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SNOW WOLF M3A1 電動ガンの内部カスタムを行いました

記事作成日:2022年12月16日

先日分解を行ったSNOW WOLF M3A1を弄っていきます。
分解してみて分かった事ですが、この製品は分割メカボックス搭載で独自パーツ多めの変なメカボックスといった感じで純正パーツを破損させてしまうと困った事になりそうだったのであまり冒険したり負荷の高いセッティングにするのはやめとこうかな…と思いました。

という訳で、やりたい事は下記の通り。

  • 発射サイクルを落としたい(ノーマル状態で秒間13.7発だったので、秒間7発台まで落としたい)
  • HOPパッキンにはMaple Leaf Hot Shotを使いたい
  • 追々FETを搭載したり出来るように配線の構造などを考えて組みたい。
  • リコイルは完全にオミットしてしまいたい

という感じです。

純正シリンダーヘッドの互換パーツ探し(失敗)

とりあえずダメ元で似たようなノズル位置のM14のシリンダーヘッドを買ってみました。
何でも良かったのですが、どうせなら使ってみたい物を買ってみようと思い、AOLSのM14用シリンダーヘッド(AOLS ダンパーシリンダーヘッド Ver7)を買ってみました。

ただ、これは駄目でした。
ノズルの位置が1.65mm位も違っているようです…。

他にもP90のシリンダーヘッドを加工して上下逆にしたり、G&G L85やS&T VSSのシリンダーヘッドも似た形状なので色々試そうと思えば試す事が出来そうでしたが、このまま色々なシリンダーヘッドをしに買っているとお金が溶けていくだけだと思ったので、純正シリンダーヘッドのまま弄る事にします。

別に純正シリンダーヘッドでも問題は無いので、どうしようも無くなってからで良いかな…と思いました。

バレル周りの調整

という訳で、まずはバレル・チャンバー周りから弄っていきます。

最近HOPパッキン選びもマンネリ化してきたので、今まで使った事の無い物を試してみる事にしました。
今回購入したのはMaple Leaf Hot Shot 60°です。
買ってから「今回の仕様なら50°の方が良かったかな」と思いましたが、まあ60°でも問題は無いでしょう。

Maple Leaf Hot Shot チャンバーパッキン 60°Amazonで購入する

「ま た メ イ プ ル リ ー フ か」って感じですが、この製品は少々特殊な物なので許してください。

このHOPパッキンはGBB用のインナーバレルを電動ガンで使えるようにするHOPパッキンです。

電動ガン用のHOPパッキンよりも少し肉厚気味なので、タイトなチャンバーとの相性が悪い気がしますが、幸いSNOW WOLF M3A1のチャンバーは内径がだいぶルーズなので問題無さそうです。

HOPの突起は三角形で同社のMacaron Deltaによく似ています。
材質はMacaronシリーズと同様に恐らくウレタン。 
また、相変わらずバリもありましたが、そこまで致命的なサイズのバリでは無いのでそのままにします。
このメーカーのHOPパッキンを通販で買うといつもこれですよ…。
なので通販じゃなくて店頭で選別して買うのをオススメします。

Macaron DeltaのようなHOP形状
相変わらずのバリ

先述の通りこのHOPパッキンはGBBのインナーバレルを電動ガンで使えるようにする為の物ですが、普通のGBB用インナーバレルは電動ガンのバレルクリップを取り付ける為の窪みが付いておらず、電動ガンのチャンバーに組み込む事が出来ません。

その為、バレルクリップを取り付ける事が出来るGBB用インナーバレルを選ぶ必要があります。(もしくは自分で溝を作る必要がある)
まあ、台湾系のカスタムバレルは結構バレルクリップの取り付けに対応している製品があるので選択肢は意外と豊富です。

今回はMaple Leaf Crazy Jet 117mm for GBB(WE M9/M92/M9A1) IB-CJ117を買いました。
ハンドガン用の短いバレルですが、今回の構成的にはこれくらいの長さが丁度良いと判断したので、これを買いました。

Maple Leaf Crazy Jet インナーバレル 117mm for GBB(WE M9/M92/M9A1) IB-CJ117Amazonで購入する

HOP窓付近はこんな感じ。
バレルクリップ取り付け用の溝(一番左側の幅広の溝)がしっかり用意されています。

クレイジージェットバレルなので、マズル側はかなり特殊な形状になっています。
余分なエアーをバレルのフチに流す事で整流効果を狙っている物になりますが、今まで色々な物で試した結果、これによって劇的に何かが変わったという印象はありません。

Maple Leaf Hot Shot 60°をCrazy Jetバレルに取り付け、チャンバーに取り付けます。

HOPクッションはいつも使っている太さ3mmのシリコンチューブを使います。
ただ、純正HOPアームが飛び出し過ぎていた(特に左右)ので、窪みを少し削りつつ左右の壁がチューブの半分位になるようにカットしました。

