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東京マルイ G17 Gen5 MOSの分解レビュー(バレル・ブリーチ・ハンマー・トリガーなど一通り)

記事作成日:2023年12月21日

先日レビュー記事を投稿した東京マルイ製ガスブローバックハンドガン、G17 Gen5 MOSを分解していきます。

という訳で、まずはスライドを取り外してリコイルスプリングとバレルを取り外しておきます。
ここまでは取扱説明書に記載している手順で分解する事が出来るので割愛します。

バレル周りの分解

まずはバレルを分解していきます。
G17 Gen5 MOSのバレルはエジェクションポートからHOP調節が出来るようになったGlock 19 Gen3以降の製品とよく似ていますが、形状は異なっておりほぼ全てが専用品なので注意が必要です。

HOPダイヤル周りはこんな感じ。
このレイアウトはGlock 19 Gen3以降の同社製品で共通ですね。

引っ張ればインナーバレルを取り外す事が出来ます。

チャンバーはこんな感じ。
HOPアームは最近の同社製ハンドガンでよく採用されている傾きを抑制する構造になっている幅広アームです。

チャンバーを分解するにはまずHOPダイヤルを取り外します。
従来のGlockシリーズのHOPダイヤルは外さなくてもチャンバーの分解が出来ましたが、G17 Gen5ではHOPダイヤルを外さないとネジにアクセス出来ないので、分解する必要があります。

HOPアームはこんな感じ。
このHOPアーム、本当に優秀な構造なんですよねぇ…。

インナーバレル、HOPパッキンなどは従来の物と同じです。
HOP窓は深く削られており深いR面取りが施されているタイプ、HOPパッキンの凸はシンプルな形状。

それにしてもHOPパッキンは相変わらず結構ボロボロというかガタガタですね…補修パーツで新品を買ってもこんな感じの個体があるのでもう金型限界なんじゃ…。

リコイルスプリングの分解

つづいて、リコイルスプリングを分解していきます。
Glock17 Gen4の時も二重スプリング+ゴムダンパーが付いていましたが、G17 Gen5 MOSでは更にダンパーが強化されており、2重スプリング+樹脂カラー+ゴムダンパー2個という構成になっています。

分解するにはゴムダンパーが付いている側を引っ込めます。
そうするとシャフトを分割させる事が出来るので、ダンパーやスプリングなどを取り外す事が出来ます。

スプリングやダンパーなどはこんな感じ。
ゴムダンパーは間にステンレスのワッシャーが挟まっている構造になっているのは、ゴム圧縮時の歪みを抑える為のワッシャーでしょうか。

スライドについて

続いて、スライド側を見ていきます。
G17 Gen5 MOSのスライドはパーカライジングっぽい感じの色味で細かな粒子の表現もされている為樹脂スライドとは思えない重厚感ががあるのが最大の特徴です。

また、今回新規採用された『高耐久カーボン入り樹脂製スライド』によってスライドの内側(塗装されていない部分)を見るとファイバー樹脂のような繊維質な模様が確認出来ます。

スライド前側には『スライドインサート』という名前のダイカスト製のパーツ(補強用に入っている?)が付いているのですが、これはスライドに嵌め込まれているので簡単には外せ無さそうでした。
強引にスライドを広げながら引っ張れば抜けそうですが、再度取り付けた際にロックが緩くなってしまったりするのが嫌だったので今回は取り外していません。
尚、フロントサイトを外すにはこのスライドインサートを外さないとネジを回す事が出来ない(かなり回しづらい)ので、注意が必要です。

スライドにガッチリハマっている
フロントサイトを固定しているネジはここにある

スライドストップが引っかかる部分は従来のGlockシリーズと同様に補強されていますが、材質はスチールになっていました。
スライドストップはスライドに直接当たるのではなく、スライドに埋め込まれている補強パーツに当たる為、スライドの消耗を防ぐ事が出来ます。

