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WELL PRO マイクロミニガンの分解レビュー

記事作成日:2023年7月12日

先日、ミリタリーショップ H.T.G.様よりお送り頂き開封レビュー記事を投稿したWELL PRO マイクロミニガンを分解していきます。

という訳で、まずはバレル周りから外していきます。

まずはマズルカバーを外し、内側に付いているOリングを外します。
そうすると5本のバレルを束ねているパーツを外す事が出来ます。

続いて、ハンドガードの周囲に付いているネジを4本外します。
これでハンドガードを取り外す事が出来ます。

続いて5本のバレルの中央に6mmの六角穴付きボルトが付いているので、これを外す必要があるのですが、このボルトを外すにはかなりシャフトの長いドライバー(長さ20cm以上)が必要になります。

5本のバレルの中央にボルトが付いている

アウターバレルの取り外しについて

ボルトを外すとバレルと給弾ルートのパーツがごっそり抜けます。
また、ピストンやノズルを動かしつつ給弾ルートにもなっているパーツも一緒に外す事が出来るのですが、これはバレル周りを分解した後に見ていきます。

という訳で、給弾口はこんな感じ。
オレンジ色のパーツによって2重給弾を防止し、正確に1発ずつ弾をチャンバーに送る事が出来る構造になっているようです。

給弾ルート部を引っ張るとインナーバレルとチャンバーをアウターバレルから分離させる事が出来ます。

給弾ルート部に付いているHOP調節のイモネジを外す事で、チャンバーを取り外す事が出来ます。

インナーバレル・チャンバーについて

インナーバレルとチャンバーはこんな感じ。
かなり変わった見た目の樹脂製チャンバーが付いており、HOPクッションとしてゴムチューブが縦方向に入っているようです。

精度を求めるような製品では無いので、とりあえずHOPの突起が出ればOKって考えなんでしょう。
イモネジ直押しじゃないだけマシですね。

尚、HOPの口はこんな感じで電動ガン用HOPパッキンと異なり口が肉厚でGBB用パッキンのように開いています。

チャンバー下部に付いているバレルクリップを外す事で、インナーバレル、チャンバー、HOPパッキンを分離させる事が出来ます。
尚、チャンバーにはガタ取り用の真鍮リングも付いていました。

HOPパッキンはこんな感じで一見電動ガン用の物によく似ていますが、先述の通り口の部分の形状が特殊なのと全体的にちょっと肉厚なので、社外製HOPパッキンを組み込む場合は相性問題が起きないか念入りなチェックが必要で、場合によっては加工が必要になるかも知れないです。
HOPの突起はシンプルな東京マルイ形状で、硬度は60度程度のような感じです。

昔どこかのメーカーからこれと似たような形状のHOPパッキンが電動ガン用として出ているのを見たことがあったのですが…どこだっけ…。

インナーバレルの長さは226mm。
真鍮製でHOP窓の形状はシンプルな四角形です。

とりあえず5本全てを分解してみましたが、HOPパッキンの個体差はそれなりにあるようで、物によって厚みが若干違っていました

まあ、精度を求めるような製品でも無いのでとりあえずちゃんとHOPが掛かって弾が飛べば良いと思えば多少の個体差には目を瞑る必要があるのかも知れないです。

尚、バレルやHOPパッキン内部には結構グリスが付着していたので、そのまま使っていると弾道に影響を及ぼしそうな印象がありました。

キャリングハンドルとモーターの取り外しについて

キャリングハンドルを固定しているネジを4本(前2本、後ろ2本)を外す事でキャリングハンドルを取り外す事が出来ます。

キャリングハンドルを取り外したらモーターを取り出す事が出来ます。
モーターは一般的な電動ガン用のショートモーターのようです。

ラベルも何も貼られていない、青色のモーターでピニオンギアはD型。
ピニオンギアの消耗を見るにベベルギアとの当たりは良く無さそうな印象。
尚、シャフトを指で回してみた所、全然トルクが無さそうだったのですがそれでも7.4Vで秒間24発、11.1Vで秒間38発も出せるのは5本バレルの恩恵でしょう。

モーター収納スペースの奥の方にはモーター用のスプリングとベベルギアを確認する事が出来ます。

駆動系パーツについて

続いて、ピストンを動かすためのパーツを外します。
こちらはバレルを取り外した時に一緒に外れるパーツになります。

このパーツ自体は外装に固定されているので動くパーツでは無いです。
後ろ側に付いている斜めのスロープに回転してくるピストンがぶつかり、ピストンを動かしたり、内側のスロープにノズルがぶつかり、ノズルを動かしたりする感じですね。