このサイズのクッションを入れてもだいぶオーバーサイズなHOPアーム
HOPアームをカットして調整

Snow WolfはどんなHOPクッションを組む想定でこのHOPアームを作ったのでしょうか…。

最後にバレル先端にポリイミドテープを貼り付け、アウターバレルとのガタを取りました。
まあ、この辺りはいつもの感じですね。

シリンダー・ピストン周りの調整

続いて、シリンダー・ピストン周りを弄っていきます。
冒頭で軽く触れた通りシリンダーヘッドは純正を流用する事にしたので、交換するパーツはピストンとピストンヘッド位です。

今回買ってきたのはZC LEOPARDのナイロンファイバー ピストンDCI Guns 側面吸気ピストンヘッド POMです。
純正ピストンもちゃんとファイバー樹脂で強度的な問題は無さそうでしたが、ZC LEOPARDのナイロンファイバー ピストンは昔よく使っていた製品で、懐かしくなって買いました。
DCI Gunsの側面吸気ピストンヘッドはいつもの奴ですね。
個人的には定番カスタムパーツになっています。

ZC LEOPARD AEG ナイロンファイバー ピストン MIMフルティース 14TAmazonで購入する

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今回は少し重めのピストンを使って加速シリンダーによる加速をしっかり活かしたカスタムにしようと考えていたので、錘をナット+鉛+ワッシャーという構成にしました。
これでピストン重量は37gになりました。

尚、今回はAOE調整をシリンダーヘッド側で行うつもりだったのでピストン側でのAOE調整は行っていません。

という訳でAOE調整用にシリンダーヘッドにゴムワッシャーを貼り付けます。
ワッシャーの厚みは2mmで、接着にはキタコ 液状ガスケット KC-027を使いました。

また、ノズルを少し絞りました。
厚さ0.3mmの真鍮パイプを挿し込み、ロックタイト638を使って固定させました。
これで若干ですがノズルを絞れます。

シリンダーは純正の加速シリンダーを流用します。
細かい傷が目立ったのと、吸気穴にバリが出ていたのでヤスリでバリ取りをした後コンパウンドで軽く磨きました。

ノズルはとりあえず純正を使おうと思っていたのですが、チャンバーと組み合わせて確認してみた所、若干ノズル長が足りていない事が分かりました。

純正ノズルを加工してパイノズルにしたりしてみましたが、それでも少しゆとりがあったので、純正ノズルの21.70mmよりも少し長い22.0mmのMAXX製ノズルを買ってきました。

MAXX アルミCNC ダブルOリング エアシールノズル 22.00mmAmazonで購入する

MXXXのノズルにした事に深い理由は無いですが、ダブルOリングのノズルは今まで使った事が無かったのでとりあえず試してみる事にした次第です。

ただ、このダブルOリングはノズルを動かす際の抵抗が増えるだけで特に大きなメリットを感じませんでした。
結局Oリングは1個外しました。

それにしても、Oリングを2重にしないといけないような圧力ってどんなパワーを想定しているんでしょうか…。

という訳で、シリンダー・ピストン周りはこれで完了です。

尚、タペットプレートもノズルと同様に互換品が不明(専用パーツの可能性あり)なので、純正をそのまま使っています。

ギアボックス側の調整

軸受は粉末焼結のオイルレス軸受で、歪みや消耗など大きな問題も無さそうだったのでそのまま流用する事にしました。
ただ、固定が緩かったので一旦全部外して全て洗浄、ロックタイト638を使って接着しました。

ギアセットに関しては発射サイクルを出来るだけ遅くしたかったので、100:300ヘリカルギアを使おうと考えていました。

Amazonを見ていたら『SHS ノイズレスヘリカルギア3点セット Gen.3』という物を見かけました。
商品写真を見てみると、今までの製品と違ってベベルギアやセクターギアが銀色になっていたり、ベベルギアの形状も若干変わっている気がしたので買ってみたのですが、結局今までと同じ物が届きました。
相変わらず商品写真はアテにならないですね…。

パット見色々変わってそうなギア
結局全部真っ黒の、今まで通りのギアが届く

という訳で、届いたギアがこちら。
まあ、SHSのこの100:300は昔使った事があるので、特に言う事は無いですね…。

一応細部を見てみます。

ベベルギアはこんな感じで、逆転防止ラッチの引っかかりが少し浅いのが特徴です。
ピニオンギアと接触する歯の丸みや角度、間隔は程よい感じ。

スパーギアとべベルギアはこんな感じ。
歯は全体的に面取りされています。

一旦ギアはここまでで、ギアを組み込む前にスイッチの動作テストを行う事にしました。

純正のマイクロスイッチの信頼性は期待出来無いので、とりあえず王道のオムロン製マイクロスイッチへの交換を行いました。
買ってきたのはV-16-3C25です。

スイッチ周りのパーツを取り付け動作確認。
問題なくマイクロスイッチを押す事が出来る事を確認しました。

続いて、マイクロスイッチに配線をはんだ付けしました。
追々FETの組み込みや、組み込み時の動作テストで使えるように出来るだけ配線を短くしつつXT30コネクタを付けておきました。

