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APFG MPX-K GBB(JPバージョン)のレビュー(外観紹介、作動性、初速チェック)

記事作成日:2022年9月26日

またまた登場しましたね、APFGという新参メーカー…というか新ブランド。
まあ、実態というか母体というか、製造元/工場はVFCと同じでしょうけどね…。

正規ライセンス品を本業としているメーカーが、非正規品を作る場合によくやるやつだと思います。

という訳で、2018年だか2019年のMOAショーのVFCブースで存在が確認されたSIG SAUER MPXのガスブローバックが遂に発売されました。
当時の物から少し仕様が変わっているようですが、レシーバーのデザインは割と古いようで2014年頃のMPXのデザインに近い気がします。(エジェクションポートカバーの形状が現行タイプと異なっている)
ただし、ハンドガードは現行タイプのM-LOKハンドガードになっています。

いつも通り、予備マガジン3本と一緒に本体を購入しています。
使うかどうかは置いといて、装備に入れる為にマガジン4本は欲しいですからね。

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パッケージにはAPFGのロゴがかすれて入っているのと、ジュール表記(JP仕様)、台湾製である事の表記のみであっさりしています。
パッケージの仕様はTaskForce405に似ています。(TaskForce405もVFC工場ともっぱらの噂)

箱を開けるとこんな感じ。

内容物はMPX本体とマガジン1本、後は説明書、BBローダー、HOP調節用の六角レンチです。
説明書はオシャレな感じで、写真付きの説明書となっています。

BBローダーは最近のVFC GBB用でおなじみの形状のアダプターを付ける事が出来ます。
つまりリップ形状はVFCと同じという事ですね。

APFG MPX-K GBBと付属のマガジンはこんな感じ。
ハンドガードが別パーツになっているシリーズの中で一番短い4.5インチのM-LOKハンドガードが付属、ストックは付いておらず刻印もセレクターレバー部の刻印のみでSIG SAUER関係の刻印は入っていません。
また、アイアンサイトも付属しないので、狙うには別途何かしらのサイトが必要になります。

ストック無し、サイト無し、無刻印といった仕様なのがAPFG MPX-K GBBを購入する上での注意点かもしれません。
尚、販売元側で刻印を入れて販売しているケースもあるようです。(オクタゴン エアソフトとか)

自分はSIG SAUER関係の刻印データは既に持ってるので、色々いじった後でレーザー刻印+塗装をどこかに依頼してやってもらおうかなと思っています。
もっとも、無刻印でも別に良いと思ってるので、何もしないかも知れませんが…。

APFG MPX-K GBB用マガジンについて

当たり前ですがAPFG MPX-K GBBのマガジンは専用マガジンです。
半透明じゃないのがちょっと残念ですが、内側がガスタンクになってるので仕方がないですね…。

手にとって驚いたのはこのマガジン、めちゃくちゃ軽いです。
フルプラスチックか?と思う位に軽いですがマガジンのガワは金属、リップ部のみ樹脂になっています。

マガジンの重量はガス空の状態で310g。(参考までにハイキャパ4.3用マガジンが288g、デザートイーグルのマガジンが365g)
尚、純正バルブの状態でHFC134Aを20秒ほど充填した状態で325gになりました。

ガス空の状態
ガスを入れた状態

国内バルブに交換する事でもう少しガスは入るようになると思いますが、純正バルブのままだと15g程度ガスが入るようです。

放出バルブ側に注入バルブが配置されている、最近のVFCではスタンダードになっている形状です。
JPバージョンですが注入バルブは高圧ガス対応の海外仕様のままなので、HFC134A/HFC152Aを始めノンフロンガスなどの注入に時間が掛かったり吹き戻しが無いので満タンになっている事に気づきづらい仕様になっています。

リップ側はこんな感じで肉厚のガスルートパッキンが特徴です。
空打ちモードのような物は無さそうですね。

マガジン側面はこんな感じでMPXのマガジンの特徴である凹凸が再現されています。
マガジンの下の方には9×19と使用弾薬の表記が入っています。

マガジンの前側は二分割になっており、ここのデザインはVFC UMP GBBに似ています。
UMPのマガジンはバカみたいに重いんですがね…。
そういう事もあって、MPXのマガジンの軽さには驚きました。

