
マルシン SIG P210-6の延長ノズルパーツを作成、BB弾保持位置の問題を多少マシにしました
記事作成日:2023年6月12日
以前、シューティングレンジで撃ってきたマルシン SIG P210-6ですが、やはりノズル長の問題と思われる弾道の荒れが確認出来たので、ノズル延長を行う事にしました。

元の設計が8mm用なのでこれに関しては仕方がないでしょうけど、ブローバックエンジンを調整するついでにノズルのサイズも何とか出来なかったものか…とは思います。
という訳で、問題のSIG P210-6のノズルはこちら。
元が8mmBB弾用という事もあって6mmBB弾で使うには適さない、非常に太いノズルとなっておりHOPパッキン側で6mmBB弾用に絞られている構造になっています。
このノズルの良くない点はノズルが太いだけではなく内径も広い為BB弾がノズルに半分近くハマってしまう点です。


更にHOPパッキンに口部分が絞られているので、装填されたBB弾はHOPパッキンの入り口付近で停止してしまい、スーパー躓きHOP状態になる上に口の部分の抵抗の影響を受けてBB弾に変な回転が掛かってしまいます。

この問題を解決する為にはまずノズルを限界まで伸ばしてBB弾をより奥まで押し込む事が出来るようにしようと考えました。
構造的に適切なノズル長にするのは色々と加工が必要そうで非常に困難だったので、あくまで少しでもマシになるように調整する感じです。
R-HOPやR-HOP風パッキンとか組めたら楽なんでしょうけど…。

という訳で、まずはどの程度ノズルを延長する事が出来るかを調べます。
ガスブローバック銃のノズル延長は電動ガン以上にシビアで、BB弾を給弾するのに使われるガイドとスロープの角度、HOPパッキンの口の形状など色々な要素を気にしてあげる必要があります。

ざっくり2〜3mm位なら色々な所の加工をせずにノズル延長が出来そうだったのでとりあえずこのような試作品を作り試してみました。


すべて試した所、4mmでは給弾不良が発生、2mmでは若干長さが足りずHOPパッキン入り口部分の引っかかりを回避する事が出来ませんでした。
その為、給弾の影響も無く、HOPパッキン入り口部分の引っかかりを回避する事が出来た3mmのノズルを採用する事にしました。
尚、4mmのノズルを組み込んでもドンピシャなノズル長にはなりませんでした。
マルシン SIG P210-6 GBB 6mmBB弾モデル専用 延長ノズルを購入するhttps://evolutor.booth.pm/items/4848638
こちらの延長ノズルは純正ノズルの内径に対してドンピシャな寸法にしているので圧入するだけです。
抜く場合はノズルを破損させる前提でラジオペンチを使って引き抜くか、一旦ローディングノズルを分解して内側からピンポンチなどを使って叩き出す必要があります。

実用レベルの強度を確保する為にノズルの内径は3.20mmまで絞っています。
流量が減るので初速は若干下がってしまいますが、それの影響で停止弾位置を僅かにでも前に持っていく事が出来るようになっています。


組み立てるとこんな感じ。
スロープを登っていくBB弾とノズルの位置関係が、若干BB弾よりもノズルの方が前に出てしまっているのですが、これでも一応給弾されました。
本当にギリギリな長さである事が分かると思います。



また、この延長ノズルを組み込む事によりHOPの突起とノズルとのクリアランスが3mm程度まで縮まりました。
3mmというクリアランスはかなり大きいのですが、これ以上詰めようとするとローディングノズルとチャンバー側の加工も必要になってくるので、一旦はこれで収めておきます。
これで良くなれば良い訳ですし…。

初速はこんな感じでノズルを絞っている分少しだけ初速が下がりました。


マガジン温度を上げるとこんな感じ。


動作の様子はこんな感じ。
記事を書いている時点では動作検証で色々な温度、BB弾を使って500発近く撃っていますが全く消耗していませんし抜ける気配も感じられません。
マルシン SIG P210の延長ノズルちょい調整。
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) April 30, 2023
3Dプリントパーツの圧入ですが、強度的な問題も無さそうです。 pic.twitter.com/ceZJ7jymGm
また、弾づまりを起こしてもノズルが破損する事はありませんでした。
ちなみにこれはまだ十分な検証が出来ていませんがパイノズルタイプも作っています。
これはノズル内径を4mmまで広くしているので初速低下を少しだけ抑える事が出来ているのですが、破損の可能性が高いので現状試作止まりです。
レジンではなくナイロンで出力すれば強度も出るのですが…。

また先日、サバイバルゲーム(ヘッドショット)に行ってきた時にシューティングレンジで撃ってきました。


20m先のターゲットに合わせて狙った時のグルーピングは概ねこんな感じになりました。
以前あった致命的なドロップ弾道やフライヤーなどは連射時にガス圧が低下した時以外は起きなくなり、写真赤丸の範囲に概ね収まる感じでした。


とは言え、命中精度は現行のガスハンドガンと比較すると全然良くは無いですね…。
明らかにHOP-UPの回転が原因であると思われる変な弾道がたまに出ます。
まあ、マルシン P210に関しては安定して動くようになっただけでも万々歳なので個人的には全然良いんですけど…。
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