ、またピストンが上方向に逃げようとする為にシリンダー内側に押し付けられるので、ボルトハンドルを戻す時の抵抗が大きく気持ちよくないという色々な問題が起きていました。

そんな中、「PDIのL96用が使えた」という情報を教えていただいたので、L96用の90度シアー対応ピストンである『ActionArmy L96/強化ピストン(90°シア対応)』を買ってみました。

ActionArmy L96/強化ピストン(90°シア対応)Amazonで購入する

このピストンはActionArmy製のL96用の90度シアー仕様トリガーと組み合わせて使う為のピストンなのですが、シアーを引っ掛ける部分が90度なのでDouble Eagle Magpul Pro 700でも使えます。
尚、重量は25gと純正ピストンと全く同じ重量でした。

ピストンヘッドは全体がゴムになっており、吸気穴が空いています。
そして、前側と後ろ側にそれぞれ黒いPOMのリングが付いており、シリンダーとの抵抗を低減させています。
シアーに引っかかる部分はしっかり90度。

ピストンについてきたOリングがかなりスカスカで気になったので、G.A.W. 汎用規格 FRUS-Oリングに交換しました。

気密チェックなどを行いましたが、純正ピストンと特に変化は無し。
気になっていたトリガーフィーリングやシアー開放タイミングに関してはかなり改善されました。

前回の調整時にかなりトリガーストロークを短くした事によって使い勝手は多少改善されましたが、それ以上に改善されたので良かったです。

尚、シリンダー容量を減らす為のパーツは今回も取り付けています。

という訳で、色々パーツを変更した後の初速はこんな感じになりました。
パーセンテージはHOP調節ノブの回転量、使用弾は0.20g樹脂弾です。

HOP0の状態からHOPを強くすると少しずつ初速が上がっていき、80%くらいが最大初速でそれ以降は初速が下がります。
HOPを最大にすると90m/sまで初速が下がる感じでした。

色々セッティングを変えたので、どういう影響が起きるのか不明ですが、とりあえずランダム変化球が無くなってくれたら良いなと思っています。

これはまたシューティングレンジに行って確認しないと分からないので、結果はまた次の記事で…。

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