マガジンバンパーはこんな感じ。
注入バルブが無いのでTTIタイプのマガジンバンパーとかも付けられるかも知れないですね。

注入バルブの交換

という訳で、先に注入バルブだけは交換しておく事にしました。
使う注入バルブはおなじみのWE 注入バルブ(日本仕様)です。

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こちらの注入バルブはWEだけではなく、KJ WorksやVFC、GHKなどのメーカーでも使える結構融通が聞く注入バルブなので愛用しています。(組み合わせによってはOリングのサイズを調整する必要はあります)

基本的にVFCのマガジンで使うにはOリングを少し大きな物に使う必要があります。
純正Oリングのままでも一応使う事は出来ますが、少し緩めに締め込まないとガス漏れが起きてしまったりするので、Oリングを変えるのが良いと思います。

交換するOリングのサイズは外形7mm、太さ2mmの物です。

注入バルブ交換後は数秒の充填で69gものガスが入るようになりました。

やっぱり注入バルブの交換はした方が良いですね。
ガスが沢山入るだけではなく、入る速度も速いので色々楽です。

APFG MPX-K GBB本体の紹介

続いてAPFG MPX-K GBB本体を紹介していきます。
冒頭でも紹介しましたが、APFG MPX-K GBBはストックが付属していません。

もっとも、今は20mmレールに取り付ける事が出来るストックの選択肢も豊富なので、好きなのを買って付ければ良いと思いますし、人によってはSIG AIRやVFCのMCX純正ストックを余らせてる場合もあるので、そういうのを付けるのも有りだと思います。

フラッシュハイダーはバードケージスタイルで全体に穴が空いている仕様で、真横から見た時にハンドガードにハイダーの根本が隠れるレイアウトになっています。
MPXのフラッシュハイダーといえばこのスタイルですよね。

フラッシュハイダーの材質はスチールで防錆オイルと思われるオイルがしっかり塗られていました。

フラッシュハイダーはネジロック剤によって固定されているので恐らく加熱しないと外れないと思います。
ただ、バレルエクステンション側は簡単に外す事が出来ました。

引っ越しの都合でヒートガンを梱包してしまったので、フラッシュハイダーの取り外しは追々ですね…。
マズル周りを変えたいなと思っているので、その時に外そうと思います。

HOP-UP調節ダイヤルはアウターバレルの上に付いており、5mmの六角レンチを使って回します。
外から調整出来る上に目立たない所に設置されているのは良いですね。

尚、こういうHOP調節の方法なのでハンドガードの長さを伸ばしたりするとHOP調節がやり辛くなる可能性があるので気をつけた方が良いかも知れません。
非常に長いハンドガードを使ったりするとHOP調節を行う度にハンドガードを外す必要が出てくるでしょうね。

ハンドガードを外すとこんな感じ。
分かってはいましたが、バレル短いですねぇ…。
尚、アウターバレルは根本からエクステンションで伸ばされているようなのでバレル長の変更も比較的簡単に出来そうな印象があります。

尚、ピポッドピンを抜いた時に気づいたのですが、ピンの穴がめちゃくちゃ汚いです。
ピン自体はスムーズに抜き差しが出来るので使用上の問題は無いですが、ツールマークというかなんというか、切削時に付いたと思われる傷がエグいです。
塗装の上から削られている事から、ピンと穴のサイズが合わなくて後で加工したのでしょうか?

