エボログ

Silverback Airsoft製電動ガン、Desert Tech MDR-Xを購入したのでレビューします

記事作成日:2023年2月9日

Silverback Airsoft製の電動ガン、Desert Tech MDR-Xを予備マガジンと一緒に購入したのでレビューしていきます。
海外ショップからの並行輸入品に関しては7〜8万円程度で購入出来るようですが、国内ショップでの販売価格が11〜12万円と電動ガンとしてはかなり高価な製品となっています。

2年くらい前に公開された時の情報からタペットレスのシリンダーシステム(SYSTEMA PTW方式)と電子トリガー搭載の専用メカボックスなどかなり独特な構造である事が発表されていた事もあり、バラしてみたかったので値段関係無しにとりあえず買おうと思っていました。

この動画を見た時からめっちゃ楽しみにしてました。

内部に関しては追って公開する予定の分解レビュー記事の方で詳しく紹介しようと思っているので、当記事では外観や箱出し状態での動作性についての紹介を行っていきます。

パッケージ裏面に分解図が記載されている、同社製品ではおなじみですがユニークなパッケージデザインになっています。
尚、私が購入したのは国内代理店を務めているエンテン株式会社が輸入している11.1V対応の日本バージョンになります。

箱の裏側に分解図が印刷されている
エンテン株式会社が輸入
側面には青色のシールが貼られ、とカラーの所に印が付いている

付属品の紹介

内容物はこんな感じで、MDR-X本体とマガジン以外に取扱説明書、トリガースイッチ基板、大型のHOPアジャスター、ショートピン、ベルクロパッチ、レンチなどの工具類です。

配線込みのトリガースイッチが付属します。
当初補修パーツかと思ったのですが、よく見るとセレクターレバーのフルオートポジションを検知する為に必要な磁気検知用のセンサーが付いていません。

調べてみた所、セミオートオンリー用の基板が存在していたので、補修パーツではなくこれが同梱されているのかも知れません。
https://www.silverback-airsoft.com/ele-52

HOPアジャスターとジャンパーピン用のショートピンは小さな袋にまとまって入っています。
このHOPアジャスターに交換することでより強力なHOPを掛ける事が出来ますが、箱出し状態では弾詰まりを起こしてしまうレベルのHOPを掛ける事が出来るのでノーマルで使う分には必要無い物だと思います。
こういうのはR-HOPとか使う時に便利かも知れませんね。
ショートピンの使い方に関しては後述します。

説明書はこんな感じでイラスト付きで説明がされているので非常に分かりやすいです。
注意事項もいくつかあるので、何となく分かっていてもひと目通しておいた方が良いでしょう。

マガジンについて

Silverback Airsoft MDR-Xのマガジンはスプリング給弾で装弾数は78発。(給弾ルート上に4発ほど残るので、実際に撃てる段数は74発)
MDR-X専用品となっています。
本体は高いですがマガジンは2500円位で買えるのでまだリーズナブルな方だと思います。

マガジン側面と前後、マガジンバンパーはそれぞれこんな感じ。
7.62x51mm弾用のマガジンなのでそれなりに大きい為、5.56mm用のライフルマガジンポーチに入れるのはかなり厳しいでしょうね。

リップ側はこんな感じで、フォロワートップはひょうたん。
SYSTEMA PTWのひょうたんと同様に弾抜きする時にひょうたんが飛び出すので注意が必要です。

マガジン後ろ側のレバーを棒で動かす事で、スプリングガイドを外す事が出来ます。
この際、スプリングガイドが勢いよく飛び出すので注意が必要です。

マガジンバンパーに付いているボタンを押しながらマガジンバンパーをスライドさせるとインナーを抜く事が出来ます。

マガジンの構造は同社のHTI .50BMGのマガジンと似ている気がします。

Desert Tech MDR-Xの外観レビュー

という訳で、Silverback Airsoft Desert Tech MDR-Xの外観を見ていきます。

ちなみに、トリガーガードにシリアルNOと初速が書かれた紙と青色の結束バンドが巻かれています。
箱にも青色のシールが貼られていたので、もしかしたら青色は日本仕様の印なのかも知れません。

MDR-X本体はこんな感じ。
非常にスマートなブルパップアサルトライフルで、全体的にポリマーパーツが多様されておりハンドガード、グリップ、ストックなどがポリマーパーツ、レシーバーがアルミになっています。

では細部を見ていきます。

フラッシュハイダーはこんな感じでDesert Techのロゴ入りの308口径用の物が付いています。
14mm逆ネジで付いているので、下部のイモネジを緩めて回せば外せます。

