エボログ

東京マルイ製LiPoバッテリーおよび周辺機器のMS•Li-Poシリーズ(バッテリー、充電器、チェッカー、セーフティバッグ)のレビュー

記事作成日:2023年5月18日

東京マルイ 次世代MP5A5と同時に発表された東京マルイ製LiPoバッテリーですが、発表から2年近い年月を経てP90+と同時に発売されました。

という訳で、発売されたMS•Li-Poシリーズを一式買ってきました。
MS•Li-Po セーフティ チャージャー、MS•Li-Po バッテリー、MS•Li-Po バッテリーチェッカー、MS•Li-Po セーフティバッグの4点です。

という訳で、これらの製品を順番に紹介していきます。

各製品の値段について

MS•Li-PoシリーズはLiPoバッテリーとその周辺機器の価格帯としてはかなり高めの価格設定となっているので二の足を踏んでいる人も少なくはないと思います。
2023年5月現在のメーカー希望小売価格は下記の通りとなっています。

  • MS•Li-Po バッテリー:7800円(税別)
  • MS•Li-Po セーフティチャージャー:12800円(税別)
  • MS•Li-Po バッテリーチェッカー:6800円(税別)
  • MS•Li-Po セーフティバッグ:7800円(税別)

全部1点ずつ揃えると35200円(税別)になります。

尚、小売店での販売価格は少し安くなり、自分が購入したエチゴヤ秋葉原店での販売価格は下記の通りでした。

  • MS•Li-Po バッテリー:7379円(税別)
  • MS•Li-Po セーフティチャージャー:12109円(税別)
  • MS•Li-Po バッテリーチェッカー:6433円(税別)
  • MS•Li-Po セーフティバッグ:7379円(税別)

ただし、製品としてのクオリティは非常に高く、とにかく安全性に全振りして誰でも安心して使える製品にしようとしている箇所が多数見受けられる製品なので、多少の値段の高さは仕方がないとも感じています。

バッテリーも既製品との互換性をあえて無くす事でM-SYSTEMやPULSシステムにより動作中のバッテリーの監視を行う事が出来るようになったというのは、業界としてかなり画期的な物だと個人的には思っています。
今後の東京マルイ製品は電動ガン側でバッテリーの監視を行う製品が主流になるのかも知れないですね。(AA12の時からその片鱗はありましたし)

セーフティーチャージャーはラジコン用などの汎用充電器と異なり複雑な操作をせずに通常充電とストレージ充電の両方を可能にしているのも、MS•Li-Poならではの仕様でしょう。

バッテリーチェッカーに関しては必須アイテムではありませんが、やはりバッテリーをより長持ちさせるには必要以上に使わない事が重要なので、電圧チェックはしたほうが良いと思います。
また、これは個人的な感覚なのですが充放電中の数値情報が見れるだけで安心感が段違いです。

セーフティバッグもここまで丁寧な製品は初めて見た気がします。
万が一発火してしまった時の事もよく考えられている製品だと思いますし、中華の耐火性能がどんなものなのかよく分からない1000円位のセーフティバッグには無い安心感があります。

全体的に割り増し分は安心感を買ってるような感じですね。
という訳で、これらの製品がどういう物なのか、どのように使うのか、安全対策はどうなってるかなどを当記事では詳しく紹介していこうと思っています。
流石に実際に発火させて検証とかはしないので、安全対策に関してはあくまで推測の域を超えませんが…。

MS•Li-Poバッテリーの紹介

まずは東京マルイのMR30コネクターを採用した電動ガン専用のバッテリーであるMS•Li-Poバッテリーから。
2023年5月現在、対応機種は東京マルイ 次世代MP5シリーズとP90+のみとなっています。

東京マルイ パーツ No.247 MS・Li-Po バッテリー 7.4V 1500mAh スタンダードタイプAmazonで購入する

内容物はこんな感じでパッケージ裏目に注意事項が書かれている他、取扱説明書も入っています。

説明書の内容も殆どが注意書きとなっています。
一般的なバッテリーの扱いに関する注意事項の他に廃棄方法についても触れられています。
東京マルイ MS•Li-PoバッテリーはJBRCに加盟している店舗に設置されているJBRC回収ボックスに入れる事で、廃棄する事が出来ます。