APFG MPX-Kのトップレールはハンドガードの上部まで伸び、ハンドガードの先端にレール2コマだけ付いています。
レールのデザインは中央が窪んでいるタイプなので、やっぱりちょっと古いモデルのMPXがベースになっているようです。
また、ハンドガードは凹みの無い現行タイプになっているので、ちょっと不自然な見た目になっています。

レシーバーはこんな感じでロゴなどは入っておらずあっさりしています。
MPXのアッパーレシーバーには刻印が入っている物と無い物、刻印の種類にも色々なバリエーションがありますが、この時代のモデルはSIG SAUERのロゴ(エンブレムではなくフォントのロゴ)と「MPX」と文字が入っているだけのシンプルな物か、MPXのロゴが入っている物のどちらかだと思います。
マグウェル側の刻印は現行タイプと基本的には同じでSIGのエンブレムと「SIG MPX MALTI-CAL」の刻印が入っている他、ハンマーピンやトリガー品の周りにもシリアルNOや製造元の表記が入りますが、この辺りの刻印も入っていません。

刻印が無いだけでも結構のっぺり感が出ますし、やっぱり刻印入れたいなぁ…。

また、アッパーとロアーは材質や下地処理が違っている影響か、若干色が異なっています。

尚、SIG AIRから発売されたMPXはVer2メカボックスを収納する都合上レシーバーが伸びていますが、MPX GBBは大丈夫そうです。
電動ガンのMPXを買わなかった理由はレシーバーが間延びしているからですが、MPX GBBの方はちゃんとしてるようです。

APFG MPX-K GBB
SIG AIR MPXと実銃のSIG SAUER MPXの比較

ただ、写真写りの問題なのか何なのか、手元のMPX GBBと比べると若干トリガーガードの前側からマグウェルまでの間が実銃の写真と見比べると少し広いような気がしなくもないです。

マグウェルは口がかなり広くなっており、マガジンを入れやすくなっています。
MP5と比べるとかなり使い勝手の良いマグウェル形状です。

ボルトリリースボタンとマガジンキャッチはこんな感じでアンビ仕様となっています。
ボルトリリースボタンの角に赤錆が出てました…。

アンビ側のボルトリリースボタンはかなり大きく飛び出しています。
装備とかに引っ掛けないように注意が必要な気がします。

実銃では流石にこんなに飛び出てないと思うんですが、どうなんでしょうね…。

また、何度かマガジンを抜き差ししている時に起きた問題なのですが、マガジンキャッチが押したまま戻ってこない事が度々ありました。
バリ取りとかが必要なのかも知れません。

エジェクションポート周りはこんな感じで、ポートカバーは樹脂。
ポートカバーやボルトのデザインが現行仕様とは違っています。
もし現行タイプのMPXを完全再現しようと思う場合、このポートカバーとボルトの形状がボトルネックになる気がします。

マガジンキャッチを操作して、ボルトを後退状態で保持させるとこんな感じ。
ロッキングラグがしっかり再現されていますね。

セレクターレバーはこんな感じで、アンビ仕様。
セレクターレバーの長さも左側と右側で異なっているのが再現されていますし、電動ガンとは異なる固定方式になっているのでネジも無いです。
また、セレクターレバーの刻印はちゃんと入ってます。

左側のセレクターレバーは長い
右側のセレクターレバーは短い

チャージングハンドルはSIG SAUERではおなじみのアンビタイプ。

グリップはこんな感じでSIG SAUER MCXで採用されているデザインのグリップが付属。
GBB用なのでMCX AEG付属のグリップとは異なり薄いですが、そこまで電動ガン用グリップと大きな差を感じませんでした。
そう考えるとMCX AEGの純正グリップは結構頑張ってたんでしょうねぇ…。

アッパーレシーバーにはSIG SAUERのCollapsing/Telescoping Stockのパイプを逃がすための窪みが設けられています。

レシーバー後部にはストックを取り付ける為の20mmレールが付いています。
また、20mmレールの下部にはQDスイベルホールが付いています。

ワンポイントスリング信者の私としてはこの位置にQDスイベルホールが付いているのは最高です。
私はMCXもレシーバー後部のQDスイベルホールを使ってスリングを付けているので、同じ運用が出来そうです。

