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遂に発売されたMPXの電動ガン、SIG AIR MPX AEG(RWA版)を借りたのでレビューします

記事作成日:2021年12月7日

友人がSIG AIR MPX AEGを購入したらしく、「レビューする?」って言われたので借りました。
このSIG AIR MPX AEGはLayLaxから販売される予定の日本向けモデルではなく先行流通しているRWA版になります。
尚、個人輸入ではなく国内のショップから58000円で購入したとの事です。

RWAが貼っているステッカーに“Asia Pacific (Ex-Japan)”と記されている事から、日本を除くアジア圏モデルのようです。
RWAは日本以外のアジア圏のSIG AIR正規販売店(日本で言うLayLax的な存在)になっているので、こういうステッカーが貼られているのでしょう。

その為、今後発売される予定のLayLax版 SIG AIR MPXとは細かい所の仕様が異なっている可能性があるので、ご注意下さい。

箱の裏側にスペックなどが記載されているのですが、一般的によくシールなどで隠されている350fpsの表記も消されていませんね。

中身はこんな感じで、ストックが折りたたまれて入っているのですが、カットされたポリスチレンを見る限り元々SIG MCXの時と同じワイヤーストックを想定していたのか、バリエーション展開も予定していたのかも知れません。

内容物はMPX本体とマガジン(100連ノーマルマガジン)、BBローダー、説明書です。
海外製品だとパッケージに貼られてたり、書類として同梱されていたりする事のある弾速証明は同梱されていませんでした。

マガジンはこんな感じで、ダミーカートが透けて見えるクリアマガジンです。
SOCOM GEARから出ているLANCER L5マガジンみたいな感じで、かなりクオリティの高いマガジンだと思います。

マガジン前後はこんな感じ。

リップ側はこんな感じで、気持ち程度ではありますが実マガジンのリップ形状を再現しています。

マガジンバンパー、マガジン底部はこんな感じ。
マガジンバンパーにはSIGのロゴが入っており、マガジン下部側面にはSIG SAUER 9×19と入っています。

マガジンの太さはMP5以上UMP9未満でEVO3と似たような感じのサイズ感です。
細身なSMG用マガジンポーチやピストルマガジンポーチだと少し入れづらかったり入らなかったりするサイズではあるので、注意が必要です。

SIG AIR MPX本体はこんな感じ。
バレルは短めで、ストックにテレスコーピングフォールディングストックが付いているのですが、この形状のストックのレプリカはこのMPX付属の物が初となります。
写真左がストックを折りたたんだ状態、右がストックを展開した状態です。

尚、アッパーレシーバーにMPXの刻印が入っているモデルと入っていないモデルの2モデルがラインナップとして存在するようですが、今回借りたのは刻印無しモデルです。

マガジンを挿すとこんな感じになります。

フラッシュハイダーはバードケージが付いています。
ねじ切りは14mm逆ネジで、ハイダー下部のイモネジを緩めて外します。

ハンドガードはM-LOK仕様の短めな物。
側面は3コマ+0.5コマ。下部は2コマ+0.5コマです。
上面は20mmレールになっています。

SIG AIR MCXと同様にピポッドピンを外す事でハンドガードを外す事が出来ます。

ハンドガード下部にピポッドピンに引っかかるパーツが付いているのですが、MCXと形は全然違い、丸棒に窪みが付いているというシンプルな仕様になっています。
ハンドガード上部にはアッパーレシーバーの窪みに入り込む凸パーツが付いています。

バッテリーコネクタはタミヤミニコネクタ。
ヒューズは25Aで、丸型のギボシ端子で本体側に繋がっています。
SIG AIR MCXの時は平型のギボシ端子だったのですが、丸型に変わってますね。

入るバッテリーサイズはDCI Guns製の7.4V 1000mAhで丁度良いサイズ、Neoxの7.4V 1200mAhだと長くてハンドガードからはみ出してしまうサイズです。
大体長さが11cm程度のサイズまでなら収まる感じですね。

また、MCXと違って側面のスペースも十分にあるので、二股はもちろん三股LiPoバッテリーも入れる事が出来そうです。

レシーバー周りはこんな感じ。

マグウェルはこんな感じ。
側面にSIGロゴとSIG MPX MALTI-CALという刻印が入っています。
マグウェル前側には特徴的な三角形のセレーションが入っています。

尚、これらの刻印は後入れ感が強く、エッジがかなりザラザラしていますし、MCXに比べると少し薄いです。
ブラストかけた後にレーザー刻印を入れたのではないか?と思われる仕上がりです。

