CARBON8 STEYR L9A2の分解レビュー(バレル・ブリーチ・インナーシャーシなど一通り分解)
記事作成日:2024年3月22日
開封レビューから結構時間が経ってしまいましたが、CARBON8製CO2ガスブローバックハンドガン、STEYR L9A2を分解していきます。
という訳で、まずはスライドとグリップパネルを外した所から始めます。
ここまでの分解は説明書にも記載されている物で、グリップパネルを交換したりHOP調節を行う為に行うレベルの分解になります。
バレル周りの分解
STEYR L9A2のアウターバレルはアルミ製で、表面がメッキ処理されています。
黒色に塗装されている部分は外側のみで、内側はメッキの銀色と同色が確認出来ます。
また、日本国内でよく行われている自主規制と同じ感じでアウターバレルには穴が空いているのですが、ここの周囲も下地のメッキが見えています。
メッキ処理はドブ漬け、黒色の塗装はこの辺りに治具を取り付けて塗装を行ったのでしょうかね。
インナーバレル・チャンバーASSYはこんな感じ。
上部にはチャンバーについている隙間から確認出来る薬莢を模した金色のパーツが付いています。
この金色のパーツは左右の爪でチャンバーにハマっており、マイナスドライバーなどを突っ込んで剥がす事が出来ます。
その後チャンバー側面のネジを2本外す事で、チャンバーを真っ二つにできます。
HOPアームはよくある感じですが、HOPダイヤルにプランジャーが当たり、緩み止めになっています。
開封時点では気づかなかったのですが、無段階調整では無かったみたいですね。
また、ダイヤルも半回転くらいしか出来ないので、調整幅も少なそうです。
まあ、実際に屋外で撃った感じこの調整幅でも特に問題は無さそうでしたが…。
インナーバレルはアルミ製で103mm。
HOP窓周りはこんな感じ。
尚、インナーバレルについている溝がかなり独特な物で、チャンバーの形状的に見ても一般的なGBB用インナーバレルに交換する事は出来無さそうです。
HOPパッキンはゴム製の物に樹脂製のリングがくっついている仕様で、ノズルのくわえ込みがタイトめになる仕様になっていました。
HOPの突起はこんな感じで、東京マルイ形状に近いシンプルな凸形状です。
リコイルスプリングとダンパーについて
スライド前側にはラバーのダンパーが付いており、その後ろにリコイルスプリングが付いています。
ゴム製のダンパーは結構固めですが、スライド後退時の衝撃を和らげるにはこれくらいで良いと思います。
リコイルスプリングはCリングで抑えられており、Cリングとスプリングガイド共に樹脂製です。
ローディングノズルの分解
続いて、ローディング周りを見ていくのですが、その前にスライド側の仕様についても触れておきます。
CARBON8 STEYR L9A2のスライドはKJ Works/ASG STYER L9A2と異なり樹脂製(ナイロン樹脂)になっています。
単に樹脂になっているだけではなく、ちゃんとスライドストップがぶつかる部分の補強用にスチールのピンが打ち込まれています。
ローディングノズル・ブリーチはこんな感じで、ブリーチはスライドにネジ3本で固定されており、これらのネジを外す事でブリーチが外せます。
ブリーチはスライドに引っかかってたりはしていないので、ネジを外したら落下します。
ブリーチからローディングノズルを外し、カップピストンも外しておきます。
ローディングノズルはこんな感じで、側面にフローティングバルブを抑えておく為のピンが刺さっています。
ピンを抜く事でフローティングバルブを取り外す事が出来ます。
フローティングバルブスプリングは柔らかいですが、フローティングバルブ自体は穴が大きく、ノズルも特に絞られていないので、ガスの流量調整はマガジン側で行われている物と思われます。
フロントサイト・リアサイトの取り外しについて
フロントサイトはスライド内側のイモネジを外した後、横にスライドさせる事で取り外す事が可能で、リアサイトに関してはブリーチを固定しているネジを外した時点で取り外す事が出来ます。
社外製のアクセサリーへの交換とかは簡単に行えそうですね。
