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ARCHWICK B&T Air SPR300 PROの分解レビュー(バレル、シリンダー、ストック、トリガー、マガジン)

記事作成日:2023年6月7日

先日開封レビューとグルーピング検証を行ったARCHWICK B&T Air SPR300 PROを分解していきます。

というわけで、まずは組み立て前の状態(開封時点)まで戻します。

ARCHWICK B&T Air SPR300 PROはこの状態から組み立てる必要があるので、ここまでの分解方法については割愛します。

このように分解された状態でパッケージに収められている

という訳で、ここから各パーツを分解していきます。

バレル周りの分解

まずはアウターバレルの外側に付いているHOP調節ダイヤルを外します。
こちらはTDC方式と呼ばれる物で、一般的なVSR10でもアウターバレルを加工する事で実装可能なHOPアーム垂直押し機構です。
また、チャンバーを固定しているネジも外しておきます。

マズル側の蓋を外します。
開封時点では穴の空いた筒しか確認出来なかったので、内部構造がどうなっているのか分からなかったのですが、どうやら消音材(輪切りのスポンジ)が巻かれていたようです。
かなり独特な蓋ですね。

奥まった所にインナーバレルとバレルスペーサーが確認出来ます。

チャンバーASSYとバレルスペーサーをアウターバレルから外しました。
やはりインナーバレルはアウターバレルの長さに対して短い物が組み込まれていますね。

バレルスペーサーはかなり薄い物が組み込まれており、外側にOリングが付いています。
尚、スペーサーの外径は26mmと、一般的なVSR10 Gスペック用のスペーサーよりも1mmほど小さいサイズになっています。

チャンバーASSYはこんな感じ。
チャンバーは赤色のアルマイトが施されているアルミ削り出し、インナーバレルは真鍮製です。

HOPアジャスターはクッションゴムと一体になっています。
前後左右のズレを防止する事が出来る、T字型の物が組み込まれています。

このような感じで、チャンバーに付いている溝にピッタリはまり、HOPアームの押し込みにより上下にのみ移動します。

チャンバーの左右に溝が付いている
HOPアジャスターが溝にはまる

クッションゴム一体型HOPアジャスターはこんな感じでシンプルなかまぼこ型の突起形状で、硬度60度か70度位な感じのゴムです。
個人的にはアジャスター部分は樹脂とかで作ってもらえた方が色々と遊びが増えて良いのですが…。

HOPチャンバー左右のイモネジを緩めてインナーバレルを引っこ抜きます。
この固定方法はARCHWICK MK13も同様でしたし、PDIやActionArmy、TTIなど似た構造を採用しているHOPチャンバーが色々出ています。

HOPチャンバーにはシリンダーヘッドとのクリアランスを埋めつつピストンの衝撃をチャンバーに直に伝えないようにする為のゴムが付いています。

BB弾の逆流を防止する為のストッパーはアルミ製。
斜め上からスプリングテンションで飛び出しており、ノズルが差し込まれると引っ込む仕様です。

HOPパッキンは半透明の白色で恐らくシリコン製
かなり長い2点掛け仕様で、ARCHWICK MK13に組み込まれているのと同じだと思われます。

インナーバレルはこんな感じで、一般的なGBB用の物が組み込まれています。
HOP窓形状や溝の位置的にVSR10用の形状にはなっていませんが、このチャンバーは溝を使わずにイモネジで固定するタイプなのでインナーバレルを交換する場合、VSR10用でもGBB用でも大丈夫です。

バレル長は300mm
VSR10 Gスペックのバレル長が303mmなのでほぼ同じ長さですね。

シリンダー・ボルトの分解

続いて、シリンダー周りを分解していきます。
開封レビューでも軽く紹介しましたが、分解レビューではもう少し詳しく見ていきます。

まずはシリンダーヘッドを外します。
シリンダーヘッドはモンキーレンチを使って外す事が出来ます。

尚、シリンダーはVSR10用の物よりも一回り太く、26.5mmもあるのでシリンダーも専用品ですね(VSR10のシリンダー外径は24mm)。
もちろん内径も大きくなっている為、ボアアップシリンダーと言って良いでしょう。

シリンダーヘッドの内側はピストンヘッドの形状と合わせた滑らかなテーパーが掛かっています。

ピストンは中央がアルミ、シアーが引っかかる部分がスチール、ピストンヘッドがカップ型のゴムで出来ています。
重量は55gと程よい重さになっています。

尚、シリンダーが太いという事はピストンも太い(外径24mm)です。
という訳で、これもVSR10非互換のSPR300専用品ですね。

ピストンヘッドはこんな感じで、中央にスチールの芯が付いています。
エアダンパーにしてはだいぶ短いですが、これも消音に貢献しているのでしょうか。
それとも単にカップピストンの歪みを防ぐ為に付いているだけかもしれません。

ピストンを分解しました。
内側にナットが付いていたのでこれを外したらシリンダーヘッドの芯を外せるかと思ったのですが、接着もされているようで簡単には外せそうに無かったので、ナットを外しただけになりました。

スプリングガイドとピストンスプリングはこんな感じ。
スプリングガイドはスラストベアリングが付きのシャフト9mm
ピストンスプリングは外径12mmと、太径仕様になっているでピストンスプリングを交換しようと思っている場合は注意が必要です。
APS系のピストンスプリングが使えそうですね。

