エボログ

ARES/EMG KEL-TEC RDBを分解していきます(分解手順、バレル、メカボックス内部紹介)

記事作成日:2021年6月29日

先日レビューしたARES/EMG KEL-TEC RDBを分解していきます。
という訳で、まずはハンドガードを外します。

続いて、レシーバー側に付いているピンを3本抜きます。
こうするとRDBがバレル、チークピース+バットプレート(トップカバー?)、レシーバーの3つに分かれます。

尚、これらのピンはハンドガード用のピンよりも固めなので、ピンポンチとゴムハンマーがあると便利です。

バレル側とレシーバー側には色々なパーツが収まっていますが、チークピース側はバレル側とレシーバー側を連結させる役割を担っているだけのようで、特にこれといって見る物はありませんでした。

ARES/EMG KEL-TEC RDBのバレル周りを見ていきます

という訳で、まずはバレル周りから見ていきます。
アウターバレル周辺に付いているパーツの中で、コッキングハンドルとそのリターンスプリング、スプリングガイドは簡単に外す事が出来ますが、20mmレールなどはネジで固定されています。

特に外しても見る物は無いので当記事ではここは外しませんが、開封レビュー 時点で少し気になっていたコッキングハンドルを左右入れ替えられるのか?という所だけ確認しました。

結果は可能でした。
左右を入れ替えるだけで問題なくコッキングハンドルを右側に持ってくる事が出来ました。

アウターバレルからバレル+チャンバーを外すには基部のイモネジを緩めるだけです。
これでチャンバーが抜けます。

チャンバーのデザインはARES M45やARES製疑惑が濃厚なARROW ARMS B&T APC9-Kで使われているチャンバーのオレンジ色バージョンみたいな感じです。
色以外の仕様は全く同じですね。

HOPアームは相変わらず極細直押し。
HOPパッキンはARESおなじみのシリコンパッキン。

例のごとく、共に要調整部品ですね。

インナーバレルは真鍮製で長さ450mm。

バレルはGBB/AEG両対応タイプで、HOP窓は無難な四角い形状です。

ARES/EMG KEL-TEC RDBのメカボックスを見ていきます

次にレシーバー側。
メカボックスを取り外したりしていきます。

電子制御のブルパップ方式という事もあって、トリガー周りには配線が沢山伸びていて、スイッチが付いています。

ここの構造を見て、RDBのメカボックスを取り外すにはこのレシーバーを真っ二つにする必要がある事が判明、「面倒くさいな」と思いました。
という訳で、まずはマガジンキャッチを外しました。

続いて、セレクターレバーとレシーバーに付いているネジを24本外します。
これで真っ二つに出来ました。

これまた真っ二つにして分かったのですが、このレシーバーはこのような四角い高ナットが埋め込まれていたので、ネジは片側だけ外せば分解は可能でした。
また、セレクターレバーも完全には外さず、左側のネジのみ外せば良いだけという事も分かりました。

尚、セレクターレバーの右側を外してしまうとセレクターレバーのクリック感を出すために入っているボールが脱落するので、無くさないように注意が必要です。
そういう事もあって、セレクターレバーの右側を外すのは一旦レシーバーの外装を真っ二つにした後が良いと思います。

という訳で、色々と無駄な事をやりながらバラしていきましたが、所見分解なのでね…?
とりあえず12本のネジと、セレクターレバーの左側のみ外せばレシーバーは真っ二つに出来るという事が分かりました。

尚、レシーバーを固定しているネジは全てM3の六角穴付きナットですが、3種類の長さがあるので元に戻す際にはどこにどの長さのネジを入れるか、気をつける必要があります。
グリップ周囲に使われているネジは短くて、メカボックス側が長いネジが多いです。

続いて内部を見ていきます。

まずはトリガー周りの構造から。

トリガーは2分割になっており、トリガーを引くとアーム(写真赤矢印)の左側が押し上げられ、アームの右側が下側に付いているマイクロスイッチを押すという構造になっています。
セーフティはこのアームの動きを物理的に阻害するだけですね。

トリガースプリングはシンプルな押しバネですし、アームも単純な構造なので、調整は楽そうです。

ちなみに、セレクターレバーはARESおなじみの磁気検知方式。
別に普通のスイッチでも良いじゃん…とは思うのですが、他製品と同じ仕様にした方がコスト安いんですかね。

トリガー周りの後ろには配線が伸びているのですが、トリガー用の信号線が無駄に長くて、一回迂回させてますね。

トリガーやセレクターレバー周りのスイッチはネジ固定されています。
これらのネジはタップネジなので、戻す際はトルクの掛けすぎには要注意です。
また、ケーブルを止めているパーツを固定しているネジにはネジロック剤のような物が塗布されており、少し硬かったです。

RDBの給弾ルートはこんな感じのパーツが組み込まれています。
この辺りの形状を変えるのは結構骨が折れそうなので、純正チャンバーを使わざるを得ない感じがします。(やろうと思えばM4用のチャンバーを入れられるかも知れませんが…)

