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C.A.T. MAPセクターギアをArcturus HK416A5に組み込み、機械式プリコッキング仕様にしてみました。

記事作成日:2023年3月29日

先日分解を行ったArcturus製電動ガン、HK416A5(AT-HT01-BK GR16MOD5 11′)の内部を弄っていきます。

分解レビューで触れましたが、Arcturus HK416A5は逆転防止ラッチを外側から解除する事が出来る仕様になっていたので、この機構を見た時から「これは機械式プリコッキングをやろう」と思っていました。
この黒いバーをトリガーガードとグリップの隙間から細い押す事で逆転防止ラッチを解除する事が出来ます。

グリップとトリガーガードの間に細い棒を差し込む事で逆転防止ラッチを解除できる
この黒いパーツが逆転防止ラッチ解除レバー

任意のタイミングで解除する事が出来る上に目立たない位置にあるのは良いですね。

機械式プリコックカスタムは以前同社製の電動ガン、PP-19-01 Vityazでセクターギアを加工する事でやったり、その昔WE KATANAのカスタムでやったり、更に昔は東京マルイ P90でやったりしていますがどれもこれもセクターギアの加工で対応していました。

既存のカットオフカムを削り、別の角度の所にカムを新造。
基本的に全ての物理スイッチ電動ガンで使えるプリコックカスタム。

今回もセクターギアの加工で機械式プリコッキングをやっても良かったのですが、流石に毎回同じ方法でやるのは面白みが無いので、今回は機械式可変プリコッキング機構を搭載したセクターギア、C.A.T. MAP(Mechanical Adjustable Pre-cocking)セクターギアを使ってみる事にしました。

C.A.T. MAPセクターギアについて

CAT: cat-a-map MAPセクターギア プリコックギアAmazonで購入する

こちらはAirsoft97が監修している電動ガン、C.A.T.シリーズに搭載されているセクターギアで、ラックギアと噛み合う歯が予め2枚カットされた状態である事と、カットオフカムの位置を任意のポジションに調整し、カットオフのタイミングを変更する事が出来るというのが特徴になります。

内容物は取扱説明書とセクターギア。
ギア比率は18:1なので、同じギア比のスパーギアと組み合わせて使用する事が出来ます。

ギア本体はこんな感じでタペットプレートと接する面は真っ平らで、樹脂製のセクターチップが付いています。
反対側はMAPセクターギアの特徴である、可変式プリコッキング機構が付いています。

恐らくスチールの粉末焼結で作られているギアの歯は全体的に歯が丸まっています。
個人的にはこういう歯の仕様は下手な切削ギアよりもキアノイズが出にくいので好きです。

機械式プリコッキングを実現しているダイヤル部分はこんな感じです。
セクターギア側に1〜12の数字が記載された目盛りとその間に4つの窪みが付いており、60段階(6度刻み)でカットオフカムの位置を調整する事が出来ます。

カットオフカムの位置を調整するには窪みの部分に細い棒や専用工具を差し込み歯を下げてクルクル回すだけです。

ちなみに、このカットオフカム部分は引っ張れば外す事が出来るのでセクターギアを外した状態で位置を調整するなら、一旦カットオフカムを外して動かした方が楽です。

という訳で、今回はこのセクターギアを組み込む前提でArcturus HK416A5の調整を行っていきます。

インナーバレルとHOP周り、チャンバーの調整

まずはバレル周りから組んでいきます。
今回、インナーバレルの交換は無しでArcturus純正バレルをそのまま使う事にします。

Arcturus HK416A5のインナーバレルは長さ280mmのスチール製です。
特に不満も無いですし長さも問題無いのでこのまま使います。

ただ、HOPパッキンも純正のままだと面白みが無いので、何だかんだ試した事が無かった気がするウレタンバージョンのMAPLE LEAF MR.HOPを組んでみる事にしました。
今回購入したパッキンの硬度は50です。

【MAPLE LEAF】ホップパッキン Mr.HOP 電動ガン用 (高耐久性ゴム, グリーン(硬度50))Amazonで購入する

材質が変わっているだけで、それ以外はシリコンのMR.HOPと同じだと思います。
R HOPっぽい凸形状のHOPパッキンです。

インナーバレルにこのHOPパッキンを取り付け、チャンバーに差し込んでみた所クリアランスが気になったのでポリイミドテープを巻いて丁度よい太さになるように調整しました。

HOPアジャスターをどうしようか悩んだのですが、とりあえず今回の構成は初めての試みでもあるので最初は無難なシリコンチューブにしておきました。
これで全然問題無さそうであれば垂直面押し仕様にしようと思っています。

また、HOPアームの左右に結構大きな隙間があったのでワッシャーを取り付け、アームのガタツキを無くしました。

とりあずHOPの凸が真っ直ぐ降りている事を確認。
その後アウターバレルの内径とインナーバレルの外径を揃える為にポリイミドテープを巻いてガタつかないように調整しました。

