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結構大きなリフレックスサイト、Frenzy Plus 1x22x32 SMR マルチレティクル(SCRD-SM44)のレビュー

記事作成日:2024年6月7日

つぼみアームズ様からVector Optics Frenzy Plus 1x22x32 SMR マルチレティクル(SCRD-SM44)をお送りいただいたのでレビューしていきます。

本製品はFrenzy Plusシリーズ第二弾となる製品で、第一弾のAimpoint ACRO風ドットサイト(SCRD-SM63)とは異なり、今度はリフレックスサイト型の製品になります。
ただし、一般的なリフレックスサイトとは異なるサイズ感の製品である事が特徴となっています。

ベクターオプティクス ドットサイト Frenzy Plus 1x22x32 Red Dot Sight Solar Power Vector Optics SCRD-SM44 【2024年モデル】ソーラーパワーマルチレティクルhttps://tsubomi-arms.net/shopdetail/000000004985

付属品について

観音開きのようなパッケージになっており、ドットサイト本体(マウントベース付き)と工具類、説明書、保証書、クリーニングクロスが同梱されています。

工具はL字レンチ2本と十字架のような形をしている樹脂製ドライバーです。
細いマイナスドライバー部のみ金属製になっています。

外観レビュー

Frenzy Plus 1x22x32 SMR マルチレティクル(SCRD-SM44)の外観はこんな感じ。
後ほど比較も行いますが、結構大きいです。

レンズが奥まった所に設置されており、レンズの大きさ故結構湾曲している事が分かります。

左側にはラバー製の輝度調節ボタンが付いており、右側にはVector Opticsのロゴと電池収納スペースが設置されています。

輝度は10段階(可視光8段階、NVモード2段階)の調節が可能で、+ボタンを長押しする事でレティクルを切り替える事が出来ます。
消灯は-ボタン長押しです。

フレーム上面にはソーラーパネルが付いています。

電池を入れるにはまず側面のネジ2本を外してマイナスドライバーのような細い板を差し込んでスロットを外します。
電池はCR2032を1つ使用します。

発光モジュール部にはマウント固定用ネジと乱反射防止用の段差が付いています。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはこんな感じ。
カチカチとしたクリック感があるダイヤルですがクリック感は結構柔らかめです。
レティクルの稼働量は上下左右共に100MOAと結構調整範囲が広いです。

マウントベースはピカティニーレール(MIL-STD-1913)に対応しており、QDレバー付きの物になります。
QDレバーの反対側のナットを回してテンション具合を調節します。

ピカティニーレール用の規格になっているので、特殊なピッチのレールへの取り付けは出来ない可能性があるので注意が必要です。

QDレバーのロックを解除するとこんな感じ。
ロックレバーの操作はかなりスムーズに行えます。

マウントベースを取り外すとこんな感じ。
フットプリントはGINという名前で、C-More RTS/STSシリーズ互換のフットプリントとなっています。(恐らくVector Opticsでは初採用のフットプリントではないかと思われます)

一応既製品の規格には合わせているようですが、RMRやDocterなどのフットプリントと比べるとマイナーな規格なのでマウントベースの選択肢はかなり狭いと思われます。
社外製マウントベースを使いたい場合には注意が必要です。

レンズコーティングと覗いた時の様子について

レンズコーティングは赤、オレンジ、緑と反射するマルチコートが採用されています。
綺麗なコーティングですね。

覗いた時の様子はこんな感じ。
全体的に青みが強くグラデーションが掛かっています。
透明な部分はレンズ全体の下の方だけなので、透明度の高いレンズが欲しい人には向いていないと思われます。

レティクルを点灯させるとこんな感じ。
本製品はドット、サークル+ドット、サークルの3種類のレティクル形状が用意されているマルチレティクルモデルになります。

ドット
サークル+ドット
サークル

サークルレティクルはこんな感じ。
サークルのサイズはよくある65MOAよりも小さく、30~40MOA程度のように感じます。(カタログスペック状サイズの表記が無い)
また、中央のドットは3MOAです。

尚、ソーラーパネルモデルなので、明るい環境下においては電池を使用せずにレティクルを点灯させる事が出来ます。
ソーラーパネルには電池を抜いた状態でもレティクルを発光させる事ができる程度の性能があります。

電池を抜いた状態
必要以上に輝度を上げる事は出来ないものの、十分な視認性がある

レンズの歪みとパララックス計測

続いて、いつも通りレンズの歪みとパララックス量を調べていきます。

2m先のモニターを覗いてみた結果はこんな感じ。
全体的に歪んでおり、特に中央上部の歪みが大きいです。
よくある魚眼レンズ的な歪みではなく、四隅に引っ張られるような感じで像が変形している事が分かります。

パララックスの具合はこんな感じ。
上方向のズレは控えめですが、下方向は許容範囲ギリギリ。
左右は少しはみ出るような感じでした。

パララックスよりも、歪みがかなり大きい事が気になりますが…。(特に上側の歪み)

サイズ比較

Frenzy Plus 1x22x32 SMR マルチレティクル(SCRD-SM44)をRMRレプリカドットサイト(Holy Warrior製)と比較してみます。

22x32mmというレンズサイズから本体の大きさは察する事ができるのですが、こうやって並べるとミニリフレックスサイトのような見た目であってもかなり大型な製品である事が分かります。

最近、レンズが大きなミニリフレックスサイトが増えてきていますが、それ以上のサイズです。

底部のサイズはこんな感じ。
前後も左右も大きい事が分かります。

レンズの大きさはこんな感じ。

銃に取り付けた時の見え方について

銃に取り付けるとこんな感じ。
高さ自体は一般的なローマウントベースの製品と似た高さになるので、ハイマウントを必要としない製品と組み合わせる事が出来ます。

例えばP90とかは丁度よい高さになります。


結構大きなリフレックスサイト、Frenzy Plus 1x22x32 SMR マルチレティクル(SCRD-SM44)のレビューは以上になります。

Vector Opticsは様々なドットサイトを販売していますが、その中でもかなり特徴的で癖の強い製品のように感じました。

大きすぎず小さすぎずみたいな感じの、こういうサイズのリフレックスサイトはかなり珍しい部類なので、例えばHOLOSUN HS510Cだと大きすぎるけどDOCTERやRMRのようなミニリフレックスサイトだと小さすぎると感じており、中間サイズが欲しい人には最適な製品では無いかと思います。

ただし、ちょっと無茶な設計がレンズ性能に現れているような印象もあります。
せめてもっと長ければ(発光モジュールとレンズの間隔が広ければ)レンズの湾曲を減らし、歪みを抑える事が出来たのではと思いますが、そうなるとHOLOSUN HS510C位のサイズになってしまうでしょう…。

ベクターオプティクス ドットサイト Frenzy Plus 1x22x32 Red Dot Sight Solar Power Vector Optics SCRD-SM44 【2024年モデル】ソーラーパワーマルチレティクルhttps://tsubomi-arms.net/shopdetail/000000004985