世の中のホビー用バッテリーは明確な廃棄方法が無く、メーカーや役所に問い合わせても明確な廃棄方法が提示されない事が多い為、ユーザー自身で各々の廃棄方法をしているケースが多いと思いますが、MS•Li-Poに関しては廃棄ボックスにて回収可能なので、安心して購入する事が可能です。

東京マルイ MS•Li-Poバッテリーの外観はこんな感じ。
バッテリーのスペックとしては電圧が7.4V、電流が1500mAh、Cレートが35Cとなっています。
「STANDARD TYPE」と記載されている事から今後、別の形状のバリエーションも出てきそうですね。

裏面には注意事項と出力、組み立てとセルの製造国、リサイクルが可能である記載が入っています。
この中のセルのスペックが記載されている箇所を見るとDC7.4V 1500mAh 11.1Wh Li-ionと記載されており、どうやらセルはLi-Po(リチウムイオンポリマー)ではなく、Li-ion(リチウムイオン)のようなのですが…『MS•Li-Po』という製品名のリチウムイオンバッテリーというのが正しかったりするのでしょうか…。
実際リサイクルマークの表記もリチウムイオンの物になっています。(リチウムイオンポリマーのリサイクルマークが別にあるのかは不明)

色んな所で「東京マルイのLiPoバッテリー」と紹介されていますし、オフィシャルサイト上でも「安全性の高いLi-Poバッテリー」と書いている事から、裏面のLi-ion表記は何なのか…。

リチウムイオンポリマーとリチウムイオンは中に使われている電解質の違いでしか無いので個人的にはどっちでも良いんですが…。
単にリサイクルマークはリチウムイオンの物しか無かっただけとかかも知れませんが、ちょっと気になりました。

MS•Li-Poバッテリーは絶縁ビニールの外側に樹脂製の保護ケースが付いており、絶縁ビニールだけの製品に比べて傷や衝撃に強くなっている印象があります。
大型なラジコンカー用のLiPoバッテリーに見られる仕様ですが、電動ガン用LiPoバッテリーとしてはこれが初では無いでしょうか。

バッテリーのサイズ(セル部分)は全長96mm程度、幅29mm程度、厚さ16mm程度となっています。

尚、東京マルイ 8.4V 1300mAh ニッケル水素バッテリーと比較すると一回り小さい事が分かります。

MS•Li-Poバッテリーからは3本の線のみが伸びており、MR30コネクタに繋がっています。
配線やバッテリーコネクタの色は黒色で統一されています。
バランスコネクターはありません。

MS•Li-Po セーフティチャージャーの紹介

MS•Li-Poバッテリーと必ずセットで購入する必要があるのはこのセーフティチャージャーです。
3端子タイプのコネクターの構造が分からない上に、一般的なLiPoバッテリー用充電器を使って充電する事が出来るのかが分からない以上、セーフティチャージャーを使用した方が良いでしょう。
茶な充電はセルの寿命を縮めたり、最悪の場合セルが破損、発火してしまう恐れがあります。

東京マルイ パーツ No.248 MS・Li-Po セーフティチャージャーAmazonで購入する

説明書は操作説明がイラスト付きで詳しく記載されています。
こちらの製品は充電器と放電機が一体型になっている物で、満充電とストレージ充電(バッテリー保管に向いている電圧にする充電方法)で充電を行う事が出来ます。

ニッケル水素バッテリー用やLiPoバッテリー用の簡易充電器みたいにコネクターを挿すだけみたいな簡単な物ではありませんが、全てオートで充電・放電が行われるので操作の難易度は高くはありません。

本体とACアダプターはこんな感じ。

MS•Li-Po セーフティチャージャー本体はこんな感じで、表面にはインジケーターLEDと充電用ボタン、ストレージ充電用ボタンがそれぞれ付いています。
裏面にはゴム足が付いており、マニュアルのQRコードが付いています。

ちなみにウェブマニュアルを表示させる事が出来るQRコードが上面と裏面両方に付いていますが、iPhone XSのカメラでは上面の方に印刷されているQRコードが小さすぎるのか認識する事が出来ませんでした。
裏面のQRコードで飛ぶ事が出来たので問題無いのですが…。

