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Vector Optics製ライフルスコープ Forester JR 3-9x40mm SCOM-35のレビュー

記事作成日:2022年7月25日

つぼみトレードカンパニー様よりVector Optics Forester JR 3-9x40mm SCOM-35お借りしたのでレビューします。

こちらはVector Opticsがライフルスコープの低価格帯モデルとしてリリースした製品で、倍率比は3-9、つぼみアームズでの販売価格が12200円と、比較的入手しやすい価格帯である事が特徴になっています。

また、同社の人気シリーズであるForesterシリーズの特徴でもある「安価なモデルではあるが必要な機能は十分網羅していて、実用スペック」となっているので、安価ではあるものの安心感があります。

内容物はスコープ本体とレンズカバーのみというシンプルな構成。
※2021年9月にお借りした物なので、現在販売されている製品の内容と差異がある可能性があります。ご了承下さい。

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レンズカバーは樹脂製のカバーがゴム紐で繋がっているシンプルな仕様。
透明レンズは付いていないので装着した状態でスコープを使用する事は出来ません。
あくまで保管時のレンズ保護用ですね。

外観の紹介

Vector Optics Forester JR 3-9x40mm本体はこんな感じ。
対物レンズ側が膨らんでいる、いわゆる「ライフルスコープ」です。

チューブ径は30mm。
銃本体と対物レンズとの干渉を考慮するとミドル以上の高さのマウントリングが推奨されると思います。

30mmチューブ対応のマウントリングは1インチや34mmなどに比べて選択肢が豊富なので、好みなマウントリングを使えるという利点があると思います。

ライフルスコープと言うと重量が気になる方も多いと思います。
重いライフルスコープだと1キロ近くになる事もありますからね…。
Forester JR 3-9x40mmはライフルスコープにしては割と軽めの431gでした。

対物レンズ側はこんな感じで少し奥まった所に対物レンズがあり、フチには乱反射防止用の段差が設けられています。
尚、外形は48.27mmでした。(バトラーキャップやレンズガードを選ぶ時の参考に…)

ハウジング部にはエレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルが付いており、キャップを外す事でアクセスする事が出来ます。
ダイヤルは単純にツマミを回せば回る、シンプルなタイプです。

ダイヤルはカチカチとしっかりしたクリック感があり、1クリック1/4MOA。
ゼロリセットやゼロストップなどの複雑な機能は無い、シンプルなダイヤルなので難しい事を考えずにゼロインすれば良いです。

尚、レティクルの最大移動量はエレベーション、ウィンテージ共に50MOAとなっています。

ハウジング左側にはVectir Opticsのエンブレムが埋まっています。
サイドフォーカスやイルミネーションなどが無いモデルなので、シンプルなハウジングですね。

パワーノブは初代Foresterからの伝統デザインで、Forester 1-4×24 Jr. SCOC-28と同様スルーレバー付きで操作性の高いノブになっています。

倍率を変えるとこんな感じで、窓から倍率の表記が見える仕様となっています。
また、スルーレバーは6倍のちょっと手前側に付いています。

接眼レンズ側はこんな感じ。
視度調整ノブのデザインもForesterシリーズおなじみのデザインですね。

レンズコーティングとレティクルを見ていきます

レンズコーティングは対物レンズ・接眼レンズともにグリーンマルチコート
安価な製品ではあるものの、しっかりしたレンズコーティングが施されていると思います。
尚、対物レンズ側のみ黄色成分多めです。

レティクルはシンプルな十字レティクルで、中央に小さなドットが付いている、これまたForesterシリーズおなじみのレティクル形状
十字の線が細く、像の視認性が高い(レティクルで隠れる部分が少ない)のが特徴です。

3倍時の見え方

味気のないレティクル形状と言えばそうなのですが、この価格帯は入門機種としても適している事から情報量の多い複雑なレティクルよりもこういうシンプルな物の方が使い勝手が良いと思います。

ある程度知識があり、練度のある人ならいざ知らず、レンジファインダー(距離を測る物)とかBDC(落下していく弾道を補正する為の物)とか付いてても使い方分からない人多いでしょうし…。