マガジンの差込口はマグウェル形状から分かる通りマガジンの大きさに対してかなり広く、マガジンを挿すと後ろ側に大きな隙間が生まれます。

この口の広さのおかげでマガジンの抜き差しがやりやすくなっているのがMPXの特徴の1つだと思うのですが、SIG AIR MPXはマガジンキャッチの形状が微妙なのかマガジンが凄い挿しにくいんですよね…。

マガジンキャッチが掛かりにくいというか…動きが渋いというか…。
抜く時もマグウェルに引っ掛かって結構強めに引っ張らないと抜けないので、スムーズなりロードが難しいです。
個体差の可能性もありますが、MCXでスムーズに動いていたのと比べるとかなり動きが渋くなっています。

マガジンキャッチ、ボルトリリースボタンは共にアンビ仕様でライブです。

ただ、マガジンキャッチボタンの動きがかなり渋いので、要調整箇所な印象。
あと、MCXの時はリアルな固定方式だったマガジンキャッチボタンが、電動ガンらしいネジ式になっています。

チャージングハンドルはアンビ仕様です。
引くと写真右のような状態になります。

エジェクションポート周りはこんな感じで、ダストカバーは樹脂製。
チャージングハンドルを引くとダストカバーが開き、ボルトが後退状態で止まります。
これでHOP調節ダイヤルにアクセス出来る感じです。

HOP調節ダイヤルはかなり薄いので、指先というか爪で操作する感じになると思います。

ボルトリリースボタンを押すとダミーボルトが前進します。
ピストル弾を使う製品という事もあって、エジェクションポートも小さいですね。

トリガー、セレクターレバー周りはこんな感じ。
セレクターレバー周りの刻印はなめらかで綺麗なのですが、ハンマーピンとトリガーピンの間に入っている「SIG SAUER INC.」などの文字はマグウェル部の刻印と同様後入れ感があり、ざらついています。

セレクターレバーはアンビ仕様で、左側が長く、右側が短い仕様。
形状はSIG AIR MCXと同じ感じで、外側からネジ止めする仕様になっています。

トリガーは一般的な三日月状。
トリガーガード下部には注意書きが、トリガーの根本側にはCal. 6mm BBの刻印が入っています。
SIG AIR MCXの時に入っていた五角形にFという刻印が入っていないという違いがありました。(F刻印にどういう意味があるのかは不明)

グリップはMCXの時からうってかわってかなり角度の立っている形状の物が採用されています。
この手のグリップ、設計的にかなり無茶してるんでピニオンギアの当たりが悪くなりやすく、ギアノイズの原因にもなったりするんですよねぇ…。

そろそろVer2メカボックスのグリップ角度に限界が生じている気がしますね…。
こればかりはどうしようも無くて、ARESみたいに互換性を捨ててまでメカボックスの形状を変化させるしか無いんですよねぇ…。

尚、「マガジンキャッチが遠くて押せない」と、発売当初から言われていたのですが、実際に遠いです。
明らかに遠いです。

これ、SIG AIR MCXよりも1.5cm位遠い所にマガジンキャッチボタンが付いてるんですよね…。(レシーバー全体の長さもMCXより長い)

何故こういう事になったのかと言うと、おそらくVer2メカボックスを入れる為かつチャンバー位置や形状の都合でしょうね。

MPX(実物)の写真と比較すると、ハンマーピン辺りまでは合ってるのですが、そこからマグウェルの間が明らかにズレてるんです。
赤線が合ってる部分、水色線がマガジンキャッチの後ろ側、緑線がマグウェルの後ろ側、黄色線がマグウェルの前側です。

SIG MPX K(写真上)とSIG AIR MPX(写真下)の比較

SIG AIR MPX AEGを作っているのはVFCなんですが、VFCと言えば気合の入ってる時は独自メカボックスを開発したりするレベルのメーカーなんですけどねぇ…。

SIG AIR MPXはあんまりやる気が無かったのか、それに見合う売上が期待できなかったのか、ライセンスの都合上リアルな形状に出来なかったのか何なのか…。
とにかく、SIG AIR MPXにはデフォルメが加えられているようです。

個人的にこういうエアソフトガン化に伴うデフォルメってよくある話なので、仕方がないのかも知れませんが、操作性が悪くなっている上にSMGなのにアサルトライフルであるMCXよりも長くなっているというのはちょっとなぁ…という印象があります。

ストックは冒頭でも軽く触れましたが、SIG SAUERの伸縮可能な折りたたみストック、テレスコーピングフォールディングストックが付いています。

ストック基部はこんな感じで、ちゃんとスチールで出来ておりガッチリしています。
ストックを折り曲げると写真右のような状態になります。

尚、MCXはロアレシーバーの左右にQDスリングスイベルが付いているのですが、MPXでは下部にQDスリングスイベルが配置されています。
これによりメカボックスに干渉して普通のサイズのQDスリングスイベルを取り付ける事が出来ないという問題が解消されています。