本体左側にはACアダプターを接続するコネクターが付いており、右側にはMR30コネクターが付いています。

前後は放熱用の穴が空いています。
一応ゴミが入り込みにくくなるように奥まった位置に穴が空いています。

ACアダプターはこんな感じ。
シノ・アメリカン・ジャパン株式会社製のACアダプターのようで、出力は15V/1Aとなっています。

ACアダプターをバッテリーチャージャーに接続するとこんな感じ。
ケーブルの長さは48cm程度あります。

MS•Li-Po バッテリー チェッカーの紹介

バッテリーの電圧や電流などを計測する為にバッテリーチェッカーという製品は色々な物が存在しますが、東京マルイ MS•Li-PoシリーズからもMS•Li-Po バッテリー専用のバッテリーチェッカーが販売されています。

東京マルイ パーツ No.249 MS・Li-Po バッテリーチェッカーAmazonで購入する

内容物はこんな感じで、バッテリーチェッカーと説明書。

説明書はイラスト付きで詳しく書かれています。
単体での使用方法と表示の見方、MS•Li-Po バッテリーチャージャーに接続して使う場合の使い方と表示の見方について。

MS•Li-Po バッテリー チェッカーはこんな感じ。

MS•Li-Po バッテリーチェッカーから飛び出しているMR30コネクター(メス)はMS•Li-Po セーフティチャージャーに接続する為の物で、単体使用する時用に折り畳んで収納出来るように、裏面に溝が付いています。

反対側にはオスのMR30コネクターが付いています。
ここにMS•Li-Poバッテリーを接続する事で電圧を見たりする事が出来ます。
尚、バッテリーを接続すると電圧が表示され、10秒後に自動的に消灯します。

MS•Li-Po セーフティ バッグの紹介

最後の製品紹介はMS•Li-Po セーフティバッグです。
こちらは万が一バッテリーが発火してしまった時に火災を広げない為の物で、LiPoバッテリーを使用するユーザーの必需品でもある製品になります。

東京マルイ パーツ No.250 MS・Li-Po セーフティバッグAmazonで購入する

内容物は大きなバッグと小さなバッグ、延長コネクター(MR30コネクター)、説明書となっています。

説明書にはセーフティバッグの使い方が記載されています。
大小のバッグは二重で使う事でより安全性を高めるという目的があります。
実際このタイプのバッグはバッテリーが炎上すると隙間から火が飛び出したりするので、それを大きな袋で抑える形となっているようです。

セーフティバッグのサイズはこんな感じでMS•Li-Poバッテリーと比較してもかなり大きな物である事が分かります。
炎上時にバッテリーから吹き出すガスを防ぐ為にこれだけゆとりのあるサイズが用意されているのかも知れないですね。

実際、セーフティバッグに何個もバッテリーを入れてパンパンにしたり、バッテリーサイズに対して小さいセーフティバッグを使用する事を推奨していないメーカーが殆どです。

セーフティバッグの口はベルクロテープが縫い付けられており、しっかり蓋を閉じる事が出来ますが充電時のケーブルを逃がす為の隙間が存在します。
この隙間はガス抜き穴としても機能し、セーフティバッグが膨張した際の破損を抑える事も出来ます。

バッテリーの発火によって損傷しないように、バッグは難燃性の素材で出来ています。
外側もラバーコーティングのような感じになっていますが、こちらはセーフティバッグでよく採用されている耐熱塗装だと思われます。

付属の延長ケーブルはセーフティバッグに入れたバッテリーを充電器に繋ぐ為に使用します。
長さは42cm以上あるので、二重のバッグに入れた状態でも十分にゆとりをもたせる事が出来ます。

