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ARCTURUS AK12 PEモデルの分解レビュー

記事作成日:2023年3月14日

開封レビューから少し時間が経ってしまいましたが、ARCTURUS AK12 PEモデルを分解していきます。
AK12 PEモデルは標準でPERUN製の電子トリガーを搭載した製品で、同社製のハイトルクモーターと13:1ハイスピードギアが組み込まれているのが特徴となっている製品で、7.4Vでも快適な動作が行える他、プリコック設定を行うことで更に高いレスポンスを実現する事が出来る製品となっています。

という訳で、工具不要で分解出来るのはトップカバー(フラッシュハイダーも一応外せる)のみなので、ここから分解していきます。

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フロント側の分離

まずはフロント側とレシーバー側を分離させます。
分離させるにはアウターバレル根本に付いているイモネジを2本緩ませ、レシーバー側面のピンを2本抜きます。
イモネジは手前側が2mm、奥側が1.5mmと異なるサイズの物が付いているので注意が必要です。
また、レシーバー側に付いているピンは左側から叩く事で抜けます。

これらを外す事でAK12のフロント側を抜く事が出来ます。
この際、インナーバレルとチャンバーはレシーバーにくっついたままなので、変な方向に力が掛からないように真っ直ぐ引き抜く必要があります。

フロント側を分離したらハンドガードを外す事が出来るようになります。
ハンドガード上部はチャンバー側にスライドさせる事で外す事が出来、ハンドガード下部は少しスライドさせた後、下側に引っ張る事で外す事が出来ます。

フラッシュハイダーは開封レビュー時点でも紹介しましたが、フラッシュハイダー本体と基部パーツの2分割になっているのが特徴です。
基部パーツを外す事で一般的な14mm逆ネジが確認出来るようになります。

アウターバレルとガスピストン部はこんな感じで一本物になっています。

尚、このガスピストン部のカバーは引っ張れば外す事が出来ます。

フラッシュハイダーの基部パーツやガスブロックなどは側面のロールピンを抜き、下部のイモネジを緩める事で外す事が出来ます。

チャンバー側はこんな感じ。

インナーバレル・チャンバーの分解

まずはボルト周りを外します。

続いて、マグウェル内側に付いているスペーサーを外します。

その後、チャンバーの左右とチャンバーとメカボックスを固定しているネジを外します。

これらのネジを外す事でチャンバーがフリーになり、傾けながら引き抜く事が出来るようになります。

インナーバレル・チャンバーはこんな感じ。
かなり独特なデザインをしたチャンバーで、無段階調整が可能な横回転のドラム式HOPダイヤルが付いている樹脂製チャンバーになります。

こちらのチャンバーを分解していきます。
まず、HOPダイヤルとHOPアームを取り外す為にダイヤル上部のネジを外し、HOPアームを固定しているピンを抜きます。

続いて、バレルクリップを外すのですがこのバレルクリップは小さなイモネジで固定されているので単に引っ張るだけでは外す事が出来ません。
1.3mmという細い六角レンチを使ってイモネジを外す事で、バレルクリップを取り外す事が出来るようになります。

バレルクリップを外したらインナーバレルを抜く事が出来ます。

インナーバレルは長さ450mmのスチール製。
HOP窓は程よく面取りが施されたコの字状になっています。

HOPパッキンは少し硬度高め(70度くらい?)でHOPの突起は窪み浅めのV形になっています。

レシーバーの分解とメカボックスの取り外し

続いて、レシーバー側をバラしていきます。

まず、ストックを外していきます。
AK12 PEのストックはM4A1の伸縮ストックのような仕様になっており、レバーを押しながらストックを前後に動かす事で長さの調節が出来るのですが、M4系のストックと異なりそのまま引っ張る事で抜く事は出来ません。

ストックを抜くには赤矢印部のピンを抜く必要があります。

これでストックを取り外す事が出来ます。

続いて、セレクターレバーを外します。
ARCTURUSのAK系セレクターレバーはネジ頭にキャップが被せられているのでプライヤーなどを使ってこれを引っこ抜く必要があります。

このキャップは樹脂製なので、あまり強い力を掛けると折れてしまったり凹んでしまったりする可能性があるので抜く時に必要以上に強く掴んだり、ひねったりしないように気をつける必要があります。

また、ペンチやプライヤーなどを使うと傷が付いてしまう可能性があるので、その場合はナイフなど薄い物をキャップとネジ頭の間に差し込んでこじ開けると綺麗に外す事が出来ます。

