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単眼ナイトビジョン、G14の分解レビュー(増倍管無し、軽量レンズ、BNVD1431ハウジング)

記事作成日:2023年11月30日

先日、光電子増倍管が入っていない状態のG14を中古で購入し、レビュー記事を書きましたが増倍管を入れる前に一通り分解しておこうと思い、とりあえずバラす事にしました。

という訳で、まずは接眼レンズを外します。
接眼レンズはレンズを固定しているナットを緩めた後、レンズを回すと楽に外せます。

続いて、内側に入っているナットとライトパイプを外します。

続いて、ハウジングを外します。
ハウジングは4箇所のネジを外す事で取り外す事が出来ます。

最後に対物レンズを内側から固定しているナットを外し、対物レンズを外します。

これで一通りのパーツを外す事が出来ました。

G14はロットによって微妙に仕様が変わっており、特にレンズに関してはロット差や販売元による差が結構大きく出るポイントなのでどこまで参考になるかは分かりませんが、とりあえず紹介してみます。

基本的には「716」と刻印が入ったハウジングが付いている製品をG14と呼称している感じです。

各パーツの細部の紹介

それでは対物レンズ側から順番にパーツの細部を見ていきます。

対物レンズと固定用のナットはこんな感じ。

対物レンズの重量は44g。

レンズコーティングは外側も内側も青色〜紫色系の物が施されていますが、Carsonレンズに比べると色味がちょっと薄いです。(Carsonレンズもロット差によるコーティングの違いがあるみたいですが…)

フォーカス調整用のツマミのセレーションが非常に特徴的な見た目になっています。

フォーカス調整用のネジはこんな感じ。
また、気密保持とガタツキ防止の為のOリングはシリコン製でした。

リテイニングリングは樹脂製で結構ダメージが入っています。
こちらのパーツは対物レンズのフォーカスを固定させる(一定以上動かないようにする)為に使う他、クリップオンサーマル(COTI)やマウントベース・NVGマウントの固定にも使われたりするパーツです。
一般的なG14ではハウジングと同様の3Dプリントで作られており、こちらはBNVD1431用の物のような気がします。

対物レンズ用のストッパーリングはアルミ製。
このパーツは対物レンズをポッドに固定する役割があるパーツです。

ポッドはこんな感じ。
成形樹脂で出来ており、パーティングラインやゲート跡が残っています。
ハウジングを固定する為のネジ穴には補強用に真鍮インサートが埋め込まれています。

中はこんな感じで、接眼レンズ取り付け用のネジや光電子増倍管を固定する為のナット用のネジが切られています。

また、光電子増倍管を定位置に固定する為の突起が確認出来ました。
この突起に増倍管が引っかかり、変な方向に回転しないようになっています。

ハウジング・バッテリーケースはこんな感じで、G14と言えばこのハウジングって感じですね。
716と記載されており、G14という名前で呼ばれる前はBNVD1431にちなんでBNVD716や単に716と呼ばれていた気がします。

ネジや通電部、ゴムパーツなど以外の主要部品は全て3Dプリントで出来ているのが特徴です。

基板はこんな感じ。
基板に関しては取り外していないので裏面は分かりませんが、見る限り非常にシンプルな回路で光電子増倍管に接続される端子やLED、コンデンサなどが確認出来ますがパーツ点数はかなり少ないです。
尚、増倍管に接続される端子はプランジャーのような構造になっており、端子の先端を押すと引っ込みます。

尚、IR点灯状態を示す為のLEDはこんな感じで、IRライト点灯時に赤く光ります。

ハウジングとポッドの間にはパッキン的なパーツが付いているのですが、これも3Dプリントで出来ていました。
多少の弾性があるので多分TPUとかでしょう。

3Dプリントで出来ていますが、Jアームを取り付けたりするのに使う部分のネジ穴はイリサートによって補強されています。

脱落防止用のリングも付いていますが、ここも3Dプリントで出来ています。

ボタンはゴムで出来ており、IR点灯/消灯、電源ON/OFFのトグルスイッチになっています。
ゴムは非常に柔らかく、薄いゴムシートを押しているような感触があり、深く押すとカチカチとしたクリック感のあるスイッチが押されます。

G14に使用するバッテリーはICR10440という単4電池位のサイズの3.7V リチウムイオン電池で、バッテリースペースに入れるとこんな感じになります。

キャップはこんな感じでこちらも3Dプリントで出来ています。
キャップの内側には接点としてワッシャー的な物とネジが付いています。

蓋を閉めるとこんな感じ。

最後に接眼レンズ側です。

一番大きなこちらのナットは樹脂で出来ており、ポッドに取り付け接眼レンズを固定させる為の物になります。

続いてポッドの内側に入れるパーツですが、こういう透明のリングもあります。
これはIRランプの光を接眼レンズ越しに見えるようにする為のパーツで、IRライト点灯時に光るランプはこの透明のパーツに反射して視界内に映り込みます。

この透明のリングと光電子増倍管をポッドに固定する為のナットはこのようなアルミ製です。
尚、現行のG14はこのリングも3Dプリント製になっています。

接眼レンズはこんな感じで、視度調整用のピッチの大きなネジ山が付いています。
レンズは両面とも緑色のコーティングが施されています。

視度調整ノブはこんな感じで内側には接眼レンズを動かす為のネジ山が付いています。

視度調整ノブに接眼レンズを取り付け、視度調整ノブを回した時の様子はこんな感じ。
このようにレンズが前後に動く事で視度を調整します。

尚、接眼レンズ単体の重量は40g。
視度調整ノブを付けた状態で51gでした。

という訳で、今回中古で購入したG14の分解レビューは以上になります。

後日、増倍管を入れてまた記事にしようと思います。