マガジンキャッチの分解について
続いて、グリップ側の分解をしていきます。
とりあえずまずはマガジンキャッチの分解から。
CARBON8 STEYR L9A2のマガジンキャッチは左右を入れ替える事が可能な製品で、着脱は容易に行えます。
マガジンキャッチを左側から押せるようにするとこんな感じになります。
シャーシ・トリガー・ハンマー周りの分解
続いて、インナーシャーシをグリップから外していきます。
しかし、CARBON8 STEYR L9A2のインナーシャーシを固定しているネジは分解防止対策として緩める方向に回転出来ない仕様の特殊なネジ頭になっています。
「これ以上は分解するなよ」という意思表示だと思われるので、これ以上の分解はメーカー的にはNGでしょう。
とは言えこのネジ、普通にマイナスドライバーで外せます。
ちょっとネジ頭に傷が付きましたが、特に専用工具も加工をせずとも難なく外せました。
こういうのは『分解防止ネジを使っている』という事自体に意味があると思うので、これくらい簡単に分解出来る方が分解する事を目的にして製品を購入している自分としては有り難いです。
ただ、本当にしっかりした分解防止対策をやるなら破壊しないといけないような形の方が良いのでは…とも思います。
例えば同社のM45シリーズははめ殺しのピンによってインナーシャーシとハンマースプリングハウジングが固定されており、その辺りを分解するにはパーツの加工もしくは破壊が必要でしたし、CZ P09/CZ 75ではハンマースプリングが交換出来ないようにはめ殺しのピンで固定されており、こちらも逆側から穴を開けるなどの加工及び破壊が必要でした。
もっとも、STEYR L9A2に関してはベースモデル(KJ Works/ASG STEYR L9A2)の構造上、ここを分解防止ネジにするしか方法が無かったのだと思いますし、この仕様でSTGAが認可を通しているという事は、こういう対応でも業界的には問題が無いという事なんでしょう。
とりあえずこの特殊ネジを外したら後は簡単です。
ハンマー側のネジを外し、テイクダウンレバーを斜めの角度にした状態で抜きます。
後はセーフティレバーを押しながらインナーシャーシを持ち上げるだけ。
これでグリップからインナーシャーシを分離させる事が出来ます。
セーフティレバーはこんな感じで、内側に小さなスプリングが入っています。
このパーツは特に固定されていないので、インナーシャーシを外したら脱落します。
スライドストップレバーも特に固定されていないので、こちらも外しておきます。
インナーシャーシにはトリガーやハンマーなどのユニットが組み込まれているSIG P320のFCUみたいな構造になっています。
インナーシャーシ(FCU)の分解
という訳でこちらのインナーシャーシを分解していくので、まずはディスコネクターを外します。
トリガーバーは簡単に噛み合わせを外す事が出来るので、外しておきます。
続いて、インナーシャーシのネジを外し、インナーシャーシを真っ二つにします。
インナーシャーシを真っ二つにしたらトリガーは簡単に外せます。
後はトリガーに付いているピンを抜いていくだけでスプリングやトリガーバー、トリガーセーフティを外す事が出来ます。
トリガーバーに押されてハンマーのシアーを解除するパーツを外します。
ハンマーはこんな感じ。
ハンマー・ハンマースプリング、バルブノッカー・バルブノッカースプリングを外すとこんな感じ。
シンプルな構造で組み立てもしやすそうです。
また、基本的には専用品のようですが、ハンマースプリングに関しては探せば互換性のある物が見つかりそうな気がします。
ハンマーにはゼロ・ハンマーのような機構が備わっていますが、ここにもスプリングが付いています。
という訳で、CARBON8 STEYR L9A2の分解レビューは以上になります。
同社製品は基本的にシャーシ側に分解防止対策が施されているのですが、その中では比較的分解し易い部類だったかなと思います。
個人的には初速が結構高めに出るのでハンマースプリングを柔らかくするか、フローティングバルブ側を弄って初速を下げる調整を行えたら良いかと思っています。