キャップを外すとネジ頭が出てくるので、六角レンチを使って外す事が出来ます。

続いて、グリップを外します。
グリップは下部のネジを外す事で取り外す事が出来ます。

チャンバー、セレクターレバー、グリップを外したらメカボックスを取り外す事が出来ます。
この辺りは一般的なAK系電動ガンと同じ感じですね。

尚、メカボックスを外したらチャンバーを固定するのに使われている樹脂パーツも外す事が出来るようになります。

チャンバー基部やストック基部などはリベット打ちされているので普通には外す事が出来ません。

メカボックスの分解

最後にメカボックスを分解していくのですが、AK12 PEのメカボックスはETUが組み込まれていたりしてシビアな仕様になっている為、分解の際は注意が必要です。
また、メカボックスを分解してしまうと保証が無くなってしまう為、もし不具合が発生した場合は分解などはせず小売店に修理に関するお問い合わせをして頂くようにとの事でした。

メカボックスの形状はこの通り一般的なVer3用ですが、シリンダーヘッドの前後が肉厚になっている強化タイプになっています。

PERUNが組み込まれているので、セレクタープレート周りが普通の物理スイッチメカボックスと仕様が異なっています。

まず、セレクターレバーや背骨などを外していきます。

セレクタープレートはこんな感じで光センサーの検知を行う為の反射板が貼り付けられており、2つのセンサーによって検知が行われます。
検知無しがセーフ状態、片側のみでフルオートとセミオート、両方検知で2点バーストといった感じです。
細かい調整が必要になる箇所なので、弄るにしても付属のセレクタープレートをそのまま使った方が良さそうです。

尚、セレクープレートに貼られている反射板の正しい貼り付け位置はこのような感じになっているようです。(工場から写真をお送り頂きました)
この位置がズレるとセレクターレバーの定位置で正しい動作をしなくなります。

続いて、モーターホルダーを外し、モーターを取り出します。

ARCTURUS AK12 PEモデルに搭載されているモーターは同社製カスタムモーター、ANT21Tのショートサイズ。
こちらのモーターは同社製ノーマルモーターであるANB23Tと似た仕様で回転数控えめの高トルク系モーターになります。

モーターについての詳細は以前レビューをしているので、気になる方はそちらをご参照下さい。

ピニオンギアはスチールMIM製法のO形で、ブラシはレイダウンタイプです。

続いて、スプリングガイドを外します。
AK12のスプリングガイドはQD仕様になっておりメカボックスを取り外さなくともトップカバーを外すだけで外す事が出来る仕様になっているので、スプリング交換の為にここまで分解する必要はありません。

スプリングガイドを外すとこんな感じ。

スプリングガイドはステンレス製でスラストベアリング付き。
ピストンスプリングは柔らかめの物を更にスプリングカットしている物のようです。

続いて、メカボックスを固定しているネジを3本外し、メカボックスを開きます。

セクターギアとピストンに粉が付着していましたが、これはセレクターレバーを外す時に落ちてきたネジロック剤の破片と思われます。

メカボックス内部パーツの紹介

ではメカボックス内のパーツを見ていきます。
まずは吸気系(ノズル、タペットプレート、シリンダーヘッド、シリンダー、ピストン)から。

ノズル、タペットプレートはこんな感じ。

ノズルはPOM製の前方吸気対応形状で、気密向上用のOリングが付いているタイプの製品(シーリングノズル)です。

タペットプレートはL字部分が補強されているタイプで、羽の形状は3段階に分けてノズルを後退させる仕様になっています。

シリンダーはステンレス製の加速シリンダー、シリンダーヘッドは樹脂製で特段変わった形状の物では無いです。

ピストンはこんな感じで、ラックギアが全金属歯で2枚目が完全に削られているタイプ。
ピストンヘッドは樹脂製で吸気穴は8個空いています。

ピストンの中にはスラストベアリングが入っていました。

トリガーはこんな感じでPERUNのセンサーに検知させる為に磁石が埋め込まれています。

ギアはこんな感じでギア同士やギアとメカボックスが擦れ無い程度にはシム調整が施されていました。
ベストな状態では無いものの、必要な調整はされている印象があります。
また、ギアグリスも基板に飛び散らない程度に程よく塗布されていました。

実際、駆動音もそんなに気にならないレベルにはなっているので全然悪くはないセットアップだと思います。

冒頭でも紹介しましたが、ARCTURUS AK12 PEモデルに組み込まれているギアは同社製カスタムギアの13:1です。

セクターギアはセクターチップ付き、ベベルギアの逆転防止ラッチの歯の枚数は6枚です。

最後にPERUNの基板を外します。
こちらセクターギア側のネジ1本で固定されている…かと思いきやメカボックスに接着されていました。

パット見はネジ1個だけで固定されているように見える
赤矢印部に接着剤が付いている

基板を損傷させないようにヒートガンで軽く炙って粘着力を落とした状態で基板を剥がします。

基板の表裏はそれぞれこんな感じ。
全てのセンサーは非接触なのでスイッチはありません。


という訳で、ARCTURUS AK12 PEモデルの分解レビューは以上になります。
尚、今後カスタムを予定しているのですが、カスタム内容に関しては11.1V対応を行っていこうと思っています。
開封レビューでも軽く触れましたが11.1Vで動かしたいという要望が強いらしいので…。

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