ピストンを動かす為の構造
ノズルを動かす為の構造

給弾ルート上にはローラー付きのパーツが付いていました。

メカボックスの取り外しについて

本体側を見るとノズルを確認する事が出来ます。
これがメカボックスです。

これを外すにはグリップ側に付いている4本のネジを外します。
そうするとフレームからメカボックスを分離させる事が出来ます。

WELL PRO マイクロミニガンのメカボックスがこちら。
見て分かる通り、100%専用品です。

もっとも、今までのパーツも既製品との互換性はほぼ無く、唯一インナーバレルが電動ガン用の物を流用できそうだなといった程度ですからね…。

また、外に漏れるくらいにべっとりグリスが付着しています。

後部にはモーターの回転を連動させる為のギアが付いています。

ピストンはこんな感じで、各ピストンにボールベアリングが付いており、ピストンが回転しながら先程紹介したピストンを動かす為のパーツとぶつかる事でピストンが後退、限界まで来たら開放されるという構造になっています。

構造上どこかしらのピストンは後退した状態で停止する事になるので、全てのスプリングを無負荷な状態で保存する事は出来無さそうです。
スプリングが圧縮されたまま放置されるとヘタリ具合のバランスが狂ってきて良くないので、定期的に動かしてあげた方が良いでしょう。

後退途中のピストン
前進状態のピストンとちょっと引かれているだけのピストン

ノズルはこんな感じで、こちらにもボールベアリングが付いています。
これもメカボックスの回転によってノズルを動かす為のパーツで、普通の電動ガンで言う所のタペットプレート的なパーツになります。

メカボックス内部の分解について

ノズルは引っ張るとメカボックスから外す事が可能で、そのままノズルを取り外す事が出来ます。

尚、ノズルの内側にはシーリング用のOリングが付いています。

続いて、メカボックス後部についているギア周りを外していきます。
まず、ギアのカバーというか軸受部を外します。
そうすると、ベベルギアとスパーギアが確認出来ます。

共に非常にユニークな形状をしており、ベベルギアには逆転防止ラッチも付いています(4枚ラッチ)。

続いて、シリンダーヘッド側の蓋を外します。
5本のネジを外す事で、シリンダーヘッド側のパーツを外す事が出来ます。

これでスプリングガイド、ピストンスプリング、ピストン、シリンダー、シリンダーヘッドを取り外す事が出来ます。

シリンダーヘッドはこんな感じで樹脂パーツに真鍮ノズルが付いています。
構造的にはよくある電動ガンのそれですが、形状、サイズ全てに置いて専用品です。

シリンダーは5つのシリンダーが一体になっている物。
加速穴がそれぞれのシリンダーに開けられている、加速シリンダーになっています。

ピストンはこんな感じで後方吸気の樹脂製ピストンヘッドが付いています。
吸気穴は6箇所。

ピストンヘッドのOリングのサイズは直径約20mm。
かなり小さいサイズのOリングです。

側面のレール部にはグリスだまりを兼ねているのか窪みが設けられています。

ピストン後部のボールベアリングはこんな感じ。
ボールベアリング取付基部は若干他の箇所よりも肉厚にはなっていますが、ここに全負荷が掛かる事を考えるとこのパーツ構成で大丈夫なのか、少し不安になってきます。

とは言え、ピストンをアルミなど強度の高い材質にすると今度は別の所に影響が出そうでそれもそれで良く無さそうでもあります。
とりあえず長い間使ってみないとなんとも言えないですね…。

ピストンスプリングもピストンに合わせて細めで、外形は11.2mmほど。
長さは133mmほどでした。

グリップ側の分解

最後にグリップ側を分解していきます。
とは言え、ここでの分解はトリガー用の基板を外すだけです。

WELL PRO マイクロミニガンにはこのような基板が付いており、トリガーはマイクロスイッチに連動しています。
また、リモートスイッチ用のコネクタもこの基板に付いています。

トリガーを引いていない状態
トリガーを引いた状態(マイクロスイッチが押されている状態)

基板を固定しているネジは4本。
基板から伸びている配線は太いほうがバッテリーコネクタ、細い方がモーターピンに繋がっています。

基板はこんな感じ。
FETやらダイオードやらICやら色々付いているので何かしらの制御をしている感じです。

ちなみに、セーフティレバーは物理的にトリガーを動かせなくさせているだけで電子的な制御は行われてい無さそうでした。

マガジン側の分解について

最後にマガジンの分解もやっていきます。
メンテナンスで必要になるかも知れないので一応紹介しておきます。

まず、ギアが付いている側の蓋を開きます。

続いて、外側についている大きなギアを外し、内側についている小さなギアを固定しているパーツも外します。

最後に内側についている小さなギアも外そうと思ったのですが、どうやら中央のネジを回そうとするとマガジン内部に付いているファンの形をした給弾用パーツが回転してしまい、ネジを外す事が出来ませんでした。
このギアを外すにはどうにかこうにかしてファンが回らないように抑えながら回す必要がありそうです。

残念ながら、マガジンの分解は一旦ここまでです…。
正直ファンを無理やり抑えた結果壊してしまわないか不安だったので、これ以上は分解しない事にしました。


という訳で、WELL PRO マイクロミニガンの分解レビューは以上になります。
正直独自パーツが多すぎて出来る事がほぼ無いのですが、分解していて中々面白かったです。
「こんな構造になっていたのか〜」と思う箇所も多々ありましたしね。

今まで触れた事の無かったジャンルの製品なだけあって、新しい発見が色々とありました。

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