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KSC製ガスブローバックハンドガン、SIG PRO SP2009の分解レビュー

記事作成日:2024年8月1日

先日レビューしたKSC製のガスブロックハンドガン、SIG PRO SP2009(GSG9 創設30周年記念モデル)を分解していきます。

尚、KSC SIG PRO SP2009のGSG9 創設30周年記念モデルは通常のSP2009・SP2340と刻印周りが違っているだけでそれ以外の仕様は同じです。

スライドの取り外しについて

という訳で、まずはスライドの取り外しから。
スライドを交代させた状態(スライドストップの突起とスライドの窪みをあわせた状態)にして、反対側からスライドストップを押します。

スライドストップを外すとスライドを前にズラせるようになります。

スライドの内側はこんな感じ。
開封レビューでも触れましたが、スライドストップ部は補強がされていないので、削れないようにスライドストップの操作には気をつけた方が良いでしょう。

尚、この仕様の製品を中古で購入するとスライドストップが当たる部分が削れている事が多いのですが、本製品は綺麗な状態でした。

バレル周りのパーツ(リコイルスプリング・バレル・チャンバー)について

まず、バレル周りのパーツを見ていく為にリコイルスプリングを外し、その後バレルASSYを取り外します。

リコイルスプリングとリコイルスプリングガイドはこんな感じ。
リコイルスプリングは薄い板になっているタイプで、実銃でもよくこのタイプのスプリングが使われているのを見かける気がします。

尚、スプリングはソコソコ錆びており、リコイルスプリングガイドの方も後ろ側にサビが出ていました。
流石に金属部品は錆びますね…。

バレルASSYはこんな感じ。
チャンバーに入っているSIG Armsのロゴは外側から見えない所ですがしっかり入っています。

給弾用のスロープとチャンバー(HOPパッキン)はこんな感じ。
チャンバーの下に金色のパーツが付いていますが、これはチルトダウン時にバレルを水平に保つ為のプランジャーです。

このプランジャーのお陰でアウターバレルが上を向いてもバレル自体の角度を変えなくて済むという感じです。

という訳で、バレルASSYを分解していきます。

まず、チャンバー底部に付いているピンを2本外し、続いてインナーバレル先端に付いているOリングを外します。
これでアウターバレルとインナーバレルを分離させる事が出来ます。

アウターバレルとインナーバレルの固定方法が独特ですね。

インナーバレルとチャンバーはこんな感じで、バレルは黒色で塗装されており、チャンバーは独特なHOP調節機構が付いています。
尚、インナーバレル先端はOリングを取り付ける溝に加えて取り外しやすいように左右に溝が掘られています。

チャンバーはこんな感じ。
HOP調整時のクリック感を出す為に2本のスプリングが付いていますが、実際は3本取り付けられそうな気がします。
説明書の分解図を見るとスプリングは2本で正解のようですが…。

尚、このチャンバーを分解するにはチャンバー中央に刺さってるバレルクリップのようなパーツを外す必要があるのですが、このパーツは接着されており簡単には外せない仕様になっているようです。

隙間に細い物を突っ込んで無理やり剥がすとかすれば分解出来るとは思うのですが、HOPパッキンの状態も悪くは無さそうでしたし組立時に再接着が必要である事を考えるととりあえず分解はしなくても良いかなと思ったので、これ以上の分解はしないでおきました。

ブリーチ周り(ローディングノズル・ピストン)について

スライドからブリーチを外すにはまずブリーチを固定しているネジを外し、スライドの左右を少し開いた状態で机などに打ちつけます。
この手順は説明書にも記載されています。

ブリーチが収まっていたスライドの内側はこんな感じ。
ブリーチ用のネジ穴は真鍮インサートで補強されています。

SP2009のブリーチはこんな感じ。
シリンダー用のリターンスプリングとして2本の引きバネが付いています。

ブリーチ全体
シリンダーを前進させた状態

こちらも分解していきます。
まずリターンスプリングを外し、ブリーチ後部からピストンを固定しているネジを外します。
これでピストン(ローディングノズル付き)とシリンダーをブリーチから分離させる事が出来ます。

シリンダー中央からノズルが生えている構造なので、シリンダー中央には気密を保つ為のOリングが付いており、Oリングを抑える為の真鍮製のパーツが付いている事が分かります。

