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LCT LK-33A2(HK33A2) AEGの内部を弄っていきます(11.1V対応ローサイクル仕様)

記事作成日:2024年4月9日

LCT製電動ガン、LK-33A2を2ヶ月ほど分解しましたが、こちらを調整していく事にします。
今まで放置していた理由は特に無く、単にやる気がでなかったから放置していただけです。

弄る為に追加・交換しようと思っていた部品自体は結構前に買い揃えていたので、そちらを組み込みつつ紹介していきます。

という訳で、今回の目的は「ハイサイクルではない11.1V対応の電動ガンを増やしたい」という事から11.1Vで回してもそこまで発射サイクルが高くならないようにしつつ、アウターバレルが長い事から極端にインナーバレル長が短くならないように調整していく想定で組んでいきます。

ピストンのセットアップについて

ピストンに関しては今回、重量ピストンを久しぶりにやってみる事にしました。
こちらは精密射撃を行うような物ではなく、ある程度狙ってフルオートでばら撒くようなLMG的な運用を想定しているので、ピストンの動作によるブレはあんまり気にしていません。

最近、重くても30g位のピストンばかり使っていたので久しぶりに50gクラスの物を使おうかと思い、BATON Airsoft製の流速ヘビーウェイトピストンヘッドを買ってきました。
ピストンはLCT純正のままです。

こちらのピストンヘッドは単体で既に21gという重さ(ネジやOリングを抜いても19gある)の製品で、ピストンと組み合わせるとちょうど50gの重量になりました。
尚、AOE調整用のステンレスワッシャー(1.5mm)や重量調整用にスラストベアリングのガワを4枚+ステンレスワッシャーという具合に全体的に重めなセッティングにしています。

OリングはいつもどおりG.A.W. FRUS Oリングを使用しています。

先述の通りAOE調整用に1.5mmのワッシャーを入れているだけなので、調整は不十分ですがこれであればラックギアの加工不要で済むので最近はこれくらいの調整に済ませてしまう事が多いです。

シリンダー周りのセットアップについて

シリンダー周りに関しては一式変えました。
まず、シリンダーヘッドは樹脂製の物が欲しかったのと、SLONG製の変わった形の物を試したかったので『SLONG AIRSOFT SL-00-38』というポリカーボネート シリンダーヘッドを購入。
シリンダーはASG EVO3に入っていた加速シリンダーを使用しています。

SLONG AIRSOFT SL-00-38 ポリカーボネート シリンダーヘッド Ver2はこんな感じで、通常シリンダーとの気密を保つ為に付いているOリングがカップ型みたいな台形をしたパッキンに変更されています。

こちらはシリンダーやメカボックスの僅かな寸法差・個体差による気密漏れを低減させる事を目的としている感じの形状のような気がします。

確かにこれならかなり幅広い範囲での寸法差を許容できるので組み立てが楽になりそうです。

シリンダーヘッドはそのまま使うのではなく絞りを入れました。
初速調整の意味合いもありますが、それ以上に重量ピストンの動作によるメカボックスの負荷を減らす事が目的で、今回は真鍮パイプ+ブラ棒を使って内径2.5mmまで絞っています。


ノズルについては純正で特に不満が無かったので、そのまま流用しているのですが、タペットプレートに関しては組み合わせのチェックをしている時に長さが短くてノズルにギリギリ引っかかっているような状態になっている事が分かったので、こちらは交換する事にしました。

このように、シリンダーにタペットプレートをピッタリくっつけたような状態でもノズルとタペットプレートの間に隙間が生じています。

シリンダーにタペットプレートをピッタリくっつけた状態
タペットプレートの先端部分が少し引っかかっているだけで、ノズルとの間に隙間が生じている

という訳で、タペットプレートをSHS製のVer2用 ポリカーボネートタペットプレートに変更、この製品であれば隙間なくきっちノズルに引っかかってくれました。
その後、メカボックスへの組み込みテストを行ったりした感じ特に問題も無さそうでした。