ボルトハンドル周りも分解してみます。
下部の六角穴付きボルトを外す事でボルトハンドルを外す事が出来ます。

ストック側の分解

続いてストックを分解していきます。


まず、グリップを取り外します。
グリップを固定しているネジはグリップ内側に付いています。

尚、グリップ取付部はAR15系のように見えますが厚みが12.7mmもあるので専用品ですね。

ストックからレシーバーを分離させます。
トリガーガードの内側に付いているネジを外して、上に引っ張るだけです。

レシーバーについては後で見ていきます。

ストックからバットプレートを外します。
バットプレートを外すとストックを基部側とバットプレート側に分離させる事が可能です。

尚、開封レビュー時点で紹介を忘れていたのですが、バットプレートを外す事でストックを伸縮させる事が出来ます。
一番短い状態で約23cm、長い状態で約29cmになります。
ワンタッチで長さを調整出来るわけでは無いですが、チークピースの高さ調整と合わせて調整すると良いと思います。

開封レビュー時点では気づいていなかった要素ですが、ストックの折りたたみ部にスポンジが両面テープで貼り付けられていました。
ストックを折り畳んだ時にしっかりロックさせつつレシーバーに傷がつかないようにする為の物だとは思いますが、テープの粘着面がガッツリはみ出してるのでちょっと汚いです。

ヒンジ部のネジを外し、ストックと基部を分離させます。
ストックには折りたたみ時の滑りを良くする為のPOMっぽい材質の物が埋め込まれていました。

続いて、ストック基部の下側に付いているネジを外し、QDスイベルホールを固定しているネジも外してQDスイベルホールを外します。
これで基部を取り外す事が出来ます。

ストック基部はこんな感じ。
どことなくAKのストック基部に形が似ていますが、まあ別物でしょうね。

マガジンキャッチボタンはボタンを押しながらマガジンキャッチを90度回転させる事で外す事が出来ます。
AR15みたいにくるくる回さなくて良いので楽ですね。

続いて、ストック底部に付いているネジを外して給弾ルートを外します。

マガジンから流れてきた弾がこのパーツを通り、VSR10のマガジン型給弾ルートを通ってチャンバーに流れていきます。

レシーバーとトリガーの分解

先程ストックから外したレシーバーを分解していきます。

まずはトリガーASSY前後に付いているネジを外してレシーバーからトリガーASSYを分離させます。

トリガーASSYはこんな感じ。
少し後ろ側に沿っている90度シアーが特徴です。

トリガーは引き代やシアーの開放タイミングを調整する事は出来ませんが、引き始めの位置を調整する事が出来るのでトリガーフィーリングに関しては多少改善する事が出来そうです。

側面のネジを外して中身を見ていきます。

シアー周りはこんな感じで、1stシアー、2ndシアー、トリガーの3つの要素から構成されています。
この構造は昔からというかActionArmy製にそっくりというか、PDI ゼロトリガーの構造にそっくりです。
グリスは多少塗布されている程度。

1stシアー、2ndシアー、トリガーはそれぞれこんな感じ。

レシーバー上部のレールはネジ4本で固定されています。
外しても特に意味は無いです。

シリンダー内側にはガイドリングが前後に1個ずつ付いており、外したかったのですがPOMみたいな弾性と強度のある素材では無さそうな半透明のプラスチックでしならせるのが怖かったので外すのはやめときました。
VSR10のガイドリングが使えるなら壊しても痛く無いんですが…。

ガイドリングが付いている
ガイドリングには回転止めも付いており、レシーバーに引っかかっている

マガジンの分解

最後にマガジンを分解していきます。

まず、マガジンバンパーに付いているネジを外し、マガジンバンパー・インナー・アウターに分離させます。

マガジンインナーに付いているスプリングガイドを外します。
スプリングガイドを外さずにマガジンを分解するとスプリングが爆発し、一緒にパーツが吹き飛ぶ可能性があるので先に抜いておいた方が良いです。
スプリングガイド、フォロワートップはともにマガジンバンパーと同じFDEカラーになっています。

インナーマガジンに付いているネジ(タップネジ)を5本外し、内側のパーツをはずしてみました。
マグネットもハマってるだけなので、外せます。


という訳で、ARCHWICK B&T Air SPR300 PROの分解レビューは以上になります。
VSR10準拠と紹介されている当製品ですが、ほぼ専用パーツですね。

外装はもちろん、チャンバーはTDC方式の独自仕様で同じVSR10用のTDCチャンバーでも使えるかどうかは怪しいです。
バレル・HOPパッキンは一般的な汎用品なので使えそうです。
シリンダー・ピストン周りは完全専用品、ピストンスプリングは太径タイプなのでVSR10の太径スプリングやAPS2系の物が流用出来そうです。

あれこれカスタムパーツを組んで遊ぶ事は出来そうに無いものの、最初から高級カスタムパーツが組み込まれているような構成なので、無理にパーツを変更する必要も無いと思いますが、色々弄りたい人は注意が必要です。

現状、確実に無加工で組める事が分かる社外パーツはピストンスプリング(スプリングガイドもいけるかも?)とHOPパッキン、インナーバレル位ではないかと思われます。

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