Foresterシリーズは安価な製品の中でもアイレリーフやアイボックスが広く、非常に覗きやすいモデルであるというのが特徴があります。
この製品もその特徴をしっかり引き継いでおり、ライフルスコープにしてはアイレリーフ・アイボックスがやや広めで、覗きやすい仕様となっています。

また、視点を動かした時のケラレも安価なスコープの割には割と綺麗です。
安価なスコープの中だとスコープ内側が見えてしまったりする事があるのですが、そういう変な感じの見え方にはならないです。

屋外で覗いてみました

いつもの河川敷で覗いてきました。
250m先の木にレティクルを合わせて撮影しています。
尚、天候は曇りなので少し暗いです。

3倍率での見え方

まずは最低倍率の3倍から。
曇り空でも肉眼と同レベルの明るさで見えているので、視認性において大きな問題は無さそうな印象があります。
あからさまな歪みも無いので、比較的自然に見えていますが、明るさやコントラストはそんなに高くは無さそうな印象。

ただし、フチの方が少し滲んでいます。
中央付近は綺麗に見えているので、そこまで大きな問題には感じませんでした。
もちろん像は綺麗に越したことはないですが、値段が値段ですからね…。

6倍での見え方

続いて6倍です。
倍率を上げても像が暗くなるような事はなく自然な明るさで見えていますが、この辺りの倍率から像全体の滲みが気になってきます。

こんな感じでよく見ると中央付近も少しぼやけており、この距離ではフォーカス距離が合っていないような印象があります。

写真だとそこまで気にならないかも知れませんが、肉眼だと「視度とかフォーカス合ってないのかな?」と思える位にはぼやけて見えます。

9倍率での見え方

最大倍率での像はこんな感じ。
この倍率になるとアイレリーフが短くなり、アイボックスも狭くなりますが、極端に覗きにくいほど狭くなる訳ではないので十分実用レベルだと思われます。

ただ、6倍の時と同様像全体がぼやけているのが気になります。
像が拡大している事から更にぼやけ具合が気になる感じがあります。

恐らくですが、倍率が低いので気づけないだけで3倍時点で既にぼやけているような気がします。
そのぼやけている像を拡大しているのでぼやけている事に気づくといった感じですね。

尚、カタログスペック上のパララックス設定は50ヤードとの事ですが、25m程度の距離であれば9倍率でも文字が読める程度にはしっかり見る事が可能でした。

エアソフトガンの射程圏内を狙う分には大きな問題は無さそうな気がしますが、高倍率で遠くを見るとぼやけてしまうという事は、それ以上の距離で使うような用途では問題になりそうな印象があります。

総評

というVector Optics製ライフルスコープ Forester JR 3-9x40mm SCOM-35のレビューは以上になります。
総評としては、機能としては必要最低限で、像の精度については少々スペックの低さを感じるものの12200円という実売価格を考えると十分すぎるスペックの製品ではないかと思われます。

安価なライフルスコープは色々なメーカーから色々な製品が出ており、割と激戦区となっている印象があるのですが、どれもこれもイマイチなモデルが多く、像のぼやけどころかコントラストが低すぎて視認性が悪かったり像が歪んだりする製品も多数存在する中で割と優秀な部類に入る(入ってしまう)でしょう。

アイレリーフやアイボックス、フチの薄さなどのアドバンテージがForester JRはあるので、そう考えると低価格帯ではかなり頑張っているスコープだと感じました。

Vector Optics Forester 1-4×24 Jr. SCOC-28

スコープは5000円のスコープよりも1万円のスコープの方が良い、1万円のスコープよりも2万円のスコープの方が良いみたいな感じで、金額≒性能といった感じです。
このForester JR 3-9x40mm SCOM-35も、今まで5000円のスコープを使ってきた人が乗り換えたら十分に満足出来るような内容になっていますし、古めの2万円程度のスコープを使っている人が乗り換えても同様に満足出来る物になっていると思います。

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