ノズル付きのピストンはこんな感じ。
写真の状態はノズル側にガスが流れない状態です。
BB弾がチャンバーに装填される事でノズル先端が押され、フローティングバルブが開放されノズル側にガスが流れるようになります。
まあ、構造は違いますが仕組みはマグナブローバックですね。

ノズルの動きはこんな感じ。
ノズル先端が飛び出した状態になっていると銃口側に繋がる穴が塞がっている状態で、BB弾が装填されると銃口側に繋がる穴が開き、BB弾がノズルから離れるとこの穴が塞がるという仕組みです。

無負荷状態(BB弾未装填状態)はバルブが閉じられている
BB弾がチャンバーに装填され、ノズルが押されるとバルブが開放される

フローティングバルブバルブを取り外します。
ここを分解するにはピストン側面のロールピンを抜き、ピストンの内側に入っているパーツを抜きます。

尚、ピストンの内側に入っているパーツはかなりガッチリ圧入されており、抜くのに結構力が必要でした。

フローティングバルブとバルブスプリング、ピストン内のパーツはこんな感じ。
ここにもOリングが付いていましたが、劣化は確認出来ませんでした。

アイアンサイトについて

アイアンサイトはスライドの側面から圧入されているだけなので、横側からグッと押せば抜けます。

グリップ(インナーシャーシ・トリガー・ハンマー周り)側について

続いてグリップ側を見ていきます。
一般的なガスブローバックハンドガンと同様に樹脂製のフレームにハンマーASSYとインナーシャーシが付いています。

ハンマー周りにはグリスがしっかり残っており、粘度も残っていました。
古い製品だと劣化したカスカスなグリスが付着している事があるのですが、そういう状態では無かったですね。
ハンマーやシアーの動きもスムーズです。

グリップ側の分解を進めるにはまずグリップパネルを取り外します。
グリップパネルは内側から爪を押しながら下方向にスライドさせる事で取り外せます。

これでメカメカしいハンマーASSYを確認出来ます。
実銃の内部構造までは知らないのですが、もしかして再現してたりするのでしょうか…。

続いて、ハンマースプリングの上に付いているカバー状のパーツ(トリガーバープッシャー)を外します。

続いてインナーシャーシを外し、スライドストップ用のスプリングを外していきます。

ちなみにKSCのロゴはデコッキングレバーの裏側に入ってる事にこの時に気づきました。

次にトリガーを外します。
トリガーピンは片側にスリットが入っている為、抜く方向が決まっています。
トリガーを外すとトリガーバーやトリガースプリングを取り外す事が出来ます。

トリガー本体はこんな感じ。
物理セーフティの機構が付いているので、かなり特徴的な見た目をしています。

トリガーを外したらハンマーASSYを取り外す事が出来るようになります。
2本のピンを抜いてからハンマーASSYを上側にスライドさせる事で取り外す事が出来ます。

ハンマーASSYはこんな感じ。
こちらのASSYを分解していきます。

尚、ハンマーASSYの分解は組み立ての事を考慮してどこのパーツがどのように固定されているのかをしっかり覚えておく必要があります。
パーツ点数の多さもそうですが細かなパーツ・スプリングも多く、色々な部品同士が噛み合って動作する構造なので組立方法が分からなくなる可能性があります。

ちなみに、自分は組立時1回失敗して再分解するハメになりました…。

まず、デコッキングレバーを外します。
デコッキングレバーはスプリングを外した後、ピンを抜くことでシアーと一緒に外せます。

ハンマースプリングはスプリングを圧縮した状態でスプリングガイド先端に付いているピンを抜く事で取り外す事が出来ます。

その後、ハンマーピポッドピンを抜き、ハンマー本体とハンマーレバーを取り外します。
このハンマーレバーとハンマースプリングガイドが連動して、ハンマースプリングを圧縮する仕組みになっています。

続いて、ハンマーとバルブノッカーの間に付いているパーツを外します。
このパーツの中に付いている棒状のパーツがハンマーで叩かれてバルブノッカーを押し出す感じですね。

という訳で、ハンマーASSYの分解は以上です。

最後にマガジンキャッチボタンを外そうと思ったのですが、いまいち外し方が分からず…。
SIG P320と同じかと思いきやなんか同じような方法では外せなかったので、諦めました。
まあ、塗装でもしようとしない限り別に外す必要のあるパーツでは無いので、今回は良いかな…。


という訳で、KSC SIG PRO SP2009(GSG9 創設30周年記念モデル)の分解レビューは以上になります。