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新作ノンフロンガス、S&T ダンガン ハイパーガスのレビュー、他のガスと比較してみた

記事作成日:2021年9月2日

発売されて割と直ぐに買ったんですが、ずっと忘れてたので今更ながらレビューする事にします。

ガスガン用のノンフロンガス、S&T ダンガン ハイパーガスは名前の通り砲弾の弾頭みたいなデザインの金色のガスタンクなのが特徴的です。

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ガスはHFO-1234ZEとLPGの2種混合ガス。
環境への影響に配慮したノンフロンガスの一種で、東京マルイ ノンフロン・ガンパワーと同じ成分になります。
内容量は200ml。(東京マルイのノンフロンガスは初期が250ml、現行は300ml)

メーカー名はS&Tですが、製造はUFCで日本製のガスです。
尚、先程成分は東京マルイと同じと紹介しましたが、東京マルイのノンフロンガスは東京マルイ独自の配合で特許出願中なので、S&T ダンガン ハイパーガスは配合率を変えているのではないか?と思われます。

流石に出願中の特許に抵触する仕様にはしてないだろうと…思います…。

今後は東京マルイ意外のメーカーからもエアソフトガン用としてHFO1234ze/LPGのノンフロンガスが続々と出てくるのでしょうか。

S&T ダンガン ハイパーガスは容量が少ないという事もあって、結構小型です。
初期に発売された東京マルイ ノンフロン ガンパワー(250ml)も小さめなサイズでしたが、それよりも細いです。(長さはほぼ同じ)

S&T ダンガン ハイパーガスの良い所はこのノズル。
一般的なガスガン用のガスよりも少し長い、24mmのロングノズルが採用されています。

他のガス缶と比べるとこんな感じで、明らかにノズルが長い事が分かると思います。

これにより少し奥まった位置に注入バルブがあり、普通のガス缶ではガスを充填する事が出来ないマガジンでも延長ノズル無しでガスを入れる事が可能となっています。
写真左は東京マルイのガス缶で、ノズルがギリギリ届きませんが、S&T ダンガン ハイパーガスは余裕を持って届いています。

イメージ的にはS2Sから出ていたロングノズル付きのHFC-134Aガスみたいな感じですね。
尚、ロングノズルとは言えども流石にTANAKAのペガサスシステムのシリンダーにガスを入れられる程長くはないです…。

比較レビュー(HFO1234ze/LPG vs HFC134A)

というわけで、S&T ダンガン ハイパーガスを他のガスと比較してみます。
今回の検証に使うのはKSC マイティボンベ500(HFC134A)、東京マルイ ノンフロン ガンパワー(HFO1234ze/LPG)の2製品です。

KSC マイティボンベ500はHFC134Aの価格が高騰し始めた時にまだ安価な価格で販売していた、KSCからまとめ買いして今メインで使っているガスです。
お店などで売られているのをあまり見かけないガスですが、混合ガスじゃないので、他社製のHFC134A(S2Sやウッドランドガス、サンダーシュートなど)と同じと思って良いでしょう。

東京マルイ ノンフロン ガンパワーは出た時に買ってレビューした当時モノ。
結局レビュー以外で使う機会が無かったので、余ってるんですよね…。

尚、比較対象にHFC152Aが無いのは、私がHFC152Aを持ってないからです。
HFC134Aより数百円安い意外に特に利点無いですからね…あのガス…。

という訳で、今回検証に使うのは東京マルイの新作ガスブローバックライフル、AKMです。
リコイルウエイトロッドを純正よりも重い物に変更しているのと、外装を少し弄ってる以外はノーマル状態の仕様です。

まず、マガジンを3つ用意し、どのマガジンにどのガスを入れたのかが分かるように印を付けておきます。

続いて、容量を合わせてガスを充填します。
BB弾を入れない状態で全て542g(満タン状態)にしました。

続いて、マガジンの温度を調整、温度を揃えます。
今回は30度に合わせました。

この状態で撃っていき、マガジン温度の下がり方と初速の変化を記録、最終的に何発撃てたかを記録しました。
記録はデータ量が膨大になってしまい、集計も大変なので10発刻みで計測を行う事しました。
尚、検証で使用した弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾、射撃はセミオートで1発1秒程度の間隔で撃ち、弾切れになったらマガジンを抜いて補充しました。

結果はこんな感じで温度の変化はマルイとS&Tが似ており、KSCが初速の低下低め。
初速はKSCとS&Tがよく似ており、マルイが少し低め。
また、KSCやマルイよりもS&Tの方が10発程度多く撃てました。

表だとパット見分かりづらいと思いますが、結果をグラフにするとよりかなり分かりやすいデータになります。

まず、マガジン温度はスタート時点は同じですが、撃つごとに温度が下がっていきます。
その下がり方がHFC134A(KSC)が大きめで、HFO1234ze/LPGを採用しているノンフロンガス(マルイ、S&T)と同じような感じの変化でした。

一方、初速に関してはHFC134A(KSC)とS&TのHFO1234ze/LPGがほぼ同じ感じ、マルイのHFO1234ze/LPGが低いという結果になりました。

こう見ると、S&T ダンガン ハイパーガスはHFC134Aの初速の高さ・安定感と、東京マルイ ノンフロン ガンパワーの温度の下がりにくさの両方の利点を兼ね備えたガスのような感じがします。

実は発表当初、HFO1234ze/LPGと聞いて「マルイのノンフロンと同じか〜」とあまり期待してなかったんですが、実際に使ってみて検証した所、良い意味で意外な結果となりました。

ノンフロンガス同士、マガジンを温めた状態での比較

続いて、マガジンを極端に温めた場合、どのような変化があるのかを見てみる事にします。
こちらの検証は東京マルイ ノンフロン ガンパワーとS&T ダンガン ハイパーガスの2つの比較になります。

尚、HFC134Aを使用したAKMの初速に関してはAKMの開封レビューの方で行っているので、気になる人はそちらをご確認下さい。

まずは東京マルイ ノンフロン ガンパワーです。
マガジン温度40度の状態で87m/s前後。
マガジン温度が30度の状態のHFC134Aよりも少し高い程度の初速のようです。

更に温度を上げて50度まで上げました。
ここまで上げてようやく90m/s台に突入、93m/s前後辺りでリコイルもかなり元気良くなります。

続いて、S&T ダンガン ハイパーガスの検証です。
マガジン温度40度の状態で既に90m/s出ました。

50度まで上げると97m/s前後まで初速が上がりました。
夏場に管理を怠ると普通にこれくらいの温度になる事もあるので、要注意ですね。

グラフにするとこんな感じ。

という訳で、S&T ダンガン ハイパーガスのレビューは以上になります。

正直、東京マルイのノンフロンガスのメリットって「環境への影響が少ない」というだけで、エンドユーザーとして体感できるメリットが無かったんですが、このS&T ダンガン ハイパーガスは「HFC134Aよりも冷えにくく、HFC134A並の作動性」という明らかなメリットがあるので、乗り換える価値アリだとおもいます。
まあ、値段だけがネックなんですがね…。

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