ハンドガードはこんな感じで上面に20mmレール、側面と底部にM-LOKポートが3コマ付いています。

ハンドガード下部前側にはフィンガーストップ兼スリングスイベルが付いています。

ハンドガード根本辺りにはガス流量調節ノブ(ダミー)が確認出来ます。
また、ガスブロック上部に伸びている1コマの20mmレールを挟んでハンドガードとトップレールが配置されている感じです。

ハンドガードは基部のピンを外す事で取り外す事が出来ます。
付け根の食い込みがキツイので、もし抜けそうにない場合はハンドガード側面のネジを少し緩めてやると良いと思います。

レシバー上部は長いトップレールが付いています。
ハンドガードと合わせると34cm程度の長さがあります。

チャージングハンドルはこんな感じでアンビ仕様。
というか、MDR-Xは左右対称デザインで全ての機能が左右両方に付いています。

チャージングハンドルは引くことが出来ますが、スプリングがかなり柔らかいのとシャリシャリと砂を噛むような音が鳴ってあんまり気持ちよくないです。
尚、最後まで動かして上にズラすとホールドオープン状態で保持させる事が出来ますが、別にエジェクションポートと連動している訳では無いので特に意味は無いですし、軽い衝撃でホールドオープンが解除されます。

レシーバー側面には色々刻印が入っています。
パテントの表記、使用弾薬(マルチキャリバー)、メーカーについての情報や製品名、シリアルNO(実際に固有のNOが入っているようです)が入っています。

セレクターレバーはこんな感じでアンビ仕様になっており、利き手を選ばず操作する事が出来ます。

セレクターレバーを操作する時はそれなりのクリック感がありますが、個人的にはもうちょっと強いクリック感が欲しかったなぁ…と思いました。

セーフティ状態
(トリガーが物理的に引けなくなる)
セミオート
フルオート

トリガーガード前側にはマガジンリリースボタンが付いています。
このボタンはグリップを握った状態で人差し指を伸ばす事で操作出来ます。

トリガーやトリガーガードはこんな感じで、角張ったデザインが特徴的です。

トリガーフィーリングはかなり独特で、かなりトリガープルが軽いです。
一定まで引くとタクトスイッチに振れ、その状態で少し力を掛けるとカチッとなります。

定位置
タクトスイッチに触れた瞬間
タクトスイッチが押された時

タクトスイッチを直接押すような感触が嫌な人も居るようなので、人によってはこのトリガーフィーリングが切らない人も居る気がします。
自分はトリガーストロークを詰めてやれば全然問題無いかなという感じです。

グリップはこんな感じで程よい丸みと細さで握りやすい形状の物が付いています。

グリップ底部はこんな感じで蓋になっています。
樹脂とラバーの二重構造になっており、左右のつまみを強く押して引っ張ると外す事が出来、奥まった所にネジが確認出来ます。
グリップの交換とか出来るのかな…?(これは分解時に確認します)

セレクターレバーの後ろ側辺りにはこのようなネジが並んでいる部分があります。
これらはDesert Tech社製品の特徴の1つ、簡単に着脱する事が出来るバレルの固定基部になります。

まず2本の六角穴付きボルトを緩めた後、鍵アイコンが付いている箇所のネジをロック解除位置に合わせます。
この状態でバレルを引っ張れば抜く事が出来ます。

チャンバーはこんな感じで、半透明の樹脂製。
ドラム式のHOPダイヤルが付いていますが、硬すぎて回すのにかなり力が必要でした。(何か噛んでる?と思える硬さ)
尚、HOPパッキンは同社製のフラットホップラバーの50度のようでした。
このパッキン、何度か使ってますがめちゃくちゃ癖強くて実質Silverback社製品専用みたいな感じなんですよね…。

尚、バレルを戻す時に注意しないといけないのは結構左右に傾いた状態でも固定出来てしまうので、ちゃんと真っ直ぐになるように取り付けるよう気をつける必要があります。
この傾きはガスブロック部を見れば分かりやすいです。

右側に傾いている状態
左側に傾いている状態

ブルパップ方式なので、ストック側にマグウェルが付いています。
尚、マグウェル前側のスイッチがマガジンリリースボタンです。

MDR-Xのマガジンキャッチボタンは全て連動しており、1つのボタンを押すと全てのボタンが動きます。

マグウェルの後ろ側にもマガジンキャッチのようなボタンがありますが、これはダミーのボルトリリースボタンです。
一応押すと動きます。

ストック上部にはチークパッドが付いています。
分解図を見る限りはめ込まれているだけなので外すことが出来そうなのですが、多少引っ張った程度では外れませんでした。

MDR-Xのエジェクションポートは左右に付いており使う方にはダストカバーが、使わない方は全体がカバーで覆われています。
これらはアルミ製で、頬付して構えると唇の位置に当たるのでちょっと構えた時に気になります。