あと、分解作業の一番最初の方にレシーバー側のピンを3本抜きましたが、このピンはOリングのテンションで保持されているらしく、一度抜いただけでOリングがボロボロになりました。
組み立てる際には新しいOリングに変えないと駄目かも知れないです。

メカボックスを外すとこんな感じ。
モーター側の配線もめっちゃ余ってますし、至る所の配線が長いですねぇ…。
あと、開封レビューでも説明しましたが物理ヒューズはありません。
ARES製品の伝統ですね。

あと、メカボックスの形状自体はARES SOC ARと同じ感じなので、ここは流用部品なのかも知れません。

まず、メカボックス外側に基盤が付いているので、それを外します。

基盤の裏側はこんな感じで、コンデンサとセクターギア検知用の磁気センサーが付いています。
絶縁シートとかは付いていなかったのですが、基盤はメカボックスから少し浮いて固定されているので、問題は無いんでしょう。

基盤を外した状態のメカボックスはこんな感じ。
MAGPUL PTSのPDR-Cに近いレイアウトのメカボックスですね。

メカボックス上部には使われていないネジ穴が空いていますが、これはSOC ARのダミーボルト周りのパーツを固定する為に使われている物なので、それの名残ですね。

ARES製品おなじみのQDメカボックスなので、メカボックス後部からピストンスプリングを抜く事が出来ます。
尚、モーターの位置調整もこちら側から行います。

メカボックスを開く前にピストンスプリングを抜いておきます。

ピストンスプリングは空けてびっくり。
スプリングカットによってめめゃくちゃ短くなっていましたし、カットした側が強引に曲げられており、かなり雑な感じでした。
断面切りっぱなしよりかはピストンを傷つける可能性が低いのでマシかも知れませんが…。

結構固めのスプリングなので、初速調整の為に切られている感じです。

バレルが450mmもあるので、スプリングカットの量が凄い量になったのかも知れないです。
あと、従来のARES製品よりもサイクルが速い気がしたのは、この極端なスプリングカットが理由なのかも知れないですね。

ピストンスプリングを抜いたらメカボックスのネジを外していきます。
モーターのエンドベル近くの鍋ネジ2本以外は皿ネジで、緩みどめのワッシャーが付いています。
開くと写真右のような状態になります。

もうここまで来るといつものARESです。
昔からずっと変わらない、安心仕様。

ベベルギアのみボールベアリングでそれ以外は削り出し。
軸受は全てユルユルで簡単に外れます。

軸受は今まで見てきたARES製品の中で一番雑な処理で、ボールベアリングの方は良いのですが、削り出しの方は面取りをヤスリ使って手作業でやったのか?って具合に歪な形に削られていました。

穴の内側にも細かいキズが多数見受けられたので、軸受は交換しようと思います。
軸受のサイズは8mmなので、適当な物を買ってくれば良いかなと。

組み込まれているギアはおなじみのギアセット。

モーターもよくARES製品で見かける無地のモーターで、シャフトはショートタイプ。
ピニオンギアはD型です。

タペットプレートとノズルはこんな感じ。

タペットプレートはVer2系に似ていますが、RDB専用形状のようです。
ノズル長は21.18mmで、シーリングタイプでした。

基本的な形はVer2用に似ていますがノズルの上下位置が特徴的なので、無加工で流用出来る既製品は無い気がします。
ノズルの方は21.2mmの製品を各社がM14用、G3用、PSG1用などで出しているので、この辺りのノズルが使えそうです。
短めな方だとMP5K用の21mmがあるので、ノズルの選択肢は割と豊富な気がします。

ピストンはARES製品おなじみの樹脂ヘッド+フルティースメタルラックギアのピストンです。

シリンダーはステンレス製。

このシリンダー、厄介な事にシリンダーヘッドが専用品な上にシリンダーとヘッドが一体構造になっています。
というか、どういうつくり方をしているのかよく分からない、変な構造をしており、シリンダーヘッドとノズル部分は別パーツっぽいですし、写真右側の赤矢印の所には溶接されたような痕が付いています。

シリンダーヘッド内側には不思議な形のダンパーが付いていました。
ここから見るとシリンダーとシリンダーヘッドの間に隙間が見えるので、元々は別パーツだったハズなんですよね…。

なんでこんな仕様にしてしまったのでしょうか…。
まあ、エア漏れとかして無さそうなので別に良いんですけど…。


という訳で、ARES/EMG KEL-TEC RDBの分解は以上になります。

とりあえず、分解自体はそんなに難しくないものの、調整する時に少し苦労しそうというか、面倒な感じですね。

メカボックス単体での動作チェックをするにしても、フレームに取り付けて動かす必要があるのが面倒そうですね…。
あと、専用部品が地味に多いので、色々と慎重になりますね。

とりあえず何度も分解・組み立てはしたくないので、あまり冒険はせずに無難な構成(いつものARESセッティング)で出来ればと思っています。

尚、分解時のギアの停止位置から察するに、EFCSの挙動としてはARES G14、ARES SA VZ-58-L辺りと同じ感じなので、電圧の高いバッテリーを使ったプリコック解除が出来そうな気がします。
まあ、弄ってみて最終的にどうなるかはやってみないと分からないですが…。