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Primary Arms製等倍プリズムサイト、SLx1 Micro Prismを買ってみたのでレビューします

記事作成日:2021年9月21日

Primary Armsの最新作、「Primary Arms SLx 1X MicroPrism with Red Illuminated ACSS Cyclops Gen 2 Reticle」を購入したのでレビューしていきます。
こちらの製品は最近種類が増えてきている等倍プリズムサイトで、コンパクトさと付属のライザープレートの種類の豊富さが特徴的な製品となっています。

尚、同社製の等倍プリズムサイトは以前、『1X Compact Prism Scope with ACSS Cycrops Reticle(PAC1X)』をレビューしているので、部分的にそちらとの比較も行ないます。

内容物はこんな感じでSLx1本体とライザープレート3枚、固定用のネジ6本、レンチ類、説明書類。
あと、今回はデザートカウボーイにて購入したのでそちらの修理保証書が付属。

SLx1用の説明書と、ACSS CYCLOPS G2レティクルの説明書の2冊が入っています。

SLx1 Micro Prism付属のレンズカバーはラバー製。
対物レンズ側にPrimaryArmsの新ロゴが入っています。

Primary Arms SLx1 Micro Prism本体はこんな感じ。
予めハイマウント用(1.41インチ)のライザープレートが装着された状態になっています。

本体サイズはかなり小さく、T1系ドットサイトのHOLOSUN HS403Aと比較するとこんな感じでHS403Aよりも短く、太いみたいな感じですね。

このコンパクトさは本当に凄いと思います。

では細部を見ていきます。

まず対物レンズはハウジングのサイズに対してかなり小さめで、対物レンズ径が17mmしかなく、仕様的にはコンパクトマグニファイアと同じ感じがします。
また、対物レンズ周囲には乱反射防止用の凹凸が付いています。

ハウジング右上にはPrimary Armsエンブレムが埋め込まれています。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
コインドライバー(マニュアル上では1セント硬貨)で回す仕様になっており、1クリック1.0MOA動き、最大で120MOA動きます。

ハウジング左側にはバッテリーケースと輝度調整ノブが付いています。
輝度は11段階で内1、2、3はNVモードとなっています。

電池はCR2032です。
Panasonic製の物が入っていました。

マウントはこんな感じでトルクスネジ(T25)を使ってレールにクランプする仕様になっています。
尚、マウントは20mmピカティニーレールに対応しています。

マウント下部はこんな感じ。
SLx1本体を固定する為のネジが3本付いています。

ライザープレートは3枚付属。
全て大幅にオフセットされる仕様となっており、このデザインも当製品の特徴的な要素の1つですね。

これらのマウントの組み合わせを高さ順に並べるとこんな感じになります。
一番低い状態で1.1インチ、一番高い状態だと2.075インチという具合です。
純正マウントでこんなに高さのバリエーションが豊富なマウントが他にあるでしょうか…。

マウントの前側を合わせて写真を重ねるとこんな感じ。

尚、マニュアル上では後ろ側にオフセットされる仕様なので後ろ側にオフセットして写真を撮っていますが、マウントの前後方向は逆向きでも問題無く使う事が出来るので前側にオフセットさせる事も可能です。

ちなみにマウントの規格はPAC1XはT1/T2系と互換がありましたが、SLx1ではTrijicon ACOGシリーズと同じようで、マウントのサイズに関してはTA44にピッタリでした。

SLx1には視度調節ノブが付いています。
等倍プリズムを選択する理由の1つがこの機能で、視力の問題でドットサイトだとレティクルが滲んでしまう人にとって視度を調節出来る機能はかなり重要な物になります。

もっとも、視度調節ノブも万能では無いので、極端に視力が悪い場合は補正しきれない場合もあります。
これに関しては個人差があるので、注意が必要です。

レンズコーティングとレティクルを見ていきます

SLx1の対物レンズと接眼レンズはともにグリーン系のマルチコートが施されています。

また、対物レンズ側からプリズムの構造体を確認出来ます。
こちらも多くのコンパクトマグニファイアと結構構造が似ており、対物レンズ側にプリズムの構造体が埋め込まれているようです。

覗くとこんな感じです。

ACSS CYCLOPS G2レティクルはこんな感じ。
中央の三角形とその周囲のホースシュー、下にドロップダウン用のハッシュが付いているレティクルで、イルミネーションを点灯させると三角とホースシュー部分のみが光ります。

また、PAC1Xに搭載されている前世代のACSS CYCLOPSよりもホースシューが細くなり、少し大きくなった事で、レティクルとターゲットの視認性のバランスが良くなっているのも個人的には良いなと思いました。

双方を比較するとこんな感じで、ホースシューのサイズが大きくなっているのが分かると思います。

ただ、フチの薄さに関してはPAC1Xの方が薄いですね。

アイレリーフ・アイボックスについて

アイレリーフはカタログスペックで3.6インチ/91.44mm(実用レンジが2インチ/50.8mm〜7インチ/177.8mm)と非常にレンジが広く、長いのが特徴です。

実際に覗いてみると、30mm程度の距離からフチは太くなるものの問題なく覗く事が可能で、最長だと160mm程度の距離までは覗く事が出来ます。
その程度の幅の広さと長さがあり、感覚的にはドットサイトに近い感じで覗く事が可能となっています。

アイボックスに関しても割と広めで、かなり覗きやすい製品だと思います。
普通に構えながら銃をグイグイ動かしてもちゃんと覗けます。

尚、アイレリーフとアイボックス、フチの厚みのバランスが取れている距離は140mm前後辺りだと感じました。

AR15系の銃に取り付ける場合、アッパーレシーバーの前側に取り付けてちょうど良く覗ける程度には長いので、本当にドットサイトと似たようなレイアウトで使う事が可能な製品です。

尚、似たようなモデルとしてはBushnell LIL P プリズムサイトがあります。
こちらも非常に長いアイレリーフが特徴で、ドットサイトと似たような感覚で覗く事が出来る製品です。

それにしても、大きさ的にもレイアウト的にもプリズムサイトには見えないですよね…。

パララックス計測

続いて、いつものパララックス計測を行ないます。
ちょっと部屋のレイアウトを変更した影響で今まで2mの距離を確保出来たのが1.5mまでしか取れなくなったので1.5mで見ています。
とりあえず2cmの円の中に少し細い線で1.5cmの円を描いたんですが、見にくいのでそのうち何かしら改善策を考えます…。

覗くとこんな感じ。
1.5mの距離でもギリギリピントが合います。

この状態で視点を左右上下に動かすとこんな感じになります。
レティクルは多少動きますが、歪みがほぼ無いのが中々凄いと思いました。

視点を動かしても像が歪まない為、構えながら移動したりしても酔い難いのが良いです。


せっかく特徴的なマウントが付属するんですし、使わなきゃ損かなと思ったので、マウントの固定位置を1つ前にして、オフセットハイマウントを付けてみました。

SLx1には自作のレンズガードを付けてます

という訳で、Primary Arms SLx 1X MicroPrism with Red Illuminated ACSS Cyclops Gen 2 Reticleのレビューは以上になります。