ダストカバーはこんな感じで手動で開きます。
「パチン」とは開かず結構渋い動きをしていました。

エジェクションポートからドラム式のHOPダイヤルを操作する事が出来る仕様になっているのですが、先述の通り指でダイヤルを回すのは現実的ではなかったです。
頑張ってみた所、爪が欠けました。

このダストカバーの位置は左右交換する事が出来ます。
ダストカバーを外すにはカバー後部に付いているレバーを押しながら開くだけです。

レバーを押す
カバーが外れる

ストック後部はこんな感じ。
特徴的なシボとストック下部にDesert Techのロゴが付いています。

左右にQDスイベルホールが付いています。

バットプレートは硬質ゴムで出来ており、ストック底部には反対側の手を押し当ててレスト撃ちする時に安定させる為の滑り止めが付いています。
AR15用のストックではたまに見かける構造ですが、ブルパップでこういう形状になっているのは珍しい気がします。

タイヤみたいなデザイン
手でストックを抑えやすくする為の出っ張りと滑り止め

テイクダウンして内側を見ていく

分解レビュー時に内部パーツの詳細は説明しますが、MDR-Xはバッテリーを挿入するのにテイクダウンする必要があります。
その為、テイクダウンした時に確認できる物に関しては軽く紹介しようと思います。

まず、テイクダウンするにはストック後部とマグウェル手前に付いているピンを引っ張り上げます。
このピンは完全に抜ききる事は出来ず、一定まで引っ張ればロックが掛かります。

この状態でバッテリーを挿入出来るようになるのですが、ロアレシーバー側がプラプラしていて鬱陶しいのでトリガーガード前側のピンも抜いて完全に外しました。

トリガー周りはこんな感じで、トップレシーバー側にスイッチ類が付いています。
トリガーの検知はタクトスイッチ、セレクターレバーの検知は磁気スイッチになっており、このタクトスイッチはトリガーが直接押します。
こういう構造なので、強くトリガーを押すとタクトスイッチが壊れてしまう可能性があります。

調整時に対策したいですね。
トリガーとタクトスイッチの間にゴム板入れるだけでもだいぶマシになると思います。

尚、セレクターレバーの磁石はシャフトに埋め込まれておりセミオートは磁気無し、フルオートは磁気有りといった感じで切り替えているようです。
セーフティは物理的にトリガーが引けなくなるだけなので、電子的なセーフティは存在していないです。

セミオートの状態
フルオートの状態

メカボックスはこんな感じで見ての通り専用メカボックスです。

モーターは放熱穴付きでCHIHAIやAOLS製モーターと形状が似ています。
モーターに表記されている情報を見る限り11.1V 19000RPMというかなりトルクに振ったモーターが組み込まれているようです。

MDR-Xの特徴の1つとして電子トリガー搭載というのが挙げられますが、基板にこのようなジャンパーピンが付いているのもユニークな要素の1つだと思います。

このジャンパーピンを付属のショートピンでショートさせる事で設定を変更させる事が出来る仕様になっており、ショートさせない場合は11.1V用、上側をショートさせると7.4V用、下側をショートさせるとバッテリー保護機能無効化となります。

簡単に言うとこの基板は電圧の低下を検知する機能が備わっているのですが、その機能の切り替えをこのジャンパーピンで行う感じです。

例えば11.1V用の状態で7.4Vを使うと動作しませんが、7.4V用の状態では11.1Vも7.4Vも使えます。
DABだと保護機能が無効化されるので、異常電圧を検知しなくなります。

7.4V用の所にショートピンを取り付けた状態

尚、ピンを抜き差しする時はバッテリーは抜いておいた方が良いと思います。

対応バッテリーとバッテリー収納スペースについて

バッテリーコネクタはディーンズコネクタです。
Amassのやつでしょうか、品質は良さそうです。

対応バッテリーはジャンパーピンの設定でも分かる通り7.4Vと11.1Vです。
それ以外のバッテリーを使う場合は下側をショートさせてバッテリー保護機能を無効化させれば使えると思います。

また、メーカー公式の動画では規定電圧のバッテリーを繋いでいても高付加の状態や非常に気温が低い環境でセーフティが動いてしまう可能性があるようで、その場合は保護機能を無効化して使うようにとの事でした。

MDR-Xのバッテリー収納スペースはメカボックスの上、ちょうどチークパッドの内側になります。
ただ、このバッテリースペースは説明書にも記載がある通りめちゃくちゃ狭いので、バッテリーのサイズを相当選びます。