補強パーツは健在
左側のみ補強されている

尚、この補強はスライドの左側にのみ付いており、G17 Gen5 MOSで追加された右側のスライドストップは実質スライドには当たっていません。

ローディングノズル周りはこんな感じ。
同社のGlockシリーズはGlock 19 Gen3以降ブローバックエンジンを進化させ続けていますが、G17 Gen5 MOSでもさらなる進化を遂げており、全くの別物となっています。

ブリーチ・ローディングノズルの分解

という訳で、スライドからブリーチを外していきます。
まずはスライドストップの補強パーツとローディングノズルの後ろ側に付いている2本のネジを外し、少しブリーチを押し出した状態でマイクロプロサイトマウント基部を外します。

そのままスライドをグッと広げながらブリーチを押し出すと、このようにブリーチと一体になったローディングノズル+カバープレートを外す事が出来ます。

「マウントカバーロック」と「カバープレート」はこんな感じ。
G17 Gen5 MOSのこのパーツはMOSカバーのロック機構を兼ねている為2分割な構造になっています。

マイクロプロサイトマウント基部はこんな感じ。
ダイカスト製のパーツで、この基部パーツを作ってしまえばマイクロプロサイト以外のドットサイトも乗せる事が出来るようになるでしょう。
というか、既に設計してたり試作している方が大勢いらっしゃるので、そんなに時間掛からず製品化されそうな気がします。

このコの字状のパーツはこのようにブリーチに固定されています。

ブリーチ+ローディングノズルはこんな感じ。
従来の物に比べると非常に薄っぺらくなっており、Glock18Cのかまぼこ型シリンダーを更に幅広にしたようなデザインです。

また、ローディングノズルのリターンスプリングがブリーチ外側に付いていないというのも大きな変化だと思います。

ローディングノズルを前に引っ張った時に見えるネジ2本を外す事でブリーチとローディングノズルを分離させる事が出来ます。

ローディングノズルのリターンスプリングは同社の長物GBB系と同じような感じで、ピストンの内側に組み込まれており、ここを分解するにはローディングノズル側面のピンを抜きます。
このピンの中央にはくぼみが付いており、ここにリターンスプリングが引っかかる構造のようです

ピストン側はこんな感じ。
かまぼこ型のカップピストンですね。

ローディングノズル内部にはフローティングバルブが付いており、これは最近の同社製品でよく採用されている回転防止仕様の物です。

シリンダー側はこんな感じで異質な形をしています。
尚、従来のかまぼこ型シリンダーは高い負荷(圧力)が掛かった時に割れやすかったりピストンとの気密性が落ちるという問題があったりするのですが、角を丸めて極力丸に近い形状を保つ事によって、だいぶ改善されている気がします。

尚、ブリーチを抜いたスライド側はこんな感じ。
MOS用の穴が開いている分、スカスカですね。

スライド側から外せる最後のパーツはこのリアサイト。
今までのGlockシリーズはブリーチとリアサイトの固定を同じネジで行っていたのですが、G17 Gen5 MOSではリアサイト固定用のネジが別に存在しておりしかもこれがブリーチの裏側に付いている為、ブリーチを取り外さないとリアサイトを交換する事が出来ない仕様になっています。
また、形状も完全新規形状で従来の同社製リアサイトとの互換性はありません。

グリップ側の分解

スライド側はこのようにほぼ全てのパーツが専用品(バレルとHOPパッキンくらい?)でしたがグリップ側はどうでしょうか。

まずはマガジンキャッチを外しました。
G17 Gen5 MOSのマガジンキャッチは同社製のGlock17/19のGen4と同様に左右を切り替える事が出来ます。
その為、分解もGen3系よりもやりやすくなっており、赤矢印のスプリングの引っかかりを解除した後、マガジンキャッチを抜くだけです。

反対側に組み付ければ左右の入れ替え完了です。

マガジンキャッチの形状はこんな感じ。
マガジンに引っかかる部分は金属パーツで補強されており、左右入れ替えても大丈夫なように上下が対象になるような形になっています。

続いて、グリップ底部のランヤードリングを固定しているグリップパネルロック機構を外しました。
こちらも付属の説明書で取り外す事が出来るパーツとして記載されており、奥まった所に付いている2つのネジを外し、引っこ抜いた後ランヤードリング部をスライドさせるだけで外せます。