ストックを取り付けるとこんな感じ。
今回はSIG SAUER MCX/MPX用ミニマリスト・ミニ・フォールディングストックを付けました。

まあ、特に問題は無いですね。
元々がMCX/MPX用ですし見た目の相性も良く、しっかり似合ってます。

テイクダウンを行い、中身を軽く見ていきます

詳細な分解レビューは後日投稿予定の分解レビュー記事の方で紹介しますが、とりあえずテイクダウン程度は今回の記事で紹介します。

テイクダウンピンとピポッドピンを抜く事でこのようにレシーバーの上下とハンドガードを分離させる事が出来ます。

トリガー・ハンマー周りはこんな感じで一般的なM4系GBBと構造は同じです。
もしかしたらVFC M4用のパーツとか組めるかも知れませんね。(ハンマースプリングが硬かったりするので、これは追々試すかも知れません)

アッパーレシーバー側はこんな感じ。
ボルトはレシーバー内で完結する仕様なので、かなり独特な形状をしています。

レシーバー後部に詰まっている樹脂製のダンパーというかショートストローク用のスペーサーを抜き、チャージングハンドルを引く事でボルトを抜く事が出来ます。

尚、このショートストローク用スペーサーは動作に必要な物で、外した状態では動作させる事が出来ません。

フルオートシアーを動かす為のパーツがアッパーレシーバー側に付いているのがユニークですね。
この銀色のパーツがボルト閉鎖と同タイミングで動き、フルオートシアーを押し、ハンマーを開放する仕様になっています。

APFG MPX-Kのボルトはこんな感じで、リコイルスプリングとボルトがユニット化されています。

リコイルスプリングは柔らかくて長いスプリングと硬くて短いスプリングの2つが搭載されており、硬いスプリングがダンパーの役割を担っているようです。

ボルトキャッチとぶつかる部分は六角穴付きボルトによって補強されています。

今のVFC製品ではスタンダードな仕様となっていますが、APFG MPX-KにもしっかりNPASが入っています。
このようにノズルから1.5mmの六角レンチを突っ込んで回すと、フローティングバルブの初期位置を調整する事が出来ます。

六角レンチを突っ込んで回す
フローティングバルブにネジが付いている

HOPパッキンは最近のVFC製品ではおなじみの青色のやつ。
面長押しタイプなので、かなり強めの回転を掛ける事が出来そうな形状をしています。

HOPパッキンを交換するかどうかは一旦バラしてから考えようと思っています。

箱出し状態の作動性と初速について

という訳で、箱出し状態での作動性を見ていきます。
動作テストに使ったガスはHFC134A、マガジン温度は常温(26〜27度程度)です。
先程NPASの事を紹介していますが、NPAS調整前に計測しています。

セミ・フル共に非常に快調で、本体重量の軽さも相まって結構キビキビしたリコイルが伝わってきます。
ボルトのストローク量が短い影響もあって発射サイクルはかなり速いです。

では初速を見ていきます。
使用弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾です。

尚、これも引っ越しの都合上いつも使ってるヒートガンを既に梱包してしまったのでマガジン加熱テストがいつも通り行えていません。
ご了承下さい…。

常温時(表面温度の27度)で61m/s後半位とだいぶ低めに設定されているようです。

続いて、マガジンをPCの排熱で温めて36度まで上げて計測。
結果は66m/s後半と若干初速は上がりましたがだいぶ大人しい初速ですね。

流石に初速がハンドガン並に低いので、NPASを調整して再度計測をしてみます。
ただ熱々マガジンでのテストが出来ないので、安全マージンを考慮して調整しています。

結果、常温時で77m/s、36度程度まで温めた状態で85m/sになりました。
これ以上初速を上げるなら高温時の動作テストが行える環境を準備したり、ハンマースプリングを柔らかくして高温時にバルブを叩けなくなる措置をしたいので、今回はこれくらいに抑えておきました。

常温時
36度まで上げた状態

本当、NPASは便利ですねぇ…。


という訳でAPFG MPX-K GBB(JPバージョン)のレビューは以上になります。
待ちに待ったMPXのGBB、無刻印モデルになっているとは言っても逆に言えば刻印埋め作業無しで好きな刻印を入れる事が出来るという利点でもあると思います。

作動性に関しては期待してた通り、かなり優秀ですね。
ただし、各種スプリングが海外仕様のままで硬いので、この辺りは要調整(調整で更に良くなると思う)だと思っています。
また、HOPパッキンも変えた方が良い気がします。

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