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S&T M4 CQB-R スポーツライン(STAEG361RBK)の分解レビュー(主に内部の分解)

記事作成日:2022年2月14日

先日箱出しレビュー箱出し状態でサバゲーで使ってみた記事を書いたS&T M4 CQB-R スポーツライン STAEG361RBKを分解していきます。

という訳で、まずハンドガードとストックを外します。
尚、別にハンドガードは外さなくても中身の分解を行う事は可能です。

ピポッドピンを抜いてアッパーレシーバーを前側にスライドさせる事でレシーバーの上下を分離させる事が出来ます。
樹脂レシーバーモデルですが、基本的な構造はメタルレシーバーと同じようです。

赤色のチャンバーを引っ張ればインナーバレルとチャンバーを抜く事が出来ます。
チャンバーをメカボックスに押し付けるスプリングはチャンバー上部に設置されているタイプのようですね。

インナーバレル・チャンバー周りを見ていきます

チャンバーはこんな感じでポリカーボネイトっぽい材質の樹脂チャンバーで、HOP調節はドラム式になっています。
バレルクリップはズレ防止の突起が付いているタイプでVFCのバレルクリップ程では無いもののちょっと外しづらいタイプです。

HOP調節ダイヤル部分のCクリップを外せばダイヤルを外す事が可能です。
続いて、HOPアームを抑えるピンを抜き、HOPアームも外しました。

HOPダイヤルの根本にはOリング
クッションゴムは中空で弾力があるものの少し硬め

HOPアームを外した後でバレルクリップを外し、インナーバレルとチャンバーを分離させます。
バレルクリップは細いマイナスドライバーがあると外しやすいです。

HOPパッキンはちょっと肉厚で硬めの物が組み込まれていました。
口の部分もかなり肉厚で、パッキンの巻き込み事故は起こりにくそうではあるもののバリがありちょっと微妙な感じ。

HOPの凸は東京マルイと同じ形状の物でした。

HOPパッキンは交換ですかねぇ…。
流石に硬度が高すぎますし、バリも気になります。

インナーバレルは金色で長さは275mm。

実は箱出し状態でマズルから金色のインナーバレルが確認出来たので、「真鍮バレルが入ってるのかな?」と思ってたのですが、バレルを手にとって見るとめちゃくちゃ軽く、どうやらただのアルマイトだったようです。

S&Tのバレルは20g
同じ長さの真鍮バレルは63g

どうしてこんな紛らわしい色に…。
別にアルミバレルが悪いとかそんな事は無いのですが、普通に赤とか青とか黒とか、何なら無垢でも良いじゃん…と思うんですがね…なんでわざわざ金色を選んだのか…。

HOP窓は90度にカットされているシンプルな形状です。

金色というだけで特段変なバレルでは無かったのでこれはこのまま使えそうな気がします。

ロアレシーバーの分解

続いて、ロアレシーバーからメカボックスを取り出すにあたってロアレシーバーに付いているパーツを外していきます。

まず、ボルトリリースボタンを外します。
こちらはロアレシーバーに差し込まれているだけなので、上方向に引っ張れば外せます。

続いてストックチューブを外しました。
こちらはチューブ内のネジをプラスドライバーで外すだけです。

物理ヒューズは無し
ストックチューブはキャッスルナット一体型

S&T CQB-RのメカボックスはQDスプリングガイドが採用されているようで、ストックチューブを外せばスプリングガイドを外す事が出来る構造になっています。
スプリング交換が楽なのでこの仕様はありがたいですね。

次にモーターの底蓋を外します。
底蓋を固定しているネジはミリネジで、ちゃんとグリップ側に真鍮インサートが埋め込まれていました。

タップネジじゃないだけでありがたい。

モーターピンを外してモーターを取り外します。
モーターは無印の480型モーターでシャフトはロングサイズ、ピニオンギアはO型でちょっとエッジが尖り気味なタイプです。

触ってみた感じ、まあ微妙なモーターですね…。
交換するかは弄る時に考えますが、せっかくFCUが搭載されているんですからもうちょっと良いモーターに変えたいとも思っています。

グリップは内側から4本のネジで固定されているので、これらを外します。

これでだいたいメカボックスがフリーになります。
最後にテイクダウンピン、トリガーピン、マガジンキャッチを外します。

ここで問題発生。
ピンが硬くていつも通りゴムハンマーとピンポンチを使ったのですが、ピンを抜く衝撃でレシーバーにクラックが入ってしまいました…。

どう抜くのが正解だったのかイマイチ分かりませんが、もしかしたアッパーレシーバーが付いている状態でピンを抜いておいた方が負荷が少なくて良いのかも知れません。

とりあえずこれでメカボックスとロアレシーバーを分離させる事が出来ました。

S&T M4 CQB-R スポーツラインのメカボックスはこんな感じでセレクタープレートが特殊な形状をしていたり、モーター側の配線逃しが付いていたりといろいろ工夫が見受けられるメカボックスです。
軸受はすべて8mmで、ベベルギア部のみボールベアリングになっています。

