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Arcturus製モーター、ANB23T、ANT21T、ANT19Tの3種とよくある中華製ノーマルモーターを高負荷状態で動かして比較してみました

記事作成日:2022年11月30日

先日、『Arcturus製ネオジウム磁石採用モーター、ANT21TとANT19Tのレビュー、MEエディション純正のANB23Tと比較してみた』や『Arcturus製スチールCNC削り出し13:1 ハイスピードギアセットのレビュー』の記事でArcturus製のカスタムモーター、ANT21TとANT19Tを紹介しましたが、日本仕様のノーマル構成では明らかなオーバースペック感があったのでスプリングレートを上げ、負荷の高い状態で検証してみる事にしました。

今回も三山商事株式会社様よりご依頼頂いているレビュー記事になります。

検証するのはANT21T、ANT19Tの2種に加え、Arcturus純正モーターであるANB23Tと海外製電動ガンでよく入っているしょぼそうなフェライト磁石モーターの4種です。

比較対象のモーターはこちら。
ラベルも何も貼られていないので名前もスペックも一切不明ですが、ピニオンギアの形状的に検証機であるArcturus AT-NY06に合っている為これを選択しました。
ピニオンギアを指で摘んで回すと割とスルスル回り、磁力もそんなに高くは無い印象のモーターです。

今回、高負荷状態の検証という事で、以前同社製の13:1ギアを組み込んだArcturus Karambit MOD1 PDW 5.5″ AEG LITE MEをベースにスプリングレートを上げました。
ギア比が低くピストン負荷が高い、モータースペックを要求される構成に変更して検証する事にします。

ピストンスプリングの変更にあたって、まずはArcturus Karambit MOD1 PDW 5.5″ AEG LITE ME純正のピストンスプリングの硬さを計測します。
いつも通り、測りをつかったざっくりした計測方法ですが3.9kgでした。

どうやら東京マルイのスタンダード電動ガン M4A1と同じ硬さのスプリングが入っているようですね。

この後スプリングレートを色々試して一番わかり易い結果が出る硬さを調べていったのですが、最終的に純正比約177%の硬さのピストンスプリングになりました。
ちょっと硬くした程度ではあんまり大きな変化が無かったんですよね…。

ちなみに、上が純正スプリング下が今回使う硬いスプリングです。
またスプリングレートが上がった事によりそのままのセッティングでは初速の問題が生じたので加速穴をアルミテープで埋めてフルシリンダー化しました。

よくいろんなセッティングをテストする時に使う方法で、一時的ならこれで事足りますし今回は初速の安定性よりも発射サイクルの方が重要なのでとりあえずこういう方法にしました。

尚、バッテリーはSFA 7.4V 1500mAh 85C-150Cを使用。
いつも動作テストに使っているような出力があんまり高くないLiPoだとバッテリー側の出力不足によって良い結果が得られなかったので、高出力なバッテリーを使う事にしました。

検証方法は弾速測定器を使った発射サイクルの他、30秒間フルオートで撃ち続けた時の温度の変化を見ていきます。
温度の変化についてはArcturusのモーターは発熱が控えめなのも売りの1つだそうなので、それの検証になります。

箱出し状態のスプリングレートではほとんど温度変化が無かったので、今回の検証時に行います。
尚、モーターの温度はエンドベル部で計測(ハウジングは光の反射の都合で正しい数値が取れない)、常温時のモーター温度は23度でした。

まずはメーカー不明のモーターから。
発射サイクルは14.9発です。

30秒撃ち続けると49度まで上がりました。
結構アツアツになりますね。

続いて、AT-NY06純正モーターであるANB23T(ネオジウムボンド磁石を採用しているハイトルクモーター)です。
このモーターはで、十分に優秀なモーターです。
発射サイクルは15発でした。
尚、ノーマルスプリング時のサイクルは秒16.2発だったので負荷が上がった分サイクルが落ちた感じですね。

30秒動かした時の温度は32度まで上がりました。
確かに同じノーマルモーターとして比較すると、温度の上がり方は控えめのようですね。

続いてArcturus製カスタムモーター、ANT21Tです。
こちらはネオジウム磁石を採用しているハイトルクモーターで単品販売もされています。
発射サイクルは15.1発。
尚、ノーマルスプリングでのサイクルは秒16.8発でした。

30秒動かした時の温度はANB23Tと同じで32度まで上がりました。
温度の変化具合はANB23TもANT21Tも同じようです。

ANB23TとANT21Tは特性が似ている事もあって、変化も似たような感じのようですね。

最後にArcturus製カスタムモーター、ANT19Tでこちらも単品販売されているカスタムパーツになります。
ANT21Tと同じネオジウム磁石を採用しているモーターですが、こちらはトルクよりも回転数の方にスペックを振っているハイスピードモーターになります。
発射サイクルは秒間14.6発と他のモーターに比べて少し落ちました。
このスプリングレートになるとこのモーターではトルクが足りずサイクルが下がってしまうようですね。
尚、ノーマルスプリングでのサイクルは秒18.9発でした。

30秒動かした時の温度は41度とメーカー不明のモーターに比べるとおとなしめですが、割と高め。
モーターにかなりの負荷が掛かっている事が分かります。


という訳で、Arcturus製モーター、ANB23T、ANT21T、ANT19Tの3種とよくある中華製ノーマルモーターの比較は以上になります。

これらの検証からANB23TとANT21Tはかなりよく似ており、若干ANT21Tの方がトルクや回転が高めで、負荷の高いセッティングにしても全然問題無く動かす事が出来るようです。

販売価格が6000円程度の製品でこれだけ硬いスプリングを13:1のギア比で十分引く事が出来るという事は十分すぎる性能のように感じます。

逆にANT19Tに関しては高負荷なセッティングとの相性があまり良くはなく、モーターに負荷の掛かりにくいパーツ構成にする事が重要という印象があります。

最も東京マルイ純正比120%のスプリングレート程度の硬さであれば余裕で引く事が出来ましたし、ハイスピードモーターを使う場合、大抵はハイサイクルカスタムにするので今回の検証で使ったようなスプリングレートが非常に高い物を組み込む事は無い思いますからね…。