SNOW WOLF M3A1 電動ガンの分解レビュー
記事作成日:2022年11月25日
先日中古で購入してレビュー記事を書いたSNOW WOLF製電動ガン、M3A1を分解していきます。
前のオーナーは何度か使っているとの事なので、内部の様子というか状態がとても気になっています。(恐らく箱出し状態で使っていると思いますし)
という訳で、まずワイヤーストックを外しておきます。
ストックはロックボタンを押しながら引っ張れば抜けます。
バレル周りの分解
続いて、フロント周りから外していきます。
まずアウターバレルを回転させて外す事でインナーバレルとチャンバーが見えてきます。
続いて、チャンバーをレシーバーに固定する為の基部パーツを外します。
このパーツは特に固定はされておらず単にレシーバーに挿さっているだけなので、軽く振動を与えれば簡単に外せます。
この基部を外したらチャンバーがフリーになり、そのまま引っ張れば外れるように見えますがHOPアームに連結されているHOP調節用のレバーが邪魔をして外す事が出来ません。
HOP調節用のレバーは爪でチャンバーに引っかかっている状態なので、この爪を外してあげれば完全にチャンバーはフリーになり、外せます。
インナーバレル・チャンバー周りはこんな感じで、チャンバーの形状が特殊という以外無難な構成のように思えます。
HOPアームにはHOPクッションが付いているのですが、アームの窪みの大きさに対してクッションが一回り小さい上に、潰れたまま固まっています。(弾性はほぼなくなっていて、ちょっと柔らかいプラスチックみたいな状態)
尚、HOPアームには凹凸が付いていてHOPレバーのズレを抑える事が出来る仕様になっているようなのですが、この凹凸が機能しているようには感じませんでした。
チャンバーからインナーバレルを取り外しHOPパッキンを見てみましたが、HOP窓の部分が完全につぶれて変形していました。
ここまで凄い事になっているHOPパッキンは久しぶりに見ました…(最近中古の製品買ってないですしねぇ…)
HOPパッキンもカチカチに硬化している状態でした。
元々硬いパッキンなのだとは思いますが、恐らくオイルの腐食を受けてひどい事になっている状態のような気がします。
HOPアームによって窪みが付いていた箇所はもう二度と元には戻らないでしょうね。
ガッツリHOPの突起が飛び出している状態でしたし、ひび割れも起こしていました。
インナーバレルは長さ200mmの真鍮製。
HOP窓もマズルのテーパー処理も特に変わった所の無い無難な形状の物が入っていました。
という訳で、SNOW WOLF M3A1のインナーバレル・チャンバー周りの構成はこんな感じでした。
レシーバーの外装分解、メカボックスの取り外し
レシーバーを分解するにはまずトリガーガードを外します。
板バネみたいなトリガーガードを押しながらコッキングハンドル(セーフティレバー)が付いているカバーを引っぱります。
そのままトリガーガードをカチャカチャやってれば外す事が出来ます。
分解前からコッキングハンドル型のセーフティレバーがどういう構造になっているのか気になっていたのですが、どうやらクランク内側に付いているパーツが回転する事で、メカボックスに付いている銀色のパーツを押す事で、セーフティとして機能しているようです。
ちなみにこのクランクはモンキーレンチを使って分解する事が出来ます。
中にはプランジャーが入っており、これがセーフポジションとファイアポジションのカチカチとしたクリック感を作り出しているようでした。
カバーを外す事でもじゃもじゃのケーブルを取り出す事が出来るようになります。
圧着端子で繋げられたこのケーブル、こんなに長さ必要なんでしょうか…。
あと、この配線はピンを挿し込んだ時に潰されたのか、ガッツリ配線が潰れていました。
下手したら断線や漏電する可能性すらある状態。組み込みの雑さが伝わってきます。
続いて、レシーバーに刺さっているコの字状のパーツを外します。
このパーツがトリガーのシャフトになっているようです。
本当、面白い構造してますね。
続いて、メカボックスに付いているネジ1本とレシーバーに付いているネジ1本、レシーバーに付いているピンを2本外します。
