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Double Eagle Honey Badger by Q AEG M904Cの分解レビュー

記事作成日:2024年2月7日

先日開封レビュー記事を書いたDouble Eagle製電動ガン、Honey Badger by Q AEG M904Cを分解していきます。

外装パーツの分解について

という訳で、まずはハンドガードを取り外していきます。
Honey Badger by Q AEGのハンドガードはだいぶデフォルメされていますがロック機構は実物と同じような構造が再現されています。
ロックパーツの中央のナットを回す事で、ロック機構を縮めて取り外す事が出来ます。

この状態でハンドガードを引っこ抜く事で取り外す事が出来ます。

ハンドガードを外したらフラッシュハイダーを外します。
まずフラッシュハイダーに付いているイモネジを緩めてから時計回りに回していきます。

続いてガスブロック側面のネジを外してガスブロックを外すのですが、このネジ頭のサイズが変な事になっており、ミリサイズにもインチサイズにもトルクスもちゃんとハマらない上に、六角形の窪みが歪んでズレています。

どうしようも無いので無理やりネジを外すツールを使って外しました。
ネジ頭がナメた時に使うやつです。

無理やり取り外したネジを使い回す事は出来ないので、組み立てるさいは別のネジを用意する必要がありますが、とりあえずこれでガスブロックを取り外す事が出来ます。

続いてアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させます。
というか、先にこの作業をした方が記事の流れ的にスマートでしたね…。
別にハンドガードを先に外す必要も無かったですし…。

テイクダウンするにはピポッドピンを外します。
この製品のピポッドピンは抜けないようにネジで固定されているので、ネジを外して取り外す必要があります。

その後、アッパーレシーバーを前側にスライドさせればアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させる事が出来ます。

アッパーレシーバーからインナーバレル+チャンバーを抜きます。

インナーバレルを抜いたらバレルナットを取り外します。
バレルナット引っ掛けレンチやプライヤーを噛ませる窪みなどは無いものの、手で掴んで簡単に回す事が出来ました。

硬い場合はバレルナット前側に付いている窪みを使ってなんとかする必要があります。

アウターバレル基部はこんな感じで、一般的な電動ガン互換形状のようです。

アッパーレシーバーはこんな感じ。
チャージングハンドルやダミーボルト、ダストカバーなどが付いています。
尚、ダストカバーにはボルトリリースボタンに引っかかってボルトオープン状態に出来る構造が付いていたのですが、当製品のボルトリリースボタンはダミーなので、機能しません。

バレル基部側はこんな感じで、ハンドガードのセンター出しをする為の突起が付いています。

続いて、ロアレシーバー側からストックも取り外していきます。
ストックを抜いてバッテリースペースの蓋を外します。

その後、内側に付いているネジを外し、ロアレシーバーからストック基部を分離させます。

ストック基部はこんな感じで特殊な構造でロアレシーバーとくっついています。
違うストックに交換したい場合は同社製オプションパーツであるM4ストックアダプターに変える以外の選択肢は無さそうです。

尚、ピストンスプリングガイドQD仕様になっている為、ストックを外す事でピストンスプリングガイド+ピストンスプリングを取り外す事が出来るようになります。
ピストンスプリング周りについてはメカボックスの分解時に紹介します。

インナーバレル・チャンバーについて

だいたいの外装パーツの取り外しが出来たので、内部パーツを見ていきます。
まずはバレル〜チャンバー周りから。

インナーバレルは真鍮製でHOPチャンバーは同社製品ではおなじみのドラム式HOPダイヤルが付いた樹脂チャンバーが採用されています。

HOPダイヤルを取り外し、その後HOPアームを外します。
尚、HOPアームを固定しているシャフトははめ殺しされているので、片側の膨らみをニッパーで切除するか削って抜けるようにする必要があります。

HOPアームはこんな感じで、ひょうたん型のクッションゴムが付いています。
ゴムの硬度はかなり柔らかめで50度程度の硬さのように感じます。

続いて、バレルをチャンバーに固定しているバレルクリップを取り外し、ガタ取りのスペーサーも外します。

これでインナーバレルをチャンバーから取り外す事が出来ます。
HOPパッキンはこんな感じで硬度60〜70位の少し硬めな物が付いており、2点掛け(Vパッキン形状)になっています。

インナーバレルの長さは315mmでした。

マズル側のテーパーは深めな物が付いており、HOP窓は幅広かつ前側に軽いR面取りが施されているタイプです。
HOPパッキンやオイルによる物と思われる変色が始まっています。

グリップとモーターについて

続いてモーターを取り外します。
まずグリップ底部の蓋を外し、モーターからコネクタを外してモーターを取り出します。

モーターは相変わらずのラベル無しの物。
「FS480SA-6528G-87.5D」、「2022.4.6」と製品名と製造年と思われる記載が入っているだけです。

ピニオンギアはD型、ブラシ形状はレイダウン型です。

お世辞にも良いスペックのモーターとは言えず、回転数も遅くトルクも少ない製品です。
これをEG1000とかに交換するだけでだいぶ作動性は良くなりますが、11.1Vを繋いでもそんなに回転数が上がらないので11.1V運用を前提とするなら割と普通に使えるモーターだと思います。

その後、グリップの奥の方に付いているネジを2本外してグリップをロアレシーバーから分離させます。

ロアレシーバーからメカボックスを取り外します

ロアレシーバーからメカボックスを取り外すには「ダミーボルト」「マガジンキャッチ」「セレクターレバー」「テイクダウンピン」「トリガーピン」を外していく必要があります。