これでバレル周りの組み立ては完了です。

シリンダー・ピストン周りの調整

続いて、シリンダー・ピストン周りの調整から。

最近やる事が増えているノズル絞りカスタムを今回もやります。
例のごとくパイプを圧入+ロックタイト638で接着し、Arcturus純正シリンダーヘッドの内径を3mmまで絞りました。

また、AOE調整とダンパーを兼ねて厚さ3mmのハネナイトを貼り付けました。

AOE調整を行ったのでセクターギアと変な所に衝突しないようにピストンのラックギアを削ります。
また、Arcturus純正ピストンは口の部分のエッジが立っているので、テーパーを付けました。

今回のセッティングは少しピストンを重くしたかったので、明日香縫製 ピストンウェイト レギュラータイプ AS211PWを用意しました。

こちらは真鍮で出来た8gの錘で、付属の長い鍋ネジを使ってピストンに取り付けます。

尚、Arcturusの純正ピストンヘッドはタップネジで固定されていたので、そのままではミリピッチのネジを取り付ける事が出来ません。
なので、接着剤を流し込んでネジを締め込み固定しました。

過去にも何度かこの方法で無理やりピストンヘッドを固定した事があるのですが、意外とこれでも何とかなるので今回も接着剤を使った固定を行いました。

続いて、ピストンヘッドのOリングを取り付けます。
今回はG.A.W. FRUS-Oリングを取り付けました。

少し前に在庫を補充したのですが、ちょっとずつ減ってきたのでまた補充しないとそろそろ適切なサイズのOリングが見つからなくなりそう…。

ピストンの重量32gになりました。
これくらいの重量があるとそんなに硬いスプリングを使わなくてもしっかりエアーを圧縮する事が出来て、気持ちの良い撃ち味になります。

続いて、ノズルを交換する事にしました。

Maple LeafのHOPパッキンと組み合わせるのと、BB弾の停弾位置を安定させる為に、少し長めかつノズル先端の面取りが深めな物が欲しかったので、DEEP FIRE スーパーOリング シールノズを買ってみました。

DEEP FIRE NB スーパーOリング シールノズルAmazonで購入する

測ってみた所、Arcturus HK416A5の純正ノズルよりも0.1.6mm長い21.35mmでした。
M4系電動ガンのノズルは21.0mm〜21.4mm程度の振れ幅があるので、その中では長めな方ですね。

Arcturus HK416A5純正ノズル
DEEP FIREのノズル

ノズルの先端は前方吸気に対応していない形状で、Arcturus HK416A5の純正ノズルよりも深めのテーパーが掛かっています。

DEEP FIRE スーパーOリング シールノズルは名前の通りノズル内側にOリングが付いているのですが、このOリングのサイズがArcturus HK416A5のシリンダーヘッドと合っていなかったので、Arcturus HK416A5のノズルに付いているOリングを移植しました。

左がArcturusのOリング、右がDEEP FIREのOリング
移植後

という訳で、これでシリンダー・ピストン周りの調整は完了です。
尚、タペットプレートはそのままで特に問題は無さそうだったので特に弄っていません。

今回は逆転防止ラッチの解除を行うので、タペットプレートの羽の大きさも純正のまま(セクターギアを逆回転させる事が出来る形状)にしています。

ギア周りの調整

続いて、ギア周りを組み立てていきます。
まず、MAPセクターギアに付いているセクターチップを外します。
基本的にセクターチップは付けない事が多いのですがタペットプレートとの相性が悪く、タペットプレートに強い負荷を掛けていたので外しました。

スパーギアとベベルギアはHK416A5に付いてきたギアをそのまま使います。
粉末焼結同士なので材質的な相性は良いでしょうし、ギア比も18:1なのでこの構成で問題無いでしょう。

セクターギアとスパーギアを取り付けて回してみましたが、特に問題も無さそうでした。
異なるギアを使う事で歯の角度や厚みなどの相性問題が起きている場合、この状態で回した時にスムーズに回らないので気づく事が出来ると思います。

一旦セクターギアのみ組み込みタペットプレートの引き具合やAOEの調整具合を確認。
タペットプレートの動きに問題は無く、AOEの調整もバッチリですね。

続いて、カットオフレバーの動きや跳ね上げられるタイミングの確認、カットオフレバーが元に戻るタイミングを調べてラックギアがピストンに噛み合うギリギリの位置にMAPセクターギアの調整を行いました。

カットオフレバーが跳ね上げられたタイミング
カットオフレバーが戻った位置でピストン後退状態になる

一旦この状態で動作させ、オーバーランする量を計測して再調整する感じで考えていたのでとりあえずこんな感じ。

準備が出来たので、とりあえず適当にシム調整を行いました。

この状態でグリスアップしつつ、トリガー、スイッチ、吸気系パーツも一緒に取り付けていきます。
とりあえず動作に問題が無い事は分かっている構成なので、一気に組み立ててさっさとMAPセクターギアの調整をやりたかったので、今回は一気に組み立てました。

本当、動作が担保されているセッティングは楽で良い…。
今後もこういうカスタムばかりやっていこうかな…。(そんなの続けてたらそのうち飽きそうですけど)

