Arcturus HK416A5(AT-HT01-BK GR16MOD5 11′)の分解レビュー
記事作成日:2023年3月22日
三山商事株式会社様よりお送り頂き、レビュー記事を書いたARCTURUS製電動ガン、AT-HT01-BK GR16MOD5 11′ AEG BLACK(HK416A5)を分解していきます。
テイクダウンに関してはピボットピンを抜くだけの一般的な海外製スタンダード電動ガンの仕様になっています。
ARCTURUS GR16MOD5 11インチ 電動ガン BK - アークタウラス
ハンドガード周りのパーツについて
という訳で、まずはハンドガード周りのパーツを軽く分解していきます。
フラッシュハイダーは14mm逆ネジでアウターバレルに固定されているので、時計回りに回す事で外す事ができます。
尚、ハイダーとアウターバレルの間にはクラッシュナットとOリングが付いています。
ハンドガード基部のネジを外す事でハンドガードを取り外す事が出来ます。
ガスブロックとバレルナットはそれぞれこんな感じ。
バレルナットを外してみようと思ったのですが、結構硬く簡単には外せそうに無かったのでとりあえず外すのはやめました。
尚、ガスブロックはバレル下部のロールピンを抜けば外せそうです。
治具使えば外せるでしょうけど、外した所で一般的なスタンダード電動ガンのバレルナットと同じでしょうし…。
バレル・チャンバーについて
バレル・チャンバーはこんな感じで同社製品ではおなじみのスチール製インナーバレルと樹脂製ドラム式HOPチャンバーです。
HOPチャンバーはこんな感じ。
ダイヤルには0〜15の数字が入っており、調整に関しては無段階仕様になっています。
チャンバーを分解するとこんな感じ。
チャンバー自体はHOPアジャスターの垂直押しが可能なデザインをしているのですが、入っているHOPアーム・HOPクッションは一般的な形状の物になっています。
HOPパッキンは海外製品としては柔らかめの物(硬度60くらい?)で、HOPの突起は窪みの中央が若干広めになっているV形状です。
PDI Wホールドパッキンの窪みを広くしたような感じの見た目をしています。
インナーバレルの長さは280mmで、HOP窓まわりの形状は無難な感じ。
程よい面取りがされています。
ロアレシーバーからメカボックスを取り外します
続いて、ロアレシーバーからメカボックスを取り外します。
まず、ストックチューブを外します。
Arcturus HK416A5のストックチューブは一般的な電動ガンの固定方法とは異なり、GBBのようにロアレシーバー側にねじ込まれています。
その為、まずストックチューブナットを緩めた後、ストックチューブを回して外す必要があります。
メカボックス後部(スプリングガイド部)にはこのようなネジが付いており、これがQDスプリングガイドの着脱ツールになっています。
この時点で察しの良い方は気づくと思いますが、ストック周りはE&LのM4系と全く同じ仕様になっています。
ちなみに、ロアレシーバーにはエンドプレートを固定する為の突起が付いているのですが、この突起はロアレシーバーの窪みにハマってるだけなので外す事が出来ます。
続いて、グリップからモーターを抜く為にグリップの底蓋を外します。
底蓋を固定するネジは前側と後ろ側で長さが異なっているので、組み込む時に気をつける必要があります。
前側が短く、後ろ側が長いです。
モーターは海外製電動ガンの純正モーターではおなじみのあんまり元気の無い奴です。
最近の同社製電動ガンはANB23Tというかなり優秀なモーターが標準で組み込まれていたりするのですが、この製品に組み込まれているモーターはそこまで良い物では無いですね。
磁力も弱く、シャフトがスルスル回ります。
ピニオンギアはD型のイモネジ固定、ブラシはレイダウン型になっています。
グリップの奥の方に付いている2本のネジを外す事でグリップを取り外す事が出来ます。
メカボックスに見覚えの無いパーツが付いていたので、なんだろう?と思ったのですが、どうやら逆転防止ラッチを解除する為のレバーでした。
開封レビュー時点では気づかなかったのですが、どうやらグリップとトリガーガードの隙間から細い棒などを差し込む事によって逆転防止ラッチを解除する事が出来る仕様になっていたようです。
また、この逆転防止ラッチ解除レバーはメカボックスを抜く時にレシーバーに干渉してしまうので、外しておきます。
引っ張れば外せますが、あんまりグニグニ捻ったりすると良くないので、慎重に外しましょう。
グリップを外したら他の外装パーツを外していきます。
まずはボルトリリースボタンです。
こちらはピンを抜いた後、アンビ側のボルトリリースボタンを押し下げながら引っ張れば外す事が出来ます。
マガジンキャッチボタンも外します。
このボタンは一般的な電動ガンのようにネジ固定されているのではなくGBB用のようにボタン自体がナットになっています。
この辺りもE&L M4系と同じ仕様ですね。
セレクターレバーも外します。
これらはネジを外すだけですね。
尚、左側のセレクターレバーにのみクリック感を出す為のプランジャーが付いています。
これらのパーツを外したらトリガーピンとテイクダウンピンを抜き、メカボックスを取り外します。
メカボックスについて
取り出したメカボックスを見ていきます。