これらのネジを外していくと「カポン」と何かが動く音が鳴ります(恐らくピストンやタペットプレートが前進する音)。
そうすると、メカボックスの下側がヌルっと引っ張り出せるようになります。
分割メカボックスである事は事前に知っていたのですが、それにしても気持ちの悪いデザインのメカボックスですねぇ…。
配線の圧着端子を外した状態で、今度はボルトを銃口側に押す事でメカボックスの上側を抜く事が出来ます。
大変ユニークな構造をしていますね…。
メカボックスの上側はこんな感じで、ピストンの後ろにモーターが配置されるという大変気持ちの悪いデザインをしています。
とりあえずモーターに繋がっている配線を外します。
ちなみに、ピストン連動型のボルトが動かない状態になっていたのですが、パーツが破損したりオミットされている訳ではなく、どうやら単にボルトを動かす為のパーツが外れているだけのようでした。
というかこの構造、本当にEBBさせれるんですかね…ちょっと動かしたら速攻外れそうな気がするんですが…。
海外製のEBBってなんでこんな無茶苦茶な構造を採用してるんでしょうかね…。
オミットしている人が多い印象があるのですが、そんなにEBBって人気あるんでしょうか…。
尚、当初ボルトが動かなかった原因もこのEBB用のパーツが原因でした。
外れた状態ではボルトがEBB用のパーツに衝突してある程度までしか下がりません。
とりあえずダミーボルトを外しました。
E型スナップリングを外せば外れます。
続いて、HOP調節レバーを外しました。
このレバーはメカボックスの外側にネジ止めされています。
メカボックスの紹介と分解
SNOW WOLF M3A1のメカボックスはこんな感じ。
こうやって上下のメカボックスを合体させると何となく気持ち悪さが半減する気がしますが、やっぱり気持ち悪いです。
本当、凄い設計してますよね…。
という訳で、このメカボックスを分解していきます。
まずはメカボックス上側から。
メカボックスの上側にはモーター、ピストン、タペットプレートなどが収まっています。
まずはモーターを外します。
モーターホルダーはピストンスプリングガイド側に固定されているので、これらを外します。
続いて、モーターホルダーを固定しているネジを外し、モーターホルダーを開きます。
たかがモーターホルダーなのに、なんでこんなにネジが多いんだ…とバラしながら思ったのですが、恐らくこのモーターホルダーを使ってメカボックスのピストンスプリングガイド側を抑えているので、強度を出す為にネジの本数が増えているのだと思います…。
また、モーターに関しては最初「ロングシャフトのモーターかー」と思ってたのですが、モーターホルダーから取り外した時に「なんか短くないか?」と思って見比べてみたら確かに短かったです。
ミドルより長く、ロングより短いという特殊なシャフト長のモーターが採用されていました。
モーターを交換する場合、シャフトの長さを合わせる必要がありますね…。
面倒くさい…。
もっとも、これくらいなら最悪シム調整とピニオンギアの挿し込み具合、モーター位置調整を組み合わせればロングシャフトのモーターをそのまま使えたりするのかもしれませんが…。
まあ、シャフトを切るのが無難ですかねぇ…。
ちなみに、モーターのピニオンギアはD型なのですがピニオンギアを固定する為のイモネジが付いていませんでした。
もちろん、ギアは引っ張れば抜けました。
動作中に外れたのか、最初から付いていないのかは不明ですが、少なくともメカボックス内からイモネジは見つかりませんでした。
次にピストンスプリングガイドを外します。
SNOW WOLF M3A1のメカボックスはちゃっかりQDスプリングガイド仕様になっています。
スプリングを外すのにモーターを外さないといけないんですがね…。
ピストンスプリングはスプリングカットではなく日本用に柔らかいスプリングが組まれているようでした。
続いて、メカボックスの上側を開いていきます。
モーターホルダー側にネジが集中している影響か、残りのネジは3本だけでした。
ノズルとタペットプレートはこんな感じ。
ノズルは21.70mmの樹脂製。