その後、メカボックスを組み立て、ピストンスプリングを組み込みます。
今回組み込むピストンスプリングは純正比147.8%(東京マルイ純正比約120%)の硬さの物です。

Arcturus HK416A5純正ピストンスプリング
今回組み込むスプリング

ピストンの重量UP+加速シリンダーという比較的初速を出しやすいセッティングではあるものの、ノズルをガッツリ絞ってますし、MAPセクターギアが14枚しか無いので少し硬めのスプリングを選択しました。
ただし、インナーバレルが280mmあるので硬すぎるスプリングは使いませんでした。

この状態でグリップのみ取り付け一旦動作テスト。

動かしてみた所、普通にオーバーランしました。
まあ、カットオフレバーが定位置に戻った時にピストンが限界まで後退するように調整しているので、相当強力なアクティブブレーキでも付けない限りはオーバーランしてしまうでしょうね。

どの程度オーバーランするかは分かったので、カットオフカムの位置を変更しました。
オーバーランの量から考えて2の位置位がちょうど良さそうだったので2の位置に設定しています。

尚、アクティブブレーキの無い状態のプリコッキングはギリギリを攻めすぎると元気の良いバッテリーを繋いだ時にオーバーランしてしまったり、フルオートからセミオートに切り替えた時にオーバーランしやすくなる可能性が高くなるので、少しゆとりを持たせてこの位置に決めました。

また、後々の初速調整時にスプリング交換を行ったり、暫く使っている間にスプリングがヘタってしまった際にギアがオーバーランしないようになど、色々と考える事が多いのが機械式プリコッキングの厄介な所ですね。

分割メカボックス採用している製品であればシリンダー部を外してセクターギアの調整を行う事が出来て楽(C.A.T. はテイクダウンするだけでプリコック位置を調整可能)なのですが、そうじゃない普通のメカボックスだと調整の度に全分解しないといけないですからね…。

という訳で、MAPセクターギアの位置を調整した状態で再度動作テスト。
今回は問題なく、しっかり動いてくれましたし、プリコック量もちょうど良い感じです。

レシーバーの組み立てと配線の調整

ギアの動作、セミ・フルの切り替えなど一通りの動作を確認し、問題は無さそうだったのでレシーバーに取り付けていきます。

この際、配線を調整しました。
まず、モーター側の配線が必要以上に長過ぎて邪魔だったので短くしました。
今思えば、SBDを付けても良かったですね。(そのうち付けよう)

あと、写真撮るの忘れてましたが、モーターは同社の最新モデルに搭載されているネオジムボンド磁石を使ったハイトルクモーター、ANB23Tを組み込んでいます。

という訳で、ロアレシーバーの組み立ては完了。

一旦この状態でアッパーレシーバー側と組み合わせて初速チェックを行い、こちらも問題無さそうだったのでストック側を組み立てていきます。(最終的な初速テストの結果は最後に掲載します)

ストック側に伸びるバッテリー用の配線も長かったので短くしつつコネクタをXT30に変更、ヒューズも取り付けました。
ヒューズは毎度おなじみ20Aの小型平型です。

純正コネクタはディーンズコネクタ
20Aの小型平型ヒューズを取り付け、コネクタをXT30に変更

ストックを取り付けるとこんな感じで、ストックチューブの後ろから端子とヒューズが飛び出すような感じになっています。

ストックを取り付け、バッテリーを取り付けるとこんな感じ。
バッテリーを取り付ける際はコネクタを飛び出させた状態で接続、その後コネクタをストックチューブ側に押し込む感じです。

コネクタは接続しやすいように飛び出している
バットプレートを取り付ける際にはコネクタと配線を押し込む

ストックの1ポジション目はヒューズや配線が邪魔をして使えなくなってしまいますが、2ポジション目から使う事が出来ます。

作動性と初速のチェック

という訳で、作動性と初速・発射サイクルを見ていきます。
検証に使用したBB弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾、バッテリーはSFA 7.4V 1000mAh 25C-50C LiPoバッテリーです。

セミ・フルの動作はこんな感じ。
プリコックのお陰で発射サイクルは控えめですがレスポンスはかなり高くなっています。
モーターのトルクも十分高いので、気持ちの良い動作をしてくれます。

何より発射音と重めのピストンが動く時の振動がいい感じです。
電動ガンはこういう動きと音が好みです。

初速と発射サイクルはこんな感じ。
HOPを強くしても初速はほぼ変わらず、必要以上に強くしていくと少しずつ下がっていく仕様になっています。

セミオートの初速
フルオートの初速とサイクル

ノズルを絞ると初速の上下を減らせるので、想定通りの初速にしやすいという事を最近気づいたんですよね…。
まあ、「想定どおりの初速」というのは何度も色んなセッティングで電動ガンを組んでるからこそ「想定」出来る訳なので、昔からこのノズル絞りの特性を知ってたとしても思い通りには出来なかったでしょうけど…。

ノズル絞りは慣れるとトライアンドエラーを減らす事が出来るセッティングの1つだと思います。


という訳で、Arcturus HK416A5の調整はこんな感じです。
せっかくなので、外装も何か手を加えてみようかな…。

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