ダミーボルトはハマってるだけなので引っ張れば外れますし、マガジンキャッチはボタン側に付いているネジを外せば取り外せます。
セレクターレバーも見て分かるネジを外せば取り外せます。

テイクダウンピンを外すにはレシーバー後部から細い棒をテイクダウンに開いている穴に差し込んで勝手にシャフトが回らないようにしつつ、ネジを外していきます。

その後、トリガーピンを抜いたらメカボックスをロアレシーバーから分離させる事が出来るようになります。

メカボックスについて

Double Eagle Honey Badger by Q AEG M904Cのメカボックスは同社製の電子トリガー、Falcon DFCS 2.0が組み込まれているVer2亜種系メカボックスです。

VFC方式のアンビセレクターレバーにQDスプリングガイド、割れ防止加工などが施されている外ボルトリリースボタンと連動して動くパーツを取り付ける事も出来る仕様になっています。

軸受はすべて8mmでベベルギアのみボールベアリングが採用されています。
個人的にはこの構成が好きですね。(一番回転数の高くシャフトに対して横方向の負荷が少ないギアにボールベアリングを採用する仕様)

アンビセレクターレバーのギアはこんな感じ。

メカボックスを開ける前にピストンスプリングガイドを取り外します。

ピストンスプリングは不等ピッチの柔らかめな物で、硬さは4kg程度でした。
東京マルイ純正とほぼ同じ硬さのようです。

ピストンスプリングガイドはこんな感じで、スラストベアリングが付いています。
シャフト部分の長さが37mm程度しか無く、短いのが特徴です。

メカボックスの分解

メカボックスの外側に付いているパーツはこれで一通り外す事が出来たので、メカボックスのネジを外していきます。

メカボックスを開くとこんな感じ。
塗布されているグリス量は程よい感じでちゃんとシムも入っておりギア同士やギアとメカボックスが擦れないように最低限の調整は施されている印象があります。

まあ、電子トリガーが入っている製品でグリスまみれだとセンサーにグリスが付着して故障の原因になったり、シムが全く無かったりすると最悪セクターギアがセンサーに当たって破損させてしまう可能性もありますからね…。

ギアセットについて

グリスも逆転防止ラッチ、ベベルギア、スパーギアにのみ塗布されておりセクターギアにはほとんどグリスが塗布されていませんでした。
恐らくセクターギアに付着しているグリスはスパーギアに塗布されているグリスが移った物だと思います。

ギアセットはARESやAPS、E&L、Arcturusなどのメーカーでも採用されている事でおなじみの粉末焼結ギアです。

ノズル・タペットプレートについて

ノズルやタペットプレートはこんな感じ。
ノズルは成形樹脂、タペットプレートは黄色くソコソコ弾性のある物です。

タペットプレートを見る限気になるような歪みなどは無く普通に使えるレベルの物だと思われます。
補強とかは特にされておらず特徴も無いですが…。

ノズルはこんな感じで前方吸気にも対応しているタイプになっています。
気密を取る為のOリングは付いておらず、ノズル長は21.26mmでした。

ピストン・シリンダーについて

ピストンやシリンダー周りはこんな感じ。
ピストンとシリンダーヘッドは水色の樹脂製、ピストンヘッドはタペットプレートと同じ黄色い樹脂で出来ています。

シリンダーはステンレス製の加速シリンダーです。

シリンダーヘッドは色が特徴的なだけであってそれ以外は普通な感じです。

ピストンのラックギアは引き始めの2枚目が完全に削られており、引き終わりの3枚が金属歯になっているフルティースタイプ
ピストンヘッドは大きめの吸気穴が8個開いている後方吸気タイプです。

ピストンを分解するとこんな感じ。
ピストン内側にはスラストベアリングが付いており、ピストンヘッドを固定しているネジはタップネジでした。

トリガーとFalcon DFCS 2.0について

トリガーはこのようなストレートトリガーが付いています。
形状自体は一般的なスタンダード電動ガン用の物と同じ感じでFalcon DFCS 2.0用になにか形状が特殊になっているような事は無さそうです。

Falcon DFCS 2.0はこんな感じの2枚構成の基板になっています。

センサーはすべて光センサーになっており、トリガーを検知するセンサーが5個、セレクタープレートを検知するセンサーが3個付いています。
トリガーは感度調整が可能なので、その為に5個並んでいるのでしょう。
セレクタープレートの方はそれぞれのセーフ、セミ、フル用に3つ存在する感じです。

尚、セレクタープレートにはセンサーに反応させる為に白いシールが貼られています。
位置調整されている状態なので、これは剥がさない方が良いでしょう。

セクターギア検知用のセンサーも付いており、これは上側の基板と下側の基板でセクターギアの歯を挟み込むような形のレイアウトになっています。
恐らくこの2つのセンサーによってセクターギアの歯の位置を検知しているようです。

ちなみに、Falcon DFCS 2.0から伸びている配線は信号線含めて3本あり、ストック側に伸びる配線2本がメカボックスにグルーガンで固定されています。
組立時に配線がバラけないようにする為の物でしょう。(たまに自分もこの方法でケーブルを固定させます)


という訳で、Double Eagle Honey Badger by Q AEG M904Cの分解は以上になります。
内部パーツに関しては今まで分解してきたDouble Eagle製電動ガンと大きくは変わらない感じで、「絶対に交換しないといけない」と言えるようなパーツは殆ありませんでした。

調整・カスタムする場合は各々の好みで弄っていけば良いと思います。

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