グリップ内側はこんな感じになっており、ランヤードリングを外した状態のグリップパネルロックパーツを戻す事でランヤードリング無しの状態で使う事が出来ます。

今回はこのまま分解を進めます。
まず、グリップ底部から見えるネジを緩めてグリップウェイトを外します。

続いてグリップ後部のピンを抜く事でハンマーASSYを取り外す事が出来ます。

ハンマーASSYの分解

ハンマーASSYはも従来のGlockシリーズと大きく異なっています。

大きな変化は各スプリングを抑えておく為?と思われる樹脂パーツが追加されており、ここにハンマースプリングも引っかかる構造になっているという点です。
組み立てやすくなったのかはちょっとまだ分かりませんが、大幅仕様変更です。

更に、外側から見ても分かるバルブノッカーの変化…。
何だこの構造は…。

ハンマーASSYは組み立てが面倒なので分解しない事もあるのですが、ここまで色々変わっていると分解したい気持ちが高まってきました。

という訳で、まずは追加されている樹脂パーツを外しノッカーロックを外します。

ハンマーのシャフト、バルブノッカーのシャフトを抜く事でハンマーとバルブノッカーが外せます。
バルブノッカー、ハンマー、ハンマースプリング全ての形状が新しくなっていますね。

従来のGlockシリーズでもローラーハンマーが採用されていますが、G17 Gen5 MOSではカスタムパーツであるゼロハンマーのような普通のローラーハンマーよりもより抵抗が少ないハンマー形状が採用されています。

バルブノッカーはこんな感じで、リターンスプリングやらローラーが確認できます。

このローラーは何の為にあるのか気になったのですが、どうやらバルブノッカーを逃がす為の構造をスムーズに動かす為の物のようです。
恐らくバルブノッカーが飛び出した状態でマガジンを勢いよく差し込んだ時にしっかり逃げてくれるようにする為の物でしょうね。

分解するとこんな感じ。
こんな極小のパーツに更に小さなパーツが…。

ハンマーシアーはこんな感じ。
G17 Gen5 MOSにはかなりこじんまりしたシアーが付いています。

ハンマーASSY内のパーツはこんな感じ。
ある程度の構造は従来のGlockシリーズを踏襲しているようですが、全てが新規という東京マルイの気合の入り方が伝わってきます…。
それにしても細かいパーツが多い…。

トリガー・スライドストップ周りの分解

最後にトリガー周りを分解していきます。
まず、スライドロックレバーを取り外し、インナーシャーシを固定しているネジとトリガーピンを外します。

これでインナーシャーシとトリガー、セーフティプレートを取り外す事が出来ます。

トリガープレートすら従来品から形が変わっています。
これくらい良いじゃんと思いますが、本当にこの製品、新規パーツだらけですね。

インナーシャーシももちろん新規。
今までスライドストップのリターンスプリングはシャーシとスライドストップの間に挟まっていましたが、G17 Gen5 MOSはインナーシャーシに付いている押しバネがその役割を担っています。

スライドストップはこんな感じで、アンビスライドストップの為左右にレバーが伸びています。

トリガーはこんな感じ。
写真に映っているスプリングは元々引きバネで実装されていたトリガーバーのリターンスプリングです。
これによりトリガーの引き心地が良くなっているような気がします。

流石にトリガー位は互換性があるのでは…?と思っていたのですが、トリガーバーの形状変更に伴いトリガーの形状も結構変わっています。

空っぽになったグリップはこんな感じ。
もちろん、G17 Gen5 MOS専用です。


という訳で、東京マルイ G17 Gen5 MOSの分解レビューは以上になります。
同社のGlockシリーズはGlock26から始まり様々な進化を経て今に至りますが、G17 Gen5 MOSではまさかのほぼ全てのパーツが新規という気合の入り方をしていました。

それ故に過去作を超える作動性を獲得しているのだと思いますが、あれこれカスタムしたい人は暫くの間カスタムパーツの登場待ちになるでしょうね…。

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