パーティングラインやバリ、ライナー痕の残り方から安いノズルである事が伺えます。
ノズルの先端はを見る限り一応前方吸気対応型のように見えますが、歪みやバリが凄いです。
タペットプレートはこんな感じ。
正直使いまわしたくない程度にガッツリ歪んでいますが、ノズルの位置的に専用品の可能性もあります。
まあ、最悪Ver2のタペットプレートを加工したり、同じような偏芯ノズル用のタペットプレートを流用する事が出来そうな気がしますが…。
シリンダーとシリンダーヘッドはこんな感じで、少し大きめの加速シリンダーと樹脂製シリンダーヘッドという組み合わせです。
シリンダーヘッドはノズル位置が下側にズレている、M14(Ver.7)みたいな形状になっています。
似たような偏芯ノズル用のシリンダーヘッドは色々なメーカーから出ています(S&T VSS、G&G L85など)が、何と互換があるかは現状不明です。
完全独自仕様で他社製品と全く互換が無い場合、ちょっと面倒くさそうですね…。
幸い、気密を取るためのOリングは硬化してしまっていますが、ダンパーのゴム板の方はちゃんとゴムらしさが残っているのでOリングさせ交換すれば使える気はしますが…。
ピストンは2枚目のラックギアが完全に無くなっているフルティースピストン。
最後の1枚のみ金属歯になっています。
ピストンヘッドは6箇所に吸気穴が空いている、後方吸気タイプです。
材質は樹脂。
ちなみに、ピストンヘッドのOリングもゴムは硬化してしまっており、硬質ゴムみたいな硬さになっていました。
ピストンの内側にはスラストベアリングが入っていました。
ピストンヘッドの固定はタップネジ。
とりあえずメカボックスの上側はこんな感じです。
続いて、メカボックスの下側を分解していきます。
こっち側はこう見るとスマートな見た目をしています。
上から見ると3枚のギアが並んでいる他、本来モーターが収まっていそうなスペースにマイクロスイッチが付いている事が分かります。
こちら側にはギアとスイッチが収まっている訳ですね。
5本のネジを外してメカボックスを開きます。
案外綺麗ですね。
尚、グリスは緑・青グリスに次いで馴染みのある茶色いグリスでした。
臭い。
SNOW WOLF M3A1のトリガースイッチとして組み込まれているマイクロスイッチは電動ガンで言うとLMGなどでも使われるような大型なもので、メーカーはYIPU、スペックは16A 250Vのようです。
最近ではこのサイズのスイッチを搭載したマイクロスイッチメカボックスも販売されていたりします。
尚、配線はCOM1とNC3に繋がっており、NC2は端子が根本から切断されていました。
とりあえずトリガー周りの構造を調べてみました。
どうやらマイクロスイッチはこのように配置され、トリガーを引く事によって動くアームがマイクロスイッチを押すようです。
セーフティの構造はマイクロスイッチを押す為に動くアームの動きを物理的に制限する感じでした。
マイクロスイッチを押すアームはこんな感じ。
左側のGBBハンドガン用ハンマースプリングみたいなスプリングが、実質トリガースプリングになります。
セーフティ用のアームはこんな感じ。
ちなみに、トリガー周りには謎のグルーガンが付着していました。
何を固定する為に使っていたのかは謎です。
続いて、ギアを取り出します。
尚、各ギアには一応シムが入っていたのですが、全部のシムが歪んでいました。
尚、軸受は全て8mmのオイルレス軸受のようでした。
特に気になるような歪みは無く、別にそのままでも良いかなという印象。
付属のギアはこんな感じで、ギア比は18:1。
粉末焼結で作られている安価なギアセットだと思います。
ちなみにギアを色々見てたらベベルギアのシャフトが抜けました。
ローレットピンなんですね…。
という訳で、SNOW WOLF M3A1 電動ガンの分解レビューは以上になります。
この後弄っていく予定ですが、期待通りの変態メカボックスなので割と慎重に弄っていく必要がありますね…。
まずは独自パーツと思われるパーツの互換性の確認からしていく必要がありそうです。
色々と交換したいパーツも多いので、調査含めてちょっと時間が掛かりそうな印象…。
まあ、気長に弄っていこうと思います。