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ピストン重量頼りで重量弾をぶっ飛ばす検証 Part.2 限界までスプリングを短くし、加速量を増やす

記事作成日:2023年6月2日

Part1の検証では重量ピストンを組み込んだだけでしたが、今度は更にスプリングの力に頼らないセッティングにしてみる事にしました。
という訳で、まずはどこまでスプリングを短くする事が出来るのかを調べました。

まずはシリンダーヘッドを取り付けた状態でのピストン位置(最後部)に印を付けます。

続いて、シリンダーヘッドを外した状態のピストンの位置に印を付けます。

この2点の印の間の距離が「短くする事が出来るスプリングの長さ」になります。
これ以上短くするとスプリングの自由長が足りなくなります。

スプリングの線形は1.2mmなので、巻き潰しの量も考えると大体9mm位は縮めて良いかな?と思い、3巻半カットする事にしました。

スプリングをカットした所を潰し、リューターで平らに整えます。

この状態スプリングを組む事で、ピストンヘッドを付けない状態のピストンの位置が、元々ピストンヘッドを組み込んだ状態のピストンの位置と同じになりました。
スプリングの自由長が短くなったので、ピストンヘッドは飛び出さない状態になっています。

この状態で組み立て、初速を測ってみます。
結果は.20gが83m/s半ば、0.43gが55m/s後半と流石に初速は大幅に下がりました。

「初速が下がったなら加速量を増やせば良い」という訳で、加速シリンダーを伸ばす事にしてみました。
とりあえず適当に10mm位加速量を増やしてみます。
シリンダー容量はまだ足りてるハズです。

センターポンチで印付け
ドリルで穴あけ、バリ取り

結果、初速は変わらず。(0.20gでの計測のみ)

じゃあ、もう1つ穴を増やしてもう10mm加速量を増やしたらどうなるのか?と思い試してみた所初速がかなり不安定になりました。
発射音もおかしく、明らかにシリンダー容量が足りなくなったようです。

まあ、ここまでは想定内。
VSR-ONEにおけるシリンダー容量の限界が分かったので純正ピストンに付いているエアブレーキを切り飛ばしました。
これでシリンダー容量が増えるので初速が上がるはず。

この状態で初速を測ったら87m/s後半まで上がりました。
安定もしてるのでこれでOK。

実験用にシリンダーにあけた穴をつなげ、バリ取りを行いました。
尚、加速穴の先端とシリンダーヘッドの間は約38mmしかありません

最後にグリスを塗布するのですが今回のセッティングだと粘度の高いグリスだと加速を高める事が出来ないので、低粘度の物(G.A.W. G-LUBE)を使いました。

これで完成。
加速穴を長くしたので、ピストンが半分以上見えてる状態という異常さがあります。

しばらく動かしていた所、ピストンの動きが渋くなったので確認してみた所、鉛がズレていました。
エアダンパーを外した事でピストン打撃時の衝撃が大きくなった事が原因でしょう。

という訳で、再度鉛を巻いて、ズレ防止の為にステンレスワイヤーを巻きました。

また、前回巻いた時よりも鉛の量を増やしてみたので、重量が123gになりました。

暫く慣らし運転をして鉛の変形が起きなくなった為、初速を測ってみた所、0.20gでの初速は90m/s後半〜91m/s前半、0.43gでの初速は61m/s前半といった感じになりました。
スプリングを柔らかくしたのに元々の状態よりも初速が上がったのは加速量を増やした事が大きな要因でしょう。
多分ここまでピストンを重くしたら重量の差の変化はあまり無いような気がします…。

という訳で、柔らかくなったスプリングを加速量で補う調整が出来ました。

撃ってみた感想

先日ゲームに行った時にシューティングレンジで撃ってきました。
場所はヘッドショットのシューティングレンジで、最奥のターゲットが45mになります。

こんな感じで、シリンダー容量をかなり減らし、ピストンスプリングも相当柔らかくしましたが全然しっかり飛ばせました。

ただし、問題もありました。
ピストンの加速量を増やした影響でBB弾の発射タイミングが大幅に遅くなり、リコイルが生まれる後にBB弾が銃口から飛び出す仕様になってしまいました。

スローモーションで撮影した動画をGIFにしてみました。(トリガーを引いた瞬間を1フレーム目にしています)
このように銃本体が大きくブレてからBB弾が飛び出します。

トリガーを引いてシアーが落ちた瞬間と銃口からBB弾が飛び出した瞬間を比べるとこれだけズレています。
流石123gのリコイル。
これは当たる物も当たらない…。

まあ、今回は当てる銃を作ってる訳ではないので別に良いんですが。

という訳で、次(Part3)ではまた変な事を試してみる予定です。