LCT純正のタペットプレートとSHS Ver2用タペットプレートを比較するとこんな感じで、明らかに高さが異なっています。

ノズルの位置が若干下にズレているような製品であればいざしらず、LCT LK33のシリンダーヘッドは純正でもVer2/Ver3系と同じでシリンダーに中央にノズルが配置されているので、タペットプレートの寸法がおかしいだけだと思います。

軸受とギアセットについて

LCT LK-33の純正軸受は分解レビュー時にも紹介しましたが、明らかに寸法がおかしくギアのシャフトが圧入されているような状態になってしまう上にボールベアリングなのに全然スムーズに回らなかったりと色々問題があるので、以前LCT LK-53を弄った時と同様にSHS製の潤滑スチールCNC軸受け 9mmに変更します。
9mm軸受って選択肢が殆ど無いので、入手性の高さからこの製品一択なんですよね…。

ギアセットは11.1Vを使っても回転数を上げない為に100:300 ヘリカルギアセットを使用。
やっぱり回転数上げたくない時はこのギア比に限ります。

100:300のギアセットはSHSやらBigDragonやらZCやらと色々なメーカーを試していますが、だいたい作ってる所が同じなのか基本同じ仕様ですね。(価格帯も同じ)
また、ギアセットに高い金額を出したくないので、その時に入手出来る一番安いメーカーの物を買ってます。

今回はZC製の100:300(ZC-GEAR-006)を買ってきました。

ギアセットの見た目はこんな感じ。
ベベルギアのラッチ枚数は6枚、ベベルギアとスパーギアのシャフト周りにはグリス溜まりがあり、セクターギアにはアライメント用の穴が空いている、至って普通の形状のギアセットです。

確認した限りでは軸ブレも特に無く、歯のバリも特に確認出来なかったのでそのまま使います。
一手間かけるなら、グリスの代わりに研磨剤を歯に塗布した状態で動作させる事でギアノイズを減らす作業を行ったりする事もありますが、今回はそのまま使います。

という訳で、まずは軸受をメカボックスに取り付けていきます。
メカボックスと軸受を脱脂して、軸受を圧入+ロックタイト638 はめ合い接着剤で固めます。
正直接着剤が不要なんじゃないかと思えるような圧入具合でしたが、念の為に塗布しておく感じです。

その後、ギアを取り付けて動作確認をするのですが、LCTのメカボックスは酷く歪んでいるので最低ネジを3本締め込んでしっかりメカボックスを閉じないとまともに仮組みの検証が出来ません。
これが精度の出ていないメカボックスの面倒くさい所ですね…。

メカボックスの組み立て・調整

ギアがスムーズに回る事とどこにどの程度シムを入れれば良いかを確認したらシム調整をしていきます。
その後、シリンダーやタペットプレート、ノズルなどを組み込んだ状態で問題が無いかを確認。

確認内容は、主にメカボックスをどちら側にかたむけてもギアの面同士やギアとメカボックスが擦れない事、ノズルを動かしてもセクターギアが動かない(タペットプレートとセクターギアの干渉が無い)かどうかですね。

特に問題が無かったので、スイッチやトリガー周りのパーツを取り付けてグリスアップ。
スイッチやトリガー周りは純正のまま(スイッチの接点にだけ接点グリスを塗布)で、グリスはG.A.W. Gグリースを使用しています。

M4系電動ガンの場合は一旦グリップだけ取り付けての動作チェックとかをやったりするのですが、LK-33はグリップがロアレシーバー一体型になっているので、ロアレシーバーに取り付けないと動作テストが出来ません。

なので、ロアレシーバーにメカボックスを組み込んでいきます。
尚、モーターはLCT純正のままにしました。

このモーターはかなりトルクにスペックを振っている製品のようで、11.1Vで回してもそこまで回転数が上がらなかったので、今回の構成には合ってるかなと思い純正モーターをそのまま使う事にしました。