所々、ARESのEFCS搭載メカボックスに仕様がよく似ている気がします。

メカボックスを開く前にQDスプリングガイドを外しておきます。

ピストンスプリングは等ピッチで線形がちょっと太めですが割と柔らかめ。
スプリングガイドはシャフト部が樹脂、基部が金属になっています。

どうやらスプリングカットされてたりする訳ではなく、元々こういうスプリングのようです。
ただ、長さは13.7cmとかなり短いです。

次世代電動ガン用程では無いもののこんなに短くて、柔らかいバネが入っているなら、そりゃバネ鳴りも凄い訳ですわ…。

続いて、セレクタープレートを外します。
このセレクタープレートは小さなネジ1本で固定されているので、これを外せばセレクタープレートとセーフティー用の金属パーツが外せます。

このセーフティの構造とかARESのEFCS搭載Ver2メカボックスそっくりですね。

続いて、メカボックスを固定しているネジ類を外します。
尚、メカボックスを開く前に逆転防止ラッチを解除した方が良いのですが、このメカボックスは逆転防止ラッチがかなり奥まった位置に配置されているので解除し辛く、今回は逆転防止ラッチを解除せずに分解を行いました。

メカボックスを開くとこんな感じで、普通に綺麗なメカボックスです。
塗装はだいぶ雑な塗り方されてますけどね…。

グリスも最小限な感じで、メカボックスにベチャベチャこびりついてたり異常な粘度のグリスが塗布されている訳でも無いのが良いですね。
ちゃんとギア周りには粘度高め、吸気系には粘度低めと塗り分けもしっかりされています。

このメカボックスの面白いのはトリガーがメカボックスの右側に固定されている事です。
トリガーやトリガースプリングも特殊な形状をしており、一般的なトリガーとの互換性は無いと思って良いでしょう。

ギアを外すとこんな感じで、ちゃんとシムが入ってます。
全体的にシムは分厚く、0.5mmと0.3mmの2種類のみ使われていました。

もっとも、最近の中華電動ガンってテンプレでしょうけど最低限の調整は行われている感じがするので、特段驚く事ではありませんが…。

尚、全部のパーツを外した後にちゃんと確認したのですが、軸受はしっかり固定されており軽く叩いた程度では外れませんでした。
とりあえず軸受はこのままでも良いでしょう。

ギアセットはよく見かける18:1のギアセットで、樹脂のセクターチップが付いています。
私がこのギアセットを最初に見たのはARES製品ですが、最近は色々なメーカーの電動ガンで見かけるようになりましたね。
尚、ZCやSHSなどのメーカーからもカスタムギアとして単品販売されてたりしますね。

S&Tの電子トリガー、G3はセクターギアの検知方式が磁気検知のようでセクターギアに磁石が埋め込まれています。
ただし、ARESとは基盤の設計が違う為に磁石が埋め込まれている位置も異なっています。(赤矢印が磁石)

仕様的にARESで行えるプリコックカスタムと同じ事は可能だと思いますが、セクターギアに穴を開けて磁石を差し込まないといけないので少々手間が掛かりそうです。

逆転防止ラッチは普通な感じ。

G3の基板はメカボックスにネジ止めされています。

かなりシンプルな基板でセンサーやスイッチの数も最小限のようです。
セクターギア検知センサー、トリガー検知スイッチ、セレクタープレート検知スイッチの3つだけです。
特にセレクタープレートの位置を検知するスイッチが1つしか無いので、電子的なセーフティ状態は存在しないようで、このスイッチが押されているとセミオート、押されていないとフルオートです。

基板のバージョンは1.2
セレクタープレート検知スイッチは1つだけ

タペットプレートはチャンバーで使われているのと同じような材質で、ちゃんとノズル側の角度が90度なので“ちゃんと使えるタペットプレート”っぽい印象。
尚、タペットスプリングは「こんな硬さ必要ある?」って位に硬いので、柔らかいのに変えた方が良い気がします。

ノズルも樹脂製。
エアシールタイプでは無い、シンプルなノズルですね。

尚、前方吸気対応型のノズルで、十字の切れ込みが入っています。

ピストンは全金属歯、ピストンヘッドは後方吸気タイプで吸気穴は6個。
ピストン左右のレールは摩擦抵抗を低減させる為に一部が削られているタイプになります。

ピストンの重量は27gと、めちゃくちゃ重い訳では無いですがそれなりの重さはあるようです。

ピストンを分解してみるとこんな感じで、ピストン内に錘が組み込まれていました。

尚、パーツ清掃後に気づいたのですが、ピストンにセクターギアがぶつかった痕跡がありました。
シムが入っているとは言っても、ちゃんと調整されている訳では無さそうですね。

シリンダーは赤色のアルマイトが掛かったアルミ。
シリンダーヘッドは無難な形状の樹脂製です。

という訳で、S&T M4 CQB-R スポーツライン(STAEG361RBK)の分解レビューは以上になります。

フロント周りの分解は現状やる予定は無いです。
アウターバレルがエクステンションバレルになっている位で、それ以外は普通のM4系電動ガンと大きな違いは無いと思いますし…。

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