MS•Li-Poバッテリーを充電します

という訳で、MS•Li-Poバッテリーを充電してみます。

まず、MS•Li-Poバッテリーと延長ケーブルを繋ぎ、小さい方のセーフティバッグに入れ、蓋を閉じます。

バッテリーを延長ケーブルに繋ぐ
小さいバッグに入れる
蓋を閉じる

バッテリーを入れた小さい方のセーフティバッグを大きい方のセーフティバッグの中に入れ、蓋を閉じます。
この際、セーフティバッグの口を下側にして入れます。
これで小さい方のセーフティバッグから吹き出した炎や煙、ガスが大きい方のセーフティバッグで防ぐ事が出来ます。

小さいバッグを逆にして、大きいバッグに入れる
配線を出し、蓋を閉じる

続いて、MS•Li-Po セーフティチャージャーをコンセントに繋ぎます。
コンセントに繋ぐと左端のLEDインジケーターが青色に点灯します。

MS•Li-Po セーフティチャージャーにバッテリーコネクタを繋げます。
今回はチェッカーも間に挟んでいますが、無くても充電は可能です。

この状態で『CHAGE』ボタンを押します。
ボタンを押して1、2秒後にボタン上のインジケーターが赤く点灯し、充電が開始されます。

充電器にバッテリーチェッカーを繋いだ状態で充電を行うと、バッテリーチェッカー上で充電状況を確認する事が出来ます。
現在のバッテリー電圧、経過時間、充電電流、充電容量が表示されます。
充電電流が1A前後から動かないので、1A充電で行っているようです。

充電が90%程度完了すると赤色だったインジケーターが緑色に変わります。
まだ満充電ではありませんが、十分なバッテリー電圧になったという状態がこの時点です。

インジケーターが緑色に点灯してからは充電電流が更に下がっていき、少量ずつ充電を行うようになります。

満充電になると「ピーピーピー」とビープ音が鳴ります。
電圧を確認すると8.38V、充電電流は856mAh、充電完了までに1時間4分8秒掛かりました。

新品のバッテリーは恐らくストレージ電圧になっていると思うので、電流値はカタログスペック通りのような気がします。

MS•Li-Poバッテリーをストレージ充電します

続いて、ストレージ充電を行い電圧が高い状態のMS•Li-Poバッテリーの電圧をストレージ電圧まで下げていきます。
実質放電ですね。

という訳で、P90+の動作検証で少し減って8.3VになったMS•Li-Poバッテリーを使用します。

まず、充電時と同様にLiPoセーフティバッグに入れた状態で充電器に繋ぎます。
繋いだら「STOR」ボタンを押します。
そうすると1〜2秒後にボタン上のインジケーターLEDが赤色に点灯し、ストレージ電圧への調整が開始されます。
尚、どの電圧にするか、充電するか放電するかなどはバッテリーチャージャーが自動的に判断して行う為、ユーザー側で判断する必要はありません。

ストレージ充電が開始されると、バッテリーチェッカーの画面に現在のバッテリー電圧と経過時間が表示されます。
眺めてると少しずつ電圧が下がっていくのが分かります。

尚、放電中はセーフティチャージャー本体がソコソコ発熱し、40〜50度程度の温度になります。

ストレージ充電が完了するとインジケーターが緑色に切り替わります。
バッテリーチェッカーの電圧を見ると7.75Vになっているので、ちゃんとストレージ電圧になっている事が分かります。


という訳で、MS•Li-Poシリーズ(バッテリー、充電器、チェッカー、セーフティバッグ)のレビューは以上になります。
こちらのバッテリーが使えるのは今のところ東京マルイ 次世代電動ガン MP5シリーズと、P90+のみですがそのうち変換コネクターみたいなのも作られたりするのでしょうか…。
それとも構造的に3端子を2端子に変換するのは無理だったりするのでしょうか。

その辺りが気になりますが、とりあえずこのバッテリーを他の電動ガンで使うメリットは特に無いと思うので、次世代MP5やP90+専用バッテリーとして使っていく事になりそうな気がします。

東京マルイ パーツ No.247 MS・Li-Po バッテリー 7.4V 1500mAh スタンダードタイプAmazonで購入する

東京マルイ パーツ No.248 MS・Li-Po セーフティチャージャーAmazonで購入する

東京マルイ パーツ No.249 MS・Li-Po バッテリーチェッカーAmazonで購入する

東京マルイ パーツ No.250 MS・Li-Po セーフティバッグAmazonで購入する