とりあえずピストンスプリングも純正の物を組み込み、とりあえず7.4Vで動作テスト+ピニオン位置調整。
ヘリカルギアらしい独特な動作音を鳴らしながら、問題無く動作してくれました。

動作の問題が無い事が確認出来たので、ピストンスプリングを組み込みます。
今回組み込んだピストンスプリングはAIRSOFT97 M105 等ピッチスプリングです。

流量を減らして初速を下げる為にノズルもガッツリ絞っている状態ですが、今回は加速シリンダー+50gピストンという組み合わせなので、これくらいの硬さのスプリングでも十分過ぎる初速が稼げるはずです。

バレル・チャンバー周りのセットアップについて

チャンバーに関しては純正をそのまま流用するのですが、HOPパッキンとインナーバレルは変更する事にしました。
HOPパッキンはG.A.W. マルチフィット 保持ぴったんを使用、インナーバレルは余っていた長さ200mm、内径6.04mmの真鍮製インナーバレルを使用します。

G.A.W. マルチフィット保持ぴったんをそのまま組むとCクリップを取り付ける事が出来なかったので、先端部をカット、またチャンバーの内径に合わせてカプトンテープでバレルの外形を太くしました。
それと、チャンバーへの取り付け後のBB弾の装填チェック時にHOPパッキンの口が若干給弾ルート側に飛び出しており、このまま使うと巻き込んでしまう状態だった為、口を若干カットしました。

また、チャンバー側の内側にくぼみを作ってBB弾が止まるようにしました。
LCTの電動ガンは給弾周りに問題が起きる事も少なくはないので、とりあえずやっておいた方が良い措置だと思います。

HOPアームやダイヤルなどはそのままですが、HOPクッションはいつも使っているシリコンチューブに変更しました。
また、HOPアーム自体にガタツキがあったのでアームの左右に1.3mmのシムを入れました。

これで組み立て。
ただし、このままだとアウターバレルに対してインナーバレルが短すぎる状態だったので、外形9mm内径8mmの真鍮パイプを取り付けて延長させました。
アウターバレルとのガタ取りもかねてカプトンテープを使って先端部と中腹部を太くしています。

コネクタ交換について

という訳で、内部パーツの準備が一通り出来たので組み上げて初速チェックを行っていくのですが、その前に最後のカスタム。
コネクタ交換です。

純正のミニコネクタをXT30に交換しました。

ヒューズは変わらず付けていませんが、これは外で撃ってみての検証が終わったら物理スイッチをやめて電子トリガー化する事を検討しているので、一旦付けなくても良いかなと思い、付けていません。

初速と動作について

という訳で、組み上げた状態で動かしていきます。
バッテリーは11.1V 1200mAh 45-90C LiPoバッテリーを使用、初速テストに使用したBB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

初速はHOP最低の状態がもっとも低く83m/s前半程度、HOPを強くしていくと初速が上がっていき最大初速では93.6m/sでした。
高くても94m/s台には突入しない感じだったので、とりあえずこれで問題無いかなと思います。
また、フルオートの発射サイクルは秒間16.1発と11.1Vで動かしているとは思えないゆっくりした発射サイクルになっています。

HOP最低の状態(最低初速)
HOP最大の状態(最高初速)
フルオートの発射サイクル

尚、7.4Vで動かすと秒間11発程度まで下がります。

動作の様子(11.1V使用時)はこんな感じ。
ギアノイズはまあ、ありますね…。(やっぱり磨いておけば良かったかな…)

めちゃくちゃうるさい訳では無いので、まあ今回はこれで良しとしましょう…。


という訳で、LCT製電動ガン LK-33の調整・カスタムはこんな感じです。
この状態で外で撃ってみて、特に問題無ければ電子トリガーの組み込みとかを行っていこうと思っています。

組み上げた状態
バイポッドや40連マガジン、マウントベースなどを取り付けた状態

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