ここにバッテリーを入れる
最大のバッテリーサイズは説明書に記載

説明書には正方形だと16mm×16mmまで、円柱状だと太さ17.5mmまでで奥行きは190mmまでとの事ですが、本当にこの通りのサイズが限界です。

長方形だと頑張れば縦長や横長などの物も入れる事が出来そうですが、一般的なストックチューブインサイズの物を入れる事は出来ず、AKタイプなどと呼ばれる細長いバッテリーも物によっては入らないレベルに狭いです。

尚、1時間くらい掛けて色々と調べてみたのですが、このサイズに収まるバッテリーの種類が非常に少なかったです。

ちなみに同様にバッテリーの選択肢が少ない機種としてASG EVO3がありますが、あれの比じゃない位にシビアです。
一部パーツを削る事で多少のスペースは確保出来そうな気がしますが、それでもせいぜい1、2mm増やすの限界なのでストックチューブインサイズは難しい気がします。

とりあえず手持ちのバッテリーを色々使って試してみましましたが、ちゃんと入ったのはAKタイプ(太さ15cm四方)のみで、300mAhのLiPoバッテリーは2本とも割と無理やり入れる事が出来ました。

色々な長細い系LiPoバッテリーでテスト
この3つだけが入った

300mAhのバッテリーをどこに入れるのかと言うと、メカボックスの後ろ側です。
ちょうどロアレシーバーのQDスプリングガイドとストック上部の間に三角形の隙間があるのですが、そこにバッテリーとコネクタを逃がす事が出来ました。

11.1V(幅16.6mm厚み17.3mm、長さ53mm)に関しては後0.5mmでも分厚ければ入らないような、ギリギリの隙間です。

箱出し状態での作動性と初速、発射サイクルについて

という訳でMDR-Xを動かしていきます。
今回の動作検証は7.4Vと11.1Vでやりたかったものの、使えるバッテリーが9.9V LiFeしか手元に無かったのでテイクダウンした状態で動かす事にしました。

使用したバッテリーは7.4V 1500mAhと11.1V 1200mAhの物になります。
動作はそれぞれこんな感じで、多少のギアノイズはあるものの箱出し状態としては十分な感じがします。

また、セミオートもフルオートもしっかり制御されており、オーバーランが起きるような事は無さそうでした。
このメカボックスには逆転防止ラッチも付いているのですが、もしかしたら無くても良いんじゃないですかね?

HOPを強くしていくと初速が下がっていく感じだったので、最大初速がHOP無しの状態でした。
HITCALL 0.20g バイオBB弾を使っての初速は80m/s〜81m/s程度と割と低めな印象。

まあ、バレル長いですし0.20gでの初速はこれくらいの方が安心かも知れません。

フルオートの発射サイクルは7.4Vが10.8発、11.1Vは何か変な音を立てながら(給弾不良っぽい?)動いていましたが秒間13発程度でした。
ただ、たまに秒間15発の時とかもあったので、もしかしたらたまに2回に1回給弾出来ないとかが起きてるのかも知れません。

7.4Vでのフルオート
11.1Vでのフルオート

トレポンでも同じような事が起きる場合があるので、もしかしたらMDR-Xでも同様にノズルの後退速度と開放タイミングの兼ね合いでうまく動いていないのかも知れません。

単純に強引な撃ち方をしているせいで銃とマガジンを安定させれてないから…とかもあるかも知れませんが…。

BB弾の停弾位置について

最後にBB弾の停止弾位置を見てきました。
結果、3mm程度のクリアランスがある事が分かりました。

弾棒をノズルに押し当てた状態
弾棒を引っ張ってHOPパッキンの突起と接触した瞬間

これ詰めれば結構良くなりそうですね。
分解時にこの辺りも見ていけたらと思っています。

補修パーツについて

Silverback製品は意外と補修パーツを手軽に購入する事が出来ます。
販売店経由で代理店に取り寄せてもらう方法もありますし、Amazonでも購入が可能です。
既にMDR-X用のパーツは一部登録されていました。

ただ、Amazon上の補修パーツは無くなるのも速いので「一応予備あった方が良いかも」と思う物は調達しておいた方が良いかも知れません。

自分は同社のSRSやTAC41をいじる時にだいぶ助かりました。


という訳で、Silverback Airsoft製電動ガン、Desert Tech MDR-Xのレビュー記事は以上になります。

分解目当てで購入した製品でもあるので、近日中に分解しようと思っていますが今MDR-Xで使えるサイズの11.1V LiPoバッテリーを注文している最中なのでそれが届いて動作テストをした後になると思います。

それまでは分解お預けです…。

昔、WE KATANAを買った時と同じようなテンションです。
分解・調整を行うのがとても楽しみです。

ちなみにこれは分解したいという欲求を満たす為に買ってはいますが、MDRという製品自体7年前に見つけて欲しいなと思いましたし、3年前のショットショーで現物を見て良いなぁと思ってたので、そういう意味でも割と好きな銃ではあります。