ストックを伸縮させるとこんな感じで、短い状態だと約19cm、限界まで伸ばした状態だと約25cm程度です。
ストックのポジション数は5ポジション。

ストックを伸縮させるにはストック下部のボタンを押します。

このボタンの操作性がかなり独特で、外側だけを押しても動かず、滑り止めのセレーションが付いている内側のボタンと外側を同時に押す必要があります。

実物はこのボタンがめちゃくちゃ固いのですが、SIG AIR MPXに付属するレプリカは結構柔らかく、操作性が高いです。
もっとも、このボタンの操作性が悪いのはスリングなどにひかけた際にストックが伸縮しないようにする為の物なので、操作しやすいのが良いかと言うと結構微妙な所ではあるんですが…。

バットプレートは樹脂製。
滑り止めの凹凸が入っているものの、つるつる滑る樹脂なのでグリップ力はありません。
何故ゴムで作らなかったのか…。

後日、別記事でテレスコーピングフォールディングストックの実レプ比較をやろうと思っています。

SIG AIR MPX(RWA版)の箱出し状態での作動性と初速について

という訳で、SIG AIR MPXを動かしていきます。
とりあえず7.4Vでどう動くのかを見ます。
使用したバッテリーはDCI Guns 7.4V 1000mAh LiPoバッテリーをタミヤミニコネクターへの変換を使って接続。

丁度ハンドガードに収まりました。
ただ、バッテリーが前側にむき出しになっているので、真正面からBB弾が直撃するとセルを損傷させてしまう可能性があり、割と危ない気もします…。

動作はこんな感じ。
なんか、昔のVFCみたいな作動性でええぇぇぇぇ…ってなりました。

この時点で『Asia Pacific (Ex-Japan)』の表記が気になり始めました。
もしや”そのまんま”なのでは…?

詳しくは語りませんが、とりあえずピストンスプリングを外します。
幸いSIG AIR MPXはMCXと同様にストックを外すだけでピストンスプリングガイドにアクセスする事が可能なので、スプリング交換がかなり楽です。

20mmレールと一体化してるピストンスプリングを外すと、ピストンスプリングが出てきます。
国内版VFC製品でおなじみのフニャフニャで長いピストンスプリングではなく、めちゃくちゃ硬い不等ピッチのスプリングが入ってました。

いつもの計測方法で硬さを測ってみると、約5.2キロという結果になりました。
東京マルイ純正比約133%

うーん…硬い。
俗に言う、流速チューンとかする時に使う硬さです。

とりあえず手持ちのピストンスプリングで明確な数値情報が分かっているものが、G.A.W. Anti Shrink Springのソフト(90%)しか無かったので、これを組み込みます。
東京マルイ純正スプリング計算で90%の硬さとなっています。(詳しくは公式サイトを見て下さい)

これで掲載出来る初速になりました。
初速は低いですが安定しており、動作音や発射サイクルも最近の箱出しVFCに近づきました。
この感じなら、ピストンスプリングさえ適切な物に変えれば普通に使えそうな気がします。

という訳で、RWA版のSIG AIR MPXを購入された方はご注意下さい…。
たまに「ちょっと元気良いな」って感じの海外製品を見かけますが、そんなレベルでは無かったので…。

軽く分解します(テイクダウン程度)

最後に、SIG AIR MPXの分解に関しては後日投稿する予定の分解レビュー記事で詳しく紹介しようと思っていますが、テイクダウン程度は行ってみます。
ピポッドピンを外した状態で、アッパーを前側に引っ張ってやるとテイクダウンが可能です。

メカボックスは毎度おなじみVFC製Ver2亜種メカボ
正式にはVer2.1と呼ぶらしいですけど…。

尚、ヒューズ+バッテリーコネクタ側とメカボックスを繋ぐコネクタがMCXの時は平端子だったのが丸端子になっていました。


という訳で、RWA版のSIG AIR MPXの開封レビューは以上になります。

とりあえず、並行輸入でも何でもいいですけど日本国内で売るならちゃんと日本で使える仕様にしてほしいですね…。
それが輸入業者の責任(そもそもデチューンは国外でしないといけない)だと思いますし、販売店もその点に注意して販売して貰いたい所です…。

まあ、割とこういう話はよく聞くので、この業界的にいい加減になってるんだと思いますがね…。
国内正規店販売の製品でも度々問題が起きてるのを耳にしますし…。

とりあえず、ユーザーとしてちゃんと使いたいなら素直にLayLax版を待った方が良いと思います。
まあ、LayLax版もスプリングを柔らかくしてるだけだと思うので、ギアノイズとかは相変わらずだとは思いますが、色んな意味で安全です。