よくあるボルトリリースボタンがライブかつアンビセレクターレバーを採用しているVer2メカボックスの外観になっています。
また、シリンダーが収まっている箇所の前後が肉厚になっている、強化メカボックス仕様になっています。
ボルトリリースボタンはこんな感じで、ダミーボルトに引っかかる部分とアンビ側のボルトリリースボタンが一体型になっています。
機構自体は一般的な物です。
セレクターレバー周りはこんな感じで以前分解した同社製電動ガン、NY06シリーズと同じ仕様になっています。
アンビ側に連動させるギアの仕様はVFCなどのメーカーで採用されている仕様と同じですね。
メカボックスの内部パーツを見ていきます
という訳で、メカボックスの内部パーツを見ていきます。
まずメカボックスからピストンスプリングガイドを外し、ピストンスプリングを抜きます。
日本仕様になっているのでスプリングは柔らかめ。巻数は結構多いです。
スプリングガイドはスラストベアリング付きの物でした。
続いて、メカボックスのネジを外し、メカボックスを開きます。
ピストンスプリングを外したり逆転防止ラッチを事前に解除しているのでギアとかが爆発せず開く事が出来るのが良いですね。
グリスはしっかりギアとピストンで塗り分けられており、共に程よい硬さの物が塗られています。
また、必要最低限のシム調整も行われておりギア同士、ギアとメカボックスが擦れる事が無いように調整されていました。
軸受は全て8mmでベベルギアがボールベアリング、スパーギアとセクターギアがオイルレスベアリングになっています。
全ての軸受はメカボックスにしっかり圧入されており、軽く押した程度では外せませんでした。
逆転防止ラッチ解除機構を見た時から気になっていたのですが、やっぱりこのメカボックスの逆転防止ラッチの位置、特殊ですね。
一般的なVer2メカボックスとは位置と違う所に逆転防止ラッチが付いており、それの影響で配線を逃がす溝が変わった感じになっています。
ギアセットは最近の海外製電動ガンではおなじみとなっているスチール粉末焼結のギアセットです。
個人的にもお気に入りのギアセットで、内部カスタムを行う際にもわざわざ買って使ったりもするギアセットです。
程よく丈夫で安いんですよね…。
吸気系はこんな感じで、同社製電動ガンではおなじみの構成ですね。
ノズルはPOMで出来ている前方吸気対応形状で、ノズル内側にOリングが付いているシーリングノズルになっています。
シリンダーヘッドは樹脂製でシンプルな形状をしています。
シリンダーは長めの加速穴が特徴のステンレス製です。
タペットプレートはこんな感じ。
L字部分は補強されています。
ピストンは樹脂製でラックギアは14枚金属歯のフルティース。
ピストンヘッドも樹脂製で後方吸気ピストンヘッド、ピストン内側にはスラストベアリングが入っていました。
尚、ピストンヘッドを固定しているネジはタップネジなので再利用する際は注意が必要です。
トリガー周りはこんな感じで、マイクロスイッチメカボックスになっているので一般的なVer2メカボックスと比べるとかなり独特な仕様となっています。
とは言え、同社製Ver2電動ガンではおなじみの仕様ですし、BigDragon、ArmyForce、J-ARMAMENT、ZC LEOPARD、ORGA Airsoftなどのメーカーからカスタムパーツとして販売されている物もこういう感じなので、「マイクロスイッチ搭載のVer2メカボックスならこの形」という王道な仕様ではあります。
トリガーはこんな感じ。
トリガーから垂直に伸びている棒がマイクロスイッチを押したり、カットオフレバーによって跳ね上げられたりします。
既に写真に写っていましたが、配線はシルバーケーブルで+側に赤い印が付いています。
また、ピニオンギアとの干渉を防ぐ為の逃しがメカボックスに付いています。
マイクロスイッチはKW7-0というモデルで、電動ガンだとLMGとかでも採用されている大型な物が付いています。
定格電圧/電流は250V/16Aです。
まあ、このサイズのマイクロスイッチだとだいたいこのスペックですね。
カットオフレバーはこんな感じ。
マイクロスイッチトリガーに対応させる為に専用形状になっています。
後は残りのパーツを外していきます。
セレクタープレートにくっついているセーフティがかなり独特で、少し外すのに癖がありますがセレクタープレートを前側にスライドさせながらセーフティ用の突起を傾ければ外せます。
ちなみに、スイッチの裏側もだいぶ特殊な形状なので、マイクロスイッチをやめて普通のスイッチにしたり、電子トリガーを組み込んだりするのはかなり大変な気がします。
昔マイクロスイッチメカボックス対応の電子トリガーというかアクティブブレーキ付きのFETとか見た記憶があるのですが最近そういうの見かけなくなった気がします。
という訳で、Arcturus HK416A5(AT-HT01-BK GR16MOD5 11′)の分解レビューは以上になります。
内部パーツに関して気になる箇所はモーター位で、正直モーターだけEG1000などに変えればかなり良くなる電動ガンだと思います。
という訳で、Arcturus HK416A5(AT-HT01-BK GR16MOD5 11′)はこの後色々と好みな感じに調整していこうと思っています。