スイッチ周りはこれで完了なので、ギアの組み込みを行います。
いつも通り適当にシム調整を行い、グリスアップします。
シムはヨコモのシム、グリスはG.A.W. Gグリースです。

ギアの組み込み後、AOEの具合を確認してラックギアを削りました。
ただ、かなり独特なメカボックスなのでこの確認作業は地味に面倒ですね…。

ピストンスプリングは適当にザックリ少し固めの物を組み込みました。
ちゃんと測ってませんが、感覚的には東京マルイ純正比110%前後の物です。

モーターと配線について

モーターはサイクルを上げたくないので、純正のしょぼいモーターを使いまわします。
トルクに関してはギアを100:300にしているのでギアで稼げてモーターへの負荷も減らせてると思いますし、純正モーターのままでも良いかなと。

ただ、イモネジが外れており固定されていなかったD型ピニオンギアだけは交換しました。
意外と手持ちのD型ピニオンギアが少なかったのでとりあえず持っている物(ZC製のスチール粉末焼結ピニオンギア)を組みましたがちょっとこのピニオンギア形状、SHSのベベルギアと相性良くなさそうな気がするんですよねぇ…。
もっと角度のキツイ物の方が良い気がします…。

ちなみに、Snow Wolf M3グリースガンのメカボックスはこの状態で動作テストが行えます。
モーターホルダーはメカボックスに固定されていないので指で抑えておかないといけないですが、ピニオンギアとベベルギアの当たり具合は何となく確認が出来ます。

ついでに配線も用意しました。
配線は余っていた16Gの柔らかめの物を使っています。

配線のレイアウトはこんな感じ。
純正の配線よりかはだいぶスマートになっていると思います。

一応、この状態でトリガーを仮組みして動作させておきました。
ギアがスムーズに動く事やピニオンギアとベベルギアの当たりを確認出来ます。

組んだパーツを組み合わせての動作テスト

全部を組み合わせての動作テストを行います。

ややこしい構造にはなっていますが一応、いつも使っている外付けスイッチを使った動作テストを行う事が出来ます。

ただし、後から知った事なのですが、レシーバーに組み込み動かしてると微妙にメカボの上下位置がズレるようで、この状態でのモーター位置調整があんまりアテにならないようです…。

組み立てと外装パーツの調整

外装パーツに関しては特に弄ったりはしていませんが、セーフティレバー代わりのコッキングハンドルだけは少しいじりました。
というのも、純正状態だとプラプラで誤動作しやすい印象があったのでプランジャーが入り込む窪みを削って深くしました。

ちなみにトリガーのスイッチから伸びているXT30コネクタはトリガー前側の膨らみに逃がすのですが、XT30位であれば全然余裕で収まります。

尚、HOPアームとダミーボルトが衝突する為、HOP調節の度にHOPが狂う(リコイルをオミットしていなければ撃つ度にHOPが狂う)という事が分かりました。

ダミーボルトと赤矢印部のHOP調節レバーが衝突する

この干渉によってダミーボルトを後退させるとHOPが弱くなり、ダミーボルトを前進させるとHOPが強くなるという、中々な構造になっていました。

という訳で、一旦ダミーボルトもHOP調節レバーも外したまま組み立てています。
この状態でもHOP調節は行えるので問題無いかなと…。

尚、ダミーボルトに関しては一旦外で撃って飛び具合とかを確認してから取り付けようと思っています。
この銃、分解組み立てめちゃくちゃ面倒くさいので何度も触りたくない…。

動作と初速チェック

という訳で、動かしていきます。
バッテリーはグリップ内に容易に収まるサイズの7.4V 450mAh 80C/160Cです。
結果、初速は最大初速で92m/s行くか行かないか程度、発射サイクルは秒間7.9発でした。

実銃のM3グリースガンが毎分400〜450発(毎秒6.6〜7.5発)なので、それよりかは少し速い程度になりましたが、まあ悪くはない発射サイクルに出来たと思います。

ただ、やっぱりピニオンギアとベベルギアの当たりがあまり良くないので、追々ベベルギアは交換しようと思っています。

とりあえず安定して動いてはいるので、この辺りも一旦外で撃って飛び具合を確認してからですね。


という訳で、これでSNOW WOLF M3A1 電動ガンの内部カスタムは一旦完了です。

久しぶりに独特な形状のメカボックスの電動ガンを弄ったので割と楽しく弄れたと思います。
最近Ver2系ばかりでしたからねぇ…。